「朝活」?「昼活」?新たな活動が巷で流行中

「生きた情報」を手に入れるためのネットワーク構築術

今の時代、ビジネスの世界で勝ち抜くためには、情報収集能力が欠かせない。本やネットで多くの情報は得られるが、人と会い、交流を通じて得られる「生きた情報」こそ、本当に“使える”情報だといえるだろう。「だからといって、異業種交流会に参加するなんてハードルが高い…」そんなコミュニケーション下手なあなたにお勧めしたいのが「朝活」「夕活」「休活」といったコミュニティー活動。どんな体験ができるのかを潜入取材します。

2010年9月22日

仕事以外の時間を有効活用しよう

今、情報交換の場として注目されているのが、「朝活」や「昼活」「夕活」といったコミュニティー活動。仕事以外の時間を有効活用できるので、無理をせず参加できるのがいい。しかも、共通の題材をもとに会話がはずむので、いきなりでも入り込んでいきやすく、コミュニケーション下手でも心配無用だ。
今回は、中でも人気の「朝読書会」に編集スタッフが実際に参加。その他、仕事の後の時間や、休日を利用して参加できるコミュニティーを取材した。そこでどんな情報が得られるのか、活用の仕方や参加者の感想などを紹介します。

「読書朝食会」に参加してみました!

「読書朝食会」ってどんな場所? 何が得られるの?

主催の加藤氏。開催場所は都内を中心に毎回変わる

現在いろいろな読書会が行われているが、その中でも“日本最大規模”と言われるのが、「読書朝食会Reading-Lab(通称:リーラボ)」。現在はITベンチャーに勤務する加藤たけし氏が、2008年1月末にスタートしたコミュニティーだ。
読書朝食会のプログラムをひと言で説明すると、朝食を食べながら各自が持参した本についてプレゼンするというもの。本のジャンルは特に限定しておらず、小説、ビジネス書、マンガ、雑誌、自己啓発本、絵本…と何でもOK。
朝の7時から8時という出社前の1時間を有効に使うことが目的だが、「読書会」としたのは、「いろいろな人の視点・考え方を疑似体験したい」という理由からだそうだ。
「読書という行為は、本と自分という『一対一』の構図が当たり前だというイメージがあります。しかし、本を読み、そこで得たことを誰かに共有し、実際にやってみるという一連の過程をもって読書だと思うのです。つまり、受け取った情報をどうアウトプットし、行動につなげるかということ。自分のフィルターには引っかからなかった本(情報)だとしても、誰かの話を通じて読書を『疑似体験』できれば、その情報がぐっと身近なものになって、興味の対象も広がるはず。いろいろな背景の人が同じ意識で集まることで、想像もしなかった疑似体験がもたらされます。出社前のひと時、毎回新しい発見があると思いますよ」(加藤氏)
発起人である加藤氏以外にも、約30人の主催者が各自で開催しているリーラボ。20代から30代前半、特に情報収集の感度が高い人の参加が多いそうだが、特に対象を限定していない。参加受付は、ミクシィ上で行っている。

実際に参加し、体験してみました!

<午前7時>
読書会スタート!

まだ人通りもまばらな午前7時。この日は、新宿御苑駅近くのカフェ「MAESTRO GOURMET」にてリーラボは開催された。参加者は8人。各自が好きなメニューを注文し(これが参加費となる)、全員が席に着いたらスタート。
まずは自己紹介から。一人30秒の持ち時間で、仕事内容や趣味、最近興味があることなどを順番に話していく。

<午前7時15分>
プレゼンタイムへ

メインコンテンツであるプレゼンは、一人約5分の持ち時間で行われる。といっても、決して堅苦しいものではなく、それぞれが持参した本について自由に話すというやり方だ。内容の紹介はもちろん、その本と出会ったきっかけや、選んできた理由、その本を通じて何を考えたのかといったことを2分程度で紹介。残り3分は、全員でその本について自由に意見交換をする。
この日、紹介された本は「ウェブ進化論」「スティーブジョブズ 驚異のプレゼン」「恋愛脳」「EVERNOTE 超仕事術」「墨攻」など多種多様。例えば、「スティーブジョブズ 驚異のプレゼン」では、ジョブズ自身の面白かったプレゼンの話から、アップルの新製品やマーケティング手法などの話までおよび、大いに盛り上がった。もちろん、仕事でプレゼンするときに、どうしたら人を引きつけられるかといった実務的な情報も。意見を否定したり、何かを強制する空気はないので、思いついたことを遠慮なく意見できそうだ。

<午前8時>
読書会終了。希望者による交流タイムへ

参加者全員のプレゼンが終わると、ちょうど8時。ここで会は一旦終了となる。会社に向かう人もいれば、まだ時間に余裕がある人同士で交流が行われることも。名刺交換や、普段の仕事について個別に情報交換したりするほか、年齢や出身地、職場が近いなどといった話でも盛り上がっていた。その後は自由解散。

参加者に感想を聞きました

■普段の仕事では、同じ価値観の人で集まってしまいがち。リーラボでは多種多様な人との出会いがあるのがいいですね。「早起きする」「本を読んでくる」というフィルターがあるため、あんまり変な人は来ませんし(笑)、飲み会とは違ってコストもかかりません。いい情報交換の場になっていますね(男性・29歳・マーケティング)

■今日が初参加です。「朝活」には興味があったのですが、探し方がわからなかったんです。そんなときに、雑誌で取り上げられているのを見て、ミクシー経由で申し込みました。いろいろな背景を持った方々の、人生や本に対する熱い思いを聞くことができ、楽しかったです。私の意見を「一つの価値観」としてしっかり聞いてもらえるのも、嬉しいですね。どちらかというと口下手な私ですが、自然に会話に参加できて楽しかったです(女性・29歳・音楽制作)

■「遅寝遅起」の生活を改めたいと思ったのが参加のきっかけ。2週間に1回は参加していますね。もともと、本を読むのが好きでしたが、リーラボに参加するようになってからは、読んだ本についてアウトプットする場ができたために、情報感度が上がり、インプットの速度が早くなったような気がします。ここで得た業界やトレンド情報、ビジネスノウハウなどは、日々の仕事に取り入れたりしているんです。仕事の前にいろいろな人と話すので、会社に着いてからの脳の立ち上がりが早いですね(女性・29歳・IT通信)

■人見知りで、人と話すのが得意ではないのですが、自分の好きなテーマのことだったら気軽に話せるかなと思い、本が好きなのでリーラボに参加しました。最初は、知らない人と話すことに緊張しましたが、回を重ねるごとに慣れてきましたね。今では、経済系の勉強会など、ほかのコミュニティーにも参加したりしているんです(男性・23歳・出版)

参加してみて(編集スタッフの感想)

参加された方々は、情報収集すること以上に、何らかの情報をアウトプットしたいから参加しているのではないか?と感じました。情報発信するためには、事前に自分の中でその情報を整理することが必要です。その時間も含めて楽しんでいるようでした。私自身も、口下手で人前で話すのは苦手なほうなのですが、会話やプレゼンのスキルよりも、「その本を通じて何を思ったのか」を場に提供することが大事だという雰囲気を感じたので、気楽に話すことができました。自分の興味のある話で皆が盛り上がるなんて、とても嬉しいですよね。ぜひ参加してみてください!

まだまだある!口下手でも参加可能のコミュニティー情報

英語を使って情報交換

場所もカフェなどで行われるため、堅苦しい雰囲気はない

「気軽に英語を使える場を」がコンセプトの英会話喫茶を運営するのが、グリーンカフェ。会員登録や年会費、教材費は一切不要なので、必要に応じて好きな時に参加できる。外国人講師1人に対して生徒4人までの少人数制で、教材を使って語学を「学ぶ」というよりも、英語を使って「会話を楽しむ」要素が強いのが特徴。参加者それぞれの趣味や興味のあること以外に、仕事や業界の話、諸外国と日本の文化の違いについてなど、会話の内容は多岐にわたる。「想像以上に深い交流ができる」と、多くのビジネスパーソンに支持されており、現在は東京、大阪、愛知、宮城で開催している。
「レッスンは、講師がまんべんなく話題を振ることで会話をコントロールします。ほとんどの方が1人で参加されますが、初対面なので最初は緊張していても、最後には全員が共通の話題で打ち解けて、参加者同士で盛り上がることも多いですね。輪に加わって会話を聞いているだけでもいろいろ勉強になると思いますよ」(グリーンカフェ管理人・最上直史氏)

(問い合わせ先)
http://greencafe.jp/

「掃除」を通じて社会&人とつながる

勤務中の空き時間を使って利用する人も

greenbirdは、「きれいな街は、人の心もきれいにする」をコンセプトに、街のお掃除に取り組むプロジェクト。日本全国と海外の全30エリアで、早朝や夕方、休日に開催している。参加者全員で自由に交流しながら街を歩き、目につくゴミを拾って歩くという内容。その街に住む人だけでなく、「普段遊びにくる街をきれいにしたい」と遠方から参加する人も。年齢や職業もさまざまで、仕事の話だけでなく、世代を超えた価値観の共有や、地域ならでは情報を肌で感じることができたりと、幅広く情報交換ができる。
「『街をきれいにしよう』という同じ気持ちでつながるので、初対面でも自然と会話が進み、仲良くなれるんです。掃除に必要な道具類はすべて用意しますので、1人からでも気軽に参加してください」(greenbird事務局・荒井美香氏)
街のお掃除以外にも、年に一回、大型バスを借りて行く「富士山そうじツアー」や、ビーチの掃除の後に行うバーベキュー大会、お花見そうじ会など、交流イベントもたくさん用意されている。

(問い合わせ先)
http://www.greenbird.jp/

肩肘張らず、気軽に話せる
「テーマ」で探してみよう

初対面の人と話をするのは緊張するし、大勢の人々を前に意見を言うのは勇気がいる。しかし一方で、興味のあるテーマについてあれこれと盛り上がって話をするのは、とても楽しい時間だ。今回の取材先でも、出席者のほとんどが、「最初は緊張して上手く話せなかったけど、楽しいから参加している」と口を揃えていた。慣れることはもちろん大事だが、最初の一歩のハードルが高い。ならば、「面白そうだな」「これなら得意!」くらいの軽い気持ちで参加できるものを探してみてはどうだろう。事前に見学ができたり、個別に主催者に質問ができる場合も多いので、積極的に情報収集してみよう。

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勉強会やコミュニティーに参加して情報感度を高めたら、日々の仕事での成長や自身のキャリア形成のために行動を起こしてみよう。「リクナビNEXTスカウト」にレジュメを登録すれば、思わぬ企業からあなたのところへオファーが届くかもしれない。新しい出会いには新たな情報がつきもの。気づけなかった可能性や、意外な適性を知るきっかけになるはずだ。

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EDIT
高嶋ちほ子
WRITING
志村 江
PHOTO
桑原克典(TFK)
ILLUST
柏原昇店

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