転職なら社会人のための転職サイト【リクナビNEXT】|求人、転職に関する情報満載!

  • Specialスペシャル企画
  • EntryInエントリー中

受賞発表|Category Award

  • 部門賞の発表
  • ノミネート取り組み
  • 審査委員からの講評
  • 表彰式全体のご紹介

2014年9月から応募を開始し、約4ヶ月にわたり審査を続けてきたグッド・アクション2014。
2015年2月4日、ついに表彰式を開催し、「地域貢献」「社内コミュニケーション」「女性活躍促進」「中途入社後の活躍促進」「特別賞」の各部門賞を発表しました。
表彰式の模様を、部門賞を受賞した皆さまの喜びの声とともにご紹介します!

地域貢献部門

過疎の古民家がオフィス!?都会と田舎での新しい働き方

Sansan株式会社(東京都渋谷区神宮前)

受賞コメント

取締役 CWO 人事部長 角川素久さん

「4年前に神山へ進出した際、仲介していただいたNPO法人・グリーンバレーの理事長に『地域貢献なんて考えなくていい。まずは神山でSansanの事業を成り立たせてほしい』と言われ、肩の力を抜いて挑戦できました。まずは自分たちが元気になれるよう全力で取り組み、その結果として地域を元気にできたことをうれしく思っています」

取締役 CWO 人事部長 角川素久さん
金井壽宏氏

地域の古民家を利用して社員に働く場所や労働環境について選択肢を与えただけでなく、都市部の企業が続々と神山に進出し、「神山ブーム」の火付け役となるなど地域活性化に貢献されていることを賞賛すべき点と感じました。
神戸大学大学院経営学研究科 教授 金井壽宏氏

社内コミュニケーション部門

2社が受賞されました。

人事部感動課の設立 〜職場に感動を!〜

サイボウズ株式会社(東京都文京区後楽)

受賞コメント

事業支援本部 人事部感動課 福西隆宏さん

「この2月で感動課設立から4年を迎えました。社内にも徐々に活動の意義が伝わり、続けることが大切だと感じます。4年間はあっという間でしたが、ここまで感動課を続けさせてくれた会社に感謝しています。トロフィーを早く社内に持ち帰って、皆に自慢したいです」

事業支援本部 人事部感動課 福西隆宏さん
守島基博氏

「感動課」という特徴的な部署を創設して、普段見過ごされがちな小さな努力などを見つけ、数字では見えにくい貢献を見える化し本人と周りを感動させることで、社員のモチベーションや連帯感の向上につなげている点に独自性を感じました。
一橋大学大学院商学研究科 教授 守島基博氏

有志の会「One Panasonic」による風土革新への挑戦

パナソニック株式会社(大阪府門真市大字門真)

受賞コメント

人事戦略グループ リソースマネジメントチーム主事 濱松誠さん

「1800人の参加メンバーの思いを背負ってこの場に来ました。従業員の火打ち石になりたい、そして未来をつくりたいと思って活動しています。他の企業にも同じ志を持つ仲間が増えてきました。これからも火を絶やさずに続けていきたいと思います。」

人事戦略グループ リソースマネジメントチーム主事 濱松誠さん
守島基博氏

グループ全体で26万人を超える従業員を抱えながら、社内横断的な交流の場を作り上げたことに加え、大企業が陥りがちな縦割り的組織からの脱却に果敢に挑戦し、今なお維持・発展を続けており、そのパワーと推進力を賞賛すべきと考えました。
一橋大学大学院商学研究科 教授 守島基博氏

女性活躍促進部門

持続的な競争優位性を支える戦略的人事・組織マネジメントの在り方
〜ダイバーシティ/キャリア形成/社内コミュニケーション活性の取り組み事例

日本ヒューレット・パッカード株式会社(東京都江東区大島)

受賞コメント

人事統括本部 ストラテジックキャリア本部
ダイバーシティ・タレントチーム 女性活躍推進リーダー 渡辺綾さん

「2015年1月で、WAWJの活動は丸10年を迎えました。メンバー同士が仕事の悩みや課題を共有し、ともに成長してきた10年でした。これまで携わったメンバー、支援してくださったマネジメントの方々、そしてWAWJを立ち上げ、WAWJのビジョンと同様に活き活きとしなやかにリードしてくださった高野さんに感謝しています。メンバーの皆さんへこの受賞を報告します」

渡辺綾さん
アキレス美知子氏

同社の取り組みは、「女性の活躍」という今のブームのずっと以前から取り組まれており、なおかつ10年という長期間にわたり継続されている点、また、参加者の成長と自己実現に貢献している点を賞賛すべきと考えました。
一横浜市男女共同参画推進担当参与、NPO法人GEWEL副代表理事 アキレス美知子氏

中途入社後の活躍促進部門

グルメサイトRetty、社員は皆グルメを求めて
お昼になると“ランチ自転車”で近所の美味しいお店を食べつくす

Retty株式会社(東京都渋谷区広尾)

受賞コメント

代表取締役 武田和也さん

「自分たちが美味しいお店に出会ってHappyになろうという思いで取り組んできました。それが企業理念の『食を通じて人々をHappyに』へつながると信じています。今回の賞を受けて、現在10台の自転車を20台に増やしたいと思います(笑)」

代表取締役 武田和也さん
大久保幸夫

「ランチ自転車」に象徴される「食を通じて人々をHappyにする」という自社のカルチャーを伝えることが入社前後の印象の違いを無くすことに繋がり、結果、雇用のミスマッチを減らし、中途入社後の高い定着率を誇っていることを評価いたしました。
株式会社リクルートホールディングス専門役員、リクルートワークス研究所所長 大久保幸夫

特別賞

時間外労働削減プロジェクト「リア充しよう」

株式会社ピコナ(東京都港区浜松町)

受賞コメント

代表取締役 吉田健さん

「かつて弊社では、長時間労働で疲弊したスタッフがほかの業界へ行ってしまうこともありました。今後はアニメーション業界に貢献できるようなクリエイターをたくさん育てていきたいと思います。今回の賞を受けて、業界全体へもアピールしていきます」

代表取締役 吉田健さん
金井壽宏氏

「残業チケット制」という残業ができる日数を限定する等の施策で、8割もの時間外労働を削減しただけでなく、残業が多いとされるアニメーション業界の中で、大幅な削減を可能とするモデル事例として周知している点を評価いたしました。
神戸大学大学院経営学研究科 教授 金井壽宏氏

最終選考に残った取り組みのご紹介

全71の応募の中から、各部門にノミネートされた取り組みご担当者様のコメントをご紹介します!

地域貢献部門

社内アイディアソン(カン☆トップ)から地域貢献へ株式会社LASSIC(鳥取県鳥取市若葉台南)

代表取締役社長 若山幸司さん

コメント代表取締役社長 若山幸司さん

「当社は鳥取本社をはじめとして、地方の4拠点でIT開発を行っています。『らしく』の実現をサポートする、という会社理念に沿って、自発的に行動する若手社員がいることを誇りに思っています」

金井壽宏氏

鳥取県を拠点とする同社周辺地区での「嫁探し」などの課題解決のために、自社のサービスや社員のアイデアを提供し地域活性化に貢献、また、社員が地域に関わることがモチベーション向上に繋がっている点に、取り組みの意味を感じました。

神戸大学大学院経営学研究科 教授 金井壽宏氏

社内コミュニケーション部門

社内環境改善、社内活性化を目的としたヤングボード制度の活用 ユーザックシステム株式会社(大阪府大阪市中央区瓦町)

常務取締役 管理本部長 佐倉和雄さん

コメント常務取締役 管理本部長 佐倉和雄さん

「10年前、会社への不平・不満を持つ若手社員が多かったことから取り組みを始めました。若手社員の考えを内に込めさせてしまうとネガティブになりますが、提案してもらうことでポジティブな力に変えることができました」

守島基博氏

若手社員が経営陣に対して提言し続ける組織を立ち上げることで、世代間のコミュニケーションを活性化しただけでなく、提言の8割という高い実行率で、若手社員の自主性向上も両立されている点を評価いたしました。

一橋大学大学院商学研究科 教授 守島基博氏

女性活躍促進部門

楽しいルール株式会社桃栗柿屋(滋賀県東近江市幸町)

事務・販売促進 清水翔子さん

コメント事務・販売促進 清水翔子さん

「個性的な社員が集まっている会社で評価をいただいたことがうれしいです。今日ここに来ることを皆に話したところ、『評価されるべくしてされた取り組みだ』と喜んでいました。代表が社員を信頼しているからこそできる制度なのだと思っています」

アキレス美知子氏

「家族を犠牲にしてまで仕事をすることは評価しない」という考えから、女性が家庭と仕事を両立し、長く活躍できる環境を目指し、いわゆる週に1回のノー残業デーにとどまらず、3時退勤に踏み切った点に、チャレンジ性を感じました。

横浜市男女共同参画推進担当参与、NPO法人GEWEL副代表理事 アキレス美知子氏

中途入社後の活躍促進部門

日頃の感謝を結婚式の演出で表現社員による、社員の家族のための「家族感謝祭」株式会社ブライダルプロデュース(神奈川県横浜市中区)

代表取締役社長 若山幸司さん

コメントコーポレートマネジメント室 人財開発 課長
劔持英樹さん

「当社は『家族のようなおもてなし』を理念の一つに結婚式場を運営しており、社員の家族へもその思いで感謝の気持ちを伝えました。今回、この取り組みを世の中にシェアする機会を与えていただき感謝しています。ぜひ日本の結婚式を盛り上げていきたいと思います」

守島基博氏

土日勤務など以前の仕事との違いに戸惑う家族が多いブライダル業界において、社員の家族に仕事内容を理解してもらう仕掛けとして、業態をうまく活かし、「結婚式」の演出を施したイベントを開催している点にユニークさを感じました。

株式会社リクルートホールディングス専門役員、
リクルートワークス研究所所長 大久保幸夫

特別賞

オフィスを捨て、団結力アップ 〜好きな場所に
暮らし、仕事に打ち込めるリモートワーク〜株式会社RHEMS Japan(東京都中野区中野)

代表取締役CEO 佐藤マイベルゲン玲さん

コメント代表取締役CEO 佐藤マイベルゲン玲さん

「『一人でも海外で勤務している社員がいたらかっこいいんじゃないか』といった思いからリモートワークを始めました。現段階で成功しているかどうかというと、これが100パーセントの解ではないと思っています。これからも試行錯誤しながら成果を出していきたいと思います」

金井壽宏氏

全社員がそれぞれの働きたい場所で働くリモートワークを行い、「カナダで語学留学を行いながら働き続ける」など、社員が理想とする働き方を徹底的に追求しながら、業績も伸ばしてこられた点に取り組みの意味を感じました。

神戸大学大学院経営学研究科 教授 金井壽宏氏

特別賞

健やかな働き方を推進する2つの時間の使い方についての制度「Fitness Hour(エフアワー)」&「Napping Minutes(エヌミニッツ)」株式会社じげん(東京都新宿区新宿)

経営推進部 人事担当 山口智史さん

コメント経営推進部 人事担当 山口智史さん

「この2つの制度は、急成長する事業を支えるため、組織の成長を最大化する人事制度200の創出を目指す中で創られたものです。従業員が提案し、従業員が主体となって運用しているこれらの制度を生かし、今後も改善を繰り返し、万全の人事制度体制を整えていきたいと思います」

金井壽宏氏

フィットネスや昼寝を休憩ではなく業務として運用し、業務効率向上の反応を得ている点を評価。また、本取り組みは同社の「人事制度200の創出」プロジェクトの一つであり、人事分野でチャレンジができることを伝える好例と考えました。

神戸大学大学院経営学研究科 教授 金井壽宏氏

各部門の表彰を終え、審査委員の皆さまからグッド・アクション2014の講評をいただきました。
今回ノミネートされた各企業の取り組みをより理解し、また新たなグッド・アクションを創出していくためのヒントが込められています。ここでは、各審査委員のコメントをご紹介します。

「ポジティブな考え」が制度をもたらし、社員と会社を元気にする

神戸大学大学院経営学研究科教授 金井壽宏氏

金井壽宏氏

 人事担当者は、「一定の範囲で物事を考えて枠を出ないことが美徳」「公平・公正でなければならない」「現状を簡単に変えてはいけない」「継続性が公平を担保する」などのキーフレーズで、長い間トレーニングを受けます。しかし、この新しい賞のおかげで、実は人事のレパートリーはもっと広いことが分かりました。今回の事例から「これだけのことができる」という広がりを発見できたことを、表彰という社会的イベントのもたらすものとして、大切にしたいと思います。
 私はポジティブ心理学を人材マネジメントや人材育成、そして組織行動(モティベーション、キャリア、リーダーシップに関わる分野の名称)の分野で生かしたいと考え研究しています。「恐怖」「怒り」などのネガティブな感情は、選択の範囲を狭めてしまう(例えば、怖いと逃げる、怒ると頭にくる、ということ以外が見えない)。その場の適応(adaptation)にはよいが、それが適応力(adaptability)を阻害することがあります。それに対し、ポジティブな感情の最大の良さは、活動のレパートリーを広げ、場面が変わっても通用する適応力を提供することです。
 人事がポジティブな制度をもたらすと、社員の活動の幅が広がっていきます。「創造的人事」があると、ここにいる皆さまが共有してくださいました。このコミュニティを生かして今後も情報共有を行い、グッド・アクションをきっかけに社会全体に広げていただければと思います。

個人の「創造性」が社員を元気にする

一橋大学大学院商学研究科教授 守島基博氏

守島基博氏

 私は普段、人事の問題について考えることが多いのですが、この賞のセレクションに関わって「人事はやっぱり捨てたもんじゃないんだ!」ということがよく分かりました。それはどういった意味かというと、「創造性」を発揮している人事が多くなってきたということです。
たとえば自転車を買ってあげる会社、昼寝を認めている会社、社員をカナダに住まわせる会社、こういった事例を見ると、人事部門が創造性を発揮すると社員を元気にすることが必ずできるのだと確信します。
 もう一つ重要なポイントは、会社の取り組みの後ろにとても頑張っている「個人」がいて、その方々の創造性が取り組みを支えているということです。今回も社内コミュニケーション部門の場合、パナソニックの濱松さん、サイボウズの福西さん、ユーザックシステムの佐倉さんという3人の人たちがそれぞれの創造性を発揮しています。「人事は制度の中に埋もれてしまう」とよく言われますが、一人ひとりの創造性があれば、社員をハッピーにし、会社を元気にできるということがよく分かりました。ありがとうございます。

キーワードは「多様性」

横浜市男女共同参画推進担当参与、NPO法人GEWEL副代表理事 アキレス美知子氏

アキレス美知子氏

 グッド・アクション賞は今回が初めての試みということで、審査の過程では、「どんな賞になるんだろう」と模索しながらも、多くを学ばせていただきました。
今回の応募された取り組みは、企業の規模に関係なく、独自の発想に基づいているものが多くあります。審査では「型にはまらない」、「チャレンジ性がある」、「結果に結びついている」、といった観点で選考を進めました。その中で、受賞企業に共通するキーワードは「多様性」だと思います。
日本は今、古いやり方から新しいやり方、もっと幅を広げていくようなタームを迎えており、1つの企業でできることは限られています。業界を越え、会社の壁を越えて、良い取り組みが共有され、互いに良いところを真似しながら広げていくことは、企業にとって大きなプラスになります。今後もグッド・アクション賞をキッカケに、皆さまの素晴らしい取り組みが広がっていくことを期待しております。

取り組みの背景にある「課題」と「アプローチ」に注目

株式会社リクルートホールディングス専門役員、リクルートワークス研究所所長 大久保幸夫

大久保幸夫

 審査前は、グッド・アクションの取り組みをほかの企業がどんどん導入できれば良いと思っていました。ですが、審査を経て考えが変わりました。たとえばRettyさんの「ランチ自転車」がありましたが、すべての会社に自転車の導入をおすすめするかというと、そういうものではないですよね。「食を通じて人々をHappyにする」という理念を持つRettyさんだからこそ、可能になった制度でしょう。
 もともとは、中途で入社した人がうまく社内になじむように始めた取り組みだと思います。実は、中途採用がうまくできていない企業は多い。新卒採用を中心に行っている企業ほど課題を抱えているケースが少なくありません。中途採用では、入社した人を早く組織の一員にしていくことが大切になります。
 最終選考に残ったすべての取り組みに、それぞれの会社らしさがあったと感じています。表面的な制度を参考にするだけでなく、もともとどんな課題があって、それをどんなアプローチで解決しようとしたのか。そこに着目すれば、すべての会社でグッド・アクションのすべての取り組みがより参考になるのではないかと思います。

2月4日に時事通信ホールで行われた表彰式には、全71の応募の中から各賞にノミネートされた12の取り組み代表者の方々にお集まりいただきました。 会場には報道陣が多く訪れ、受賞後の取り組み担当者へインタビューする姿も目立ちました。また審査員を代表して、神戸大学大学院の金井壽宏教授からグッド・アクションのヒントについてご講演いただきました。

主催者よりご挨拶

株式会社リクルートキャリア『リクナビNEXT』編集長 徳野智恵

徳野智恵

 グッド・アクション2014は、働く人のモチベーション向上を目的として各企業が独自で取り組む事例や制度を紹介するプロジェクトです。減少していく労働人口を背景に、企業は働き方の多様性への対応を求められています。リクナビNEXTでも企業の方々から「自社でも何か取り組みたいと考えてはいるものの、どのように始めたらいいか分からない」という声をいただいていており、良い取り組みを紹介することでヒントとなればと、グッド・アクションを開始しました。
本日は、応募された全取り組みの中から審査によって選ばれた12件をご紹介し、さらにその中でも特に参考にしてもらいたい取り組みを部門賞として発表します。本日のプログラムから自社で取り組みを始めるヒントを得ていただければ幸いでございます。

「盛り上がる職場にするためのグッド・アクション その極意を探るキー」

神戸大学大学院経営学研究科 教授 金井壽宏氏

金井壽宏氏

 「グッド・アクション」は難しいテーマですが、現実的にとても重要なテーマでもあると考えています。職場レベルの元気の積み重ねが、日本の元気につながっていくからです。 トップ、ミドル、現場のどこか一つが元気なだけではなく、それぞれが連鎖して互いに元気にし合い、盛り上げていくような仕組みが大切です。そしてそれは、会社の理念、ビジョン、戦略を踏まえた元気でなければならないでしょう。

 ジャック・ウェルチのリーダーシップ論も、「職場の盛り上げ」に関わっています。彼は4つの「E」でそれを表現しました。「Energy」……自分自身が盛り上がりの源泉になること。「Energize」……その源泉を活用して周りを盛り上げること。「Edge」……盛り上がりによって人にも、事業にもエッジが利くということ。盛り上がっているがゆえに厳しいことも言い合えるようになる。「Execute」……その盛り上がりを背景に、夢の実現までとことんやり抜く実行力を持てるようになること。

 現在、会社レベルだけでなく、産業界全体や日本という国レベルで元気が失せつつあります。これを改善していくために、人事部リーダー、人事部スタッフ、ラインマネジャー、そして経営者が、それぞれの現場を盛り上げていく力が問われています。リーダーシップの軸は課題と人。戦略策定を行う「タスク・リーダー」と、人々で構成される現場を盛り上げる「ピープル・リーダー」が必要です。経営者やミドル、現場の長はこれをどちらも兼ね備えていなければならないかというと、そうではありません。こうしたリーダーシップはシェアできます。適した人材によって、鋭い戦略を策定するリーダーシップや現場を盛り上げるリーダーシップをシェアし、補完し合えばよいのです。

 そういった意味では、今後『リクナビNEXT』におけるこの賞のフォローアップ調査として、受賞企業の「職場を盛り上げる取り組み」が誰と誰のリーダーシップの連鎖で実現したかを調べることも、意義深いのではないでしょうか。

 さて、本日は私から、グッド・アクションを実現していくためのいくつかの「キー」をご紹介したいと思います。

#1「リーダーシップ」

 最初のキーは、先に述べたようにリーダーシップに必要となる2つの軸です。米国の研究では、リーダーの行動の2軸は「仕事の枠組み(構造)づくり」「働く人々への配慮」であると言われています。2つ目の軸がいわゆる「人間軸」ですが、これだけでは職場が単なるにぎやか集団となってしまいます。戦略や仕事の枠組みがうまくつくられていないといけません。

#2「i-Deal よいわがまま」

 カーネギーメロン大学の博士候補だったデニス・ルソーは、大学院生をしながら、ある企業で働き学資にあてていました。その企業にはドレスコード(服装規定)がありましたが、彼女は院生のため、規定に合う上等な服はもっていません。しかし、従業員意識調査など高度な専門性が必要な統計分析は院生である彼女でないとできません。そこで社内の規定に従わず、自由な服装で働くことが認められました。そのおかげで彼女は大学にいるままの姿で勤務し、引き換えに彼女にしかできない仕事で企業に貢献をし、双方にとって「よいわがまま」が実現したのです。その関係性を彼女は「i-Deal」--このわたし(I)だけのディール(雇用条件)であると同時に、個別・特別なディール(idiosyncratic deal)と名付け、のちに後者を自著のタイトルにしました。働く本人にとってプラスに働く「心理的雇用契約」は、全体主義企業ではなく一人ひとりの顔が見える企業というあり方につながります。

#3「居場所」

 職場には、働く一人ひとりの居場所があることが大切です。会社の中に居場所がなく、職場にいることがうれしいと感じられない人が増えているとしたら、どんな取り組みもうまくいかないでしょう。居場所は、慶應義塾大学名誉教授の花田光世先生が時代のキーワードとして取り上げられた、深みのある言葉です。職場を盛り上げる基本は、どんなにビジネス環境が厳しくても、職場に一人ひとりの居場所があることでしょう。

#4「謙虚な問いかけ」

 リーダーシップ論では、人間軸のリーダーの行動を長らく「配慮」と呼んできました。それが最近では、「一人ひとりの個性を意識した配慮(Individualized consideration)」と呼ぶようになっています。「謙虚な問いかけ」という言葉ですが、これはわたしの思いつきではなくて、わたしの恩師のエドガー・シャイン先生が同名の書籍を書かれていまして、邦訳もあります。

#5「ローカリティ(東京でないからできること)」

 東京は日本の中心で世界につながる大切なゲートウェイですが、東京でないから、うまくできることもたくさんあります。今回ノミネートされた企業を拝見しておりましても、それを感じました。例えば、神戸にある私の職場からは海も山も見え、住まいと職場は歩いて15分、車で5分という距離です。会社の例でなくて恐縮ですが、学者のような仕事では、地方ならば家ごと書斎にして仕事場にすることもできます。今回ノミネートされた会社のいくつかが示してくれましたように、クリエイティブの仕事で、ウェブでつながる余地が大きい仕事では、地価の安さなど、地方ならでは、といえるような良さを生かすことが大切だと思っています。

#6「絶妙な実行可能性」

 「ばかな」と「なるほど」のマーケティング、という考え方があります。初めて聞くと「ばかな」と感じ、できそうにないと思うのですが、よく説明を聞き考えると「なるほど」と驚き、感激する。「ばか・なる」という新造語のように使うひともいるぐらいで、例えば、自転車で皆で昼食にいくの?という疑問「そんな、ばかな」が、話を聞くと「なるほど」につながる。そうした絶妙な実行可能性を持った仕組みを考えることが、グッド・アクションのキーでしょう。簡単に真似できない、「ばか・なる」があれば、よい鍵となります。

#7「(ポジティブ)コーチ」

 人事部は、スポーツに例えると「審判」と「コーチ」の両方の役割を果たしていると言われます。人事の本流はできない人に「アウト」と言うジャッジ(審判)役です。しかし、人材育成に携わる立場であればコーチ役に回るべき。グッド・アクションの企画を通して、人事の仕事にはよりポジティブなコーチの役割が必要なのではないかと感じています。

 グッド・アクションを実現するための7つのキーは、経営戦略の研究者ではなく、審査委員のお一人である守島さんがご専門の人材マネジメントにも興味をもつ、リーダーシップの研究者というわたしの立場からは、以上のようになります。エントリーされた取り組みでは、若い人の「良いわがまま」から新しい取り組みが生まれ、一人ひとりの居場所ができています。「そんな馬鹿な」という驚きと「なるほど」という納得感は隣り合わせです。実現しているこれらの事例から、学べることは多いのではないでしょうか。

表彰式後の会場の様子

 表彰式後の会場では、あちらこちらで取り組み担当者へインタビューする姿が見られ、グッド・アクションで紹介された取り組みへの関心の高さが伺われました。また各企業が記念撮影を行ったり、代表者同士で名刺交換を行ったりと、今回の表彰式をきっかけとして新たな交流がたくさん生まれていました。

イメージ1