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コミュニケーション上手な人が「相手に合わせて」いる意外なものとは?

 コミュニケーションに関するビジネス本を約20冊も出されている、 コミュニケーション総合研究所代表理事の松橋良紀さん。そんな松橋さんに「コミュニケーションの極意」についてお話しいただくこのコーナー。第7回目は「深い人間関係を築くために意識すべきこと」についてです。

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コミュニケーションで与える影響を研究したメラビアン博士の、有名な「メラビアンの法則」というものがあります。

言葉       ⇒  7%
声の使い方    ⇒ 38%
ボディランゲージ ⇒ 55%

この3つの中で、もっとも影響を与えるのがしぐさやジェスチャー、視線などのボディランゲージです。
つまり言葉そのものよりも、“無意識”でやっているボディランゲージのメッセージが、印象に大きな影響力を与えるのです。

 

ボディランゲージから「本音」が分かる!?

 ボディランゲージの要素は、以下の6つです。 

①姿勢(座り方・立ち方)
②重心
③手の動き
④足の位置
⑤表情
⑥呼吸

相手が背筋をピンと伸ばしていたら、自信が感じられるでしょう。
キリッとした表情なら、誠実さや真剣さが伝わってくるでしょう。
逆にイスに浅く腰掛けて力が抜けた姿勢だと、真剣さがないように感じます。
また、口ではいくら前向きなことを話していても、虚ろな表情で眠そうな顔だったら、熱心さは感じられないです。
口では怒ってないといいながらも、眉間にシワがよって、口がへの字なら、不満があって怒っているに違いないと判断できます。

言葉でどう繕っても、体の動きや表情だけで、非言語のメッセージ「本音」はたっぷりと伝わってくるものです。

まずは、相手との「共通点」を作り出そう

人は、自分と共通点のある人や似た雰囲気の人を好きになります
でも、もし住まいや趣味などの共通点が一切見つからなくても大丈夫。
相手とボディランゲージ(言葉や声の使い方、体の動き)が合えば、仲間意識が生まれて、好感を持ってもらえるようになるのです。

【共通点を作るポイント】

①姿勢

お客様が話している間、まずは姿勢を相手に合わせます。
相手がリラックスして椅子に浅く座っているようなら、自分もだらしなく見えない程度に浅めに座ります。ピンと背筋が伸びているようなら、自分も背筋を伸ばします。相手と同じ体の型をキープするイメージです。

②重心
次に重心を合わせましょう。相手の重心が右に傾いているようなら、左に重心をかけます。鏡写しのように合わせるペーシングを、「ミラーリング」といいます。鏡に写したような状態を維持します。

③手の動き
「ミラーリング」していると、相手の手の動きに引っ張られて、いちいち同じように合わせてしまう人がいます。手の動きを意識してマネしていると気づかれやすいです。相手にしてみれば、マネされていることに気づくと一気に興ざめして、かえって好感度が下がります。
お茶を飲むタイミングを合わせるくらいにしておくといいでしょう

④足の位置
足の位置を観察しましょう。
足は相手と同じような位置を意識していくといいでしょう。

⑤表情
笑顔をキープするのが基本ですが、相手が悲しい顔をしていたなら悲しい表情を作ります。
たまに笑いながら、とても悲しい話をする人がいますが、そんなときは、相手の表情ではなく、相手の感情に合わせて、悲しい表情を作ります。共感することが大事なのです。

このように相手の話を聞いていると、どんどん好感度が上がり、信頼関係が出来上がっていきます。
体の動きが似ていると、無意識のうちに親近感を感じてもらえるのです。

 

さらにコミュニケーションを深めるカギは「呼吸」

 

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実は、ボディランゲージで最もカギを握るのは呼吸です。
初対面でも波長が合う人とは「息が合う」「呼吸が合う」と言います。
心地いい人間関係を築けている人とは、実際に呼吸が合っているのです。

コミュニケーションがうまい人が、無意識にやっていることは、呼吸合わせなのです。

コミュニケーションの達人たちは、相手の呼吸を短時間で把握して、同じリズムで呼吸をして、一気に相手との関係を親密にしていくのです。
さまざまなペーシング(相手に合わせること)の技術がありますが、達人ほど呼吸のペーシングがうまいです。

ペーシングの中でも、最も深い部分をつなげていくのが「呼吸のペーシング」です。
呼吸は、人それぞれ違うリズムで、無意識に繰り返しているボディランゲージ。
それだけに呼吸のペーシングは、かなり難しいテクニックです。
相手の呼吸を読むのは訓練が必要です。
相手がどれくらいのテンポで、どれくらいの深さで呼吸しているのかを、観察するのを習慣づけていくと、わかるようになっていきます。


私はさまざまな営業を経験しましたが、その中で、対面しないで電話だけでの営業をしたことがあります。商品の価値を電話だけでお客様に伝えるのです。6年間ほど経験しました。
電話営業ですから、ボディランゲージや顔の表情といった視覚情報は一切使えません。
相手のニーズに合わせた言葉と、声の使い方だけが勝負です。

その頃は、しばらく売れなくてスランプに陥っていました。
ちょうど心理学のセミナーを受講して、ペーシングのトレーニングを受けたときに気づいたのです。

「最近、あせっていて、お客様にまったく合わせていなかった」と。

そこで、セールストークをまくしたてるのをやめて、電話口で、相手の息づかいに呼吸を合わせることを意識しました。
すると、不思議なくらいに契約が決まり始めたのです。
なんと前月の4倍も売れて、自己最高記録を打ち立てて、全国に200人いる営業マンの中で1位を争うまでになったのです。

相手に「呼吸が合う」と思わせるテクニックを伝授!

 呼吸合わせは次のようにします。

相手が話している間は、息を少しずつ吐く。
相手が息継ぎをするタイミングに、息を吸う。

この2つだけです。
これを練習していくと、どんな相手とも「息が合う」ようになっていきます。
このような呼吸のペーシングをすることで、実は大きなメリットがひとつ生まれます。

相手が話し終わってから、同時に息を吸います。
ということは、相手よりワンテンポ遅れて反応することになります。
すると、すぐに自分が話し出すことができません
ちょっとした沈黙が多くなります。
沈黙が生まれると、相手から話し出すようになります。
相手の心がどんどん開いていくのが感じられるようになります。

お客様相手に呼吸のペーシングをやっていくうちに分かったことがあります。
自分がしゃべりすぎていて、お客様の深い部分を聞き取れていなかったことです。
そして、売れないであせっているときは、呼吸が早くなり、お客様の話を聞けないことです。

スランプで調子が悪い。
自分に自信が持てない。
不安であせっている。

そんなときには、呼吸が早くなります。
相手にペーシングをしなくなり、息が合わない状態が続きます。

しっかり相手の呼吸と合わせるために、次の2点を押さえておくと大丈夫です。

①相手が話しているとき→息を吐く
②相手が黙っているとき→息を吸う

人は、話しているときには、息を吐くので、自分も息を吐く。
文字にすると、「句読点が入る瞬間」に、息を吸うのを合わせます。

口が重い、口下手で沈黙が長い相手の場合、呼吸のペーシングは、必須です。
相手が考え始めたりして黙ったら、慌てて話してはいけません
相手の呼吸を観察してください
息が合っていくと、無口でしゃべらない相手とも、信頼関係が出来るのです。

 

松橋良紀(まつはし・よしのり)

コミュニケーション総合研究所代表理事/一般社団法人日本聴き方協会代表理事/対人関係が激変するコミュニケーション改善の専門家/コミュニケーション本を約20冊の執筆家

1964年生青森市出身、青森東高校卒。ギタリストを目指して高校卒業後に上京して営業職に就くが、3年以上も売れずに借金まみれになりクビ寸前になる。30才で心理学を学ぶと、たった1ヶ月で全国430人中1位の成績に。営業16年間で、約1万件を超える対面営業と多くの社員研修を経験する。2007年にコミュニケーション総合研究所を設立。参加者が、すぐに成果が出るという口コミが広がり出版の機会を得る。NHKで特集されたり、雑誌の取材なども多く、マスコミでも多数紹介される。

約20冊で累計30万部を超えるベストセラー作家としても活躍。「コミュニケーションで悩む人をゼロにする!」を合言葉に奮闘中。

 

著書

「あたりまえだけどなかなかできない聞き方のルール」(明日香出版社)

「相手がべらべらしゃべりだす!『聞き方会話術』」(ダイヤモンド社)

「人見知りのための沈黙営業術」(KADOKAWA)

「何を話したらいいのかわからない人のための雑談のルール」(KAODOKAWA)

「話し方で成功する人と失敗する人の習慣」(明日香出版社)

公式サイト http://nlp-oneness.com