仕事の喜び THE・リアル
発想を切り替えて、信頼を勝ち得る
「商品についてうまくお答えできない時、宿題として持ち帰れば、逆に、次回訪問するいいネタになる、と気づいたんです。レスポンスさえしっかりすれば、むしろ、いい信頼が得られます」
 その切り替えが、第一の分かれ道となったのだろう。

 レスポンスの速さにもこだわった。「同業他社が3日かかる見積もりなら、私は『1日で』と言って、その日のうちに出しました。スピードは命ですよ。実際、お客さまからほめられました」
「速さだけではなく、わかりやすい資料にもこだわりました。やはりパンフレットだけでは、お客さまにとってわかりにくいんです。パンフレットをベースに、お客さまの今のネットワーク構成や、導入されたらこうなるというのを、図解にしたり」

 もちろん、そういったノウハウだけが高橋さんを成功に導いたわけではない。
 大事なのは、自分の考えを他人に伝える能力だと強調する。
「実力が10あっても3しか伝えられないより、実力が5でも5全部伝えられる方がいい。そう思うようになったんです」
 相手に何をどれだけ伝えられるか……それが結果になるのだ。
社会人としての価値を創る
 高橋さんは、継続性を重視する。数度訪問してダメであっても、大切なのは、その後訪問を欠かさないことだと。
「タネをまいたら、花になって開くまで、半年はかかります。以前断られたところであっても、そろそろいいかなと思うころにまた訪問すればいい。定期的にアクセスしないと、やはり花は開かないので」

 自信とは、小さな手応えを一つ、また一つと、自分の中に積み上げていくようなものなのかもしれない。2年経ち、営業から開発業務へと移った時は、再び猛勉強だった。だが、それを経験したことで、社会人5年目あたりから「どんな業務についても、自分はできる」という自信が生まれてきた。

 これまでの仕事を振り返って、今。「自分の“社会人としての価値”を上げること。そのためには、お客さまに何かしらの価値を提供できなくてはならない。その価値とは、客観的に見て誰もが納得する“売れる価値”……つまり、その人自身の市場価値なんです」

 大企業に10年弱勤め、流れも体質もわかってきたという高橋さん。3回の異動でさまざまな業務を経験して得た「幅の広さや引き出しを売りにしたい」と言う。今後は、将来も見据えて少人数の企業でも通用する多面的な実力を磨いていくつもりだ。 「ライバルは自分自身です。自分に厳しくないとサボっちゃいそうなので(笑)」

 高橋さんが仕事を経て得たもの、それは何より、自分自身に対する大きな自信に他ならない。
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あなたは仕事で泣いたことがありますか? 社会人156人の「仕事って…」リアルVoice
取材者からのコメント
とても人あたりのいい高橋さんは、的確なお返事を誠実に、そして笑顔で答えてくれました。営業で大きな実績を上げていながら、尊大な感じも全くない方。たくさんのお客さまから信頼されるのも納得です。数字イコール成功ではなく、チャレンジしていく中で自分を見つめ、殻を破り、さらに伸びていく。そのプロセスで、自信を内包した柔軟な人柄が育っていったことがうかがえました。
ライター:百世瑛衣乎(ももせ・えいこ)プロフィール
フリーランスのコピーライターとして、数々の企業や地方自治体を担当。会社案内からPR誌、歳時記コラム、雑誌広告まで、幅広く企画・執筆している。月刊の有名人取材を、10年にわたって執筆、確かな評価を得ている。著書に、いま話題のブログをテーマにした『ブログ成功バイブル』など。
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