リクナビNEXTジャーナル

キャリア・ビジネスの情報満載【リクナビNEXTジャーナル】

東大→マッキンゼーのパンツ屋社長が勧める「はみ出す生き方」とは

東京大学卒業後、マッキンゼー、レアジョブ、ライフネット生命を経て、現在メンズアンダーウェアブランド「TOOT」の社長を務める枡野恵也さん。

2年前の取材で桝野さんは、この一見すると一貫性のない職歴を振り返り、「キャリアは人生におけるグリコのおまけのようなもの。徹底的にやりたいことをやり、楽しみ尽くしたい」という独自のキャリア観を語ってくれました

そんな枡野さんはこのほど、自分が進むべき道を見つけるためのノウハウをまとめた著書『人生をはみ出す技術』(日経BP社)を出版、話題を集めています。自身の経験を交えながら、人生をはみ出し、自分らしく働くことがこの時代を生き抜く術だと説きます。
今回はその中から、枡野さんの「キャリアに関する考え方」の一部を抜粋し、ご紹介します。

f:id:itorikoitoriko:20170818163446j:plain

自分の「目標」を重視しつつも、「ご縁」も大切にする

枡野さんは、キャリアの築き方について「大きく2つの考え方がある」としている。
一つは、最終的な「目標」を決めて、そこから逆算してキャリアを積み上げていくという考え方。もう一つは、「ご縁」を大切にして、その都度自分が面白そうだと思った仕事を選択していくという考え方だ。

ただ、「どちらの考え方にも一長一短がある」とのこと。前者の場合は、目標がはっきり決まっていても時間とともにやりたいことが変わってくることもあり、その場合はどう軌道修正するかが問題になる。後者の場合は、行き当たりばったりの側面があるので、それまで自分が培ってきたスキルが活かせない支離滅裂なキャリアになる恐れがある。

枡野さんは、この2つの考え方をハイブリッドにした「第3の道」を勧めている。

「目標」から逆算して、どんなスキルを身に着けるべきかを考えるものの、その「目標」自体は大まかにしておく。それにプラスして、「ご縁」も重視して選択肢を検討する…という方法だ。

枡野さん自身、学生時代から「国際的に活躍したい」「社会の問題を解決したい」という大まかな目標を持ち続けているが、転職を含めた偶然の出会いが「パンツブランドの社長」という仕事に導いてくれた…と振り返る。

マッキンゼーでは国際的な舞台での問題解決の仕事に携わることができ、その経験から「世のなかを動かすのはビジネスだ」と気づいて、オンライン英会話サービスを手掛けるレアジョブに転身。法人事業を立ち上げ1年で黒字化させた。その後、転職したライフネット生命では、海外展開の検討段階から携わることができ、「目標につながる部分が大いにあった」とのこと。

そして、これらの経験があったからこそ「TOOT」との出会いにつながったという。TOOTとの出会いは、「ご縁」。自分が「できること」と「求められること」が一致したから、経営後継者として声がかかったのだと実感しているという。

枡野流・ご縁のつかみ取り方とは?

f:id:itorikoitoriko:20170818163443j:plain

前述したキャリアの築き方のうち、「目標」から逆算してキャリアを積み上げていくという方法は比較的真似しやすいが、「ご縁」を大切にするという部分は、「ご縁なんてどうやって築いていいかわからない」と感じる人が多いだろう。

そこで枡野さんは本書の中で、自身の経験をもとにした「ご縁をつかみ取る方法」を指南している。 

●外側にアンテナを張る

自分が普段、仕事をしている範囲の「外側」にアンテナを張り、自分が興味を持てそうなものがないかを探すといい。面白そうなものが引っ掛かったら、それにとりあえず首を突っ込んでみる。仕事とは直接関係がなさそうでも、後から自分のキャリアにつながっていく可能性がある。

枡野さんはレアジョブ勤務時代、海外での社会貢献活動に興味を持ったことをきっかけとして、貧困問題の解決に取り組むNPOにプロボノとして参加。その活動を通して知り合ったのが、ライフネット生命現社長の岩瀬大輔氏。岩瀬氏とアフリカに視察に行くなど行動を共にする中で、「一緒に働かないか」と声を掛けられた。「NPOの活動は本業ではないが、それを通じて次の本業となる会社に出会えた」という。 

●選択肢を並べてリスク・リターンを検証する

一度きりの人生なのだから、自分がやりたいことに思い切って挑戦することは大切。ただ、だからといってリスクばかりが高く、リターンが小さい仕事は、やはり避けたほうが無難だという。

「TOOTの社長に」と声がかかった時、枡野さんはほかに数社からオファーを受けていた。そこで各オファーについて、会社の倒産、業績低迷による給与低下、得られるスキルが偏っていて思うように成長できないなどといった「リスク」と、給与などの待遇、働きやすさなどの環境面、やりがいや社会的意義などといった「リターン」を分析。

その結果、TOOTは「すでに経営は軌道に乗っており、固定ファンもいる。そのブランドをさらに飛躍させる役割を担うというのは“ミドルリスク・ミドルリターン”だ」と判断し、TOOT社長への転身を決断した。

多くの人は、今いる場所を「ローリスク・ローリターン」と捉えがちだが、現在は、どんな大企業でも安泰ではないし、知らないうちに「その会社以外では通用しない人材になってしまうリスク」がある。しかし、自分で起業するのはまさに「ハイリスク・ハイリターン」であり、誰もがチャレンジできるものではない。

その点、「ミドルリスク・ミドルリターン」の選択肢はチャレンジングであり、かつリスクもある程度抑えられる魅力的な環境といえる。20代のうちに仕事を通じて意識して経営のスキルを身につけ、30代で優良な中小企業の後継者になるのもライフプランとして面白いと、枡野さんは勧めている。 

●ときに「流れ」に身を任せる

選択肢を並べてリスク・リターンを検証した時に、「この選択肢は先がどうなるか見えないけれども、面白いことになりそうな気もする…」と悩む場合もあるだろう。そんなときは思い切って「流れ」に身を任せるのも、いいご縁をつかむ方法だという。もし流れに乗って選択した結果、「自分に向いていなかった」と気づいたとしても、次はもっと自分にフィットした環境を選べばいいだけ。そして「飛び込んだからこそ、見える世界がある」という。

枡野さんにとって「TOOT」は、まさに「思い切って飛び込まないと分からない世界」だった。グローバル化を進めることで、ブランドを飛躍させたいと考え飛び込んだが、TOOTならではの立体裁断による高いフィット感は、職人による高度な縫製技術によるものだと気付き、「始めに手がけたのは、業務委託先だった工場をM&Aで自社工場にすること」だったという。需要に供給を追いつかせるためには、量産体制を整えなければならないが、TOOTのフィット感はベテランの職人による高度な縫製技術によるもの。時間をかけて人を増やし、製品に愛着を持ちながら丁寧に製品を作れる人材を育てる必要があると気付いたという。

「入社前は、ここまでモノづくりに深く入り込むと思わなかった」という枡野さん。飛び込んでみたことで、予想していなかった新たなスキルや視点が養われたのだ。

「ベスポジパンツ」社長の「はみ出すススメ」に刺激を得よう

独自の立体裁断で、どんな人が履いても「ベスポジ」に収まることで有名な「TOOT」。その社長が指南する「はみ出すススメ」は、今後のキャリアに悩む人たちにとって大きな刺激になりそうです。

ここで紹介した枡野さんならではの「ご縁のつかみ取り方」は一部であり、本書ではさらにさまざまな方法が紹介されています。また、異色ともいえる自身のキャリアの変遷や、キャリアを自分らしく生きぬく方法、「はみ出す生き方」が求められている理由など、自身の経験を交えながら解説しています。「このままこの仕事を続けていていいのだろうか」「上司や先輩を見ていても自分の将来がイメージできない」などとモヤモヤを抱えながら働いている人は、手に取ってみてはいかがでしょうか?

 

f:id:itorikoitoriko:20170818163439j:plain

参考書籍:『人生をはみ出す技術』/枡野恵也/日経BP社

 

EDIT&WRITING:伊藤理子 

【マンガ】デキる人になりたければ「社内有名人」になりなさい

こんにちは。しりもとです。
自分は、有名人になれるような人間ではない…と諦めてはいけませんか。
あなたの魅力を思う存分発揮して、みんなを虜にしてしまいましょう。

f:id:kensukesuzuki:20170817111224j:plain

f:id:kensukesuzuki:20170817111236j:plain

f:id:kensukesuzuki:20170817111244j:plain

>> 過去の作品一覧はこちら

著者:しりもと

しりもと

絵や漫画など描いています

Twitter:@SHIRIMOTO

 

 


 

 

 

「成長できない」と嘆く人に、見直してほしい“2つのこと”

コミュニケーション総合研究所代表理事の松橋良紀さん。そんな松橋さんに「コミュニケーションの極意」についてお話しいただくこのコーナー。第27回目は「お金と時間を『消費』『浪費』『投資』に棚卸しして、使い方を賢く見直す方法」についてです。

 f:id:fujimine:20170816104051j:plain

「自分を変えたい・・・」
「人生を変えたい・・・」
誰でも一度や二度、こんな風に考えた経験があるのではないでしょうか。
自分と人生を変えたいと思うなら、今すぐに出来ることがあります。
それは、「お金」と「時間」の「棚卸し」をして、使い方を見直すことです。
では、どんな使い方をすれば、人生を変えられるのかを考えていきましょう。

1. お金の使い方

お金の使い方は、「消費」「浪費」「投資」の3つに分けられます。

(1)消費
消費とは、生活する上で必要なものにお金を使うことです。よく巷で言われる節約術というのは、「この部分を削りましょう」です。ここを減らしすぎると、精神的に行き詰まることがあります。
・住居費
・食費
・衣料費
・光熱費
・交通費
など

(2)浪費
浪費とは、いわゆる“無駄使い”のことです。
・なんとなくコンビニに寄って、飲むつもりもなかったに買ってしまった飲み物やお菓子の購入費
・情緒不安定なときに買ってしまい、一度しか着なかった洋服の購入費
・時間つぶしのためのゲームの課金
・身分不相応な車の購入費
・愚痴しか出ない、おなじみの同僚との飲み代
などなど

(3)投資
投資とは、将来的に見返りが得られる可能性があるものにお金を使うことです。投資というと、株や投資信託、不動産投資などを思い浮かべる人が多いでしょう。それも大切ですが、ここでいう投資とは、自分のスキルや能力を高めるための『自己投資』です。
・専門書や自己啓発書などのビジネス書籍代
・セミナーの受講費
・刺激を与えてくれる人、自分より先を進んでいる人との会食費
・自分のブランドイメージを高めてくれるような洋服代
・行ったことのない土地への旅行費用
など

これら3つの何にどのくらいお金が使われているのか、一度、棚卸しをしてみてください。全体をみることで、自分自身のお金の使い方がみえてきます。

今までの投資が現在のあなたの姿

実際に棚卸しをしてみて、「消費」「浪費」「投資」の何にお金が使われていましたか?現在、望んでいる人生を過ごせていないなら、今までに投資が足りなかったか、適切ではなかったということになります。
皮膚、髪の毛、爪など、あなたの身体は、今まで食べたり飲んだりしたものから出来ています。今まで口に入れたものが、今のあなたを作ってきたわけです。
人生もそれと同じです。
今まであなたの潜在意識に入れてきたことが、あなたの考え方をつくり、信念をつくり、思い込みを作り、あなたの現在の人生をつくっているのです。

今あなたは、自分に投資をしていますか?
消費と浪費にのみお金を使っていませんか?
収入を消費と浪費に使っているだけでは、人生は変わりません。
人生を変えたいなら、投資にお金を使うことが必要です。

自己投資とは、文字通り自分に投資することです。
自己投資の方法はいろいろあります。
見た目にお金を使うのも自己投資の一つですし、自分自身を高めることも投資の一つです。
例えば、友人と食事をするためにお金を使うことは、一見、消費と浪費にみえますが、そこで愚痴を言いあうことで気持ちの切り替えができたり、何気ない会話からインスピレーションがわいたなら、その食事代は、十分実りある自己投資なのです。

あのときの投資がなければ今の自分はない

 f:id:fujimine:20170814165134j:plain

私は25歳の時に、15万円の自己啓発セミナーに誘われました。その時の私は、あまりお金がなく、本を買うのも躊躇するような状態でしたから、悩みに悩んで参加しましたが、そこから自己投資のハードルが一気に下がりました。
それ以降、心理学やコミュニケーションの講座に参加したり、自己啓発本を何千冊と購入してきました。
自己啓発会社に入社して、ジョセフ・マーフィーの教材販売の仕事を始めたときには、ジョセフ・マーフィー関連の本をすべて注文しました。そのとき、届いた数は100冊を超えたほどです。
100万円を超えるセミナーに参加したこともありました。関心のない人にうっかり話してしまったら、「なんでそんなことにお金を使うの?もったいない。安い車が一台買えるじゃないの?」と言われました。また、「騙されているんじゃないの?洗脳されてるんじゃないの?」と心配されることもよくありました。
ですが今私が、心理学や自己啓発、コミュニケーションの本を20冊近く出版できて、全国各地で講師として呼ばれるようになり、海外で講演会を行えているのは、これまでの自己投資があればこそです。あのときの投資がなければ、今の私はないと断言します。
つまり、それらの投資をしていなかったら、あなたがこの文章を読むこともなかったわけです。

2. 時間の使い方

どんな人にも平等に与えられている資源。
それが「時間」です。
時間の使い方も、お金と同じ「消費」「浪費」「投資」に分類できます。

(1)消費
・ご飯を作って食べる時間
・睡眠の時間
・お風呂に入る時間
・生活費を稼ぐために働く時間
などなど

(2)浪費
必要ではないし、何も生み出すことがない時間は、浪費です。
・見るつもりもなくなんとなく見ているテレビ
・時間つぶしのゲーム
・目的もなくスマホでネットサーフィンする時間
・得るものがない飲み会
・惰性で付き合っている友達との時間

(3)投資
見返りが期待できることに使っている時間は、投資になります。
・自分を高めるための本を読む時間
・実入りは少なくても、知識や技術が蓄積される仕事の時間
・家族との旅行などの思い出づくり
・刺激をもらえる人との会話時間

いかがでしょう?
もし今、浪費が多いとしたら、それを自分のスキルや強みを高めるための投資に回すべきです。
通勤の合間になんとなく見てしまうスマホの時間を、読書の時間に充てる。
テレビを見ている時間を、自己啓発のDVDを観る時間に充てる。
毎週ある飲み会の参加を月一回に減らして、意識の高い仲間と会える、自己啓発セミナーや勉強会に参加する時間に充てる。
この中でも特におすすめしたいのは、読書の時間です。
思い通りの人生を送っている人は本好きが多いです。
私の周りの思い通りの人生を送っている人は、自分の専門分野の本を100冊以上読み込んでいる人がざらにいます。自分の得意分野をとことん突き詰め、知識を増やして、「強み」にしているからです。自分の強みを伸ばせると思った本は、何度も読み返しましょう。
さらに、その著者がセミナーをやっているなら、セミナーに参加してみるのも一つの方法です。

人生の質を変える方法

どんな大富豪も、いつも経済的に苦しんでいる人も、与えられている時間は、同じ24時間です。
違いは、消費や浪費に使っているか、投資に使っているかです。
消費や浪費が多いという方は、とてももったいない人生を過ごしています。
今日からでも、その「浪費」の時間を「投資」の時間にシフトチェンジすべきです。
今のあなたは、過去に体験したこと、過去に読んだ本、過去に出会った人たちによって作られています。
人生の質を高めるのは簡単です。
投資に回すお金を増やせばいいのです。
投資に充てる時間を増やせばいいのです。
現状をすぐ変えろとはいいません。浪費を全部なくせと言いたいのではなく、時間とお金のベクトルを少しだけ投資に向かせればいいのです。

今、未来を変えると決めて、お金を使う時、時間を使う時に、自問自答してください。
「これは消費なのか、浪費なのか、投資なのか」
投資だと確信できたら、迷わずに進みましょう。
あなたの未来は、きっと一つ上のステージへ進めるはずです。

 

松橋良紀(まつはし・よしのり)

コミュニケーション総合研究所代表理事/一般社団法人日本聴き方協会代表理事/対人関係が激変するコミュニケーション改善の専門家/コミュニケーション本を約20冊の執筆家

1964年生青森市出身、青森東高校卒。ギタリストを目指して高校卒業後に上京して営業職に就くが、3年以上も売れずに借金まみれになりクビ寸前になる。30才で心理学を学ぶと、たった1ヶ月で全国430人中1位の成績に。営業16年間で、約1万件を超える対面営業と多くの社員研修を経験する。2007年にコミュニケーション総合研究所を設立。参加者が、すぐに成果が出るという口コミが広がり出版の機会を得る。NHKで特集されたり、雑誌の取材なども多く、マスコミでも多数紹介される。

約20冊で累計30万部を超えるベストセラー作家としても活躍。「コミュニケーションで悩む人をゼロにする!」を合言葉に奮闘中。

 

著書

『「売れる営業」がやっていること 「売れない営業」がやらかしていること』(大和書房)

「あたりまえだけどなかなかできない聞き方のルール」(明日香出版社)

「相手がべらべらしゃべりだす!『聞き方会話術』」(ダイヤモンド社)

「人見知りのための沈黙営業術」(KADOKAWA)

「何を話したらいいのかわからない人のための雑談のルール」(KAODOKAWA)

「話し方で成功する人と失敗する人の習慣」(明日香出版社)

 公式サイト http://nlp-oneness.com

仕事の効率を妨げる「4つの敵」に、どう立ち向うべきか――ドラッカーからの伝言

『プロフェッショナルサラリーマン(プレジデント社、小学館文庫)』『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」(日本経済新聞出版社)』等のベストセラー著者である俣野成敏さんに、P・F・ドラッカーの名言を解説いただくコーナー。第18回の今回は、「組織の成果を上げる際の障壁になるものとは?」の前回の続きをお送りします。

【P・F・ドラッカーについて】

ピーター・F・ドラッカー(1909〜2005)は、オーストリア出身の著名な経営学者。激動のヨーロッパで古い価値観・社会が崩壊していくのを目撃。ユダヤ人の血を引いていたドラッカーはナチスの台頭に危険を感じて渡米、ニューヨーク大学の教授などを経て、執筆と教育、コンサルティング活動等に従事する。

ドラッカーが深い関心を寄せていたのは、社会において企業が果たす役割についてであり、生涯にわたって、組織内で人をよりよく活かす方法について研究、思考し続けた。「マネジメントの父」と呼ばれ、GE社のジャック・ウェルチ氏やP&G社のアラン・ラフリー氏など、ドラッカーを師と仰ぐ世界的な経営者は数多い。

 f:id:fujimine:20170807131827j:plain

こんにちは。俣野成敏です。

著名な経営学者であるP・F・ドラッカー氏の言葉を「私なりの解釈を付けて読み解いていく」というこのコーナー。

世界中に支持者を持つ一方で、難解と言われることも多いドラッカー氏ですが、残された著書を紐解くことによって、長年にわたり世界的企業の第一線で指導を続けた氏の真髄に触れることができます。これを機会にぜひ氏に親しんでいただき、氏の英知をご自身の仕事に取り入れていただくきっかけとなりましたら幸いです。

本日は、前回に続き、下記の名言について解説いたします。

【本日の名言】

「通常、組織に働く者は自分ではコントロールできない四つの大きな現実に囲まれている。それらの現実は、いずれも組織に組み込まれ日常の仕事に組み込まれている。彼らにとっては、それらのものと共生するしか選択の余地はない。しかも四つの現実のいずれもが、仕事の成果をあげ業績をあげることを妨げようと圧力を加えてくる」

(P・F・ドラッカー『経営者の条件』)

前回は、組織の中に存在している「仕事の成果を妨げる“四つの現実”」について説明しました。その四つの現実とは、

(1)他人によって奪われる時間
(2)際限のない日常業務
(3)他者に依存している成果
(4)外部から遮断された環境
(言葉は著者が一部を要約)

この四つの現実は「変えることができない」とドラッカー氏は言います。避けることができない以上、これらがある前提で考え、行動していくしかありません。

前回、(1)「時間」について、私の事例をもとにお話しました。今回は他の3つに関して、それぞれ解説を加えていくことにしましょう。

あなたがやっているのは、本当に必要な仕事なのか?

まずは(2)「日常業務」についてですが、ドラッカー氏は「断固たる行動をもって変えないかぎり、日常の仕事の流れが彼の関心と行動を決定してしまう」と述べています。つまり「惰性」です。人は何も考えないでいると、とりあえず「目の前の仕事」「昨日の続き」に手をつけてしまいがちです。

普段、日常業務を改善するためによく叫ばれているのが効率化ですが、効率化とは、実のところ「今ある作業の手順を見直している」だけに過ぎません。けれど本当に大事なのは「その作業はそもそも、必要なのかどうか?」ということのほうです。

もちろん、会社はやる必要のある仕事だと思っているからこそ、あなたに仕事を頼んできています。ところが仕事の中には、以前は必要とされていたけれども、今はすでにやる意味を失った業務などが混じっていることがあります。また、同じ仕事を別の部署も重複してやっているような場合もあります。

それが本当に必要な仕事なのかどうかは、ただ、言われるままにやっているだけでは判断できません。それを見極める方法としては、仕事が自分の手を離れた後にどうなっているのかを追跡調査したり、後続の担当者の役に立っているのかを聞いてみたりするのも手です。

もし、意味のない仕事を見つけて、あなたの代で終わらせることができたら、それはあなたの労力だけにとどまらず、その仕事を将来、引き継ぐはずだった人の分の労力までをも省略できたことになります。それによって空いた時間を、より生産的な業務に注力することができるようになります。

他人からの協力を取り付けるために会議を活用する方法

続いて(3)「他者に依存している成果」に関してですが、成果とは元来、他人あってのものなのだ、ということを前回お話しました。

人が集まって何かを成そうと思った時に、不可欠なのが「協力」です。そもそも、組織とはチームです。チームとは、所属している人がそれぞれの能力を発揮し、相乗効果でよりよい成果を上げていこうとするものです。ですから「いかに他者の協力が得られるか?」ということが、ことの成否を大きく左右します。

仕事をする者同士が、議論し、協力し合うために行うものの一つに会議があります。ドラッカー氏も「会議とは、目的をもってチームを方向づける」ために行われる、と述べています。

ところが実際の会議とは、ただ資料を読み上げるだけで、誰も発言しない報告会的な内容のものや、あるいは部署同士の利害が対立しあい、紛糾して収拾がつかなくなるものなど、時間ばかり浪費させるものが少なくありません。協力し合うことが目的の会議で、かえって対立してしまうのは、たいていお互いが自分の権利を主張するだけだからです。

たとえば、部署間の交渉で言うと、私がサラリーマン時代に行っていたのが「相手が喜ぶことをリストアップするために会議に参加する」ことでした。会議では他部署の意見を聞きながら、「自分たちの目的を達成するために、相手にどう動いて欲しいのか?」「そのために自分たちができることは何なのか?」と考えていました。

実際にその案を提案するかどうかは別にして、私はいつも「相手が喜ぶこと」と「自分たちの得たい成果」をセットで思案する場として、いつも会議に臨んでいました。交渉とは、お互いの満足条件を満たすことに他なりません。そのためには、「誰も損をしない提案をする」ことが基本なのです。

どんなに成功した会社でも「明日は保証されていない」

最後の(4)「外部から遮断された環境」についてですが、ここでは「どれくらい『視野』の広さを持てるか?」ということがポイントになってきます。社内での日常にばかり気を取られていては、外部環境の変化に気づきにくくなります。そうやって視野が狭まっていくと、重要なことが見過ごされ、未来のチャンスが見えなくなってしまいます。

今の世界は変化が早く、たとえ現在は他社より有利な立場にいたとしても、技術革新によって突然、市場自体がなくなる可能性すらあります。たとえばデジタルカメラが登場することによって、写真フィルムの市場がほぼ消えたように、です。

アメリカのコダック社は、かつて写真フィルムを発明した会社として、フィルム業界では圧倒的な地位にいました。しかし、デジタルカメラ時代の波に乗り遅れ、2012年、ついにアメリカ連邦破産法の適用を申請することとなりました。翌年、株式を再上場していますが、もはや往年の姿は望むべくもありません。

同社が必ずしも、外の世界が見えていなかったのかと言うと、そうとは言いきれないでしょう。1975年に、世界初のデジタルカメラを発明したのは同社です。けれど結局、従来のビジネスモデルから脱却することはできませんでした。

たとえ今がうまくいっているとしても、それが未来を保証してくれるワケではありません。大事なのは、変化に気づき、それに対応することです。今が強ければ、将来も生き残れるという保証はどこにもないのです。

「四つの現実」に対するドラッカーからの問いかけとは

 f:id:fujimine:20170814111434j:plain

前回、今回と2回に渡って、組織の成果を妨げている四つの現実について考察してきました。

お伝えしたかったのは、まずはこの四つの現実を認識するところから始める、ということです。そしてそれを踏まえた上で、ドラッカー氏は「あなたは自分の組織内において、この四つの現実とどう対峙するのか?」ということを問いかけているのではないでしょうか。

もし、あなたの組織がうまく回っていないのだとしたら、まずはこの四つの現実のどれかが阻害要因になっていないかを確認してみるといいでしょう。これらは確かに、完全に消し去ることはできません。それでも、認識できれば何かしらの対策はある、ということなのです。

 

 

俣野成敏(またの・なるとし)

大学卒業後、シチズン時計(株)入社。リストラと同時に公募された社内ベンチャー制度で一念発起。31歳でアウトレット流通を社内起業。年商14億円企業に育てる。33歳でグループ約130社の現役最年少の役員に抜擢され、さらに40歳で本社召還、史上最年少の上級顧問に就任。『プロフェッショナルサラリーマン』(プレジデント社)『一流の人はなぜそこまで、◯◯にこだわるのか?』(クロスメディア・パブリッシング)のシリーズが共に12万部を超えるベストセラーに。近著では『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』が11刷となっている。著作累計は34万部超。2012年に独立後は、ビジネスオーナーや投資家としての活動の傍ら、私塾『プロ研』を創設。マネースクール等を主宰する。メディア掲載実績多数。『ZUU online』『MONEY VOICE』『リクナビNEXTジャーナル』等のオンラインメディアにも寄稿している。『まぐまぐ大賞2016』で1位(MONEY VOICE賞)を受賞。一般社団法人日本IFP協会金融教育顧問。

俣野成敏 公式サイト

「かしこい」と言われる人の、時間をムダにしない勉強法とは?

「資格の大原」でおなじみ、大原学園で講師を務めた経験をお持ちで、『30代で人生を逆転させる1日30分勉強法』著者でもある石川和男さんに、前回の「時間をムダにしない人は『30分の使い方』が違う」に続き、「簡単な方法で全脳を使って勉強できる!時間をムダにしない人の勉強法」について教えていただきます。仕事にも勉強にもすぐに実践できるテクニックなので、取り入れてみてはいかがでしょうか。

 f:id:fujimine:20170809155635j:plain

身につけるためには「繰り返す」しか道はない

以前、専門学校で日商簿記の講座を受け持っていました。受講生のなかには復習について間違えた考え方も持っている方がいます。

1つ目のケースは、講義終了後に「講義が全然解らない」と言ってくる受講生。
私は、朝10時から夕方5時近くまで教壇に立ち、喋りっぱなしで講義をしていました。そんな時に、最後にこれを言われると「この1日の講義はなんだったんだ」と一気に疲れが倍増します。ただ聞いてみると前回の復習を1分もしていないのです。簿記は、積み重ね方式の勉強が大切なので前回の講義を理解していないと、次の講義は全く分かりません。復習しないで分かったら「超」天才です。「超」を付けたのは、天才レベルですら復習しないとついていけないからです。復習しないで解るのは、たぶん10,000人に1人いるかいないかだと思います。なぜ「たぶん」をつけたかというと、15年講師をしていて、復習しないで分かる人に一度もお目にかかったことがないからです。

2つ目のケースは、ちゃんと復習をして次の講義に挑む受講生。講義も理解できています。講義前に行う10分間ミニテストでは毎回満点。ただし講義が進むにつれて、ついてこれなくなります。
これはセンスのある方に陥りがちな罠です。理解ができるので一度の復習しか行いません。しかし、一度復習しただけで、繰り返し覚えないので忘れてしまい、気がついたときには講義についていけなくなります。一度の復習では定着しないのです。

どちらのケースも復習の仕方を間違えています。
前者は復習を全くしない方なので復習以前の問題ですが、後者は完全に自分の能力を過信しています。
人間は忘れる動物なのです。
繰り返し復習しなければ忘れてしまいます。

では、どうするのか。
少なくても4回復習することです。

  1. 勉強した後は、勉強終了3分前にざっと総復習をします。
  2. 次の日、できれば朝起きた時に5分ぐらい復習します。寝起きが無理なら通勤の電車の中など隙間時間でも構いません。とにかく2度目の復習は間をおかず早めにやってください。
  3. 3度目の復習は1週間後ぐらいに行います。徹底的にやってください。ここで記憶があいまいなら、もう一度1週間後に復習します。これは3度目の復習が完璧ではなかった追試なので、4度目には入りません。
  4. 4度目は、試験直前に復習します。資格試験の種類によりますが、例えば社会保険労務士試験を受ける人に試験直前に復習して下さいと言っても試験範囲が膨大です。この場合は目次を見て出題頻度の高いところ、重大なところ、忘れているところを復習しましょう。

「4回の復習」をまとまると1回目は勉強直後、2回目は次の日(なるべく早く)、3回目は1週間後(自信がなければ再チャレンジで次の週)、4回目は試験直前となります。

ただし4回にこだわる必要はありません。何度でも納得いくまで復習してみて下さい。司法試験、公認会計士試験に合格している方は、もの凄い量の復習をしています。ちなみに東大出身の吉永賢一先生は「東大家庭教師が教える頭が良くなる勉強法」(中経出版)で、分からなければ300回は繰り返すと言っています。

勉強は、つい新しい箇所に進みたくなったり、違うテキストに手を広げたくなります。新しいことに挑戦したい気持ちはわかります。単調な復習の繰り返しは苦痛です。より新鮮な知識を脳が求めているのも分かります。ただ、先に進むことばかりに目がいくと、身につきそうな知識も身につかず、今までの苦労が水の泡です。大切な時間をムダにしないためにも苦手な教科や嫌なところも忘れないように繰り返し復習することが結局のところ、ゴールへの近道なのです。

こんな簡単な方法で全脳を使って勉強できる

今、観ているテレビも、1970年代前半は、白黒が主流でした。ローマの休日やカサブランカに代表される名作が白黒なのは「おもむき」があります。黒澤作品のように昭和の時代を懐かしむ映像としては良いかもしれません。
しかしカラーが当たり前になった現在はどうでしょう?
歌番組をはじめバラエティ、クイズ……華やかさが半減します。テレビを見るのに飽き、ネットを見たりやゲームをしたり、遊びに行ったりなど他のことに目移りする確率が高くなります。

勉強にも同じことが言えます。
なぜ勉強するときに、白いノートや黒いシャープペンシルを使うのでしょうか?
もちろん、試験は決められた答案用紙に、黒のシャープペンシルもしくは鉛筆などのルールがあるので仕方がありません。
しかし、普段の勉強にはルールは無いのです。自由です。
勉強は知る喜び、昨日の自分より成長する喜びなど、楽しいこともありますが、行っている過程で苦しいこともたくさんあります。テキストの暗記、テストがあるので飲み会を断る、テレビを減らす、試験日なので友達の結婚式も欠席。今まで自由だったことが不自由になります。様々なことを犠牲にして頑張ります。

実は、理にかなっている!?色を使って勉強してみる

 f:id:fujimine:20170809155536j:plain

ほんのちょっとしたことですが、好きな色を使うだけで勉強が楽しくなりますし、単調な作業の場合、刺激にもなります。
グリーンにピンクにオレンジ……地味な勉強が華やかになってウキウキするイメージが浮かびませんか?

左右の脳にはそれぞれ働きがあります。
左脳は言語・計算などを分析する論理的思考、右脳は感覚・イメージなどを認識する直感的能力をもつと言われています。つまり、左脳は文字を認識し、右脳は色を直感的に判断するのを得意としています。余談ですが、レオナルド・ダ・ヴィンチやバッハなど芸術家は右脳の能力がずば抜けていたともいわれています。
話をもとに戻しますと、色を使って勉強するということは、文字を書くのに左脳を使い、色を使うことで右脳が働くことになるため、左右どちらの脳もフル回転させる、理にかなった方法といえます。

 

黒の鉛筆から色付きのペンに持ち変えることで全脳を使い、前回お伝えした、2つ以上の動作で記憶に定着させる勉強法(目で見て、口に出し、耳で聞き、時には線を引いたり、書き込む動作)と組み合わせることで全身全霊全脳を使ってさらに効果的に勉強することができるのです。

自分にあった勉強法を取り入れ、大事な試験に挑んでください。

 

合わせて読みたい

f:id:asukodaiary:20170309141602j:plain【プロフィール】石川和男(いしかわ・かずお)

建設会社総務部長、大学、専門学校講師、セミナー講師、税理士と、5つの仕事を掛け持ちするスーパーサラリーマン。大学卒業後、建設会社に入社。管理職就任時には、部下に仕事を任せられない、優先順位がつけられない、スケジュール管理ができない、ダメ上司。一念発起し、ビジネス書を年100冊読み、月1回セミナーを受講。良いコンテンツを取り入れ実践することで、リーダー論を確立し、同時に残業ゼロも実現。建設会社ではプレイングマネージャー、専門学校では年下の上司の下で働き、税理士業務では多くの経営者と仕事をし、セミナーでは「時間管理」や「リーダーシップ力」の講師をすることで、仕事が速いリーダーの研究を日々続けている。
『仕事が「速いリーダー」と「遅いリーダー」の習慣』(明日香出版社)は16刷中ほか、勉強法、時間術など3冊のビジネス書を出版している。
石川和男 公式サイト http://ishikawa-kazuo.com

違う駅だが歩くと近い!都内の「乗り換え便利駅」11選

多くの路線が走る都内の電車の乗り換え。駅名だけで乗り換えルートを判断してはいけません。同じ駅だからと油断していると、東京駅の京葉線や大手町の丸ノ内線―三田線間のように、1駅分近く歩かされることも…

そこで今回、覚えておくと便利な、「違う駅名だけど乗り換えが便利」な駅をご紹介します。

f:id:tany_tanimoto:20170810134721g:plain

駅名で惑わされてはいけない罠

東京の中心、千代田区にある「都営新宿線小川町駅」「丸ノ内線淡路町駅」「千代田線新御茶ノ水駅」の3つの駅は、それぞれ別名で、一見するとなんの関連性も見られませんが、かなり近接しています。

例えば千代田線の新御茶ノ水駅の代々木上原寄りの車両にいた場合、駅を降りて200mくらい進めば、もう都営新宿線の小川町駅。そこからさらにもう100mくらい進めば、丸ノ内線の淡路町駅まで辿れます。

さらに反対側の、綾瀬寄りの車両にいた場合、駅を降りて同じく200mくらいでJR御茶ノ水駅にも着くことができます。

以前にも紹介しましたが、同じ駅名でも「東京駅」の京葉線から山手線に乗り換える際は、300m以上離れているため約10分程度の時間を要します。この東京砂漠で電車を利用するには、駅名に惑わされてはいけないのです。

違う駅名でも乗り換えが便利なのは?

都心エリアには、違う駅でありながら比較的乗り換えやすい駅がいくつかあるので、さっそくご紹介します。

 

  • JR総武線「馬喰町駅」×都営新宿線「馬喰横山駅」×都営浅草線「東日本橋駅」
  • 銀座線「上野広小路駅」×都営大江戸線「上野御徒町駅」×JR山手・京浜東北線「御徒町駅」×日比谷線「仲御徒町駅」
  • 都営大江戸線・三田線「春日駅」×丸ノ内線・南北線「後楽園駅」
  • 丸ノ内線・千代田線「国会議事堂駅」×銀座線・南北線「溜池山王駅」
  • 有楽町線・半蔵門線・南北線「永田町駅」×丸ノ内線・銀座線「赤坂見附駅」
  • 銀座線「京橋駅」×都営浅草線「宝町駅」
  • JR山手・京浜東北・中央・総武線/日比谷線「秋葉原駅」×都営新宿線「岩本町駅」
  • JR山手・京浜東北/東京モノレール「浜松町駅」×都営浅草線・大江戸線「大門駅」
  • JR山手・京浜東北線/有楽町線「有楽町駅」×日比谷線・千代田線/都営三田線「日比谷駅」
  • JR山手線「原宿駅」×千代田線・副都心線「明治神宮前駅」

郊外の私鉄まで含めると、さらに複数の「異名駅乗り換え」を実現できるケースが広がります。

 

ただし注意が必要なのは、東京駅の京葉線と山手線乗り換え同様、違う駅同士の乗り換えであっても、ケースによっては10分近くの時間を要することがあります。

例えば都営大江戸線「大門駅」から、東京モノレール「浜松町駅」に乗り換える場合。直線距離は100m程度と近いながら、地下深くを走行する大江戸線と、かたやビル4階相当にホームがある東京モノレール駅はかなりの「高低差」があるので注意が必要。もちろんこの点に関しては、同名駅でも同じケースが多々あります。

そこで今回の結論は、「同じ駅名だから乗り換えに便利」という固定概念を取り外し、「違う駅同士の乗り換えパターン」を頭の片隅に入れておくと、ちょっとだけ得した気分になれる。ということなのです。

 

WRITING:山田モーキン イラスト:海月あいる

 

全社員に給料を知られるのってアリ?「中小企業ならでは」の人事・評価制度

 大手企業ではさまざまな「制度」「仕組み」が充実しているが、中小企業では不十分――そんなイメージを抱いている人も多いのではないでしょうか。

しかし、中小規模だからこそ柔軟性があり、独自の制度や仕組みを活用しているケースも見られます。

最近の中小・ベンチャー企業では、どんな制度導入や取り組みが行われているのか、中小・ベンチャー企業に特化した人事評価制度を提供している、株式会社あしたのチーム代表取締役社長・高橋恭介氏に伺いました。

f:id:tany_tanimoto:20170810142102j:plain

社員がモチベーション高く働ける制度を導入

近年、採用市場は売り手市場となっています。新卒の内定率も高まり、大手企業ですら採用難・人材不足に悩んでいる。当然ながら中小企業の採用状況はさらに深刻です。いかにして採用力を上げ、離職率を下げるかが課題。そこで、社員のモチベーションアップや組織の活性化につながるような取り組みに力を入れる中小・ベンチャー企業が増えています。

中小規模の組織だからこそできる制度としては、「異動」や「昇進」に関するものがあります。大手企業より、配属や担当業務・役職に融通が利かせられるのです。

例えば、あるサービス企業では、店長・副店長・リーダーの役割は、すべて「立候補制」。「挑戦したい」と手を挙げた人が研修を受け、卒業したらその役職に就きます。研修では、自身の役割やその会社で働く理由を見つめ直し、言語化するため、モチベーションがさらに高まる。店舗のトップ3人がそのような状態なら、メンバーも影響を受けて意識が引き上げられ、全体が活性化につながっています。

そして、特に重要なのが「評価」に関する制度・仕組みです。

社員にとっては「頑張り」と「給与」が連動していれば、納得感を持ってモチベーション高く働ける。採用難の今、優秀な人材が辞めないように、また優秀な人材を新たに獲得するために、評価制度の整備に注力する経営者が増えています

中でも、先進的な経営者は、人事評価制度を単なる「成果の査定」と捉えるのではなく、「人材育成・能力開発ツール」として活用しています。評価の基準が明確であれば、自身の強み・弱み、今後の課題が明らかになるため、行動目標を立てやすい。結果、成長につながるというわけです。

中小企業ならではの効果的な制度・仕組みとは

人事評価制度に関しては、中小規模の組織だからこそ運用が可能なものもあります。例えば次のような評価方法です。

●絶対評価

多くの会社、特に大手企業では「相対評価」が中心です。これは、部門内あるいは全社内で、社員の業績を序列化し、相対的な関係で評価する方式。最上位の「S」評価を受けるのは全社員のうち5%、その次の「A」評価は10%を対象とする、といったようにです。この場合、同じ働きをして同じ成果を挙げていても、他の社員の状況次第で評価が上がったり下がったりする。それでは公正な評価とはいえないでしょう。

一方、「絶対評価」の制度では、一人ひとりの社員に対して個別に目標設定し、その進捗・達成度合いを評価します。基準をクリアした社員は等しく評価し、等しく給与を上げる。つまり「ナンバーワン」が何人いてもいいわけです。多数の社員が成果を挙げれば企業の業績全体も上がるので、全員の給与を上げても経営に支障は出ません。

また、それぞれは向き合うのは「自分の目標」であり、同僚の評価を気にする必要がないため、人間関係のゆがみも生じにくくなります。

こうした「絶対評価」を運用できるのは中小企業ならではといえるでしょう。

●四半期に1度の評価/半期に1度の査定

「一つの目標を意識し続けていけるのは3ヵ月が限度」と捉え、四半期に1度のペースで評価を行います。低評価を受けても、次の四半期で挽回できる。課題を意識→克服するという「PDCA」サイクルが高速で回るため、社員は自身の成長を感じられるでしょう。

さらに査定を半期に1度ペースにすれば、頑張りが早い段階で給与に反映され、モチベーションがより高まります。実際、ある企業では、半期で挙げた成果が評価され、月の基本給が一気に4万円アップした社員さんがいました。もちろん、下がるケースもあるわけですが、「頑張ったら頑張っただけ収入を得たい」という人にはうれしい制度といえるでしょう。

大手企業だと、このペースで評価・査定を運用することにはかなり抵抗が大きいはず。その点、小回りが利く中小企業では実践している企業が増えています。マザーズ上場クラスのベンチャー企業でも、四半期評価を導入しているケースが多く見られます。

●社員の給与を全社員に開示

今、誰がいくらの給与をもらっているかをオープンにしている会社もあります。
実は当社でも、今年10月より、まずは営業メンバーから各社員の「時給」を開示する予定です。

「働き方改革」が叫ばれていますが、それは正社員であっても「時給」で捉える時代になることだと私は考えています。同じくらいの業績を上げ、同じくらいの年収を得ている社員でも、年間2400時間働いている人もいれば1900時間働いている人もいる。働き方改革とは、要は「生産性を上げていきましょう」ということなので、時間あたりの報酬を意識することが大切だと思います。

当社もこの制度を導入予定ですが、「時給開示」に対し、社員からは歓迎する声が多いんです。自分の位置や働き方を認識できますし、「時給が高い社員の動きを真似ればいいんだ」ということで。

 

――政府が「働き方改革」を掲げて以来、大手はもちろん、中小ベンチャー企業でも取り組みが始まっています。しかし、「労働時間削減=収益悪化」を懸念する経営者はなかなか行動を起こせていません。一方、社員側も「残業削減=残業手当のカット」に抵抗を示しています。

しかし、本来の目的は、単に労働時間を減らすことではなく、本来の就業時間の生産性を上げるということ。生産性を高めた結果、業績向上につながり、社員の給与が上がる…という好循環をつくっていくのが理想です。

それを目的とした制度・仕組みづくりに取り組む企業こそが、成長の可能性を秘めているといえると思います。

 

高橋恭介氏/株式会社あしたのチーム 代表取締役社長

高橋恭介氏/株式会社あしたのチーム 代表取締役社長

1974年、千葉県生まれ
大学卒業後、興銀リース株式会社に入社。2年間、リース営業と財務を経験。2002年、ベンチャー企業であったプリモ・ジャパン株式会社に入社。副社長として人事業務に携わり、当時数十名だった同社を500人規模にまでに成長させ、ブライダルジュエリー業界シェア1位にまで成長させた。
2008年には、同社での経験を生かし、リーマンショックの直後に、株式会社あしたのチームを設立、代表取締役社長に就任する。現在、国内22拠点、台湾・シンガポールに現地法人を設立するまでに成長。1000社を超える中小・ベンチャー企業に対して人事評価制度の構築・運用実績を持つ。給与コンサルタントとして数々のセミナーの講師も務める。

 

EDIT&WRITING:青木典子 

 

【マンガ】ワンマン社長、夢は大きく!? (15)

こんにちは、イラストレーターのにぎりこぷしです。
前回前々回に引き続き、ウシヤマ工業の超大型案件、受注大作戦をお送りします!
いったいどんなクライマックスをむかえるのか!?
どうぞご覧ください!!

f:id:kensukesuzuki:20170810084631j:plain

f:id:kensukesuzuki:20170810084641j:plain

f:id:kensukesuzuki:20170810084653j:plain

f:id:kensukesuzuki:20170810084702j:plain

f:id:kensukesuzuki:20170810084711j:plain

f:id:kensukesuzuki:20170810084721j:plain

f:id:kensukesuzuki:20170810084732j:plain

f:id:kensukesuzuki:20170810084740j:plain

f:id:kensukesuzuki:20170810074912j:plain

みなさんの商談、接待にまつわる思い出、身近なワンマン社長のエピソードなどありましたら、私の公式サイトまたはTwitterアカウント宛にお聞かせください!

>> ワンマン物語 バックナンバー一覧 

 

 f:id:kensukesuzuki:20160830181642j:plain

【筆者プロフィール:にぎりこぷし】
北海道出身。教育系出版社に勤務ののち、フリーのイラストレーターとして独立。
大阪を拠点にイラスト、マンガ、似顔絵、キャラクターデザインなど、幅広く制作を手掛ける。
公式サイトで連載する絵日記は2000年より毎日更新中。
公式サイト: PSI!WEB

にぎりこぷし (@ncopsi) | Twitter

 

>>【マンガ】ワンマン社長は自信マンマン!!(14) 

サボってる人間に「伸び悩んでる」なんて言う資格はない――勝率9割の“プロギャンブラー”のぶき氏がこの仕事を選んだワケ

大学卒業後、ギャンブラーとして15年間、世界をさすらいながら生きてきた男がいる。

勝率は神の領域と言われる9割。出入り禁止となったカジノは数知れず。そんな破天荒な人生を生きる男の名はプロギャンブラー・のぶき。ギャンブルで勝ち続けるために必要な思考力、決断力、行動力はそのまま仕事や人生で成功するために必要不可欠な要素だ。事実、のぶきさんの元には様々な企業や学校、団体から就職や転職、ビジネスをテーマとした講演依頼が殺到している。今回は自らの人生を振り返りつつ、そこから得た、仕事や人生で勝ち抜くためのメソッドや人生の岐路に立った時の後悔しないための選択法などをたっぷり語っていただいた。

f:id:k_kushida:20170808193127j:plain

のぶき(本名:新井 乃武喜)

1971年、東京都出身。大学卒業後、25歳の時にプロギャンブラーを目指して単身アメリカへ渡り、修行を開始。2年後、無敵のプロギャンブラーとなりラスベガスをはじめとする世界中のカジノを周遊。ギャンブルの世界では神の領域とされる「勝率9割」を達成。ギャンブルだけで生活し続け、15年間で世界6周、今まで訪れた国は82ヵ国におよぶ。現在の主な活動はプロギャンブラー人生で得た経験や生き様を伝える講演や、『日刊SPA!』や『Lifehacker』での記事執筆、メディア出演など。著書に『勝率9割の選択』(総合法令出版)、『ギャンブルだけで世界6周』(幻冬舎)がある。

前回は、のぶきさん自身がギャンブル人生から得た「仕事や人生で勝つためのメソッド」について伺った。最終回となる今回は「人生の岐路に立った時の選択法や“伸び悩み”からの脱却法、転職に対する考え方など、後悔しない人生を送るための重要な方法」について最後まで熱く語っていただきます。

人生の岐路に立った時の選択法

──のぶきさんが人生を懸けて取り組んでいたギャンブルは選択の競技だと思うのですが、人生も選択の連続ですよね。特に就職、転職、結婚など人生の重要な岐路に立った時、正しい方を選択するためにはどうすればいいのでしょうか?

僕は人生の大きな岐路に立った場合、「人生選択表」を作るようにしています。作り方はこうです。例えば転職先の会社をA社にするかB社にするかで迷った時は、それぞれの会社に入るメリット・デメリットを主観と客観の両方の視点から時間をかけて全部書き出すんです。デメリットは逆側のメリットへ書き移します。例えば、B社のデメリットはA社のメリットへ書き移します。

新しいメリット・デメリットが書き出せなくなったら、今度はそれぞれに5点満点で点数をつけていきます。この時、自分の人生なので必ず主観でつけてください。他人がA社のここはすごくいいと言っても、自分にメリットは感じなければ0点。逆もしかりで、他人がメリットに感じない点でも自分が最高だと思ったら5点をつけます。そんな感じで点数をつけていってトータルの点数を出して、得点が高いほうの会社を選ぶんです。迷っている場合、点差はわずかです。だから、迷うのです。脳内でなんとなく考えるのではなく、可視化し客観的視点も含め、すべてを洗い出すことが成功への第一歩。自分の決断に対する自信を生み出すことで、入社後に壁が現れても、あの時あれだけ考え抜いてベストな選択と判断したのだからと後悔することはないし、頑張れるんです。

“伸び悩み”からの脱却法

f:id:k_kushida:20170808193010j:plain

──伸び悩んでるというか成長の実感が得られずに悩んでいるビジネスマンに対してアドバイスをお願いします。

毎日頑張っているなら、必ず成長しています。わずかずつ成長しているのを実感するのは難しいだけのことです。気にしないでください。それでも、伸び悩んでいると思うのなら、休日含めてここ最近の自分の生活を振り返って1時間単位ですべての行動を書き出してみてください。おそらくスマホでゲームをしているとかテレビをぼんやり見ている時間があるはずです。そういう人はそりゃ伸び悩んで当然ですよ。サボってる人間が伸び悩んでるなどと言う資格はないです。そのサボってる時間に自分を高めることはいくらでもできます。常に成長している人は1分単位で時間を無駄にせず、目に見えないところで成長するための努力をしているんです。

僕自身も伸び悩むということはなかったのですが、ギャンブラーを15年間やめられなかった理由の1つは日々、成長を感じられたからです。前にもお話しましたが、例えば勝った後にもかかわらず何かミスがあったはずだと毎日1人反省会を行ったり、昨日の自分に勝つためには、もっと上に行くためにはどうすればいいかを常に考えて、実践していました。それをきっちりできるかできないかで次の伸びが変わってくるんです。それができればさらに上へ、2位以下が追随できないところまで行けるんです。

僕は日本に帰って来てからは講演やトークを数多くやり、TEDxにも登壇できましたが、すべてのご依頼に対し、やれることは全部やったと言い切れます。目標達成のために大事なのはこの「やりきる」ということに尽きます。自分も楽しいし、ベストを尽くしてるからみんなが喜んでくれる。そうすれば次に繋がるんです。

“運の波”などない

──ギャンブルでも人生でも仕事でも成功するには運が必要だとよく言われます。よく今は運気が悪いけどこれからよくなるとか、今いい運の波が来てるとか言いますが、実際のところ、“運の波”というのは存在したり、感じることはできるのですか?

これははっきり言った方がいいと思うのですが、人生でもビジネスでも将来の運の波は絶対に読めません。あるのは過去の波だけで、瞬間ごとにリセットされます。未来予知が不可能なのと同じで、この先幸運なことが起こるとか不運なことが来るなんてことは誰にも一切わかりません。両方起こりえます。ゆえに「今いい波来てるな」ということもありえません。「今いい波が来てた」という過去の話なだけです。

そもそもいい運気という発想自体が間違っています。それは占い師などの運ビジネスの世界です。運というものは、宝くじを例に考えると理解しやすいと考えています。運の波を読める人がいたら、宝くじを確実に当てるプロが存在することになり、宝くじというビジネスが崩壊します。僕は世界50カ国以上で宝くじを見てきたけれど、そんなプロの噂すら聞いたことがありません。

僕は運という不確定要素と15年間一緒に翻弄されてきたので、誰よりも運を悟れたと自負していますが、運を排除して論理的思考だけで勝ちに行くのが本当のプロなんです。

──でもなんとなくこうした方がいいと直感的に思ってそうしたらうまくいった、みたいなこともありませんか?

直感には2種類あります。理論がついてる場合とつかない場合です。勝負の時ビビッと降りてきて、通常のセオリーからは外れた手で勝つということもたくさんありました。その後、他のプロに「なんでノブはあのときあのプレイをしたの?」と延々質問攻めにされたのですが、勝負の時は直感だから全然考えてなかったのに、「これこれこうでこうした」と論理的な説明が口からペラペラと出てくるんです。勝負では一瞬のひらめきなんだけど、ちゃんと理論がついてるんですよね。僕自身も話しながら、「そういう理論でそういう判断してたんだ」と驚くくらいです。

これって、僕らが自覚してないところで自分の脳みそが今までの経験に基づいて、自分のためにベストの答えをはじき出して、ひらめきという形で与えてくれているということなんです。だから直感や閃きが降りてきた時は、他人へ論理的に説明できると再確認できれば、セオリーや常識には反していても従うべきです。逆に理論がつかない直感には従わないでください。その選択はギャンブルと化しますから。

1つの仕事にしがみつくな

f:id:k_kushida:20170808194811j:plain

──のぶきさんはブラックジャックを極めた後、ポーカーを1から覚えて再び勝率9割にまで極めています。ビジネスに例えると同じ業界でも違う職種に転職して、またすごい結果を出せたという感じだと思います。やはり1つの仕事にしがみつかない方がいいのでしょうか。

僕の場合で言うと、前にもお話しましたが、ブラックジャックを極めて勝率10割になったので、行く先々のカジノで出入り禁止になりました。稼げるのは年間で3ヵ月のみになってしまい、残りの9ヵ月はやることがなくなってしまった。ギャンブルで得られるものがお金しかなくなって本気になれなくなった。そんな人生つまらない。仕事って金のためだけにやるものじゃないですからね。だから自分のやりたいことではお金が稼げなくなった場合、また、どうしても今の仕事が嫌だという場合、自分がやりたいことがほかにあるなら、恐れずにキャリアをリセットしてまた新たに一からスタートすべきだと考えています。

特に20代後半になると仕事の視野が広がるおかげで、ほかにやりたいことがたくさん出てくるでしょう。そんな時はこれまで身につけたスキルが活用できなくても問題ないのでやりたい世界に飛び込むべきです。大事なのはこれなら本気になれるとか今より没頭できると思えるかどうか。そう思えるならスキルなんてすぐ身につけることができます。僕もポーカープロを目指すと宣言した時、ルールの詳細すら知らなかったし、ブラックジャックで習得したスキルはほとんど使えなかったのですが、本気でトライしたのでポーカーの世界でも神の領域といわれる勝率9割まで到達できたんです。

転職をいたずらに勧めるわけじゃないですが、行きたい世界が見えてるなら、また、この会社に入社したのは失敗だったなと思ったら、自分に合う会社や仕事に出会うまで何度でも転職すべきと考えています。周りから転職しすぎだと言われても、自分に合う仕事にどんどん近づいていると感じるなら恐れずにどんどん動いてほしい。動かないと自分のすべてを賭けられるような仕事には出会えないと思うんです。

また、身軽に動けない人の特徴として固定観念に縛られているという点が挙げられます。情勢がどんどん変化しているのに、僕はこんな性格だからとかどうせ僕には無理だとか思っていると、おもしろそうなチャンスが来た時にすぐつかむことができません。だから固定観念は捨てて、とりあえず自分の心が動けばトライしてみるんです。ダメだったらまた転職すればいいだけだから。

己を知ることが一番大事ですよね。今の仕事や会社が嫌だったり、現状よりもさらにいい条件の会社があるのならその会社に転職すればいいだけの話。でもそれをしていないなら、実は今の会社が自分に合ったベストな会社だということです。心のどこかで、嫌なことはあるけど今の会社が自分には合ってるということが本人にもわかっているはずです。他人の芝が青く見えることも、多くの仕事に不満はつきものとも、頭では理解しているということです。本当に今の仕事が嫌なら、抜け出すために必死で頑張ってますから。

一方で、転職せずにその会社にい続けるというのもありです。1つの仕事をずっと続けるのも武器になりますからね。自分に合った仕事やニーズは絶対どこかにあります。重要なのは、自分の心の声に真剣に耳を方向け、それに従うこと。脳みそは一所懸命考えてくださっているので(笑)。

究極の夢はボランティア政治家

──政治家になりたいという夢は今も持ち続けているんですか?

もちろんです。本気です。そこしかないです、僕の夢は。そのためだけに日本に残ってるし、これまでのTEDxへの登壇もトークも本の出版もその夢の実現の手段にすぎません。

──どのような政治家を目指しているのですか?

村でも国でも外国でもどこでもいいです。自分を支持してくださった土地を圧倒的に素敵な場所にするだけです。あとは自分の人生の選択権がない子ども自身が幸せを感じられるために行動したいという思いもあります。

もっと言うと、政治をボランティアでやりたいんです。そんな政治家がいたら信じれるので。ボランティア政治家が究極の夢ですね。お金は必要最低限あるだけで十分に幸せですから。

──いつまでに政治家になるとか今後のスケジュールは立ててますか?

期限は設けていません。期限を設けると逆にスローダウンすることがあるので、目標へ向かうために1つひとつリストアップしたことをやっていくだけですね。

今も人生を賭けた勝負の真っ最中

f:id:k_kushida:20170808195344j:plain

日本に帰ってきて4年半、ギャンブルは全くしていないので、よく勝負師として現役を引退したと思われがちなのですが、僕としては世界を旅しながらギャンブルをやっていた時よりも勝負をしている感覚なんですよ。僕というコンテンツを日本に賭けてます。つまり、僕というコンテンツを日本のスパイスとして受け入れられるかどうかの勝負なんですよ。それは政治家になるのも含めてです。

僕が単なる「作家」とか「旅人」とかの肩書ならどこでも簡単に受け入れられますが、尖った勝負にはなりません。でも「プロギャンブラー」という肩書だったら何をするにしても難しいんです。例えば一般企業での講演や小学校での授業などはものすごく難しい。プロギャンブラーが日本で認識されるのってギャンブルで勝つことよりも難しい。よほど社員や子どもたちにとって有益なものをもっていると認められないと使ってくれません。だからこそこの勝負はすごく楽しいんです。あえて難しい道を選ぶ方がおもしろい。だから今も勝負の真っ最中なんです。

文:山下久猛 撮影:守谷美峰

「今の仕事、何となく違う…」という違和感は、本気で探りにいけ――59年ぶり日本一・立教大学野球部溝口監督のキャリア論

今年、59年ぶりに大学野球の頂点に輝いた立教大学野球部。日本一が決まったその瞬間、神宮球場の宙に舞った溝口智成監督は、“脱サラ監督”として数多くのメディアから注目されている。

現役引退後、一度は野球から離れることを決意。実際15年近くも優秀な会社員として過ごしていたが、なぜまた野球の世界に戻ることになったのか?新米監督としてどのように選手たちと向き合い、日本一のチームに育て上げたのか?そこには長年キャリア開発に携わった溝口監督ならではの、人材育成に対する哲学があった。

f:id:k_kushida:20170803151446j:plain

溝口智成(みぞぐち・ともなり)

1967年生まれ、神奈川県出身。湘南高校を経て、1987年立教大学野球部に入部。ポジションは一塁手。89、90年の東京六大学秋季リーグでは優勝を経験、ベストナインにも選出された。卒業後は硬式野球部設立直後のリクルートに入社し、社会人野球で約6年間プレー。97年に引退してからは、主にキャリア開発にかかわる業務についていた。しかし2014年、退職して母校である立教大学野球部監督に就任。4年目の今年、チームは59年ぶりの日本一の栄冠に輝いた。

初めての“野球のない生活”で、改めて野球の魅力を実感

―まずはご自身の野球歴を教えてください。

野球を始めたのは小学2年生から。立教大学野球部時代はキャプテンを務め、2回の秋季リーグ優勝も経験しました。大学卒業後は、前年に硬式野球部が創設されたばかりのリクルートに入社。「仕事をしながら、本気で都市対抗野球部を目指す」という目標に魅かれて入社を決めました。

―どんなチームでしたか?

新しいチームならではの苦労がありましたね。大学野球でそれなりに活躍した選手が集まっていたので実力はあったのですが、組織としての方向性が固まっていなかったためチームとしてのまとまりがなく、最後に全員が一体となって勝ちを取りに行くような戦い方ができなかった。2年目からはキャプテンになり、その後選手兼任コーチにもなりましたが、どうしてもうまくいかない……。大好きな野球なのにグラウンドに行くのが憂鬱なときもあって、辛い時期でした。

―それで現役引退を考えたのですか。

ちょうど肉体的に故障が増えたこともあって、自分から仕事に戻らせてくださいと言いました。コーチとして残らないかとも言われましたが、今の状態で残るのも違うような気がして、すっぱり野球から離れることにしました。

―最初の配属は財務だったそうですね。

希望を訊かれたのですが、それまで野球しかしてなかったので、わからないからお任せしますと言ったら、まさかの財務(笑)。厳しい先輩にゴリゴリしごかれましたが、自分から言い出したことですし、新入社員のつもりで、社会人のイロハから勉強しました。

―3年で営業に異動。これも自分から希望したとか。

3年経って財務の仕事の方も少しはできるようになったんですが……やっぱりどこかで野球に比べてしまうんですね。どんなに仕事をしていても、喜びがない。手応えというか、やりがいというか……。これがやりたい仕事なのかという違和感がぬぐえなかった。それと、リクルートにいるからには一度は営業をしなきゃということで、希望して営業に移ったんです。

もちろん今回も自分から言い出したことですから一生懸命やりました。でもやっぱり喜びがないんです。この仕事を一生続けていくイメージも持てず、こんな気持ちで仕事していていいのか、もう少しやりがいを持って仕事しないと申し訳ないという気さえして……。確かに成績は良かったし、何度か社内表彰もされましたが、精神的には苦しかったですね。

―仕事と野球、何がそんなに違ったんでしょう?

単純に、野球より好きなものがなかったということだと思います。勝つために努力して、それが花開いた瞬間の涙が出るほどの震えとか、魂が揺さぶられる感じ。それが野球にはあって、仕事にはなかったということですね。

―野球に近い世界に転職しようと考えたことはなかったのですか?

ありますが、実は野球って、プロでもない限りあまりお金にならないんです。そもそも求人がほとんどありません。実際にどこかで監督の実績を積んだ人ならともかく、教員免許も持ってない、監督経験もない人間に声がかかるほど甘い世界ではないですから。

―野球の世界には戻れない。でも仕事のやりがいも感じられない。それでどうしたのですか?

もうちょっと個人の「ありがとう」に触れられる仕事の方がいいかもしれないと考え、キャリアカウンセラーの資格を取りました。ちょうどキャリアアドバイザーの社内公募があったので応募して、やってみたら確かに面白かったですね。その後、研修トレーナーの勉強もして、2回ほど実際に企業研修もしました。その直後に監督になったんです。

―せっかくトレーナーデビューしたのに、辞めちゃったんですね。

実はトレーナーデビューの前に監督の話があり、一部の人にはもう「せっかく養成していただいたのに申し訳ありません」と言いながらのデビューだったんです。ただ、これで最後という開き直りがあったせいか、すごく良い研修ができたし、自分でも初めて仕事に手ごたえを感じられたのを覚えています。

新米監督デビュー――チームに溶け込もうと手探り状態

f:id:k_kushida:20170803145432j:plain

―母校の野球部監督の話は、いつごろ、どのように来たのですか?

話があったのは2013年10月です。実は僕がキャリアカウンセラーの資格を取ったのにはもうひとつ理由があります。現役を退いてしばらくしてから十数年間、ボランティアで野球部の学生の就活支援をしており、それでちゃんと資格を取っておきたかったんです。監督としては未経験ですが、そういう貢献も評価されて候補に挙がったようです。

―トレーナーとして初めてやりがいが持てたのに、監督就任の要請。悩みませんでしたか?

実は悩んでないんです。もちろん親や家族は心配しましたが、僕の中では監督になれる喜び以外何もなくて。なにしろ、たとえば酒飲み話で「明日死ぬと言われたら何をしたい?」と言われたら、いつも「母校の監督」と答えていたくらいですから。むしろこのチャンスを逃すものかと(笑)。着任よりも先にすでに練習に参加していました。

―新人監督として、どのようにチームに溶け込んで行ったのですか。

それはもう手探りです。就活の手伝いをしていたとはいえ、野球の現場からは15年くらいも離れていましたから。ただ、僕は現役時代に2回リーグ優勝しているので、そのときの経験を思い出しながらチームに入っていったという感じです。

―監督の時代と今とでは、学生の気質もずいぶん変わったのではありませんか?

それはもう驚きましたよ(笑)!表面上は仲がいいんですが、同じチームにいながら、互いに深く関与したがらない感じでしたね。自分から積極的に「もっとこうしようぜ」と提案することも、あまりなかったですね。

例えば、こんなことがありました。寮の裏に自転車置き場があるんですが、みんなメチャクチャな並べ方をしていたんです。そこで監督になってすぐに寮長を呼んできちんと並べろと言ったら、素直に「わかりました」と。でも次の日見たら、まったく直っていない。そこでもう一度寮長を呼んで、ちゃんと全員に伝えたか尋ねたら、「はい、メーリングリストで回しました」。伝えていることは伝えているけど、本当にそれで伝わるのかって話です。

―今年の立教大学野球部は、部員数191名とか。それだけの大所帯を率いるのは、こういった状況の中でかなり大変ですね。

そうですね。元々は大変でしたが、今は部員がかなり自発的に動いていますので、昔ほどではありません。

―大学野球の監督って、どんな立場なんでしょうか?聞いていると、企業の社長ともプロジェクトを率いるリーダーとも、ちょっと違う感じが…

うーん…学校の先生が一番近い気がします。僕としては、選手たちには野球の技術以上に、社会に出る前に、ハキハキ挨拶するとかスリッパや自転車をきちんと並べるといった、人としての振る舞い方や考え方を身につけて欲しい。だから指導の中で野球の技術を教えるのは2割くらい。8割はそういう生活面や考え方を教えている感じでしょうか。プロや社会人野球と違って、大学野球のミッションは優勝ではない。もちろんプレッシャーはありますが(笑)、それよりも立教大学野球部員として、きちんと卒業していって欲しい。やはり学校の先生だと思います。

研修トレーナーとして学んだ大切なこと――「人はみんな成長したいと思っている」

f:id:k_kushida:20170803150000j:plain

―会社員時代の経験が役立ったことはありますか?

やはり研修トレーナーをやったことは大きいですね。トレーナーを経験して学んだ一番大きなことは、「どんな人も、最終的に、成長したいと思っている」ということです。研修に来いている人って一律じゃないですよね。会社の命令で渋々の人もいれば、意欲満々の人もいる。選手も同じです。やる気のないのもいれば、言っても聞かないのもいる。でもみんなどこかで、成長したい、前に進みたいと思っている。誰もがそういう存在だという前提でいれば、「今はあんな風に言っているけど、どこかで成長する時期が来る」と思える。選手と接するとき、大いに役立っています。

―そして4年目にして、18年ぶりの東京六大学春季リーグ優勝、さらに59年ぶりの大学野球日本一。チームとしてどのような変化や成長があったのでしょうか?

僕がずっとイメージしていたのは、チームとしての一体感がある野球。さきほども言ったように、僕が学生時代に優勝を経験したときのチームのイメージです。過去の経験からわかっていたのは、どんなに個人の技術が高くても、最後の最後に勝ちを掴みに行くためには、プラスアルファの力、すなわちチーム力が必要だということ。そこで今年は「戮力同心」というスローガンを掲げました。

―りくりょくどうしん。聞き慣れない言葉ですね。

心を合わせて協力する、という意味です。実は今年の冒頭に宣言したんです。「新人監督の任期は4年。最後の年にあたり、今年のチームで必要と思うことを強い気持ちでやっていくから、お前たちも覚悟してくれ」と。そして一体感を表わすスローガンを選んで来いと言ったところ、彼らが選んできたのがこの言葉です。

―一体感を大切にした結果、実際に優勝できた。選手たちには大きな経験ですね。

彼らにとっては一生の宝物になると思います。ただ、来年も同じように戮力同心でうまくいくとは限らないのが難しいところですね。学年によって本当に気質が違いますから。その場に集まった顔触れを見て、すばやく気質や傾向を把握して研修を進めるトレーナーと、そこも似ているかもしれません。

ただ、以前と違うのは、実際に一体感を大切にしたチーム作りで実績を上げることができたので、次からはどんなに個性の強い選手が集まっても、チーム力が大切だと指導することができる。僕にとっても貴重な経験になりました。

前に踏み出して失敗しても、それは「良い失敗」。きっと次につながる

f:id:k_kushida:20170803150604j:plain

―監督はビジネスマンとしてのキャリアから野球の世界に戻りましたが、新しいチャレンジをためらっている人にアドバイスするとしたら?

僕にとっての野球のように、寝食を忘れるほどやりたいことがあるんだったら、自分を信じて踏み出すしかないですよ。まして20代、30代だったら心配することなんてない。経済的な不安があっても、一生懸命やっていれば応援団もついてきて、きっとなんとかなります。

―でも会社員時代の監督のように、「なんとなく今の仕事は違う」と、漠然とした違和感を抱えている人もいると思うのですが。

大切なのは、その違和感を本気で見つけに行くことじゃないでしょうか。僕自身は、仕事を移るのに自分の意志を反映しなかったことは一度もないんです。現役を引退した時もそうだし、財務から営業に移ったときも、キャリアアドバイザーになったときもそう。そんなとき自分を動かすエンジンになったのは、思い返すといつも「違和感」だった。そしてどんな仕事にも一生懸命取り組みましたが、常に自分が喜びとするものとのギャップがあったから、じゃあ今度はこっちでやろうと動いてみた。最後の研修トレーナーでやっと手ごたえが感じられたので、監督就任の話がなかったら、たぶんそのままトレーナーをしていたと思います。

―それでも、新しく踏み出してみたその先で失敗するかもしれないという不安はあります。やっぱりあのままでいればよかったと、後悔するのが怖い……。

失敗には「良い失敗」と「悪い失敗」があると思うんです。今回、日本一になりましたが、実は難しいのはこの先だと思っているんです。東京六大学は、春秋連覇がとても難しい。それくらい力が拮抗しているんです。だから今、選手には「そこを抜けるためにはレベルアップが必要」と言っています。チーム力も個人の力も、春より格段にアップしたと、外から見てわかるくらいでないと連覇はできない。そのためには、一歩前に出ろ。今までは待って取っていたボールを、一歩前に出て取れ。それで失敗しても、踏み出そうという意図がわかればそれは「良い失敗」。むしろ失敗を恐れて今まで通りのプレーを続けようとする方が「悪い失敗」だ、と。

―自分から掴みに行った結果の失敗は、いい失敗。

そう思いますね。僕自身も、違和感を感じて財務から営業に行ったのに、結局違和感はなくならなかったのだから、失敗だったという見方もできます。でも失敗したと下を向くのではなく、常に新しいチャレンジで違和感を拭い去ろうとしてきたから、今の自分があるのだと思います。

―それでは最後の質問です。母校の監督になって後悔した瞬間はありますか?

まったくないですね(笑)!そりゃあ、苦しかったことはあります。個人の実力はあるのに、チーム力がないばかりに最後に脆さが出て、結局勝利を掴めなかったということもあった。とにかくガマンするしかなくて、そういう苦しさはありました。でも、監督になったことに対する後悔はまったくありません。朝から晩までグラウンドにいても疲れないし、休みが欲しいと思ったこともない。人生最高の仕事に就けたと思っています(笑)。

取材・文/小野千賀子 写真/新井谷武廣