©LUCKY LAND COMMUNICATIONS / 集英社
突然ですが、「マンガ」のあるシーン・ある言葉に、ハッと気づきを与えられたこと、勇気づけられたこと、ありますか?
普通に仕事をしているだけではなかなか気づくことのできなかった考え方など、「マンガから学べた!」ってこと、あると思います。そんな仕事に人生にジンジン効いてくるマンガの1フレーズを、筆者の独断と偏見で選定、解説までしてしまうこのコーナー。
今回は、皆さんが尊敬してやまないであろう荒木飛呂彦大先生の『ジョジョの奇妙な冒険』(©LUCKY LAND COMMUNICATIONS / 集英社)第5部の、あまりにも有名なあのシーンから、組織のリーダーのあり方を学びたいと思います。
任務の遂行と、部下を守ること。どちらを取るか
大きな夢を抱く青年ジョルノ・ジョバァーナが、イタリアのとあるマフィアの中でのし上がっていくストーリーを描いた「ジョジョ」第5部。数々の魅力的なキャラクターたちのなかでも、ひときわ大きな輝きを放つのがジョルノの直接の上司にあたるブローノ・ブチャラティです。
新たにマフィアの幹部のひとりとなったブチャラティは、ボスの娘トリッシュを護衛しながらボスの元へ送り届けるという任を負います。数人の部下とともに、襲いくる敵からトリッシュを守ろうと奮闘するも、敵のスタンド能力により二人の敵に対して戦える状態なのはブチャラティ一人という状況に。
その状況下で敵がとった行動は、身動きが取れなくなっているブチャラティの部下を始末する事でした。片方の敵がブチャラティの攻撃を必死に凌ぎながら、もう一人の敵がブチャラティの部下に攻撃を加えようとする。その瞬間、ブチャラティは攻撃のターゲットをもう一人の敵の方に変え、部下への攻撃を防ぎました。しかしそれは、これまでブチャラティの攻撃を凌いできた相手に隙を見せることになります。
そんなブチャラティに敵が忠告します。
「甘いんじゃあねーか!ブチャラティ。(中略)仲間を切り捨ててでも娘を守るためオレを倒す!それが任務じゃねえのか?『幹部失格』だな」
そんな敵にブチャラティが言い放った言葉が、こちら。
『任務は遂行する』『部下も守る』「両方」やらなくっちゃあならないってのが「幹部」のつらいところだな
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そしてブチャラティが取った選択、それは自分の腕をつかんだ敵もろとも電車から飛び出すという行為でした。「任務」と「部下」の両方を守るため、彼は自らを危険にさらすことで困難な状況を解決したのです。
誰もが「ついていきたい」と思う理想のリーダー像
組織のリーダーであるマネージャーにとって、課せられたミッションの達成は最も優先すべきタスクでしょう。しかし、「任務の遂行」を優先するあまり、部下を見捨てるようなリーダーに誰がついていくでしょうか?
リーダーがなすべきことは、チームとしてのミッションを達成しつつ、部下を守り育てること。万が一部下が窮地におちいったときは、自らを犠牲にしてでも部下を守ることを選択することも必要になるでしょう。
会社に求められる成果をあげるという「任務」はしっかりと遂行する。そしてそれを継続的に行うために部下を育て、チームを強くしていく。その過程では何があっても部下を守る。責任を取る。その覚悟を決め、実行しているマネージャーこそ、組織から求められ、部下からは「この人についていきたい」「この人のためにも頑張ろう」と思わせるリーダーのあり方ではないでしょうか。
監修:リクナビネクストジャーナル編集部