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「銀座線」と「丸ノ内線」が他の鉄道とつながらない“深い事情”とは?

東京都心を縦横無尽に運行している地下鉄路線。

その多くは私鉄やJRと相互乗り入れする形で、乗り換えることなく郊外と都心を直結しています。

一方、他の鉄道に乗り入れることなく、長年に渡り独自路線の運行を続けてるのが「銀座線」と「丸ノ内線」。はたしてこの両路線、このまま孤高のスタイルを堅持するのでしょうか?

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実は相互乗り入れしている方が少数派

東京にいると、多くの地下鉄路線がJRや私鉄と相互乗り入れしているので気づきませんが、実は全国の地下鉄の多くは、相互乗り入れしてない割合が高いんです。

現在、全国には「札幌」「仙台」「東京」「横浜」「名古屋」「京都」「大阪」「神戸」「福岡」の9都市で地下鉄が運行されています。

この中で、JRや私鉄と相互乗り入れしている都市は「東京」「名古屋」「京都」「大阪」「神戸」「福岡」の6都市。

さらに各都市の地下鉄路線数に対する、相互乗り入れを実施している路線数をチェックしてみると

【東京】全13路線(東京メトロ・都営計):相互乗り入れ10路線
【名古屋】全6路線:相互乗り入れ2路線
【京都】全2路線:相互乗り入れ1路線※東西線は京阪京津線の電車のみ地下鉄に乗り入れる片乗り入れ
【大阪】全8路線:相互乗り入れ3路線
【神戸】全2路線:相互乗り入れ1路線
【福岡】全3路線:相互乗り入れ1路線

という状況です。

こうみると、特に大阪や名古屋のような大都市でも、相互乗り入れしている路線の方が少ない一方、東京だけが突出して相互乗り入れ路線の割合が高いことが見て取れます。

 

――なぜ東京だけが突出しているのか?

大きな理由として、やはり利用者数が他の都市と比べて圧倒的に多いことが挙げられます。そのため「郊外⇔都心の大量交通輸送」を限られたインフラで効率的かつスムーズに実現することを目的に、相互乗り入れを前提にした地下鉄建設が高度成長期以降、強力に推進されたことが現在の状況につながっていると考えられます。

銀座線&丸ノ内線の相互乗り入れの可能性は?

東京の地下鉄路線の大多数が他の鉄道と相互乗り入れしていることが改めて確認できました。だからこそ“逆に”相互乗り入れしてない地下鉄路線に注目が集まります。

現在、東京エリアで13路線ある地下鉄のうち、相互乗り入れしていない路線は「銀座線」「丸ノ内線」「都営大江戸線」の3つ。

このうち「都営大江戸線」に関しては、練馬区の「光が丘駅」から新宿を経由しつつ、都心を山手線のような環状運転に近い形で運行しています。そのため実質「郊外⇔都心」を一つの路線で完結しているといえます。

さらに将来、現在終点の光が丘駅から埼玉県所沢・新座市方面(JR武蔵野線東所沢駅まで)への延伸計画もあるため、それほど他路線との相互乗り入れのニーズは生まれないように思われます。

一方、「銀座線」「丸ノ内線」は「都営大江戸線」とは違い“純粋な都心路線”。どちらの路線も都心の主要エリアを結んでいるため、郊外路線との相互乗り入れを求めるニーズは昔から根強くあります。

しかしこの2つの路線、「様々なハードル」が立ちはだかるため、相互乗り入れの実現可能性はかなり低いのが現実です。

銀座線と丸ノ内線に立ちはだかるハードル

相互乗り入れを阻む主なハードルをご紹介します。

「第三軌条方式&直流600V」という電化方式が、一般的な鉄道の「架空電車式&直流1500V」に比べ特殊。相互乗り入れする際、どちらの方式に合わせるにしても多額の工事費が必要

●戦前&戦後高度成長期前半に開業したため、当時の地下掘削技術やコストの制約から、使用される車両サイズが小さい(※特に銀座線が1両の全長が16mと、他路線の18&20m級車両と比べて小さい)。運行できる車両限界サイズの制約も厳しいため、他の鉄道路線の電車が乗り入れる際は、大掛かりなトンネル等拡幅工事が必要

 

――このように実現までのハードルは相当高く、現時点で「銀座線」「丸ノ内線」相互乗り入れの実現可能性は限りなく低いと言わざるを得ません。

願わくば近い将来、相互乗り入れのための低コスト&簡単な工事を実現する「革新的な鉄道技術」が生まれることを期待するばかりです。

個人的には2013年に「東急東横線~副都心線」がつながり、相互乗り入れすることによって利便性が格段に向上したように、「京王井の頭線~渋谷駅経由~銀座線」というルートが、渋谷駅を介して同様の効果を生み出してほしいと願っていますが…。

皆さんにとって相互乗り入れしてほしい路線があれば、ぜひご意見お寄せください。

 

 WRITING:山田モーキン イラスト:海月あいる