ノミネート企業
社内イベントやコミュニケーションに積極的ではない風土のある会社だったが、「プロジェクト外の状況が分からない」「経営の意思決定の背景が見えない」などの声が挙がっていた。
従業員数が約170名と組織拡大が進む中、コロナ禍における社内コミュニケーションの重要性に改めて目を向け、1人の担当者の想いから「社内番組」の配信を開始。
進行中のプロジェクトや従業員の仕事にフォーカスしつつ、バーチャルアバターツールを使って社長が「アバター犬」となって登場するという “ゆるさ” も大切にして、社内コミュニケーションのきっかけを作っている。
慢性的な人材不足や、従業員の高齢化による健康起因事故が課題となる運輸業界において、多様な人材を活用したダイバーシティ経営で「安全衛生」と「健康経営」を推進。
2011年からは女性が活躍しやすいように「週3日勤務」や「1日4時間からの勤務」、「フレキシブルな出社時間」とした。
外国籍社員へは通訳スタッフや日本語教室によるサポートを行い、LGBTQの方に向けては応募時の履歴書性別欄廃止、誰でもトイレの設置、パートナー制度の創設などを行っている。
現在では女性17%、外国籍社員4カ国7.5%、チャレンジド5.4%など多様化が進み、LGBTQの社員も複数部署に在籍。
ダイバーシティ人材によって新規事業展開が進んでいるほか、地域貢献活動においても自社の新たなブランディングへとつなげている。
従来から運用していた時短勤務制度(働く時間の選択肢)と在宅勤務選択制度(働く場所の選択肢)に加え、「年間休日選択制度」(働く日数の選択肢)を2020年7月に導入。
これまでの年間休日数は職種により107日か120日と決まっていたが、新たに「130日」「140日」「150日」を選べるようにした。年間休日数は年に一度変更可能とし、ライフステージに合わせて社員が柔軟に検討できるようにしている。 また、評価制度との連動によって、休日を増やしても年収を上げられる可能性のある仕組みとした。
運用開始後、社員の20%にあたる165名が休日数を変更。「家族との時間を増やす」「これまで以上に仕事に打ち込む」など、多様な希望を実現している。
電話やFAX中心の業務体制を続けていた会社で、入社1年目社員をプロジェクトリーダーとして Slack導入を推進。
Slackの活用による業務改革と組織改革に取り組んだ。
取締役会が決めたテーマに対して「5名1組の組織横断型タスクフォース」で取り組むプロジェクトを実施し、全社的な課題に対応しながら他部署間での連携を促進。
かつては部署間やグループ会社間で隔てられていた壁がなくなり、管理職の役割も見直されるなど、ツール導入をきっかけに組織のあり方が大きく変わった。
2人目の出産を経て仕事復帰し、完全リモートで働きながら孤独感を覚えていた社員の方が、2019年3月に社内のオンライン部活制度を活用して「パパママおしゃべり部」を結成。
子育てに関する悩み事をはじめ、さまざまなコミュニケーションがチャット上で交わされている。
コロナ禍によって休校や登園自粛を余儀なくされた際には、社員同士の精神的なストレス発散の場として機能した。
部署や役職を超えて活発なコミュニケーションが進むようになり、日常業務が円滑になるなど、仕事面にもポジティブな影響をもたらしている。
看護職員の働き方改革の一環として、従来の白いユニフォームから、日勤・夜勤で使い分ける「白色・紺色の2パターンのユニフォーム」へ変更。
職員本人の定時終了の意識を高めるとともに、管理職や他職種からも「本来の時間帯なのか、残業しているのか」がひと目で分かるようにし、内部コミュニケーションを変革。
残業時に周囲から不必要な声掛けをされることが減り、シフト交代時には前任勤務者から残務を引き継ごうとする意識が高まって、取り組み前後で年間900時間の残業時間削減につながっている。
患者からも、2色のユニフォームによって「誰に声をかければいいのかが分かりやすくなった」という声が上がっている。
コロナ禍で、2020年4月〜5月にかけての新入社員はリモートワーク環境での入社となった。
直接顔を合わせられない中、相互理解を深めて組織としての一体感を出すために、Twitterを活用した「社員紹介繋ぎツイートリレー」を実施。 会社名を入れた仕事用のTwitterアカウントを作成し、「前の人から回ってきた質問に答える」「自撮り画像を添付する」「次の人への質問を考えて書く」「“#GW自撮り繋ぎ”のハッシュタグを付ける」という要領でツイートをリレー。
社内のコミュニケーション活性化施策と社外への採用広報施策がシームレスにつながり、自社の素を見せながら社員個人のセルフブランディングにも効果を発揮している。ツイートリレーを見たことがきっかけで応募した新卒学生もいる。
「ゲームをより楽しめる世界を創る」というミッションの実現に向け、従業員自身がゲームを楽しみながら仕事に誇りを持てる状態にするための施策を実施。
自社運営メディアで取り扱い対象としているゲームを月50時間以上プレイした場合の「ゲーム手当」や、ランキングや大会出場で優秀な成績を収めた従業員への「優秀ゲーマー表彰」に加え、興味・関心ごとに運営する「部活」や「社内コミュニティ」、従業員だけでなくその家族も巻き込んだ「ゲーム大会」などを行っている。
小学生〜大学生の幅広い世代を対象とした企業訪問も実施し、業界のブランディングにも寄与している。
空き家買取再生事業を始めて間もない2017年に、黒田淳将さん(空き家買取専科 不動産事業部長兼店長)がスタッフ数4名の状況で合計2カ月の育児休業を取得。
業務の整理・洗い出しや切り出し、部下やパートスタッフへの割り振り、テレワーク導入などを行った。このことがきっかけで仕事の無駄を見直したり、新たな役割を任された社員が成長したりといった効果につながる。
その後、2020年までに計4名の男性社員が育児休業を取得。育休取得を個人と企業の「成長」としてとらえ、仕事への意識を変え、生産性の高い職場作りを進めている。
少子化によって自動車学校のマーケットが縮小し、若者の価値観も変化している中で、ブランディング戦略の一環として「ほめちぎる教習」を実施。
従業員全員が「ほめる技術」を学び、朝礼でのロープレ実践やノウハウ共有などを通じて、生徒の良いところを見つける教習を実践している。
ほめ方を学ぶ一連の活動の中で従業員同士の相互理解が進み、無機質になりがちだった朝礼は笑顔があふれる場となった。
かつては「先輩に叱られたくなから生徒を叱る」という悪循環に支配されていた職場が、従業員同士で長所を見つけ合い、「ほめる技術」を共有して高め合う職場へと変わっていった。
バックオフィス系の業務を担当するフリーランス人材がオンライン環境でもスキルを向上させ、モチベーションを高く保てるように「オンラインコミュニティ」を運営。
コミュニティマネージャーが主体となって、個人と会社の新たな関わり方を実現している。「パワーポイント」や「ライティングスキル」などの業務に関するテーマだけでなく、「ペットわんにゃんの会」「キャンプの会」など業務外のテーマでもコミュニティを形成。
また、オンライン世界一周旅行やオンライン忘年会、オンラインお花見などのイベントも実施してフリーランス同士のつながりを強化した。
「未来を自分で選択する」という会社の想いが共有され、コミュニティ発の事業も生まれている。
高いスキル・経験を持って入社する中途社員が多いという環境で、社員満足度調査では「教育・研修」への課題が浮き彫りに。
そこで、職種によって異なる専門スキルではなく、職種によらないマルチなスキルを学べる機会としてリゾートワーク制度を導入した。
社内選抜を通過した社員は沖縄県宮古島市・北海道東川町のいずれかでリゾートワークが可能。
出張旅費の一部(同行する家族分含む)を会社が負担し、参加する社員には「現地の学校での出張授業」と「事後レポートブログ執筆」を課す。
社内では乏しい「教える体験」によって、改めて自社のことを言語化し文化を理解することにつなげるとともに、社員とその家族のエンゲージメントを高めることにもつながっている。
社員数や拠点数の増加に加え、コロナ禍によるリモート勤務で社内コミュニケーションが希薄となる中、社員をゲストに招いて仕事やプライベートに関するトークを配信する社内番組「幕ウラでダル絡み」を開始。
有志メンバーが企画・演出・出演・撮影・配信までを手掛け、毎週木曜日の21時に出演者をZoomでつなぎ、視聴者である社員はウェビナーを使って参加する。
創業記念日には24時間放送も実施した。これまでの放送回数は30回以上、出演者数60名以上、最高視聴率は約80%を記録。リモートワーク下において社内の共通体験(内輪ネタ)を増やし、社内コミュニケーションの活性化につなげている。
伝統的に個人事業者の海苔漁師が競合していた七ヶ浜町(宮城県宮城郡)の海苔養殖業。
東日本大震災で加工施設が壊滅的な被害を受けたことをきっかけに協業を進め、従来は個人または家族単位で行っていた作業を分業化した。
かつては海苔漁師ごとに「秘伝」だったノウハウを共有することで海苔の品質を飛躍的に向上させ、ブランド化と取引単価上昇を実現。
施設を共用とすることで経費を削減し、一人あたりの収益も増加している。
協業は海苔漁師の負担軽減にもつながり、新規就業者にとっても魅力的な仕事ととらえられるようになった。
現在では県内外問わず海苔養殖業に意欲的な人材を受け入れ、世代交代への準備も着々と進めている。
2018年現在でEC化率12%、店舗での対面販売がまだまだ主流のアパレル業界では、ライフスタイルの変化を機に退職する人が少なくなく、多くの企業で人材採用に課題を抱えている。
こうした中、子育て中の人やブランクがある人でも再び販売現場で働けるようにするための「フリーランス販売員」の枠組みを提案。
働き手が自ら「時間・場所・報酬」の条件を決め、企業からのオファーを受けられるマッチングプラットフォームを運営している。
現在では全国で約250店舗がこの仕組みを導入し、約2000名がフリーランス販売員として活躍。
コスメや家電製品など、販売職が活躍する異業種へも横展開を進めており、「販売職のスキルシェア」という新たな価値を広めている。
スピード感が求められる受託開発が事業の中心であることから、エンジニアにとっては新しい技術を学んだり、取り入れたりする機会が乏しいことが課題となっていた。
コロナ禍でテレワークへ移行してからは、エンジニア同士で技術に関する深い雑談を交わす機会も減っていた。
そこで、業務時間内である18時〜18時45分までを「アフ6パラダイス」と名づけ、業務以外の開発や技術習得のために使える時間として運用。
時間中はオンラインで雑談し、1カ月ごとのターム終了時には振り返り会を実施して取り組み内容を全体共有している。
非エンジニアの社員も業務に関わるインプット・アウトプットの時間として活用可能。
受託開発を中心とする企業では珍しい取り組みとなっている。
2017年12月に約20社の経営統合によって誕生したUSEN-NEXTグループでは、同時期に働き方改革のプロジェクト「Work Style Innovation」を開始。
「かっこよく、働こう」のメッセージのもと、服装からの解放を掲げて「Cool&Smart BIZ!」の施策を立ち上げた。
かっこよく働きながらグループとしての一体感を作り出すため、各事業会社のイメージをデザインに反映させた4種類のグループポロシャツを製作。
この反響を受けてTシャツの製作も始まり、社内外で幅広く活用されている。
現在ではアパレル商品や文房具などアイテム数が拡大し、社員がグループアイテムを購入できる専用ページ「USEN-NEXT STORE」も立ち上がっている。
病院や薬局、ドラッグストアで働く薬剤師は、業務の性質や法令上の理由から在宅勤務ができない。
そのため出産や育児を理由に離職する人も多いという課題があった。
Yojo Technologiesはオンライン薬局「YOJO」を運営し、法令に則って「遠隔でできる業務」を在宅の薬剤師が担える仕組みを構築。
サービス開発やマニュアル・ガイドライン作成、リアルな現場で働く薬剤師のための情報整理などを在宅薬剤師が担当することで、質の高い医療相談や情報提供につなげている。
経験豊富な在宅薬剤師が現場の若手薬剤師を教育したり、オンラインでつながる薬剤師の知見を生かせる仕組みができたりと、副次的な効果も生まれている。
対面での面談や登録が当たり前とされていた人材業界で、女性社員が主体となって5年前から電話面談やビデオ録画面談、ライブ面談などの新たな取り組みを実施。
その女性社員の妊娠を機に、2019年からはテレワークの実施も。かつては結婚や妊娠、出産、職場復帰などの女性のキャリアに対して決して理解があるとは言えなかった状況から、1人の女性社員のアクションをきっかけに働き方改革が進み、社風を変革していった。
現在では就業中スタッフ向けアプリによる管理対応の効率化や、RPAの導入も行われ、コロナ禍における対応もスムーズに進められている。
「自らキャリア・仕事・働き方を考えて行動し、高い生産性で業務に取り組める人」を増やすため、2019年7月に「働きがい改革」を宣言。
「ライオン・キャリアビレッジ」や「キャリア・デザインサポート」の開設、副業制度(申告制)の開始、服装の自由化、テレワークの拡大、フルフレックス制度の導入などを2019年から次々と進めている。
これらの取り組みを進める土台として、従業員の健康サポート“GENKIアクション”も展開。
コロナ禍においては自発的な学びの増加や新たな働き方への移行がスムーズに進み、副業に取り組む従業員も増えている。
日本語AIアノテーションというITスキルが求められる業務に、シルバー人材センターから派遣された6人のシルバー人材が従事。
青森県八戸市のサテライトオフィスに勤務している。
業務開始にあたっては、シルバー人材向けの研修に加えて「紙の作業マニュアル」を配布したり、シルバー人材同士で教え合う風土を作ったりと、作業環境の向上も重視。
シルバー人材ならではの日本語力や真面目な姿勢を生かし、チームに一体感を持たせることで、「シルバー人材×AI」という新たな職場を実現している。