イクメンのイヤなところ

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先日、イクメンに関するポジティブな記事を書きましたところ、たくさんの方から反響をいただきました。ありがとうございます。もともとイクメンは厚生労働省がイクメンプロジェクトをする国家施策ですから、基本的にポジティブな記事が多いんですよね。このご時世、「イクメンはありえない」と堂々と言ってしまうと、古い考え方だ、パワハラだとか言われるかもしれません。

でも物事には表も裏もありますから、そんなイクメンでもネガティヴな側面もあります。私は育児退社しているので、もろに感じております。時代に合わせてイクメンになるのもいいのですが、ちゃんとイクメンの表裏の両方を知っていただいて、イクメンすべきかどうかご判断された方がよろしいかとおもいます。

そこで私の実体験をもとに「イクメンのイヤなところ」を挙げさせていただきます。

(1)涙もろくなる

自分に子どもが生まれる前は、あの「●●時間テレビ」があまり好きではありませんでした。某テレビ局さんには何の恨みもございません。ただ好き嫌いの話です。社会的弱者とされる障害を持った方や病気の子どもが前向きに頑張る姿は、否定しようがない素晴らしい活動だと思います。ただ斜に構えた目線で言えば番組制作者側の泣かせてやろうという意図が見えて泣けませんでした。

しかし、いざ自分に子どもが生まれるとどうでしょう。ただただ頑張ってほしい、応援したい気持ちがわいてきて、気がつけば涙が頬をつたっているではありませんか。同じ某テレビ局さんの「はじめてのおつ●い」も同様です。あの番組は最高ですよ。泣くのをガマンしておつかいしている様子を見ていると、他人様の子どもなのに泣けてきます。お友達のパパは、子どもの運動会で他人の子どもが走ってる姿をみて泣けてきたそうです。自分の子供ではなく他人の子供ですよ。いつからこんなに涙腺が弱くなったんだ。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

(2)働きたくなくなる

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これもはじめにお断りをいれますと、責任放棄ではありません。世のお父さま方と同様に子どものために稼がなければならないと思っています。もともと子どもができる前は、仕事より大切なものは無いだろうというワーカホリックな会社員でした。毎朝早く出社し、毎晩遅くに帰宅する。休日も出張が多くてほとんど家にいない状態でした。

しかし子どもが生まれるとどうでしょう。できることなら子どもと遊んでいたくなります。赤ちゃんのムチムチの太ももをずっとニギニギしていたいです。仕事より大切なもの、全然ありました。(太ももじゃないですよ)この子どもと遊ぶ貴重な時間を確保するために、仕事が効率的になっていきます。そのため労働時間ではなく、成果に対してコミットします。その成果を達成できるのであれば、時間がいくら短くなっても問題ない状態で仕事をします。

これは会社員のときと逆の発想です。オフィスに出社していれば給料が入っていましたが、逆にいうと給料をもらうためにオフィスにいなければならないということです。残業代が支払われるなら尚更です。それではいつまでたっても効率的になりません。働かずして稼ぐということは一見矛盾しているようにみえますが、いかに時間単価をあげながら仕事ができるかという合理的な考え方です。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

(3)周囲からあいつ働いているのか?と心配される

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こればかりは他人様がどう見えるかという話で、自分がどうこうできる問題でもないので受け入れるしかないと感じています。特に今までにない職種だったり、組織に属しない働き方をされている方をみる目は温かいものではありません。例えばもし独立してブロガーで生きている方がいらっしゃったらどう思われますか?市民権は得てきている職種だと思いますが、「そんなブログを書くだけでずっと生きていけるはずがない、虚業だ」と思われる方がまだまだいるかとおもいます。

ブロガーの方はまさに会社通いをせずに稼ぐ生き方をされている人たちです。日々の暮らしの中の気づきをまとめることで仕事にされています。それは一見働いていないようにみえます。(立派な仕事だとおもいますが)ブロガーさんが売り上げを公開するような記事を書かれていたりするのですが、自慢とかではなく先入観を持っている方に数字を使ってご説明しているのかもしれません。

私もこの前両親から妻のLINEに息子はキチンと稼いでいるのかという調査が入りました。両親に売り上げを公開しようかな。

結論:イクメンはまだまだマイノリティな生き方です。

個人的な意見ですが、イクメンブームに乗ってイクメンしようとされている方は厳しいと思います。国家施策より言葉の認知はされていても、実態はまだまだ少数派です。男性の育児休暇の取得が少ないのは、(2)に書いたような給与体系の仕組みや、(3)の周囲の評価や目線を気にされてしまうこともあるように思います。

私が育児退社という道を選んだのは、会社の給与体系の仕組みや周囲の評価を変えることは時間も労力もかかることなので、まずは自分の周りだけ小さく変える、その方が合理的だと判断したからです。

アフリカに「速く行きたいなら一人で行け。遠くに行きたいならみんなで行け。」という諺があります。私は速く行く方を選びました。なぜなら子どもの成長は一瞬なので。

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【筆者プロフィール】羽渕 彰博(ハブチン)
1986年、大阪府生まれ。2008年パソナキャリア入社。転職者のキャリア支援業務、自社の新卒採用業務、新規事業立ち上げに従事し、ファシリテーターとしてIT、テレビ、新聞、音楽、家電、自動車など様々な業界のアイデア創出や人材育成に従事。2016年4月株式会社オムスビ設立。

編集:鈴木健介

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