ブログが大炎上…「エンジニアを育てる会社」がエンジニアに嫌われ、信頼を取り戻すまで<前編>

プログラミングの試験サービス「codecheck」をフルリニューアルし、まったく新しいプラットフォーム「track」を掲げて再スタートしたギブリー。波に乗っているタイミングで大きく舵を切った背景には、約7年間に及ぶ事業の変遷がありました。

※本記事は、「PR Table」より転載・改編したものです。

プログラミングの可能性を伝えたい。教育と就活の矛盾から生まれた新規事業


▲入社時の新田と山根と同僚。インターンから、彼ら2人のギブリーでの日々がスタートするのです

プログラミングスキルチェックサービス「track(トラック)」。

この新しいサービス名称が候補として浮かんだとき、チームの誰ひとり違和感を覚えることなく、すっとなじむ感覚がありました。

これこそが自分たちのつくりたかったサービスだーー。そう思えたのは、数々の困難や失敗を経て、解決すべき課題をはっきりと共有できていたからでした。

「track」に込めた想いは後編でじっくりお話するとして、「エンジニアをエンパワーメントするサービスをつくりたい」という想いのスタートは、2011年のギブリー社創業期にまで遡ります。きっかけは、理系学生だった現取締役・新田章太の就職活動での失敗でした。

新田就職活動中、人事の方が口を揃えて『プログラミングはやったことある?』って聞かれるんですよ。でも僕は理系だったのに、全然経験がなかったんですよね。でも当時iPhone3Gが流行りはじめていて、これからエンジニアが求められる時代がくるのは明らかだと感じていましたが、僕自身が理系なのにプログラミングのおもしろさやポテンシャルに気づいていない。こういう学生って多いんじゃないのかなと、教育と就活現場の矛盾を埋めたいって思ってました

縁あって出会ったギブリー代表の井手から「そのモヤモヤ、うちでぶつけてみたら?」と誘われて、インターン生としてエンジニアに特化した新卒採用支援事業を立ち上げました。大学でキャリアセミナーを開催したり、海外で活躍するエンジニアを取材してフリーペーパーをつくったり。

活動を続けながら根底にあった想いはずっと変わりません。「エンジニアの市場価値やカッコよさをもっと伝えなければ」。

このころ、同じインターン生として現執行役員・山根淳平がジョインし、企業を巻き込んだ事業も拡大していきます。

山根「まず、学生が作ったプロダクトを発表するアワードを開催しました。学生を400人くらい集めて、有名な起業家の方にも登壇してもらって。テレビの取材も入るようなイケてるイベントでしたね。ただ、規模が大きくなってくると、『そもそもエンジニアの母数が足りない』という現実が見えてきたんです

ここで「エンジニアの教育」を考えるようになり、自社プロダクトの開発に乗り出します。

エンジニアの母数を増やすため、教育事業をスタート


▲ハッカソンがまだ一般的でない時期から積極的に実施。事業も順調に推移していました

日本国内では慢性的なエンジニア不足が叫ばれ、2030年には最大30万人の人材が足りなくなると言われています。特にIoTなどの先端技術に対応できる人材が求められ、エンジニアの需要はますます高まることが予想されます。

エンジニアの母数を増やすには、教育が必要だ。そう考えた私たちは、オンラインプログラミング学習サービスの着想に入りました。

新田「やっぱりどう考えても人が足りない。そもそもエンジニアがいないんだから、人材紹介だけではダメだよねと。当時はオンラインでプログラミングが学べるサービスが少し出てきたくらいだったので、これは早くやろう、ということでCODEPREPの開発を進めました」

CODEPREPで鍛えたスキルを実践する場として同時並行で進めたのが、当時海外で流行りはじめていた「ハッカソン」です。

山根「当時の日本では一般的に、『ハッカソンって何?』という状況でした。でも海外ではかなり盛り上がっているのを知っていたので、学生たちがチーム開発を経験する場としては最適だろう、と思ったんです。これは大当たりしました」

新田「大手人材サービスを展開している企業様と業務提携し、年間10回ほどハッカソンを開催したんですよ。大きい会場に企業を20社くらい集めて。日本の予選を通過して、サンフランシスコの決勝大会まで進むようなプロダクトまで生まれました。今の事業の基盤はこのころにできましたね」

新田と山根もサンフランシスコへ行き、事業は絶好調に思えました。しかし、この状況は長くは続きません。

教育事業の裏で密かに会社を支えていたソーシャルゲーム事業の“狙い”が外れ、撤退を余儀なくされたのです。ゲーム事業だけで70名超のスタッフを抱えていたため、この撤退により会社の雰囲気は大きく変わることに。

社内の空気は悪くなり、人の流出も止まらない。新田はプロダクトから外れ、やむなくエンジニア組織の立て直しをすることになりました。

エンジニア採用支援をやっていたのに、自社のエンジニアが辞めていくーー。この矛盾した状況に自虐の気持ちすら芽生えはじめ、ある行動からとんでもない事態を引き起こしてしまったのです。

「人売りハッカソン」とまでいわれたブログの大炎上


▲出来心で書いてしまったブログが大炎上し、なにもかも失いかける苦境に立たされました

新田「今思えば浅はかだなと思うんですけど……僕が個人ブログで、その状況を皮肉ったブログ記事を書いてしまったんです。『エンジニア採用支援をしている会社のエンジニアが大量に辞めた件』みたいな。釣りタイトルなうえ、一緒に働きませんかというのをネタにした中身で、『こいつはエンジニアをなめてるのか』と、大炎上してしまったんです」

ほんの出来心で書いたブログの炎上は、想像以上の威力。事業に大きなダメージをもたらしました。はてなブックマークで話題になり、当時流行っていたキュレーションアプリでも配信され、手がつけられないほど拡散していきました。

やがて業界の有名人がそれをキャッチアップし、「こいつらがやっていることはただの人売りだ!」というブログが二次的に出てきたと思ったら、そのブログもまた大炎上。ハッカソンの参加者まで加わって、袋叩きの状態に。

「最悪だ」、「モラルが欠如している」、「結局、人売りハッカソンかよ」

一度広まってしまった風評はそう簡単には拭えません。協賛が決まっていた企業様からも断られ、状況は悪くなるばかりでした。

新田「相当しんどかったですね。『御社のハッカソンはちょっと……』と、契約破棄の連絡が殺到しました。僕のちょっとした出来心で書いたブログによって、まさかここまで大ごとになるとは思っていなくて、予想以上の炎上でした。単に僕の認識がイケてなかったんです、今思えば本当に情けないです」

協賛企業様がいなくなり資金もなく、背に腹は代えられないと、そこからは受託開発に注力。見放さずに発注してくれるお客様のために、期待以上のサービスを提供するところから再スタートしようと思い、こつこつと開発し続ける日々――。

ブログ炎上を真摯に反省し、“自身の認識に何が欠けていたのか?”を再度考え、時間をかけてでも信頼を再構築しようとした結果、一筋の光が射すのでした。

学習・試験・採用の3本軸でリスタート。失墜した信頼を取り戻すために


▲大炎上から一転。グローバル開発チームが結成され、リスタートを果たしたのです

なにもかも失い、ゼロを超えてマイナスからのスタートとなってギブリーに射した一筋の光。

それは、炎上する前のハッカソン参加者だった東大の学生が、東大の教授とギブリーを繋ぎ合わせてくれることでした。

新田「大炎上して、ブランドも評判もすべて失った同じ年に、いきなり東大と組んでハッカソンをやれることになったんです。本心であのブログを書いたわけじゃないということを理解してくれている学生さんたちだったので、先生もすぐに理解を示してくれて。学生、そして先生たちが主体となって営業活動をしてくれたりと、本当に手厚くサポートしてもらえました。結果、大手企業からのスポンサーも獲得できて、完全に運ですよね」

この東大ハッカソンで事態は好転し、ハッカソンの参加者だったカナダ人留学生が、ギブリーで働くことに興味をもってくれたのです。「これはエンジニアと向き合い直す、いい機会だ」と感じた新田は真摯に彼らと接します。

新田「炎上したとはいえ受託開発の案件はあるし、開発チームを強化しなければならない。でも求人を出しても人は来ない。そんなタイミングでカナダ人と出会う。言語の不安もあるけど、外国人だからこそ、中途半端な気持ちで接することはできない。エンジニアと向き合い直すためのいい機会だったと思います、これは。
いきなり外国人チームが社内に誕生すると、それが話題になってきて、今度はシニアエンジニアがジョイン。開発文化はグローバル、使っている技術は最新。本当に素晴らしい開発チームがありがたいご縁で誕生して、もう一度自社プロダクトに挑戦する基盤ができました」

ここで2014年にリリースしたのが、「track」の前身となる「codecheck」。プログラミングの学習ではなく試験のツールがインド系のスタートアップから出てきているのを知り、試験に特化したtoB向けのサービスに軸を移します。

裏で密かに走らせていたCODEPREPの機能も組み込み、スキルチェックの結果で企業とマッチングをするCodeSprintという関連事業が生まれ、兄弟ブランドができていきました。

CODEPREP(学習)、codecheck(試験)、CodeSprint(採用)――。この3本軸を網羅的に展開し、エンジニア向けHRの国内ナンバーワンを目指して、事業を伸ばしていくことになったのです。

<後編に続く>※7月12日更新

会社説明会では語られない“ストーリー“が集まる場所「PR Table

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