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「上司に評価されない」と悲観する人に“絶対的に”ない視点――マンガ『インベスターZ』に学ぶ

『プロフェッショナルサラリーマン(プレジデント社、小学館文庫)』『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」(日本経済新聞出版社)』等のベストセラー著者である俣野成敏さんに、ビジネスの視点で名作マンガを解説いただくコーナー。今回は、三田紀房先生の『インベスターZ』の第4回目です。

『インベスターZ』から学ぶ!【本日の一言】

こんにちは。俣野成敏です。

名作マンガは、読むリラックスタイムですら学びの時間に変えることができます。私が強くお勧めする選りすぐりのマンガの名シーンの1コマを解説することで、より多くの方に名作の良さを知っていただけたら幸いです。

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 ©三田紀房/コルク

【本日の一言】

「誘惑に負けるヤツ、ルールもロクに知らないのに首を突っ込むヤツは、結局はカモになるんだよ」

(『インベスターZ』第1巻credit.1より)

大人気マンガの『インベスターZ』より。創立130年の超進学校・道塾学園にトップで入学した主人公・財前孝史は、各学年の成績トップで構成される秘密の部活「投資部」に入部します。そこでは学校の資産3000億円を6名で運用し、年8%以上の利回りを上げることによって学費を無料にする、という極秘の任務が課されているのでした。

ルールを知らずにゲームに参加するのは危険

もともと、主人公の財前は自ら望んで投資部に入ったワケではありませんでした。極秘任務を帯びた投資部の存在を知っているのは、学園内では部員と用務員の善吉(ぜんきち)だけ。彼らは毎年、新入生が入学する度に、その年のトップで入学した学生を図書館地下にある秘密の部屋へ呼びよせ、投資部へ入るよう説得するのが決まりになっていました。

財前も、先輩に導かれるまま地下室へと案内されます。中に入ると、そこでは投資部の先輩たちがマージャンをして遊んでいました。先輩たちの楽しそうな様子につられ、ルールさえ知らないマージャンに参加する財前ですが、先輩たちにコテンパンにやられてしまいます。

「自分はカモにされた」と抗議する財前に対し、投資部・キャプテンの神代(かみしろ)が言い放つ言葉が「本日の一言」です。

先にルールを抑えれば、勝つのは早い

キャプテンの言葉は、投資が前提になっていますが、これは十分、ビジネスにも当てはまります。つまり「行動する前に、まずは戦場のルールを知ることが先決」だということです。

世間では、しばしば「自分は頑張っているのに評価されない」「上司に見る目がないから、自分の良さがわからない」のだという言葉を耳にしますが、本当にそうなのでしょうか?実はその人が「上司の基準(ルール)をわかっていない」だけではないでしょうか?

私の知り合いで、現在は経営者をしている人がいます。以下は、知人がまだ駆け出しのサラリーマンだった頃の話です。その人はある広告代理店に勤め、寝る間も惜しんで営業を続けました。家には寝に帰るだけで、ついには会社に顔を出す時間も省略して、家から得意先に直行するほど熱心に取り組みました。

頑張った甲斐があって、その人の営業成績は支店で1位になりました。ボーナスの時期になり、知人は当然、ものすごい額がもらえるものと期待していました。ところが、何とボーナスはゼロ。実は、会社には「自宅から客先へ直行する際は、その都度、会社に報告すること」という規則があったのに、知人はそれをまったく無視していたのです。

ルールがない限り、人はバラバラになる

これは、「どんなに素晴らしい能力を持っていても、まずは“戦場のルール”を把握することから始めないと、反則を取られる可能性がある」というよい例ではないでしょうか。知人も、事例を述べた後でこのように話していました。「あの時は会社を恨みました。でも今はルールを守ることの大切さが身にしみてわかります。当時の会社の社長には感謝しています」と。

人が集まって一緒に仕事をする以上、そこには必ずルールがあります。ルールがない限り、人は好き勝手に行動し、収集がつかなくなってしまいます。基準をつくり、みながそれをもとに行動するからこそ、組織は組織の力を発揮できるようになるのです。

会社の評価も同じことです。もし、あなたが「評価が上がらない」と言って嘆いているのであれば、ひょっとしたら「そもそも会社の評価基準を理解しているのか?」というところから見直した方がいいのかもしれません。

「仕事で評価を上げる」ための4ステップ

私たちは仕事をする際に、「自分の時間にも能力にも限りがある」ということを考慮しなくてはなりません。ですから「どこに自分の力を投入するのか?」ということが重要になってきます。

今回の話をまとめますと、仕事で評価を上げるには

  1. 最初に相手の評価ポイントやルールを知る
  2. 自分をどう活かして成果につなげるかを考える
  3. 自分の強みを活かせる仕事なら努力する
  4. そうでない場合は「この環境下でも成果を出すにはどうすればいいか?」と考える(たとえば他人にお願いする、他の仕事で頑張る、など)

 

となります。

たとえばこれがスポーツなどになった場合、ルールを知らなければゲームに参加することすらできません。逆に「どんなルールでものごとが動いているのか?」というのを最初に知っておけば、無駄な労力を使わずに済みます。この話が『インベスターZ』第1巻の第1話で描かれているところに、三田先生のすごさを感じますね。

あなたも早速、今日からルール(前提条件)を意識してみてください。
この流れを実践すれば、きっと成果が出てきますよ。

 

俣野成敏(またの・なるとし)

大学卒業後、シチズン時計(株)入社。リストラと同時に公募された社内ベンチャー制度で一念発起。31歳でアウトレット流通を社内起業。年商14億円企業に育てる。33歳でグループ約130社の現役最年少の役員に抜擢され、さらに40歳で本社召還、史上最年少の上級顧問に就任。『プロフェッショナルサラリーマン』(プレジデント社)『一流の人はなぜそこまで、◯◯にこだわるのか?』(クロスメディア・パブリッシング)のシリーズが共に12万部を超えるベストセラーに。近著では『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』が11刷となっている。著作累計は34万部超。2012年に独立後は、ビジネスオーナーや投資家としての活動の傍ら、私塾『プロ研』を創設。マネースクール等を主宰する。メディア掲載実績多数。『ZUU online』『MONEY VOICE』『リクナビNEXTジャーナル』等のオンラインメディアにも寄稿している。『まぐまぐ大賞2016』で1位(MONEY VOICE賞)を受賞。一般社団法人日本IFP協会金融教育顧問。

俣野成敏 公式サイト