誰とでも会話が弾むようになる「あいづち」の極意

仕事をしていると、お客様や上司・同僚と話す機会がたくさんありますよね。そんなとき、「会話が続かない……」という経験はありませんか?

上手に会話ができると人間関係を築く上でとてもプラスになるものです。逆にうまく会話が続かないと人間関係が閉じていきがちになります。

そこで今回は、広告代理店勤務時代に3,000人以上のVIPと交流し、彼らの話し方を研究している「気配り」のプロフェッショナル・後田良輔さんに「デキる人の会話術」についてお話を伺いました。

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話し上手とはあいづち上手のこと

誰かと会話するというと、「面白いことを自分が話さなくては」と思いがちですが、実は自分が率先して話す必要はありません。デキる人たちは自分が話すことよりも、相手が思わず話したくなる「あいづちの仕方」に注力しています。会話における満足度とは、自分の話を前のめりに引き出してくれる「あいづちのうまさ」に比例するともいわれています。事実、私が交流した3000人のVIPたちはみな、相手が思わず話したくなるようなあいづちの仕方を身に着けていました。

そのあいづちとは、名付けて「おいどまそ、復唱」です。「おいどまそ、復唱」とは、相手を気持ちよくさせるあいづち言葉の頭文字を1字ずつ取り、組み合わせた造語です。山口県観光キャンペーンで「おいでませ山口」というフレーズが使われていましたが、その精神と同じで「よくいらっしゃいました」「遠慮しないでおいでください」という意味が込められています。
相手を乗せるあいづちを覚えれば、誰とでも会話が続くようになります。では相手が思わず自分から話したくなる魔法のあいづちを1つずつ見ていきましょう。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

「おいどまそ、復唱」の「お」:「面白いですね~」

人は話をするとき、「話しの流れ」をきちんと頭の中で順序立てて会話をするものです。その流れには、真面目な話はもちろん、相手の興味を駆り立てる情報やユーモアなど、いくつかの変化球が混じっています。その変化の際にきちんと感心してみせないと、相手に「すべった感」を与えてしまいます。例えば「こんな話、聞いたことある?」と言われながら何かを教えてもらったときに、残念な聞き手は「へぇ~」と言いますが、デキる人は「面白いですね~」と感心してみせます。ほんの少しの工夫ですが、相手に与える印象の差は天と地ほど異なります。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

「おいどまそ、復唱」の「い」:「意外です」

キャッチボールをしながら話をすると、なぜか本音を話してしまうように、会話でも本音を引き出すキャッチボール言葉が存在しています。それが「意外です」です。
話し手からすると「うんうん」と聞かれているだけでは単調になり、「本当に私の話を聞いているのか?」と疑問に思えてくるものです。でも時折、「意外です」とボールを返されると「おっ、きちんと私の話を聞いている」と感じ、もっと話してやろうという気持ちになるものです。

「おいどまそ、復唱」の「ど」:「どうしてですか?」

会話をスムーズに進めるためには考えすぎず、素直な気持ちを質問するというのが有効です。その際に活躍するのが「どうしてですか?」というあいづちです。ただ黙ってうなずいているのでは、きちんと話を聞いているという印象を相手に与えることはできません。話を聞いていると相手に思わせるには、素朴な質問が一番有効です。
「昔から、本を読むのが好きでね」と聞いたら「どうして本を読むのが好きになったんですか?」という具合に、素朴な質問を投げかけてください。素朴な質問は、ほとんどの会話の切り返しに使える王道のあいづちです。

「おいどまそ、復唱」の「ま」:「マジですか!(本当ですか)」

想定外の情報や飛びぬけて面白い話を聞いた時に使えるのが「マジですか(本当ですか)!」というあいづちです。子供のころ、いたずらで作った「砂場の落とし穴」のように、会話の落とし穴に相手がはまることほど、話し手を楽しませることはありません。会話の落とし穴にはまった際は、すかした態度を取るのではなく、派手に「マジですか!」と驚いてあげるのが礼儀です。

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「おいどまそ、復唱」の「そ」:「それからどうしたのですか?」

夜中に小説を読み始めたら予想以上に面白く、途中で止められなくなって夜更かしをしてしまったという経験は誰にでもあると思います。この「夢中」という興味津々なスタンスを話し手に与える言葉が「それからどうしたのですか?」です。自分の話に夢中になる人を嫌いな人はなかなかいません。早く続きを聞かせてくださいという気持ちを込めて、このあいづちを使ってみてください。

「おいどまそ、復唱」の「復唱」:「復唱する」

「あなたの話にとても興味があるので、早く次の話を教えてください」という長い言葉を1秒で言えるのが「復唱」です。俗にいうオウム返しという技で、相手の言葉尻をそのまま言うだけなのに、人を強く惹きつけるあいづちです。
たとえば付き合って2年のカップルがいたとします。デートの帰り際、男性が「あの、大切な話があるんだ……」と言った際の最高のあいづちは、「大切な話?」という言葉。このように単純に相手の話を復唱するだけで、「あなたの話を大切にしています」「早く続きを聞かせて」という感じをグッと演出できます。

――誰とでも会話が続くあいづちの方法「おいどまそ、復唱」についてお話ししてきました。会話における相手の満足度は、あいづちの仕方で180度変わることもあります。ぜひ魔法のあいづちを身に着けて、「あなたと話すと会話が本当に弾む」と思われてください。人生はあいづちの仕方ひとつで、明るく開ける場合もあるものです。

後田良輔氏/ビジネス書作家・コラムニスト

後田良輔氏/ビジネス書作家・コラムニスト

1972年生まれ。大手3大広告代理店に勤務し、「誰でも使える気配り術」を駆使する気配りのプロフェッショナル。これまで応対したVIPは、東証一部上場社長、世界企業のCEO、政治家、医者、弁護士、大学教授、大物俳優・女優、ミリオンセラー作家、世界No.1クリエイターなど総勢3000名を超える。この特別丁寧に接しなければならない顧客との交流で磨かれたスキルと「東京・名古屋・大阪」の現場勤務で身につけたリアルな経験を組み合わせた、独自の「誰でも使える気配り術」に定評がある。
著書に、『気配りの正解』(ダイヤモンド社)『<落ちこぼれでも3秒で社内エースに変わる!>ぶっちぎり理論38』(ダイヤモンド社)、『逆境を活かす! 就活面接「エモロジカル理論」2015年度版』(実務教育出版)『1秒内定面接術」』(インプレス)など。これらの実績を買われ全国の大学や企業から講演・研修依頼が殺到。新聞・雑誌などメディア露出は50回以上。「世界からキャリアの悩みをなくすこと」をミッションとする。

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