都内屈指のミニ路線!「東急世田谷線」で癒されよう

毎日、都心の通勤ラッシュにもまれながら電車に乗っていると、「もっとのんびり、穏やかな雰囲気の中で通勤したい」という想いにかられる方は、少なくないはず。

そこで、都心でもそうした「癒しのローカル線」に身を委ねることができる鉄道に注目したいと思います。第1回目は「東急世田谷線」をご紹介します。

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「東急世田谷線」とは?

首都圏をはじめ、日本を代表する大手民鉄である「東急」。

民鉄では「東京メトロ」「近鉄」に次ぐ売上額を誇り、1キロ当たりの売上額に関しては、民鉄日本一という超優良鉄道事業会社です。

現在、鉄道に関しては8路線を運営していますが、「東横線」「田園都市線」を中心に、沿線エリアには人気の街も多く、本格的な人口減少を迎えている国内の各地でも数少ない人口増加エリアになっているほど、人気を集める路線を抱えています。

その中において、他の路線とは明らかに「経路の違う路線」が混じっています。それが今回注目する「東急世田谷線」。

世田谷線はその名の通り、東京・世田谷区内を運行している路線で、東急田園都市線「三軒茶屋駅」~京王線「下高井戸駅」間の5キロを結んでいます。

都内でも屈指の「超ミニ路線」であるとともに、他の一般的な鉄道や東急路線とは一線を画す特徴が、いくつかあります。

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■線路&電車が違う

通常、線路の幅はJRなどの「狭軌(1067mm)」と、新幹線や京急などに使われる「標準軌(1435mm)、あと一部路線にある「ナローゲージ(762mm)」の3タイプがあります。

東急の場合、他の主要路線はすべて「狭軌」である一方、世田谷線だけが「1372mm」という、特殊な軌間。その「1372mm」というのは、元をたどると「路面電車」に使用されていた軌間で、今でも「都電荒川線」や「京王線」「都営新宿線」などに採用されています。元々世田谷線は三軒茶屋から路面電車として渋谷まで通じていた「元路面電車」であることから、その時の伝統が今に受け継がれているのです。

そのため世田谷線の電車も他の東急電車とは全く仕様が異なり、「2車体3台車」という連接車両の形式で、2両編成でも全長が約24mと、一般的な1車両(18~20m)より若干長いくらいの小ぶりなサイズ。

また精算方式も一部の駅をのぞき、車内で精算する「バス方式」を採用しているため、一見するとバスに乗っているような感覚になるのも特徴です。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

電車が停止してクルマを通す? ディープな世田谷線の魅力

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■信号待ちする電車

普通、鉄道と道路が平面交差しているところには踏切があり、鉄道優先で通すことになっています。しかし世田谷線には1か所、そうした平面交差にもかかわらず踏切がない場所が。

それは「環七」と呼ばれる、都内でも屈指の幹線道路と交差するところにあり、交通量の多い環七を優先して、電車の方が止まります。そしてすぐ近くにある横断歩道が青に変われば、歩行者と一緒に発信~環七を通過。

このように「鉄道の特権が使えない」という点もまた、世田谷線ならではの特徴であり、魅力の一つです。

■乗客を待ってくれる?優しい電車

各駅は一般的な駅と比べて、簡易的な造りで、バスの停留所を少し豪華にした感じ。
さらに先ほど紹介したように、精算は基本、車内で行うため、駅に改札口がないケースが多いことも“バス停感”を醸し出しています。

そして場合によっては、少し離れたところから乗客が電車に乗ろうと向かっている姿を見かければ、運転士や車掌の判断で乗るまで待っていてくれることも。急いでいる乗客にとってはキリキリするようなシーンもまた、のんびりムード漂う世田谷線ならではの特徴かもしれません。

――いかがでしたでしょうか?

他にも探せばまだまだ世田谷線ならではの魅力が発見できます。いつもの通勤電車から、のんびり癒しのムード漂う世田谷線に乗り換えることで、せわしない都会の日常からちょっぴり離れてみませんか?

WRITING:山田モーキン イラスト:海月あいる

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