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パナソニック株式会社 くらしアプライアンス社
ビューティ・パーソナルケア事業部 デバイスビジネスユニット
生産管理課 開発プロセス革新係
主任技師
糀谷 貴宣(写真中央)
パナソニック株式会社 くらしアプライアンス社
DEI・組織開発室
室長
小泉 朱里(写真左)
パナソニック株式会社 くらしアプライアンス社
DEI・組織開発室
大美 菜々子(写真右)
糀谷:前職の自動車メーカーでは試作部品の生産技術やモータのテストなどに従事していましたが、32歳のときに内臓機能を患って障がいを持つに至りました。その後、調達業務に携わる中で、自分のスキルを活かせる開発がしたいという思いが芽生え転職活動をスタート。前職では私個人の事情と職場環境のアンマッチを解消できなかったため、障がいに対する理解があることも重視しましたね。
パナソニックは障がい者同士で何でも相談し合えるネットワークがあるとホームページに書かれていて、活動当初から最も行きたい企業でした。面接は終始穏やかな雰囲気でしたが経験やスキルに関するすり合わせは綿密に行われ、私の障がいを踏まえて「面接時に研究開発現場を見てもらう事も検討していた」とも入社後に聞きました。こんなに真摯に向き合っていただけるんだと感激し、内定後に入社を迷うことはなかったです。
糀谷:入社してまずは給湯器などに使われるポンプの研究開発に従事しました。担当機種の開発から発売まで関われるスタイルは自分が求めていた働き方だったので嬉しかったです。現在は生産管理課で、主に新商品・新部品のコストやプロジェクト日程の管理を担当していますが、周りのメンバーも「体調どう?」と気遣ってくださるのでストレスは感じませんし、500名を超える障がい者ネットワークの存在も心強いです。パナソニックは健常者も障がい者も仕事内容は同じですが、パフォーマンスを最大限発揮するためにきめ細かなマッチングがなされ、適正な評価をしていただいている実感がありますね。
DEI活動も積極的に行っており、2023年には約1年をかけて私が働く彦根拠点の廊下の段差やスロープの傾斜、エレベーターや食堂の使い勝手などを調査し、車椅子を利用する方も安心して拠点を移動できる選択肢を提示するアクセシビリティマップを制作しました。このプロジェクトはBEST有志活動賞としてグループCEO表彰をいただきました。活動を通じて得たDEIに対する知見や経験をもっと活かしたいという思いが強くなり、今は社内複業という形でDEI・組織開発室の業務にも取り組んでいます。
大美:アクセシビリティマップの制作は、今や総務や人事を巻き込んで他拠点にも広げています。バリアに気づき、その乗り越え方を模索することでアクセスの選択肢を増やすというアクセシビリティの考え方はバリアフリー化へのファーストステップとしても機能しました。拠点調査というプロセスから体験することで、設備の必要性が伝わり、具体的な設備の導入計画も進み始めています。車椅子ユーザーの目線をはじめとした普段とは違う視点により、リアを乗り越えることの大変さや思いやりの大切さを認識することで、障がい者への理解が深まりメンバーの心のバリアフリー化が進んだことも大きな成果ですね。
障がいを一つの個性として尊重しながらもそれで終わらせることなく、スキルやパーソナリティといったその人自身が持つ「本来の個性」を発揮できるように環境を整えていく。それが私たちのモットーです。一人ひとりが各々の個性に応じて挑戦する機会を公正に得られるEquity(公平性)を大切に、「こんなことを成し遂げたい」「自分の価値を発揮して活躍したい」といった熱い思いを持つ方を今後もサポートしていきます。
小泉:私はある特例子会社の社長を経験した後にパナソニックに転職してきましたが、何より驚いたのはパナソニックでは「障がいを持って働く」と「しっかりとキャリアアップしていく」が両立されていることでした。どんな障がいがあるかではなく何ができるか、どのように活躍して長期的にどんなキャリアを築いていけるかというブレない視点による選考が徹底されています。
DEI・組織開発室のミッションは組織のパフォーマンス最大化です。障がいがある方や女性をはじめ、パナソニックだけではなく日本企業全体として、発揮しきれていない眠った能力がまだまだたくさんあると感じています。私たちがそのボトルネックを見定めて必要な打ち手を講じることで皆さんが持ち得る力をいかんなく発揮し、それにより組織も強くなっていくという良い循環が生まれるはずですから、一人ひとりに寄り添ったソリューションを積極的に実現していきたいと考えています。
糀谷:多胎育児の経験や問題意識をベースに「男性の育児休暇取得率100%の実現」を社内複業のテーマとして推進しています。くらしに関わる家電を作る会社ですから男性ももっと家事や育児に参加して生活実感を持つことでより良い商品やサービス作りに繋がりますし、それは女性がより活躍できる企業への進化にも繋がるはずです。もちろん、障がいがある方にとって安心・安全な環境づくりにも末永く関わっていきたいですね。