高齢化社会に伴い、社会的ニーズはさらに増加!介護福祉士の年収は?

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 近年、社会の高齢化が加速し、さらに社会的ニーズが増している介護福祉士の仕事ですが、まだまだ人手不足であると言われています。そのため、介護福祉士は、これからもますます需要が増すと想定される職種です。介護福祉士は国家資格で、福祉系大学や厚生労働大臣指定の介護福祉士養成施設を卒業するか、介護業務3年以上の実務経験を持つなどのいくつかの取得方法があります。介護福祉士の資格を持つ方はどのような仕事に就き、年収はいくらくらいなのか、リクナビNEXTの会員登録者のデータ(2014年12月~2015年11月)をもとに調査してみました。

国家資格「介護福祉士」の仕事と取得方法

 「介護福祉士」とは、身体介護や生活支援など社会福祉業務に携わる人の国家資格で、専門的な知識と技術により介護業務を行います。身体介護や生活支援などのほか、医師の指示のもと、一定の医療業務を行い、介護に関する指導・相談も行います。同じ介護の資格である「ホームヘルパー」は国家資格ではなく公的認定資格になり、国家資格である介護福祉士の資格を持つ人のほうが就職や年収の面で有利と言えます。

 介護福祉士の職場となる主な場所は、介護老人保健施設や特別養護老人ホーム、障害福祉サービス事業所、介護付き高齢者住宅、病院、介護療養型医療施設など幅広く探すことができます。また、介護施設、病院の中での介護だけでなく、夜間訪問介護を含む訪問介護などの形態もあり、多くの仕事の選択肢があります。

 高齢者の介護だけではありません。障害者の介護・支援を行う仕事も行うこともできます。高齢者の介護と同様に、施設内での介護や訪問介護などの仕事になります。

 介護福祉士の資格を取得するには、いくつかの方法があります。まず、福祉系大学を卒業するという方法。あるいは、厚生労働大臣指定の介護福祉士養成施設を卒業する方法です。また、実務に従事したことで取得することもできます。3年以上の介護業務に従事したあと、介護福祉士国家試験に合格して取得する方法です。

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介護福祉士の平均年収は297.8万円

 では、介護福祉士の平均年収はどのくらいになるでしょうか。2014年11月~2015年11月までのリクナビNEXTの新規登録者のデータによると、介護福祉士の平均年収は297.8万円でした。他の職業に比べ決して高いほうではないようです。また、人員の需要に対して供給のほうが追いついていないので、その分忙しさが増しています。施設によっては、夜勤や休日出勤があることも。

 しかし、社会福祉法人などに勤務すると、地方公務員に準じた雇用条件になっている場合もあり、各種手当や福利厚生などが整っている事業所も少なくありません。また、夜勤や休日出勤があるところでは、夜勤手当、休日手当などが付加される場合があります。介護福祉士の資格にも、3,000円~10,000円程度の資格手当が付く場合もあり、各手当が上乗せされます。

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平均年収が最も高い年代は、40代

 介護福祉士の中で、平均年収が最も高い年代は40代で、323.7万円となっています。次いで高くなっているのは30代の318.2万円です。50代は301.3万円、20代の270.1万円と続きますが、各年代間の大きな格差は少なく、30代以上の年代は、それぞれ平均年収300万円を超したくらいの金額となっています。

 介護福祉士の仕事は、介護という体力が必要な仕事であることや、経験が重要となる職種なので、30代の年代が労働力のメインとなり、40代の年代の人は、その高い経験値からユニットリーダーとしての仕事が多くなるため、これらの世代の平均年収がやや高くなっていると考えられます。

正規雇用と非正規雇用の年収には、大きな開きが

 介護福祉士の年収は、正規雇用の場合と非正規雇用の場合では大きく違いがあります。正規雇用の平均年収は309.4万円と300万円を超えた額になっていますが、非正規雇用の場合は、アルバイトや契約社員を含めた平均年収が204.1万円で、正規雇用の平均年収と約100万円以上の大きな開きが見られます。

 さらに、介護業界ではアルバイトや契約社員も多く採用されていますが、契約社員のみの平均年収を見ますと、233.4万円と非正規雇用の中では比較的高くなっています。一方、アルバイトのみの平均年収は、168.4万円と低くなっているのがわかります。しかし、福祉業界ではアルバイトやパートの求人が多く見られ、需要が大きくなっています。また、訪問介護に当たる人も非常勤が多いというのが現状です。アルバイトやパートは時間的拘束も少なく、時給という給与形態からこの年収になっていると考えられます。

介護福祉士のキャリアパス

 介護福祉士のキャリアパスとして、「認定介護福祉士」という資格の取得をすることでステップアップすることができます。介護福祉士の上位資格になりますが、ユニットリーダーやチームリーダーとして、介護職員を取りまとめる上級職や指導員などになることが可能です。さらに、介護福祉士としての経験を活かし、デイサービスやヘルパーの事業所を立ち上げている人もいます。

 いずれにしても、介護福祉士の資格を取得していると、就職先が見つけやすく、転職先も探しやすいというメリットがあります。大手企業も参入する福祉業界なので、大手企業傘下の事業所で働くか、社会福祉法人などの施設で働くか、あるいは、個人で立ち上げている少人数の事業所で働くかなど、広い選択肢の中から自分に合った職場を選択することが可能な職業と言えるでしょう。

画像:photoAC

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