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「あなたの年代がターゲットではない」上司へ放った“あのひと言”の真相|明治のチョコレート革命

クラフト紙をベースにしたスタイリッシュなパッケージで、従来のチョコレートとは全く違う世界観を持つ「明治 ザ・チョコレート」。発売は2016年9月、同時にツイッターをはじめとしたSNSで話題になったのは、開発チームが上司に伝えたという「あなたの年代がターゲットではない」というひと言でした。この言葉によって社内を説得し、セールスとしても大成功を収めた例として覚えている人も多いでしょう。

フレーズは評判になり「痛快だ」「古い体質の上司に意見できるのは素晴らしい」という賛辞が相次ぎました。一方で「部下の提案を受け入れた社風も注目すべき」「GOサインを出した上司もえらい」という見方もあります。これはどちらも正しく、「明治 ザ・チョコレート」の成功には社員たちの画期的な発想と行動力があり、それを受け入れる企業風土があったから実現できたともいえるのではないでしょうか。

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今回、開発メンバーとして多くの取材を受けてきた株式会社明治 菓子商品開発部 専任課長 スペシャリティチョコレート担当の山下舞子さんに、“あのひと言”の裏側、発想を具現化したプロセス、そしてチョコレートに賭ける明治の姿勢についてお聞きしました。

山下 舞子(やました まいこ)
2001年、株式会社明治に入社。菓子開発研究所、坂戸工場勤務を経て08年から菓子商品開発部でチョコレートの商品開発を担当。2016年4月から「明治 ザ・チョコレート」の専任課長となり、ブランド育成について様々な提案を行っている。

“あのひと言”は対立ではなく説得の言葉だった

商品としての「明治 ザ・チョコレート」の魅力もさることながら、働き方や職場の人間関係に関心がある人にはやはり「あなたの年代がターゲットではない」という言葉がいまだ印象深いようです。明治といえば100年前からお菓子を作り続けている老舗メーカー。頭の固い上司がいるのではないか、古いしきたりを破った若手のおかげで商品が出たのではないかという先入観がありました。しかし、山下さんが語る明治のイメージは全く違います。

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「基本的に開発部門は上下の関係性がほかの組織より緩やかでフランクだと思います。お菓子も含めて食べるものを作っている会社なので、堅苦しく考えてできるものではないと思うんですね。みんなで『おいしいね』とか『面白いね、楽しいね』と言い合いながら良いことを醸成していく感じです。発想は年を取れば取るほど固くなっていくといわれますが、明治の年長社員は柔軟な思考を持った人が多いと思います。やっぱり若いときの無鉄砲ながらも面白いところへ走っていく発想や能力は必要という思いがあるので、自然と『まずは自由にやってみろ』というマインドになるんです」

話題になった“あのひと言“は、山下さんと同じ専任チームの一人である菓子マーケティング部 佐藤政宏専任課長が会議で発言したものでした。

言葉だけを切り取ると非常にセンセーショナルに見えますが、対立から生まれた発言ではないんです。もともと幹部役員も面白い提案を受け入れる気風はありますが、あまりにも想像を超えたサンプルが出てきて心配になった。そのとき佐藤が『じつは、自分もこのパッケージを見たときは同じように売れるのか不安になった。でも調査を重ねていくうちにお客様の反応が格段に良いことがわかり、不安を感じた自分はターゲットではなかったんだと理解した。今わからないのは当然だと思いますが、僕もあなたもターゲットじゃなかったんですよ』と自らも引き合いに出して説得に使ったフレーズでした」

開発時の消費者調査のデータを示した佐藤課長の説明に、上層部も納得したといいます。

「明治 ザ・チョコレート」はあらゆる面で従来のチョコレート像を打ち破る商品です。自社で研究・開発に携わった6カ国からのカカオ豆を使用、複数の香味の違うアイテムの販売。カカオ豆の比率を上げた大人向けのビターなテイスト。そして初めて見る人をあっと言わせた、シズル感の訴求や文字説明を極力なくしたシンプルなパッケージ。個包装のデザイン、チョコレートの形状までどれも独自の追求から導いたものです。新しいチョコレート、新しい世界観を買い手が楽しむ現象は一大ブームになり、220円前後という店頭に並ぶ一般的な板チョコレートの倍の価格帯にも関わらず、発売後1年で3000万個を売り上げました。

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パッケージに関する消費者調査で驚いたのは、9割以上のお客様から好感を持っていただけたことです。通常は支持が多くても7割ほど。圧倒的な好感度は私たちが各部署を説得するときに大きな根拠になりました。お菓子といっても一つの資源です。作る側として、個人の好みで商品を作って会社に押しつけるのは無責任。思いは入れ込みながら客観性は大切にしました。自分の主張だけではなく、なぜなのかという回答はちゃんと準備して提示する。それに納得できれば商品化を進めることができる会社だと思います」

嗜好品として楽しめるチョコレート文化を作る

長年、日本におけるチョコレートは「甘い」「子どものおやつ」というイメージから抜け切れていません。そこで明治は1980年代から大人の嗜好品としてのチョコレートを模索してきました。ポイントは、味の5割から7割を決めるといわれるカカオ豆の質。1986年に初めてカカオ豆の品質をうたった商品を発売、以来7商品をプレミアムチョコレートとして世に出しましたが市場定着には至りませんでした。

「90年続いている『明治ミルクチョコレート』は明治のチョコレートの魂のようなもので、変わらないおいしさをこれからもずっと幅広い方々に届ける使命があります。それとは別の切り口で、日本のチョコレートを食文化として育てていく目標も以前から持っていました」

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「例えばワインやコーヒー、チーズなどの嗜好品には原材料にこだわって価格より質を重視する顧客層が存在します。チョコレートも同じように、カカオ豆の質や産地、製法を知って香味を楽しむシーンを作りたい。まだ実現できていないのは明治のメーカーとしての責任もあります。これまでマスに向けた画一的な商品に注力していて、嗜好品になり得るチョコレートをしっかり提供できていなかったと思います。会社としてずっと『やりたい』という思いはあったのですが、失敗が続いてどう具現化すればよいのか誰もわからなかった。私自身も商品開発の現場にいながら迷っていました」

一つの契機になったのは、2014年9月発売の初代「明治 ザ・チョコレート」の開発だといいます。現在発売中の「明治 ザ・チョコレート」の前に売り出された、プレミアムチョコのカテゴリーに挑戦した商品です。明治には2006年から始動した「MCS(メイジ・カカオ・サポート)」という取り組みがありました。カカオ農家と直接コミュニケーションを行うと同時に、数々の支援活動を行って良質なカカオ豆を安定供給できるようにする。とても根気のいる活動です。

「当時、チョコレートカテゴリーの源流となるものを作ろうとカカオ自体の開発プロジェクトが発足しました。担当者は1年のうち多くてのべ半年は現地に滞在して活動し、農家と一緒に素晴らしいカカオを10年かけて改良している。実はこのプロジェクトは、社内でもあまり知られてなかったんです。初代『明治 ザ・チョコレート』では、カカオを大事に育ててきた思いと確固たる品質を形にしたいと思いました」

一般的なチョコレートと同じアプローチをしては棚で埋もれてしまう。カカオ豆にこだわった商品であることはちゃんと伝えたい。そこでカカオ豆を全面にプリントしたパッケージにしたところ、「わかりにくい」と敬遠されてしまいます。

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「そのころ、夾雑物がない無垢チョコといわれるカテゴリーを含めて明治にはいくつも並行して進めているブランドがあり、担当として矛盾を感じ始めました。もちろんそれぞれに役割は持たせて売り出しています。でも落ち込む売上実績を目の当たりにしながら『明治として、自分として、何をどうしたいんだろう』というジレンマが生まれていました

山下さんは「このままでは進められない」と感じ、上司に相談して初代「明治 ザ・チョコレート」発売から半年も経たない2015年1月に新しいプロジェクトを立ち上げます。明治が「チョコレートといえば明治」といわれる存在であり続けるためにはどうすればいいか、一から探り直すことにしたのです。

「リニューアルを目標にしたわけではなく、いつまでに結果を出すとも宣言しない無期限プロジェクトでした。ただ、『明治が次に何をするのか』根本を作れない限りは何もできません。それぞれのブランドが持つ役割は何か、明治にどう結びついているか、今後はどんな価値を伸ばすべきか、チョコレートのブランド全体を整理したいと思いました」

このプロジェクトで決めた軸が、2016年9月の新生「明治 ザ・チョコレート」の開発につながっていくのです。

後編に続く

meiji THE Chocolate(明治 ザ・チョコレート) | 株式会社 明治

インタビュー・文:丘村 奈央子  撮影:菊池 陽一郎

 

優秀な同僚が一人でもいると、まわりが○○する確率が“圧倒的に”高まる!ーーマンガ「エンゼルバンク」に学ぶビジネス

『プロフェッショナルサラリーマン(プレジデント社、小学館文庫)』『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」(日本経済新聞出版社)』等のベストセラー著者である俣野成敏さんに、ビジネスの視点で名作マンガを解説いただくコーナー。今回は、三田紀房先生の『エンゼルバンク ドラゴン桜外伝』の第12回目です。

『エンゼルバンク』から学ぶ!【本日の一言】

こんにちは。俣野成敏です。

名作マンガは、ビジネス書に勝るとも劣らない、多くの示唆に富んでいます。ストーリーの面白さもさることながら、何気ないセリフの中にも、人生やビジネスについて深く考えさせられるものが少なくありません。そうした名作マンガの中から、私が特にオススメしたい一言をピックアップして解説することによって、その深い意味を味わっていただけたら幸いです。

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 ©三田紀房/コルク

【本日の一言】

「勝つためには、まずはいい馬に乗れ!ということ」

(『エンゼルバンク ドラゴン桜外伝』第2巻 キャリア17より)

龍山高校の英語教師だった井野真々子(いのままこ)は、10年目にして仕事に飽きてしまい、転職を決意します。井野は、かつて一緒に働いていた弁護士の桜木建二(さくらぎけんじ)に相談。桜木は以前、経営破綻の危機にあった龍山高校で教鞭を取っていた時期があり、東大合格者を排出することによって当校を救った救世主でした。

井野から話を聞いた桜木は、転職エージェント会社の転職代理人・海老沢康生(えびさわやすお)を紹介。井野は海老沢の下でキャリアパートナーとして働くことになりますが・・・。

「いい馬に乗る」ことが、成功への近道となる

海老沢から、ABC理論をアドバイスされた井野。けれど、転職希望者の斉藤がどれに該当するのか分かりません。答えに窮した井野は、かつての同僚・桜木が経営している法律事務所を訪れます。

そこで偶然、元教え子の矢島と水野に再会した井野。井野が英語教師から転職代理人になった、と聞いて驚く2人。「上手くいっているのか?」という問いに「そうでもない」と答えると、すかさず桜木の横槍が入ります。

桜木は、「井野の転職は大成功だ。井野は、海老沢という名の優秀な競走馬に乗っているのだから、勝つのは間違いない」と言います。それを聞いた井野は、桜木が「社内でも評判の変人」とされている海老沢を、そこまで評価していることに驚きを禁じ得ないのでした。

サボれない環境が人を成長させる

人は、楽にデキることばかりをやっていても、真の実力はつきません。逆に、厳しい環境に身を置くことによって、それが否応なく自身の成長を促します。たとえば、一緒に組んで仕事をしている人が抜群に優秀で、「自分の能力をフル稼働させないと付いていけない」環境がうってつけです。

たとえば、対戦型で勝敗が決まる世界で上達するための最短距離は、自分と互角以上に戦える相手と対戦し、実践で腕を磨くことです。

たとえば、将棋の世界では、かつてインターネットがなかったころは、自分より強い対戦相手にお手合わせいただくことが一番の障壁でした。将棋が上手くなりたい人は、地域の愛好家が集まる場所で腕を磨いていたのです。ところが、もし、自分が町で一番になってしまうと、その後は全国から猛者が集まる東京にでも出向かない限り、それ以上、腕を上げる機会が少なくなっていきます。

その点、現在はネットを利用すれば対戦相手に困ることはなくなりましたので、プロの一歩手前までは住んでいるエリアにとらわれる必要もなくなりました。それでもやはり、ネット上の対戦相手にも限界があるので、そこから先は依然として腕磨きの場所は必要ということになります。

このように、どこでどう腕を磨くかという状況は時代と共に変わっていっても、やるべきことはそうは変わらないものです。

その疲れは「ルーティンのせいか?」それとも「成長疲れなのか?」

話を仕事のことに戻しますと、現在、企業は基本的に余剰人員を抱えない傾向にあります。ところが「人が足りない、こんな疲れる職場はイヤだ」と思っていたら、実際は伸び盛りによる疲労だった、という可能性もあります。企業が採用を上回るスピードで成長していれば、人手が足りなくなるのは、ある意味、当たり前です。
しかし、この環境は逆にチャンスとも言えます。世の中のスタンダードが「残業が悪」という風潮になっていますので、本当に必要なことを見極めていればプラスでやっていることは量での差になります。

量稽古を必要とする時期は、修行時代には避けて通れないものです。生産性が悪いから問題というよりは、量を追求した先が明るくないことが問題なのです。

結局、人は「何に慣れるか?」で決まる

万一、「今の迷いが、自分にとっていいことなのか、悪いことなのか、どちらなのか分からない」という方がいれば、そういう人にお勧めしたいのが「セカンドオピニオンを持つ」ということです。自分がやりたいことを先にやっている人からの第三者的な意見は、しばしば自分では気づくことのできない、意外な盲点を浮き彫りにしてくれますから、いち早く軌道修正ができます。

もし、これをお読みの方で「自分は今、成長できる環境にない」と感じている方がいるのであれば、そういう時は一度「今の自分は何に慣れているか?」という視点で考えてみることをお勧めします。

たとえば、私は満員電車が嫌で仕方ありません。満員電車が好きという方は滅多にはいないのでしょうが、多くの方は、「少しでも空いている時間帯にずらす」「少しでも空いている車両に移る」などの対応をすることで段々と慣れていき、やがてそれが普通になっていきます。
私は「満員電車に乗らない」ということを実現させることが、独立起業のモチベーションになったことは間違いないですし、会社員時代からそれを避けるための努力をしていました。

どうせ慣れるなら、いつの間にか嫌なことに慣れていく人生ではなくて、勝ち馬のスピード感や仕事ぶりに慣れていくことで、自分にとっての当たり前の基準を上げていきたいですね。

 

俣野成敏(またの・なるとし)

大学卒業後、シチズン時計(株)入社。リストラと同時に公募された社内ベンチャー制度で一念発起。31歳でアウトレット流通を社内起業。年商14億円企業に育てる。33歳でグループ約130社の現役最年少の役員に抜擢され、さらに40歳で本社召還、史上最年少の上級顧問に就任。『プロフェッショナルサラリーマン』(プレジデント社)『一流の人はなぜそこまで、◯◯にこだわるのか?』(クロスメディア・パブリッシング)のシリーズが共に12万部を超えるベストセラーに。近著では、日本経済新聞出版社からシリーズ2作品目となる『トップ1%の人だけが知っている「仮想通貨の真実」』を上梓。著作累計は39万部。2012年に独立後は、ビジネスオーナーや投資家としての活動の傍ら、私塾『プロ研』を創設。マネースクール等を主宰する。メディア掲載実績多数。『ZUU online』『MONEY VOICE』『リクナビNEXTジャーナル』等のオンラインメディアにも寄稿している。『まぐまぐ大賞2016』で1位(MONEY VOICE賞)を受賞。一般社団法人日本IFP協会金融教育顧問。

俣野成敏 公式サイト

【頭真っ白…】プレゼンで失敗する人の「残念なこだわり」

これまで3000回以上のMCを経験されてきた丸山久美子さんに、「上手にあがりを隠して、人前で堂々と話す・ふるまう方法」について伺う連載の第4回目。今回は「人前で頭が真っ白にならない方法」です。

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丸山久美子(まるやま・くみこ)

まるっと空気を掴むMC、展示会専門接客アドバイザー

1982年、和歌山県生まれ。「人前で話せるようになりたい!」という憧れを叶えるべく、20歳で展示会プレゼンターとしてデビューするも、本番中にてが震えてマイクを落とすなど、さまざまな大失敗を繰り返す。「あがりを克服する方法」や「緊張をなくす方法」を模索するが、改善どころか逆にあがりに拍車がかかり、体調にまで悪影響が。しかし、憧れを捨てきれず、「あがり」や「緊張」と向き合い独自のメソッドを開発。再スタートを図る。以来、展示会やイベントへ3,000回以上出演し、リピート率90%を超える人気MCに成長。2015年から講師活動を開始。「人前で話せるようになりたい!」と願う全国の人々へ、「あり方とやり方」の両面から具体的なノウハウを提供している。

Twitter:Kumiko Maruyama

緊張しいな皆さんへお届けするこの連載も、4回目を迎えました。多方面から反響をいただき感謝申し上げます。今回は、その中でも“もっと知りたい!”とリクエストをいただいた「人前で頭が真っ白にならない方法」を深堀りしていきますね!

こんにちは!

まるっと空気を掴むMC・丸山久美子です。

人前でのスピーチやプレゼンでは、台本を見ながら話すより、何も見ず話す方が“カッコイイ”と思われています。

何も見ずに話すという事は、暗記をして話すという事。しかし、人前に立って話すだけで緊張する私たちには、話しの流れやキーワードを覚える余裕はありません。そんな緊張状態の中で必死に無理を重ねると、体が耐え切れなくなり「あがり」というSOSを出してきます。ここまで来ると、頭が真っ白になったり記憶がとんだりします。苦い思い出として記憶にある人も多いのではないでしょうか?

これでは、せっかく頑張りも水の泡。頭が真っ白にならずに、きちんと話すためにはどうすれば良いのか?一緒に考えてみましょう。

 

未完成な暗記は「損のモト」

確かに、暗記してスラスラと話せたらカッコイイと思います。しかし、1度立ち止まって考えてみましょう。なぜ、私たちは緊張してまで人前で話すのでしょうか?カッコイイ自分を見せびらしたいから?…違いますよね。伝えたい事があるから話すのです。

伝えたい事を書き出し、暗記したとしましょう。本番で、その内容をスラスラと今思いついたかの様に感情を乗せて話せたら最高です。皆さんもそうやって話したくて暗記を頑張った経験があると思います。

しかし、私がMCとして大勢のスピーチを見てきた結果は真逆です。緊張しいな人は必ず、次は何を言うんだったけ?!と頭の片隅で考えながら話しています。その姿はとても不自然で、感情を込めて話しているようには見えません。不自然な話し方ですから、説得力も激減します。努力が実らず、逆に損をしている人が非常に多いのが現実です。

 

暗記するなら徹底的な練習を!

とは言え、仕事上どうしても暗記を求められる場合もあります。私も、暗記必須の現場を数多く経験してきました。しかし、緊張しいな私が暗記を完璧に仕上げるには相当な労力が必要で、地獄のような日々でした。

例えば展示会ステージで10分間のプレゼンMCを行う場合。完璧に仕上げるには、1週間は必要です。最初の3日間で、台本を熟読→暗記→声出し→そして、噛まない様に練習します。しかし、本番で緊張すると、このレベルの練習では太刀打ちできない事が分かっているため、緊張対策として4~6日目に特殊な練習を重ねます。繁華街へ行き、人ごみの中で歩きながら声に出してみたり。カラオケBOXで好きな曲を大音量で流しながら、マイクを使って言ってみたり。このような特殊な練習を繰り返し、やっとスラスラ話せる様になります。

これで終わりではありません。7日目に、本番と同じ会場でのリハーサルで最後の仕上げを行います。リハーサルでは、ほぼ100%ミスをします。どれほど念入りに準備しても、本番と同じ会場で生々しい緊張を感じるとミスをするのです。このミスこそが仕上げとなり、本番では最良のパフォーマンスを発揮する事ができます。

こうして私は、1年に200日以上の暗記の仕事をしてきました。緊張しいが暗記を完璧に仕上げ成功するためには、相当な練習が必要だと身をもって味わってきました。どうしても暗記が必要な際には、上記の様に徹底的に練習をしましょう。せっかくの頑張りを水の泡にしてはモッタイナイですから!

 

プロだって台本を見ている

現在、暗記の仕事はお受けしていません。MCとして駆け出しの頃は、何も見ず話せる人こそが「プロ」だと思っていたので、暗記の仕事をがむしゃらに頑張っていました。しかし、気が付いたのです。テレビのアナウンサーも、結婚式の司会者も、必ず、台本を見ながら話している事に…!

世の中のプロのほとんどは、台本を見ながら話しているではないですか!そう気が付いてからは、私も、台本を見ながら話して良い仕事へとシフトチェンジしていきました。

台本を見ながら話して良い仕事をする様になってから、私のMC力は確実に伸びていきました。それまで暗記作業や練習に充てていた時間を、台本の修正やイメージトレーニングに使う事で、本番で緊張しても、あらゆるトラブルへ対応できるようになりました。緊張しいな私には、暗記よりも、台本を見ながら話す方が相性が良かったようです。

プロにも2種類います。暗記するプロと、台本を見ながら話すプロ。私が自分に合う方を選んだように、皆さんも、ご自身に合う方を選んで良いのです。自分に最適な方法を選択する事こそが、人前で頭が真っ白にならずに話せるコツなのだと思います。

 

台本を見ながら話す時のポイント

私と同じように、台本を見ながら話す方法へシフトチェンジしたい!と感じた方は、ぜひ1回目のコラムも読み返してみてください。台本を使用する際のちょっとしたコツを載せていますので、参考にご覧いただければと思います。

第1回記事はこちら

第2回記事はこちら

第3回記事はこちら

【参考図書】

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『上手にあがりを隠して人前で堂々と話す法』

著者:丸山久美子

出版社:同文舘出版

ベンチャー企業に入社して大丈夫!?不安を解消する「Family GATE」

2016年9月、ウィルゲート社員の家族に向けたイベント「Family GATE(ファミリーゲート)」を開催しました。今回はイベント開催までの準備や、当日のコンテンツ、参加者の声などをご紹介いたします。

※本記事は、「PR Table」より転載・改編したものです。

会社を知ることで、安心してもらいたい

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平成22年度より3年間実施された東京都の「東京しごとの日」事業の一環である「ファミリーデー(※)」を、最近では多くの企業が実施しています。ファミリーデーは、社員の家族を社内に招き、会社への理解を深めていただくとともに、ワークライフバランスの推進につなげていく取り組みです。

2011年当時のウィルゲートは設立から5年で、社員の平均年齢も社長の年齢も26歳と若いこともあり、ベンチャー企業で働くことにご家族が不安を感じているという声もありました。そのため、ご家族に少しでも安心してもらいたいという想いで、2011年から「Family GATE」という名前のファミリーデーを実施しています。

また、最近は就職活動の悩みを、家族に相談する人が徐々に増えているそうです。

リクルートキャリアの就職白書データ 「就職活動の相談相手」として「家族」を選ぶ大学・大学院卒業予定者の割合が2012年では45.1%であったものが2015年には53.9%になり8.8ポイントも増加しています。

そこでウィルゲートでは、内定者のご両親を中心に、社員の配偶者や兄弟、そして将来を共にする可能性のある恋人まで、幅広い層に向けて、会社を知り理解できる場を催しているのです。

最近は社員数も100名を超え、平均年齢も30歳ほどになり、新卒で入社したメンバーにも既婚者が増えたため、お子さん連れでの参加も増えています。

※ ファミリーデーとは:会社の取組として、従業員のご家族の職場訪問を受け入れ、日々従業員を支えてくれるご家族に職場に対する理解を深めてもらうとともに、同僚との交流を図り、それぞれの従業員にも大事な家庭があるということを社内全体で再認識することで、「働きやすい・ご家族を大切にする職場の雰囲気づくり」を行い、ワークライフバランスの推進を図る取組を行う日を指します。

人事部だけじゃない! 社員も一緒にイベントづくり

f:id:kashiemi:20180119121752j:plain▲「Family GATE」当日の様子

ウィルゲートのファミリーデーは、ご家族に会社を知ってもらうだけでなく、「一人ひとりの社員に大切な家族がいる」ことを会社が再認識する目的もあります。そこで、いつも人事部が担当している「Family GATE」の準備を、今回は社員全員から協力者を募集して実施することにしました。

10名ほどで当日の内容や、会場の装飾、ご家族へのプレゼントなどを企画。その甲斐あって、例年よりもパワーアップしたファミリーデーを開催することができ、さらに社員のイベントへの意識にも少し変化があったように感じられました。

「Family GATE」の開催内容

f:id:kashiemi:20180119121814j:plain▲“会社版の通信簿”

まずは、代表の小島からウィルゲートについて。その後、担当役員から人事制度をご紹介。

ウィルゲートのサービスを実際に体験してもらうという試みのひとつとして、暮らしのアイデア投稿プラットフォーム「暮らしニスタ」のワークショップも行いました。

今回はお子さんの参加が多かったため、簡単な「キッズコーナー」を作り、お菓子や自社キャラクターの塗り絵などを用意。当日撮影した家族写真と共に、「社員の仕事内容」や「上司からみた社員の職場での様子」「社員から家族へのメッセージ」などを盛り込んだ“会社版の通信簿”を作成して、社員から家族の方へ渡しました。

頑張れる原動力がわかったーー参加したご家族の声

f:id:kashiemi:20180119121826j:plain▲別会場で行ったランチでは、代表や役員、社員が席をまわってご家族と歓談しました

ご参加いただいたご家族から、今年は以下のような声をいただきました。

「具体的な事業内容や制度については今まで知らなかったので、知ることができてよかったです。また、会社創業からの社長の熱い思いも伝わってきました」

「役員の方々とフランクな雰囲気でお話できてよかったです」

「会社説明も、ランチ懇親会でも、集う人々の心根の良さがとても心地よく感じました。真面目に、一生懸命、前向きに、力を合わせて取り組む役員の皆さんやマネージャーやメンバーの方々にお目にかかれ、無理をしてでも頑張る娘の原動力は、この「仲間」がいるからなのかなと、思いました」

今後もウィルゲートでは、このようなイベントを通じて、社員だけでなく、そのご家族の声にも耳を傾けるようにして、よりよい会社創りに生かしていきます。そして、常に社員もその家族も大切にできる会社でありたいと考えています。

 

会社説明会では語られない“ストーリー“が集まる場所「PR Table

ヒット商品“ゾンビスナック”のヒントは、身近な声にあった!意識したのは「弱者の戦略」――株式会社MNH取締役 小澤尚弘さんの仕事論

“ゾンビスナック”や“天狗の鼻かりんとう”のヒット商品を出している、ソーシャルベンチャーの株式会社MNH。地域課題解決に取り組みながら、ヒット商品を生み出す底力はどこからくるのか? 取締役の小澤尚弘さんにお話を聞いてきました。

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小澤尚弘さん

1983年生まれ。専門学校卒業後、2002年からNPO法人チェロ・コンサートコミュニティー(ガスパール・カサド国際チェロ・コンクール事務局)で事務局業務に携わる。2010年11月、地域資源を活かした商品の企画・製造・販売事業を行う株式会社MNHに入社。2011年、同社の取締役に就任し、「オレキエッテ」「ゾンビスナック」など、業界のスキマをついた売れる商品で、地域資源の活用・課題の解決を図っている。

株式会社MNHhttp://mnhhappy.com/)地域資源と課題を、「お金」と「雇用」に変えるのをモットーにしているソーシャルビジネスの会社。

良いことをしているのに、稼げない――NPOの壁

――前職のNPO法人チェロ・コンサートコミュニティーでの事務局の仕事は、どんなことをしていたのですか。

NPO理事同士の社内調整、寄付をくださる方と支援する方との資金調整、コンクール運営にかかわる文化財団と市役所との調整など、あらゆるコーディネート業務です。学生ボランティアでもやっていた時を含めると、10年間ぐらいやっていました。NPOは、利益を上げることが目的ではないため、団体として活動を通してお金を稼ごうとはしません。また、助成金や寄付金で運営しますから、関係者が多くなります。ですから、3年に1回行うコンサートのために、長期的に多方面の関係者と良好な関係を保ったまま事業を進めることは、非常に困難なことなんです。 

 

――長い期間をかけて多様な人と仕事を進めるのは、苦労もありましたよね。

そうですね。どうしても運営に限界があり、人を雇うこともできずに、本来やるべき活動もどんどん尻すぼみになっていました。それに、組織内の調整が大変で、物事を進めるのが難しい。理事が20名近くいて、何かを決めるためには8割以上の賛同が必要で、1回の会議のために、1週間かけて社内調整や根回しをすることもありました。外部団体との調整もあり、それらに忙殺されて本来やるべき仕事が進まないこともありました。

閉塞感を感じ始めた矢先、仕事上でつながりのあった信用金庫の人から、不意にMNHの社長(現在の会長)を紹介されたんです。MNHはソーシャルビジネス(ビジネスを手段として社会課題を解決する)に取り組む会社。NPOの1つの進化系として、「ソーシャルビジネスは、すごく面白いカタチだな」と思っていたので興味を持ちました。

 

――不意の紹介がきっかけで、転職することになったのですね。不安はありませんでしたか。

仕事を通して信頼を持てていた人からの紹介だったので、不安はありませんでした。それに、子どもの頃から僕は、年長者から言われたことは素直に実行するタイプで、そうしたことでうまくいった体験をいくつもしていました。「まずは頭でっかちにならずに、素直に聞こう」と思ったんです。

また、今までのコーディネーター業務経験も生かせる仕事でしたし、MNHのミッションでもある社会課題解決のために「自分たちで稼ぐ」ということが、魅力に感じました。NPOで従事する人間からすると、とても衝撃的で、抱いていた閉塞感を打ち破る言葉で転職を決意しました。

 

ソーシャルビジネスで稼ぐための戦略

――MNHに転職してみてどうでしたか?

入社した当時、会社も創業から2年ほどで、社員は1人で、パート社員と会長を入れてもわずか4人でした。でも、「自分たちで稼ぐことと、ゼロから組織を作り上げていくこと」に面白みを感じました。MNHでは、会長の方針で創業当初から、「長期計画、売上予算を持たない経営」を行っています。通常、NPO組織は予算と計画を立て、報告と決算を行うのが常識となっているので、それを聞いたときは衝撃の事実でしたよ。

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▲デスクで話す小澤さんと社員。商品のアイディアは、こうしたフランクな雰囲気の雑談から生まれています。

 

――衝撃的な事実を、小澤さんはどう思いましたか?

会長は「創業したばかりでは、商品がどれだけ売れるかなど読めないのだから、売上予算は意味がない。読めるのは、経費の予算だけ。売れる商品かどうかをとことん考え抜いた方がいい」と言っていました。それを聞いて「そうか、それならそれでやってみよう」と、素直に受け止めていました。とは言っても、実際に自分自身がそのことを「なるほど」と体感できるようになったのは、2016年頃からですね。

 

――どんなことで、体感できたのでしょう? 

去年販売を開始した《ゾンビスナック》がはねたとき(=ものが売れ始めた瞬間)でした。初め、ゾンビスナックは小売店ではなかなか置いてもらえず、あるつながりでたまたまサービスエリアに置いてもらったところ話題になり、その時から売れ始めたんです。バイヤーは、いろんなところでアンテナを張ってみているからでしょうね。商売なんて、やってみないとわからないもんですよ。

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▲ゾンビスナック(左から焼肉味、コンソメ味、のりしお味)

 

――《ゾンビスナック》は、見た目から話題性がありますよね。他にも、アイディア勝負でユニークな商品を作り続けていますが、大手メーカーがひしめく製菓業界で、MNHはいかにして勝負をしているのでしょうか。

「商売なんて、やってみないとわからない」と言えど、もちろん無計画にやっているわけではありません。ただ、大手メーカーが得意とするマーケティングは、当社ではしません。資金力も宣伝力もない当社が、大手と同じことをやっても勝てるわけがないですから。僕たちは“弱者が勝てる戦略”をとっています。 

(1)小ロットからの販売から始める

まずは小ロットで売り場に出して、損失を抑えます。まずは出してみて、お客さんの反応をみてみることで次の展開につながります。

(2)大規模な消費者アンケートはとらず、購入者からの感想や女性の好みを傾聴する

大手は予算が潤沢にありますし、上司や関係する部門を説得のためにさまざまなエビデンスをそろえる必要があるので、大規模な消費者アンケートを実施します。しかし我々はアンケートをしません。その大きな理由は「顧客が潜在的に求めているものは、アンケートなどの数字には出てこない」と考えているから。その代わり、商品を買いそうだと思う人に、商品についての感想をとことん聞きます。また、女性は流行に敏感なので、周囲の女性の好みにも耳を傾けます。

(3)売り場に足を運ぶ

顧客のふりをしながら、手に取っているお客さんの反応を見ています。彼らの反応や会話の中には、「はねる」ヒントがあります。とにかく現場を大事にするんです。

 

――「現場を重視する、小さく試してみる」といったスタンスで、売れ筋を探しているんですね。 

 

壁を乗り越える時に、これまでに取り組んだ経験が生かされる!

――“弱者が勝てる戦略をもってヒット商品を生み出し成功していますが、小澤さんにとっての仕事での「壁」はありますか。 

企画を実現させることが、一番の壁です。10個企画を出したら、2個実現できればいい方。実現させるのにまずすることは、企画の商品を作ってくれるメーカーを探すこと。そのためには、担当者と接点をつくり、試作の依頼まで持ち込み、取引を実現させなければいけません。この、商品を世に出す手前の段階が、一番難しいです。

 

――その壁は、どうやって突破しているのですか? 

NPOでやってきた交渉力が役立に立っています。NPOの事務局で話し相手との交渉のためにやっていた調整や根回しは、今の仕事と本質的には変わりません。違いは、今はビジネスとして利害がはっきりしているので、スッキリとした交渉ができます。また、強い信頼関係をもつことも有効です。

 

――信頼関係を築くために、どんな工夫をしているのですか? 

一言で言えば、雑談力ですね。初対面で、どれだけ相手に話をしてもらえるかが一番大事で、そのための引き出しを準備しておくことです。例えば、地方出身の人と会うときは、その県内の市町村と特産品を事前にチェックしています。出身を聞いて「○○が有名ですよね」と言えれば、会話のきっかけになります。また、交渉相手とカラオケに行くのなら、歌いたい曲が被らないよう、世代などに配慮して選曲するなどをしています。「気持ちよくなってもらうためには?」と考え、いかに相手の気持ちと合わせていくかが、話してもらえるための鍵になります。実はこれも、NPO時代での調整業務で得たものです(笑)

 

――相手に喜んでもらうためにどうしたら良いかを、良く研究されるのですね。その真摯(しんし)な姿勢が、信頼につながっていくのでしょうね。

 

好きな言葉で信条にしていること――“一所懸命”と“弁証法”

――仕事をする上で、大切にしていることは何ですか? 

僕は、いわゆる「一生懸命」という言葉の語源となっている、“一所懸命”という言葉が好きです。1つのことを、それがたとえ自分の好きなことじゃなくても、与えられたことはしっかりやる。そうすれば、次の道が見えてくる。目の前のやるべきことをすっ飛ばして、好きなことだけしようとしても、うまくはいかないものです。それに、一所懸命していると、誰かが必ず見ていてくれてくれるものです。転職のきっかけをつくってくれた信用金庫の人も、そんなところを評価してくれ紹介してくれたのだと思います。

 

――一所懸命にする事で、次の仕事につながっていくのですね。最後に、仕事で悩み事ができた時の解決法を教えてもらえますか。 

そんな時ヒントになるのは、僕の好きな考え方の“弁証法”です。机上の勉強では、例えば、1+1=2というように、解答がある問題を解いていますよね。でも、仕事や社会では、解決できない問題の方が多くあります。しかも「正しさ」は人それぞれ違うのに、対立したときでもどうにかしなきゃいけないんです。だから、何か共通点を見つけて、「新しい正しさをつくる」――それが『弁証法』です。ですから、「なぜ相手が自分と違う意見を持つのか?」を考えると良いと思います。どっちの意見も組み入れて、どっちも納得できる答えを導き出す。そうすることで解決していけるのではないかな。

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▲「周りが楽しそうにしているのを、はたで見ているのが好き」と笑顔で話す小澤さん

文:Loco共感編集部 原田真里

「お前気に食わない」と直接言われたこともある…それでもスーツで働く理由 | 齋藤聖人(農家)

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近年IoT活用などで注目が集まる農業分野。しかし一方でその現場は単純作業が多く、個性やクリエイティビティを発揮しづらい点が若者を遠ざける一因になっているともいわれます。今回お話をうかがったのはビシっときまったスーツ姿での農作業姿が注目を浴びている、「スーツ農家」こと齋藤聖人さん。江戸時代から350年以上続く由緒ある農家に生まれながら、農業への新しいアプローチを模索する齋藤さんに仕事への向き合い方を伺いました。

齋藤聖人(さいとう きよと)
山形県川西町で最も歴史ある農場を持つ齋藤家の16代目。新米農家ながら、スーツを着て農作業を行う姿に国内外から注目が集まっている。

スーツ農家 齋藤聖人 (@suit_farmer) | Twitter

 

好きではじめた仕事なのに
「なぜ働いているのか分からなくなった」

——ご実家は16代も続く農家だとか。幼少期から、家業を継ぐという想いはあったのですか?

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そうではないんです(笑)小さい頃から農業を手伝っていて「家の仕事だからやらなきゃ」と受けいれていたのですが、父親からはずっと「将来は農家にならなくてもいい。好きなことをやりなさい」と言われて育ちました。父はこの家を継いだことで本当にやりたい仕事をできなかったという背景があり、その苦労を子ども達にさせたくなかったようです。私は思春期の頃、地元や農業に対して「つまらない」と思うようになり、建築業界に興味を持ち始めました。高校卒業後は建築について学び、そのまま建築関係の仕事についたんです。

 

——農家を始める前は神戸にいらっしゃったそうですが、その後どのように現在に至ったのでしょう?

神戸に行ったのは、当時神戸で働いていた妻と一緒に住むためです。神戸に行く前にも仕事で東京など各地を転々としていて、地元に帰るつもりはありませんでした。

もともと私は設計やデザインに興味があったのですが、まずは現場で経験を積まないと……と、現場管理の仕事ばかりこなしていました。ハードワークで心身ともに辛くて「一体何のために働いているんだろう」と、好きで始めたはずの仕事が嫌いになりそうでした。

そんな折、たまたま山形に帰省していたときに東日本大震災が起きました。当時多くの人がそうだったように、地震を機に「これからの人生をどう生きよう」と考えたんです。妻との暮らしやその先の子育てのことを考えたら、地元に戻ったほうがいいだろうとう思いに至りました。すでに私の兄弟は別の仕事についていたので、「実家の農業は自分がやるしかない」と決意しました。自分が継がないとこの家が無くなってしまう状況だったので、それは嫌だなと。農業がやりたいというよりも、帰る場所や家を無くしたくないという想いのほうが強かったです。

 

——農家で「スーツ」という発想に至ったのはなぜですか?

アパレル関係で働いている兄が「もし俺が農業やるなら、スーツ着てやる。ダサい格好は嫌だ」と話していたことがきっかけです。私は農業に対して「新しいことができそうだ」という期待がありましたし、農業でなにかおもしろいことをしようと思って、そのアイデアをもらいました。

農業を始めた年、田植えの初日にスーツを着て田んぼに行きました。最初は「結婚式?」って冗談だと思われたり、頑固な祖父には「そんな格好で農業ができるか。着替えてこい」と怒られたりしましたが「自分はこれでやる」と宣言したんです。一年目は田植えや稲刈りなどの“メインイベント”のときだけスーツだったのですが、段々と噂が広がっていって、たまたま自分を見かけた人に「あいつスーツ着てないじゃないか」と思われたら嫌なので、今では農作業のときは必ずスーツを着ています。

農業は自然と向き合う仕事なので、365日24時間休み無しという働き方にどうしてもなってしまいがちです。ですが私はスーツを着ることで、気持ちのオンオフがしっかりできるようになりました。何より、仕事が楽しめるようになりました。

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自分が目立つことで、閉鎖的な田舎社会を変えていきたい

——農業をはじめてから、想像とのギャップはありませんでしたか?

本格的に農家を始める前は、その大変さはなんとなく理解していたものの、のびのびとしていて自由に働けるというイメージをもっていました。でも、実際は全然自由じゃないんですよね。会社に管理されることはありませんが、どこかで手を抜くとそのぶん自分に返ってきますし、また理解や協力を得るために地域とのコミュニケーションは欠かせません。本当は農作業だけに専念できれば良いのですが、地域の集まりなどもあって丸1日オフという日はほとんどありません。

いま新たに農業への注目が集まっている風潮がありますが、実際には後継者不足はまだまだ深刻な問題です。年々畑を手放す人は増えていますし、そのぶん他の農家が見るべき畑が増えてますます忙しくなる……という悪循環。私は代々続く農家の16代目というバックボーンがあるので、地域との関わりでは大目に見てもらえることもあります。しかし、一方で都会からUターン、Iターンでやってきて、農業に新規チャレンジした人が地域と馴染めずに結局去ってしまう……ということもあります。人手を増やすためにオープンにならないといけないのに、田舎社会の閉鎖性は、まだ時代の流れと逆行しているんです。

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だからこそ、私は好きな格好で好きなように仕事をするようにしています。実際に「スーツ農家」というスタイルは万人に受け入れられているわけじゃないですし、「お前が気に食わない」と直接言われたこともあります。でも、地元の16代目農家である私がこうして目立って注目をあびることで、よそからやってきた人に「もっと自由にやっていいんだよ」と伝えたいですし、「農業っておもしろそう」と興味を持ってもらいたい。出身に関わらず同じ想いを持った仲間を増やしていきたいと考えています。

最近では「ファーマーズ5」というJA青年部のユニットを組んで農作業風景をFacebookで発信したり子どもたちに農作業を教えたり、という活動をしています。近年は農家の子でも作物がどうやって育つかを知らない子も多いんですよ。

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いま改めて思う「つまらない」田舎を、もっと「おもしろく」

——今後は、どのような発展を目指しているのですか?

いまの目標は「日本一有名な米農家」になることです。同時に農業の地位も上がって、若者の職業選択のひとつに自然と「農家」があがるようにしたいですね。そのために私自身も若いうちにさまざまなアプローチを見せたいですし、どんな格好でも仕事はできるんだと伝えたいです。あるとき、となりの高畠町に住む20歳くらいの女性2人が、私のことをメディアで知り「雇ってください」と連絡してきたことがありました。残念ながら従業員を雇うほどの余裕がなかったのですが、実際に会って農業についてアドバイスなどさせていただきました。こうした影響が現れるのは、非常にうれしいです。

私はかつて「田舎ってつまらない」と思って、地元を出て就職しました。そして再び戻ってきましたが、正直「田舎ってつまらない」という気持ちは変わっていません。でも、あの頃と違って今なら自分で「どうすればもっとおもしろくできるだろう」と考えて、変えることができる。まだ修行中ですが、もっとこの仕事を愛せるように、自分なりの形を引き続き発信していきたいと思います。

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取材・文:伊藤七ゑ 撮影:向山裕太

 

2018年春はカラー&ドットアイテムがくる!一目置かれるオフィスコーデ

まだまだ寒い季節ですが、ダークトーンの冬物にも飽きてくる頃…
街に溢れる、春を感じるお洋服たちに目を奪われる方も少なくないのではないでしょうか。

そろそろ春らしい軽やかな素材や鮮やかな色味を取り入れ、オフィスでもトレンド感がある「フェミニンな春コーデ」を楽しみたいですよね♪
そこで押さえておきたいのが、2018年春にくる人気カラーやアイテム。
色と素材をうまく使いこなすことが、オフィスコーデにトレンドを取り入れるポイントです。

今回は、トレンド感強めのちょっぴり"攻めた"オフィスコーデをご紹介したいと思います。
2018年春の注目カラー・アイテムなど、ほかの人より早めにトレンドを押さえて、オシャレ度をUPさせちゃいましょう!

2018年春のトレンドは「イエロー」「ピンク」「グリーン」

今年の春夏のトレンドカラーは「イエロー」「ピンク」「グリーン」。パステルからビビッドまで、明るい色物を投入するだけでグッと春っぽさが演出できます。

2018年春のトレンドは「イエロー」「ピンク」「グリーン」。グリーンのニットで春らしさを。

グリーンのニットで春らしさを。

プレーンな形のニットも袖口からレースブラウスをのぞかせるだけでコーデを格上げできます♪スカートにもデザイン性があり、どのアイテムも主役級ですが、グリーン以外はナチュラルカラーでまとめることで、全体のバランスを整えています。

ニット:UNIQLO
レースブラウス:BIRTHDAY BASH shop
スカート:L'ecrin
パンプス:Manolo Blahnik

 

2018春の気になる「ドット」柄のアイテム

なんと言っても今春注目なのは「ドット」!
大きさや色、ピッチによって印象が変わるので好みのドット柄を探してみましょう。
まずは、ミモレ丈のスカートで取り入れてみました♡

2018春の気になる「ドット」柄のアイテム

写真では見えづらいのですが、トップスはこちらも袖口からインナーのレースを折り返すことで、カジュアルなスウェットをエレガントなオフィス仕様に♪
ドット柄にインパクトがあるので多色使いはせず、モノトーンでキチッとした印象にしました。

スカート:ADAM ET ROPE
トップス: GU
インナーブラウス:BIRTHDAY BASH shop
パンプス:Manolo Blahnik

 

春の定番アイテム「レース」でフェミニンに

春に人気のレースアイテムはそれだけで軽やかな「春」を感じさせてくれますよね♪

春の定番アイテム「レース」でフェミニンに

重ねたりチラ見せしたり…合わせるもので表情が変わるレイヤードアイテムは、手持ちのプレーンなアイテムを輝かせてくれますよ!

 

手軽にオシャレ感をプラスできる便利アイテムです。

(写真左から)

白レースのラップスカート:BEAUTY&YOUTH
袖口がレースのブラウス(黒、白): BIRTHDAY BASH shop
オールレースのブラウス(黒、白):BIRTHDAY BASH shop

 

白レースのラップスカートを実際に着用してしてみるとこんな感じ。

2018春コーデ。白レースのラップスカート

トップス: L’ecrin
トレンチコート:LE CIEL BLEU
カバン:manipuri
パンプス:Manolo Blahnik

 

チュールスカートやレースのラップスカートは中に合わせる色でいろんな楽しみ方ができるので、1枚持っているとコーデの幅が広がりますよ!今回は黒いトップスを合わせてみました。

休日ならデニムに合わせても良いですよね。

 

また、意外と困りがちなのが春アウター。
どんなテイストのコーデにも ひとまずスタンダードなトレンチがあればOK!
もし買い足すなら、少し長め丈やオーバーサイズなど、コンサバ過ぎないトレンチ(LE CIEL BLEU)を選んでみて!
全体の印象がワンランクアップすること間違いなしです♪

 

小物を”足し算”して、オフィスコーデを春仕様に

オフィスコーデと言うとどうしても無難になりがち…
でも、"足し算アイテム"ならオフィス内でNGでも、行き帰り用にプラスすればたちまちトレンドコーデに変身できます!女子会やデートの予定がある日にぜひ活用してみてくださいね♡

 

オフィスコーデに春っぽさを加えるなら、揃えておきたいのが色物のバッグとパンプス。

小物を”足し算”して、オフィスコーデを春仕様に

まず、オフィス内で持ち歩かないバッグにはインパクトを!
今季も引き続き人気の巾着ショルダーは、LUDLOWやmanipuriが旬なデザインでおススメ♡

 

次に、プレーンな形のパンプスは長く大切に履ける良いものを。(Manolo Blahnik, NEBULONIE, 他) 靴のコレクションを増やしておくと、手軽にオシャレの振り幅が広げられますよ。 "オシャレは足元から"とも言いますしね!

 

いかがでしたか?
工夫次第でオフィスでもオシャレを楽しめますよね♡
春は歓送迎会など会社帰りのお出かけが増える季節です。トレンドをうまく取り入れて、ファッションをもっともっと楽しんでいきましょう!

 

【写真&執筆:エイミー(@aimeesucre._._.1029)】

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身長163cm。多治見にてAtelierSucre(アトリエシュクレ)というネイル&エステサロンを運営しています。 女性が元気になれるようなファッションアイテム・コーデ・美容情報をインスタグラムに掲載しています。ぜひお気軽にご覧ください♪

Instagram→ https://www.instagram.com/aimeesucre._._.1029/

ネイル&エステサロンAtelierSucre情報はこちらから(Instagram) → https://www.instagram.com/ateliersucre_nail/

 

「入社1年目。上司の厳しいマネジメントに耐えるしかないのか?」【シゴト悩み相談室】

キャリアの構築過程においては体力的にもメンタル的にもタフな場面が多く、悩みや不安を一人で抱えてしまう人も多いようです。そんな若手ビジネスパーソンのお悩みを、人事歴20年、心理学にも明るい曽和利光さんが、温かくも厳しく受け止めます!

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曽和利光さん
株式会社人材研究所・代表取締役社長。1995年、京都大学教育学部教育心理学科卒業後、リクルートで人事コンサルタント、採用グループのゼネラルマネージャー等を経験。その後、ライフネット生命、オープンハウスで人事部門責任者を務める。2011年に人事・採用コンサルティングや教育研修などを手掛ける人材研究所を設立。『「ネットワーク採用」とは何か』(労務行政)、『悪人の作った会社はなぜ伸びるのか? 人事のプロによる逆説のマネジメント』(星海社新書)など著書多数。

CASE21:「上司の厳しいマネジメントについていけない…」(24歳男性・広告代理店勤務)

<相談内容>
新卒入社1年目です。営業としての基本を早く覚えて一人前にならなければと思うのですが、上司のマネジメントが厳しすぎて、ついていけません。

上司は28歳。社内でも有名な熱血漢で、メンバー一人ひとりを精魂込めて育てようとしてくれているのだと感じるのですが…毎朝、その日の行動予定をすべて報告し、帰社後はみっちり1時間振り返り。計画通りに動けていなかったり商談内容がイマイチだったりすると、厳しく指導されます。そして一からロープレのやり直し…。

1年目ですし、どんどん仕事を覚えて成長しなければならないのはわかりますが、毎日の上司とのやり取りが憂鬱です。少しでも状況を変える方法はあるのでしょうか?それとも耐えるしかないのでしょうか?(広告代理店・営業職)

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マイクロマネジメントは新人教育のセオリーの一つであり、成長のために必要な第一歩

 相談者の上司のように、部下の一挙手一投足まで細かく管理するマネジメント方法のことを、人事用語で「マイクロマネジメント」と呼びます。過干渉マネジメントとも呼ばれ、あまりいいイメージをもたれませんが、新人を育てる方法としては理に叶っており、新人教育の原理原則とも言えます。

 自由を謳歌した学生時代からガラリと環境が変わり、上司に毎日ものすごく縛られ、不自由を強いられていると感じるかもしれません。でも、これは後々の成長のための第一歩。英会話を習得するために、まずは英単語や文法をひたすら覚えたり、野球がうまくなるためにまずは素振りを何度も繰り返したりするのと同じなのです。

 ビジネスや仕事に重要な言葉に「守破離」があります。師匠から教えられた型を「守」り、それを自分のものにする過程で少しずつ改善を加えて師匠の型を「破」り、自分のスタイルが確立できたら師匠の型から「離」れて自由になる…この段階を踏んでこそ、一人前になれるという考え方です。

 つまり、上司は今、あなたに守破離の「守」を伝授してくれているのです。型を取得すれば、早晩自由が見えてきます。まずはこの「守」に全力を注ぐことが、現状打破の近道と言えます。

自由が欲しいならば、「それが必要である理由」とともに真剣に訴えてみよう

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 もちろん、上司のマイクロマネジメントが明らかに「行き過ぎた過干渉」であり、言葉の暴力があるなどもはやパワハラの域であるならば、さらに上の上司に訴えるべきです。しかし相談内容を見ると、どうやら上司はそこまで悪い人ではなさそうですね。

「現状が辛い」と嘆いている一方で、上司のことを「社内でも有名な熱血漢で、メンバー一人ひとりを精魂込めて育てようとしてくれているのだと感じる」と表現しているのですから、おそらく心根は優しい人であり、新人を1日でも早く成長させたいという一心なのでしょう。相談者も上司のことが嫌いというわけではなさそうです。

 放任主義の上司のもと、我流で仕事を覚え育った人は、基本的な「型」を習得していないから、始めは良くてもいつかどこかで頭打ちになる日が来ます。今は辛くても、がっつり「型」を伝授してくれようとしている上司のことを、いつか感謝する日が来るのではないか…と私は思います。

 そもそも、上司の態度や教育姿勢は、対象者の年次や業務の習熟度合いによって異なるはず。周りを見回してください。入社2年目や3年目の人には、相談者と同じ接し方はしていないのでは?あなたの成長ステージが変われば、必ず上司のマネジメント方法も変わります。目の前の仕事に注力しつつ、そのときを待ちましょう。

 ただ「わかっちゃいるけど、もう少しでいいから自由が欲しい」という場合は、その思いを真剣に伝えてみては。

 対面でもいいし、メールでも手紙でもいい。例えば「週1でいいから、自分一人でその日1日を振り返り、熟考する時間がほしい」などと訴えてみましょう。その時間があなたに必要だということが伝われば、上司もきっとわかってくれるはずです。

今の状態がいつまで続くのか、先が見えれば頑張れるはず

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 相談者は上司のマイクロマネジメントそのものよりも、「この状態がいつまで続くのかわからない」から辛いのではないでしょうか?

 あと2カ月経てば、相談者は入社2年目に突入します。そこから考えても、おそらく今のようなマイクロマネジメントが続くのはあとわずかだと思いますが、新人時代はそんなメドもつかないから先が見えず、余計辛いのでしょう。

 例えば先輩に、「このような指導は通常どれぐらいの期間続くのか」などと質問してみてはどうでしょう。同じ道を歩んだ経験のある先輩であれば、大よそのメドを教えてくれるはず。例えば「次の新人が配属される夏には、新人教育で忙しくなるから変わるはずだよ」などとわかれば、「よし、あと半年だったらなんとか頑張るぞ!」と思えるようになるのでは?もちろん、業務の習得度合いによって個人差はあるでしょうが、目安がわかれば視点を今から未来に移すことができ、意欲も湧いてくるのではないでしょうか。

 これからさまざまな経験を積み、大きな仕事を任されるようになるにつれ、「ビジネス持久力」が求められるようになります。目の前の細かな事象に翻弄されず、長い視点でビジネスを設計し、最後まで遂行する力のことです。目先の出来事ばかりに目を奪われ、いちいち思い悩むのではなく、今のうちから「先々を見据えて今を努力する」訓練をしておくことです。

 そもそも新人時代は、たかだか半年間がまるで永遠のように感じるものです。私ぐらいの年齢になると、1年なんてあっという間で驚きますよ。現状は、おそらく相談者が思っているよりも早く変わります。それを信じて今を努力してみてください。

 

<アドバイスまとめ>

新人時代はあとわずか。
状況はあっという間に変わる。
おそらく来年の今頃には
今の悩みも笑い話になっているはず

EDIT&WRITING:伊藤理子 PHOTO:平山諭 

安全?安全じゃない?「仮想通貨」の真実とは

『プロフェッショナルサラリーマン(プレジデント社、小学館文庫)』や『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」(日本経済新聞出版社)』等のベストセラー著者である俣野成敏さんに、「仮想通貨とは何か?」についてお話しいただきます。

「仮想通貨とは何か?」

こんにちは。俣野成敏です。

2017年12月。仮想通貨のビットコインが、一時1BTC(ビットコインの単位)200万円を超える場面がありました。11月に1BTCが初めて100万円を超えてから、わずか十数日後のことです。これを見た多くの人が「すごい、仮想通貨は儲かるぞ!」と思い込んだのもムリはありません。 

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仮想通貨は、Suicaやnanacoといった電子マネーとよく比較されますが、実はそれらとは根本的に違います。現在、使われている電子マネーは、基本的に「現金を支払いやすく形を変えたもの」です。つまり「形は変わっても、同じ“日本円”“である」、ということに変わりはありません。一方、仮想通貨の定義とは、金融庁のHPによると「電子的に記録し移転ができる、不特定多数に対して使える財産的価値のこと」だとあります。

仮想通貨とは、文字通り新しい“通貨”です。個人的には、「仮想通貨のような革新的なサービスが世に普及するのは望ましいことだ」と考えています。ただし、仮想通貨と付き合っていくに際して、知っておくべきことがあります。それは、「仮想通貨はまだ価値が定まっていない」ということです。

実際、ビットコインは現在も激しい乱高下を繰り返しており、わずか1ヶ月余りのうちに、逆に一時100万円を割る場面も見られました。この価格の上下幅のことを「ボラティリティ」と言います。仮想通貨のようにまだ市場が小さく、参入者が少ない状態では、些細なことにも市場は過敏に反応します。「つられ買い」「つられ売り」が大きな影響を与え、価格も操作しやすいのです。

このように、ボラティリティが大きいことが、仮想通貨の特徴の1つとなっています。ですから「仮想通貨で儲けよう」などと思って取引を始めたりすれば、ボラティリティに巻き込まれて気が気ではなくなるでしょう。価格が気になって、日常生活にも支障をきたすようになるに違いありません。

仮想通貨に対する「国の対応」

だったら、「やはり仮想通貨のような得体の知れないものには、触らないのが一番なのか?」と言うと、それも違います。形は変わっていくかもしれませんが、私は以後、仮想通貨が必ず私たちにとって身近な存在になると確信しています。この新しい可能性を無視する、というのも惜しい話です。大切なのは、仮想通貨がどんなモノなのかをよく知り、その活かし方を考えることではないでしょうか。

2017年4月より、改正資金決済法が執行され、国は仮想通貨を決済手段の1つとして取り扱うことになりました。また同年7月からは、仮想通貨購入の際に消費税がかからなくなりました。つまり、消費税とはモノに課税されるため、「(モノ+消費税)←支払い(仮想通貨+消費税)」では二重課税になってしまうからです。

国が消費税の課税をやめた背景には、別の目的があります。実は、仮想通貨に所得税をかけるためです。同年9月、国税庁より「仮想通貨は雑所得の扱いとなる」ことが正式に発表されました。現状、仮想通貨取引によって得た利益は雑所得の扱いとなり、所得税だけで最高で45%もの税金が課されることになります。

仮想通貨との付き合い方

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国は「税金をかけたいがために、仮想通貨を決済手段として認めた」、とも言えるのかもしれません。2017年12月には、さらに「仮想通貨から別の仮想通貨に両替する際」や「仮想通貨でモノを購入する際」にも利益確定とみなされ、差益が出た分に関して課税対象となることが明らかになっています。

よって万一、深く考えもせずに「増えたから使おう」「日本円に戻そう」などとやってしまうと、後で大変なことになるでしょう。現在、「仮想通貨で利益が出た」という人の多くが、単純に残高だけを見て「こんなに増えた」と喜んでいる状態です。その後のことまで考えている人は、多くはありません。もしかしたら今後、より仮想通貨に相応しい課税方法が出てくるかもしれませんが、今は国にとっても「手探り状態」なのです。

仮想通貨はしばらくの間、こうした混乱が続くものと思われます。とはいえ、国ですら「仮想通貨を決済手段として認めざるを得なかった」というのは、すごいことです。これこそまさに、仮想通貨の革新性を表していると言っても過言ではありません。

仮想通貨とは、いわば「未来の通貨」とも言えるものです。ですから、どんなものなのかを調べたり、少額で試してみるのも勉強になるでしょう。ただし先にもお伝えした通り、【大事なのは知ること】であって、くれぐれも仮想通貨にのめり込んで人生を振り回されたりすることのないよう、気をつけてください。もし、より詳しくお知りになりたい方がいましたら、拙著がお役に立つかもしれません。

 

次回は、「今、なぜ仮想通貨に注目すべきなのか?」「何がそれほど革新的なのか?」などについてお話したいと思います。 

 

俣野成敏(またの・なるとし)

30歳の時に遭遇したリストラと同時に公募された社内ベンチャー制度で一念発起。年商14億円の企業に育てる。33歳でグループ約130社の現役最年少の役員に抜擢され、さらに40歳で本社召還、史上最年少の上級顧問に就任。『プロフェッショナルサラリーマン』及び『一流の人はなぜそこまで、◯◯にこだわるのか?』のシリーズが、それぞれ12万部を超えるベストセラーとなる。近著では、日本経済新聞出版社からシリーズ2作品目となる『トップ1%の人だけが知っている「仮想通貨の真実」』を上梓。著作累計は39万部。2012年に独立、フランチャイズ2業態5店舗のビジネスオーナーや投資活動の傍ら、『日本IFP協会公認マネースクール(IMS)』を共催。ビジネス誌の掲載実績多数。『ZUU online』『MONEY VOICE』『リクナビNEXTジャーナル』等のオンラインメディアにも寄稿。『まぐまぐ大賞(MONEY VOICE賞)』1位に2年連続で選出されている。一般社団法人日本IFP協会金融教育研究室顧問。

『トップ1%の人だけが知っている「仮想通貨の真実」』

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俣野成敏 公式サイト