リクナビNEXTジャーナル

キャリア・ビジネスの情報満載【リクナビNEXTジャーナル】

「こいつ…デキる!」と思わせるビジネスツッコミ6選 | エレキコミック 今立進さん

f:id:kensukesuzuki:20170926122120j:plain

さまざまなシーンで活躍している著名人に、ファミコンにまつわる思い出から今につながる仕事の哲学や人生観についてうかがっていく本連載「思い出のファミコン - The Human Side -」。

今回ご登場いただくのは、お笑いコンビ「エレキコミック」の今立進さん。芸人としてテレビはもちろんライブや舞台でも活躍するかたわら、大のゲーム好きが高じてゲーム関連の仕事も多く、今年6月に放送された『アメトーーク!(テレビ朝日)』では「思い出のファミコン芸人」の一人として出演したのも記憶に新しい。そんな今立さんのファミコン愛とともに、ビジネスシーンで使える“ファミコンツッコミ”についてご指南いただいた――

【プロフィール】
今立 進(いまだち すすむ)
1975年 東京都生まれ。トゥインクル・コーポレーション所属のお笑いコンビ「エレキコミック」のツッコミ。相方はやついいちろう。趣味:レトロゲーム、シューティングゲーム、格闘ゲームなど多数。東京ゲームショーのレポーターなどゲーム関連イベントにも多数出演。
イマダチ ススム(今立 進) (@elec_imadachi) | Twitter

土曜日の夜、ひょうきん族とファミコンのCMが僕の原点

―― ゲーム全般に造詣が深い今立さんですが、そのルーツを教えてください。

f:id:kensukesuzuki:20170926122320j:plain

ファミコン本体と一緒に買った最初のカセットは『グーニーズ』です。そのときはほんと毎日そればっかりやってましたね。それ以来、基本的にアクションゲームが好きなんです。グーニーズって映画が先にあったんですけど、当時の僕は映画があったことすら知らないし当然見てもいない。そういえばグーニーズの1面のBGMってシンディ・ローパーが歌った映画の主題歌じゃないですか。僕はファミコンが映画より先だと思ってたから、「すげー、シンディがゲームの曲を歌ってるじゃん!」って思ってました(笑)。

ファミコンが流行っていた1980年代って『オレたちひょうきん族』の全盛期でもありました。その番組スポンサーに任天堂があって、ファミコンのCMをバンバン流していた。当時のトップクラスの面白さがあの時間帯に集約されてたんですよ。お笑いとゲームを仕事にしてる僕としては、あの土曜の夜に相当影響うけちゃったんでしょうね。


―― 特に印象に残っているエピソードといえば?

ディスクシステムのゲームって書き換えができましたよね。通学途中に、任天堂のディスクライターじゃないマシンで書き換えてくれる怪しいショップがあったんです。正規のディスクライターで書き換えたらディスクに貼るシールあったじゃないですか。その店はそれをくれないんです。

子供心に「これはいけないことなんだろうな……」っていうのはわかってて、そのショップで書き換えすることで、一線を越えてしまったような背徳感があったんです。「ゲームやりたいからしょうがない! ごめん!お母さん!」って(笑)。でもね、そういう“大人の入り口”というか……ダークサイドに落ちてしまう自分っていうのも、ファミコンのおかげで経験できましたね。

「クソゲー」が教えてくれたお笑いの視点

―― お笑いにもファミコンで遊んだ経験が生きていたりしますか?

f:id:kensukesuzuki:20170926122346j:plain

ファミコンにはいわゆる「クソゲー」と言われるようなゲームがいくつもあったじゃないですか。でも僕ね、「クソゲー」っていう言い方はしないで、「バカゲー」って言ってます。表面的なところだけで「クソゲー」認定してしまうのは簡単なんです。ただ、ちょっと見方を変えたり、ちゃんと遊んでみると、どこかに面白味が隠れているかもしれない。

それってお笑いの視点と似ていて、たとえばツッコミやってるときとか、なんか人がボケたときとか、それを「つまんない」って言ったり、「面白くねえよ」って言うのはすごい簡単なことだし、そう言ってしまうこと自体が一番つまんないなって思うんです。違う角度から見てみるとか、どうしたら面白く表現できるのかとか、そういうことを考えられるようになったのは、ファミコンから自然と学んでいたのかもしれないですね。

 

―― たしかに、とらえ方しだいで、物事の面白さって変わりますもんね。

たとえばね、『バツ&テリー』っていう野球漫画が原作のゲームがあったんです。まぁ当然、野球ゲームだろうと期待するじゃないですか。ところが意味不明なアクションゲームなんですよ (笑)。一応野球ボールらしきものを投げて、謎の昆虫みたいな敵を攻撃するんですけど、その投球の軌道が明らかにナナメ上でおかしい。ノーコンにもほどがあるっていうね。

f:id:kensukesuzuki:20170926122439j:plain
▲ ひさしぶりに『タッチ』をプレイ。

同じく野球漫画の名作『タッチ』のゲームもひどいんですよ。素直に甲子園を目指すラブコメ要素ありの野球ゲームでいいじゃないですか、『タッチ』なんだから。なのに「シティアドベンチャー」なんて銘打って、謎の街で敵を殴りまくるアクションゲームになってる(笑)。なんでちゃんと『タッチ』にしてくれないの?勝手に世界観を壊さないでくれって思いますよ、ほんとに。

でもね、これって実はすごくユニークで面白いじゃないですか。むしろ途中からもうこういう原作の要素が崩壊しちゃったゲームに愛着がわいてきちゃって……主流じゃなくて亜流というか邪道というか。ちょっとこう“はずす”ことが、笑いにつながるんですよね。ファミコンの「ジャケ買い」のおかげで、笑いのとり方を教えてもらったと思うから、「クソゲー」なんて言えないですよね。「バカゲー」なんです(笑)。

 

―― そんななかでもとくに思い出深い「バカゲー」は?

ダントツで『マインドシーカー』でしょうね。このゲームの衝撃は他作品を寄せつけないですよ、何しろ「透視」「念力」「予知」が全部できるようになる!っていう“超能力開発ソフト”なんですから(笑)。ゲームの監修は、かつてスプーン曲げや念写で一世を風靡した超能力少年のエスパー清田氏。彼がゲームのなかでいきなり「透視しろ」とか言ってくるんです。攻略法なんてないんですよ! ちょっとやばいですよね。いま考えると、ファミコン時代は発想の自由さがありましたよね。

職場のコミュニケーションを円滑にする!? “ファミコンツッコミ”

―― ビジネスパーソンにとって「ファミコンの思い出」が役に立つことってあるでしょうか?

f:id:kensukesuzuki:20170926122903j:plain

僕らファミコンに親しんできた団塊ジュニア世代って、ビジネス界ではそこそこ中間管理職クラスになってる頃ですよね?なので、そういう上司や先輩とのコミュニケーションでネタにできれば良いんじゃないですか。ビジネスシーンで使える「ファミコンツッコミ」いくつか考えてみたんで、よかったら職場で使ってみてください(笑)

1、仕事にやる気や元気がないときに

「くっ、ガッツがたりない!」

出典:『キャプテン翼』
コマンド選択式のサッカーゲーム。ガッツという体力に近い行動値を消費して、ドリブル、パス、シュートなどを行うのだが、この数値が足りないとキャラクターが言うセリフ。

2、新しい部署に配属されて、何をしたらいいかわからなくて困ったとき

「あのー、わたくし『星をみるひと』状態なんですが……」

出典:『星をみるひと』
ゲームを始めても何をすれば良いのか説明もなくマップに放り出されるRPG。クリア不能とさえ言われた伝説のゲーム。

 3、大変な仕事を1人で任されたら

「これじゃファミコン『いっき』じゃないですか、せめて『たご』もつけてくださいよ」

出典:『いっき』
たった1人で一揆を完遂しようとする無謀なアクションゲーム。1プレイヤーは「権べ」2プレイヤーは「田吾」というキャラなので、せめてもう1人つけてくださいという意味となる。

 4、ハトの糞がスーツについてしまって落ち込んでいる人がいたら

『アトランチスの謎』だったら死んでたぞ!」

出典:『アトランチスの謎』
総ステージ100面のアクションゲーム。最初の面の最初の敵がコウモリでその糞に当たると死ぬことから。

 5、同じ事を何度もきいてくる部下に会ったら

「おれ『ミシシッピ殺人事件』の容疑者だから」

出典:『ミシシッピ殺人事件』
豪華客船で起きた殺人事件を解決するアドベンチャーゲーム。容疑者たちは1度しか話してくれず、同じ事を聞くと「もういいました」と答えることから、大事な事は1度しか言わないからしっかり聴いとけよとの社会人のルールを教える言葉。

 6、仕事や業績であり得ない良いことが起こったら

「まさにこれはバントホームランですね!」

出典:『燃えろ!!プロ野球』
テレビ中継のように投手後方から見た画面がリアルだった野球ゲーム。一部の強打者はバントの構えでボールがバットにあたるとホームランになることから。

 

f:id:kensukesuzuki:20170926122919j:plain

取材・文:深田洋介
1975年生まれ、編集者。2003年に開設した投稿型サイト『思い出のファミコン』は、1600本を超える思い出コラムが寄せられる。2012年には同サイトを元にした書籍『ファミコンの思い出』(ナナロク社)を刊行。
http://famicom.memorial/

撮影:林輝彦