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成功者に学ぶ!今からマネできる「時間の使い方」

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昨今、「働き方改革」が叫ばれています。企業が残業削減・労働時間短縮に取り組む中、個々人に「限られた時間で生産性を高める」ことが求められています。実際、「時間あたりの生産性」を人事評価の指標にする企業も増えてきました。

転職エージェントという立場で、数千人以上の経営者やエグゼクティブビジネスパーソンを見てきた森本千賀子さんによると、「成功して高い地位にのぼりつめている人は、そもそも時間の使い方の概念が違う」と言います。そこで、デキる人たちは、時間の価値をどうとらえているのかをお聞きしました。

森本さん自身もリクルートグループで20数年にわたってトップの業績を挙げ続け、NHK「プロフェッショナル~仕事の流儀」にも出演。現在は経営者として活躍する、いわば成功者の一人です。森本さんが実践して「効果あり」と感じているという工夫も語っていただきました。

 

森本さんの新刊『カリスマヘッドハンターが教える のぼりつめる男 課長どまりの男』から抜粋してご紹介します。

 

どうせいつかやることは「すぐにやる」ことで価値が高まる

取引先への連絡や書類の送付。緊急でないものはついつい後回しにしてしまう人は多いのではないでしょうか。
しかし、成功している人々を見ると、何かにつけて「初動が早い」と感じます。
あるとき、10名の経営者の方々に同時に、「会食をお願いしたい」というメールをお送りしたことがありました。返信がきた順番を見ると、より優れた成果を挙げている方のほうが早く返信をくださるという傾向が如実に見てとれました。

例えば、面談後のお礼のメール。
何週間か何ヵ月か経ち、再びその人と連絡を取る機会が訪れてようやく「先日はありがとうございました」とコンタクトを取る人も少なくないのではないでしょうか。しかし、どうせいずれ送るものであれば、一刻も早い方が、相手に好印象を与え、信頼獲得につながります。

同じ行動でも、起こすタイミングによって相手に与えるインパクトが変わります。その作業に使う時間が変わらないなら、「すぐにやる」。それにより、その行動の価値が大きく高まるのです。

「今この時間、何をするのが効率的か?」を考える

新幹線で出張へ。さて、移動中、あなたは何をして過ごしていますか?
とりあえずスマホでメールやSNSのメッセージをチェックしたり、目にとまったニュースや記事を読んだり。時々ウトウトしたりしている間に目的地に着く――そんな感じの方も多いのではないでしょうか。
新幹線移動の数時間に何をすべきなのか。――はっきりいえば、「これをするべき!」というものはありません。ただ、成功している人たちは、成り行き任せの時間の使い方はしません。それどころか、「新幹線ではいつもこれをする」という、「新幹線ルーティーン」があります。

それは人によってさまざまです。あるエグゼクティブの方は、「狭い場所でノートPCを開いて仕事しようとしてもストレスを感じるだけだし、それほど効率は上がらない。だから休息時間にあてると決めている」と言います。「到着後のパフォーマンスを最大化するための、リラックスする時間」という狙いをもって、新幹線での時間を過ごしているそうです。

ちなみに私の場合は、新幹線移動はもっぱら「事務処理」の時間と決めています。そのメリットは時間に制限があること。「〇時〇分には目的地に着く」とお尻の時間が決まっていると、「それまでに終えなければ」という意識が働きますし、「もう名古屋か、少しペースを上げよう」などと、作業のペース管理がしやすいのです。
ノートPCでのメールチェック・返信、事務手続きをはじめ、「新聞記事のスクラップ」も、私の「新幹線ルーティーン」です。忙しくて読めていない日経新聞を1~2週間分、ばさっと紙袋に入れて新幹線に乗り込みます。気になる記事をスクラップしたら、出張先で新聞を処分して帰るのです。

一方で、お客様からいただいた課題や要望に対する解決策を考えたり、講演で話す内容を組み立てたり、寄稿用の原稿を書いたりなど、「右脳」を使うような仕事は、移動中ではなく、自宅で早朝に行います。朝は睡眠をとった直後なので頭が冴えていて、しかもジャマが入らずに集中できるからです。そして日中は人と会って話すことになるべく多くの時間を割きます。
 
高いパフォーマンスを上げている人は、同じあることをやろうとするとき、それを「いつ」「どこで」「どんな風に(机に向かってなのか、歩きながらなのか)」行うことが、もっともパフォーマンスが高いかを知っています。
もっとも生産性が上がるのは、オフィスのデスクで行うときなのか、それとも、いつものカフェのお気に入りの席で行う方がいいのか、はたまた歩きながらなのか……といったように、「パフォーマンスが高い方法を柔軟に組み合わせる」ということを徹底しているのです。
そうして時間あたりの生産性を上げて、自由になる時間を生み出せば、人に会ったり新しい企画のアイデアを考えたりと、よりクリエイティブな仕事に取り組むことができるというわけです。

資格などの勉強を始めるのは「連休初日に3時間」

資格を取得する、英語力を磨く、あるいはマーケティングやマネジメントなどの専門スキルを身に付ける――「勉強しなければ」という意識を持っているビジネスパーソンは多いことでしょう。ところが、始めてはみたものの3日坊主で終わってしまう人が多いのが現実です。

続かない人にありがちなのは、「1日5分から始めよう」という発想。「電車移動やアポイントの合間など、スキマ時間を利用して勉強しよう」というのも同様です。負担のないペースでコツコツやっていこうと思っても、なかなか続かないもの。結果、スキルアップも昇進も停滞してしまうのです。
一方、成功する人とは、スタート時点でしっかりエンジンに点火できる人。始めたばかりのときに集中してパワーをかけることにより、早い段階で勉強を「習慣化」させられる。そうすれば長続きして、しっかり身に付けることができます。
 
3日坊主になりがちな人も、「始め方」を工夫することで後者タイプになれます。
「月曜から少しずつ」ではなく、「連休を費やす」からスタートするのです。
例えば、夏休みの10日間すべて、あるいは半分の5日間でも、勉強の時間にあてたとしたらどうでしょう。お休みが明けた後も、「せっかくの貴重な休日を費やしたのだから」と、簡単にやめる気にはならないものです。
教材を購入するなど、最初に高額投資をしておくのも有効。「かけたお金と時間をムダにしたくない!」と、モチベーションを維持できるのではないでしょうか。
1人だとウダウダしてしまって始められない、集中できない…という方であれば、スクールやセミナーを利用してもいいでしょう。この場合も、可能であれば「集中受講」からスタートします。平日の1~2時間から始めるのではなく、休日の丸1日コースから始めるのです。

スタート時点でまとまった時間・期間を費やして勉強することには、「かけた時間がもったいないからやめにくい」というだけでなく、もう1つの効果があります。「ある程度のレベルまで早く達する」ということです。
私自身がそれを実感したのは、ゴルフのレッスンです。十数年前には、月に1~2回レッスンに通っていましたが、急用が入るなどして、一度休むと間があいてしまい、また一から始めなくてはならない。長続きも上達もしませんでした。
そこで、最近再びゴルフレッスンを始めたときは、やり方を変えました。まず、スタートは「連休中」。集中的にゴルフスクールにレッスン予約を入れ、スタートしたのです。

 私は、学びには4つのステップがあると考えています。

  1. 何ができていないのか、何を質問すればいいのかすらわからない
  2. 頭ではある程度理解するが、体がついてこない
  3. 意識すれば時々できるようになる
  4. 無意識でもできるようになる。


4ステップ目に入り、意識せずにできるようになるというのは、つまり「習慣になる」ということ。習慣化してしまえば、それをやらなければ1日が終わった気がしないほど、ごく自然に継続することができます。ゴルフであれば、傘を手にしたときに無意識にスイングしたくなるように。
無意識でできるようになる「臨界点」に達すれば、あとは無理なく続けていけます。そこに早い段階で到達するためにも、まとまった時間・期間の学習からスタートするのが得策だと実感しました。

 

――このように、費やす時間は同じでも、どの時間を活用するかに意識を向けることで、成果が挙がりやすくなるものです。ぜひ、自分にとって最適な時間配分を見つめ直してみてはいかがでしょうか。

 

森本千賀子さん/株式会社morich 代表取締役、オールラウンダーエージェント

1970年生まれ。獨協大学外国語学部英語学科卒業後、1993年にリクルート人材センター(現リクルートキャリア)入社。大手からベンチャーまで幅広い企業に対する人材戦略コンサルティング、採用支援、転職支援を手がける。入社1年目にして営業成績1位、全社MVPを受賞以来、受賞歴は30回超、常に高い業績を挙げ続けるスーパー営業ウーマン。2010年にリクルートエグゼクティブエージェントに転籍。主に経営幹部、管理職を対象とした採用支援、キャリア支援に取り組む。また、放課後NPOアフタースクールや一般社団法人ソーシャル・インベストメント・パートナーズの理事としてソーシャル活動にも注力。2017年に株式会社morichを設立し、代表取締役 兼 All Rounder Agentとしてさらに活動領域を広げる。

 

[参考図書]

カリスマヘッドハンターが教える のぼりつめる男 課長どまりの男

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著者:森本千賀子

出版社:サンマーク出版

 

EDIT&WRITING:青木 典子