家賃1万円以下! でも制約も…知っておきたい社宅と寮のメリデメ

 複数企業によってシェアされている、企業寮「月島荘」をご存じですか? 入居者には同僚や先輩もいる会社の寮でありながら、業種、年代、国籍までも違う他社の人と日常的に交流ができると、少し前に話題となりました。
 昨今では、さまざまな人と触れ合えるシェアハウスへの入居を推奨している企業も。そこで社宅や寮の実情から、そのメリットとデメリットを知るべく、20代前半の492人を対象に『社宅と寮に関するアンケート』(※)を実施。シェアハウスの様子を取り上げた、某TV番組みたいな妄想が膨らみすぎないよう、ぜひご覧ください。
(※調査方法/インターネットリサーチ 期間/2015年3月6日~9日)

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社宅暮らしの経験者は約30%。気になる家賃は80%が4万円未満と格安!

 Q1から、今回のアンケート対象者の68.7%、約7割が会社の社宅や寮社宅や寮への入居経験があるという結果に。それだけ多くの方が活用していることから、気になるのはその家賃。Q3では、入居経験がある方に家賃額を伺いました。

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 すると、2万円以上~4万円未満が最多で31.2%。次いで、1万円以上~2万円未満で26.6%。そして、驚きの1万円未満も24.0%いらっしゃいました。つまり、家賃4万円未満がなんと81.8%を占めており、やはりお得だと言えそうです。
 一般的に社宅や寮は、同エリアにある賃貸住宅よりも家賃は低く抑えてあります。というのも、企業が住宅支援を行う目的は、「衣食住」の「住」の欲求を満たして生活不安を軽減、ひいては就労意欲と能力を最大限に発揮させ、健やかに就労してもらうことにあります。そのため、企業は個人負担を抑えた社宅や寮を提供し、くつろぎの場や家族団らんの場の安定的な確保に努めているのです。

 そんな福利厚生の一環でもある、社宅や寮に入居したことがない68.7%の方に、Q2で入居しなかった理由を聞きました。f:id:r_kihara:20150410102024p:plain

最多の理由は、「そもそも会社の社宅・寮がなかったから」で270人。社宅・寮があれば、多くの方が入居を検討すると思われます。社宅・寮がない企業では、住宅補助手当がある場合もあります。
 次いで、「プライベートで、会社の人と会いたくなかったから」が38人、「場所が嫌だったから」が24人となっています。プライベートな時間では、あえて職場の人間関係と切り分けたい気持ちもわからないでもありません。

●最大のメリットはやっぱり「家賃が安く済むこと」!

 では、社宅や寮に入るとどのようなメリットがあるのでしょうか? Q4の結果を見ていきましょう。

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 まず前段からもわかるように、ダントツの121人が「家賃が安く済むこと」と回答。Q3で得られた家賃の水準は、社宅や寮の特性で、地域格差の要因は低いよう。
 次に、半数近くの73人が「職場が近いこと」を挙げています。通勤距離が短いと、心身ともにストレス減。満員電車や渋滞がないこともうれしいですよね。そして「会社の人となどと交流がもてたこと」も39人と、4人に1人はメリットと考えているようです。仕事を外れたところで個人として交流を深め、日常を通じて刺激し合ったり、分かり合える機会が得られるかもしれません。

●やっぱり「恋人が呼べない」!「会社に近くて気が抜けない」も同数で最多に

 一方、入居してみて感じたデメリットにはどんなことがあるのでしょうか?

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 Q5を見ると、2ケタを占めるいろいろな回答が。最多の40人が回答した項目は2つあり、「友達や恋人を呼ぶことができないこと」と「会社に近すぎて気が抜けないこと」。前者は周囲の目が気になることに加え、新入社員ではなかなか難しいところです。後者はすぐに呼び出されたり、ちょっと買い物といったプライベートな時間を会社の人に見られてしまいそうなど、気が抜けない感じはわかりますよね。

 また、「門限があること」「社宅・寮独自の変わったルールがあること」も共に24人。門限があると、出かけたときにはやはり意識してしまいますよね。門限を含め独自のルールがあると、私生活にも関わらず制約が生じる気がして、窮屈さを感じてしまうのではないでしょうか。

毎朝ラジオ体操、風呂がかぶる、駐車場でバーベキュー!わが社宅の珍ルール・珍事件

 社宅や寮での生活は、多少なりとも「共同生活」の体があります。独自のルールや隣人の行動など、自分の社宅や寮での「変わったこと」はありましたか?
フリーコメントの回答から、珍ルール・珍エピソードをご紹介します。

・毎朝のラジオ体操
・毎週末、お菓子交換会が開催される
・寮の駐車場でバーベキューをしている先輩がいた
・お風呂の時間がかぶって、先輩から怒られた
・若いと上層階に住まなくてはいけない

 意外と多数あったのが、毎朝のラジオ体操。起床時間にリズムが生まれ、体調管理にもよさそうです。お菓子交換会は、女子寮でしょうか。お菓子をきっかけに和気あいあいと楽しめそうですが、毎週末だと大変かも? バーベキューも迷惑にならないように開催すれば、交流のいいきっかけになりそうですよね。

新入社員の場合、お風呂や洗面台、洗濯機など、共用設備が多いと先輩に気を遣い、必要以上に気疲れしてしまいかねません。早く環境やルールに慣れて、むしろ社宅や寮生活ならではのイベントや人との触れ合いなどを楽しんでみては? 自分の意思だけに限らず、転勤や結婚などで、社宅や寮から出る時もくるはず。社宅や寮に身をおく環境は、今だけの限られた時間かもしれません。 その機会を生かしてよい生活習慣を身につけ、多くの人と接して、プライベートも充実させてほしいと思います

WRITING 田中美穂

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