ビジネスチャンス、情報収集、顧客との信頼関係…

英語が「できない→できる」で、いったい何が変わるのか?

近年では、TOEICで高スコアを保有する若手ビジネスパーソンが増えていますが、「会話や交渉、コミュニケーションなど、英語を自由に操ることができないと意味がない」という声もよく聞きます。では、実際に日常的に英語を使っている人は、使っていない人と何がどう違うのでしょう?3人のビジネスパーソンに、「英語を使えるようになる前と今」では何が変わったのか、実体験を聞きました。

2013年1月30日

海外カンファレンスでビジネスプレゼンができるようになったことで
自分の中で「日本と海外」の垣根がなくなり、海外での事業展開も視野に

株式会社トーキョーストームCTO 上松大輝さん

「Tech Crunch Disrupt」出展で渡米したときのショット。社長の大沢香織さんと。

NTTレゾナントの新サービスコンテスト「Challengers SPRING 2012」で最優秀賞に選ばれ、昨年9月に米「Tech Crunch」主催のイベント「Tech Crunch Disrupt」に出展した「おれのそうびpowered by goo」。8bit パソコン時代の RPG 風デザインで自分の持ち物を「装備」としてアピールできる プロフィールサービスだ。このサービスを作り出したのは、社員数8名のベンチャー・トーキョーストーム。上松さんはCTOとしてサービス開発の根幹を担った。

昨年6月、「Tech Crunch Disrupt」に出展できることが決まったときの感想は「どうしよう!」でした。2カ月半後の9月には、渡米しなければならなかったからです。
高校時代に語学留学した経験があり、大学や大学院では海外の文献や論文を読んだり、自ら英語の論文を発表する機会も多かったので、英語はそこそこできると思っていました。しかし、ビジネスで使った経験はありません。「Tech Crunch Disrupt」は世界中の企業が集まるビジネスの出会いの場。せっかくの機会だから正確にコミュニケーションを取りたいと思い、ビジネス英会話の1カ月コースに通って集中的に勉強しました。

ビジネス英会話を学んでわかったのは、例えば、aやtheなどの助詞を間違えたり、会話の中から省いたりすると、「英語ができない人」と判断されてしまうということ。もちろん、省いたところで意味は通じますが、「ビジネスの場では」信用してもらえない。そこそこできると思っていた私でも、その英会話学校でのビジネス英語レベルでいえば、10段階中「2」だったんです。毎朝2時間みっちり勉強して、どうにか基礎を叩きこみました。

その甲斐あって、「Tech Crunch Disrupt」では臆することなく、いろいろな人と会話ができました。ベンチャー企業の出展が多く、各国のエンジニアとの交流はざっくばらんな英会話で事足りましたが、大手企業やベンチャーキャピタルの方との会話では、先方がこちらの英語力に注目していることが伝わり、「正確なビジネス会話ができてよかった」とほっとしました。アメリカにはイベント準備、出展期間を含め、1カ月近く滞在しましたが、さまざまな立場の人とコミュニケーションが取れるのが楽しくて、最後のほうには「仕事でまたここに来るにはどうすればいいか」ばかり考えていましたね(笑)。

帰国後は、業務がスムーズに回るようになったと感じています。当社には中国人のPGがいるのですが、彼は日本語よりも英語が得意。今までPGの設計指示は日本語で行っていましたが、英語で行ったほうが断然シンプルで早い。海外からの問い合わせメールも以前より増えましたが、すぐに対応できるようになりました。
何より変わったのは、自分の中で「日本と海外」の垣根がなくなったこと。それまでは、「海外進出=日本とは別物、ハードルが高い」と思っていましたが、「自分たちの作っているものが海外でウケるのだったら、行けばいい」とシンプルに考えるようになりました。このたび、親子向けのお手伝い・お小遣い管理サービス「LIVING ROOOM」をカットオーバーし、世界展開を目指して3月に米・テキサスで行われる「SXSW 2013 Trade Show」に出展する予定です。ビジネス英語力を高め、海外を経験したことで、ビジネスの視野がぐんと広がったと感じています。

上松さんのBefore→After

上松さんのBefore→After

TOEIC800超でも、外国人上司の話が一向に理解できなかった新人時代。
1年後には日本人社員と外国人上司の「情報のハブ」となり、PMに就任

情報サービス会社事業企画 中村博史さん(32歳・仮名)

情報サービス会社
事業企画
中村博史さん(32歳・仮名)

大学時代に米国に1年間語学留学し、TOEICスコア500→800超と飛躍的に英語力が向上した中村さん。しかし、新卒で入社した金融機関の事業企画部で、いきなり「英語力の壁」に直面する。直属の上司がインド人だったのだ。

英語力には自信があったのですが、上司が言っていることが全く理解できず、焦りました。彼は、事業改革のために採用されたプロフェッショナル。専門用語満載のビジネス英会話には、受験英語と1年の「遊学英語」では太刀打ちできませんでした。ましてや、インドは英語が母国語ではないので、独特の訛りもある。新卒で配属されたばかりで、ただでさえ仕事の内容も進め方もわからないのに…。どうしていいかわからず、頭を抱えました。

そこで私が取った方法は、「上司の言うことはとりあえずすべて聞いて、その場はやりすごす」。そのうえで、「業務時間終了後に、彼の言った言葉の意味を辞書で調べたり、周りに聞いて自分自身で腹落ちさせる」。単純計算で2倍の労力ですが、仕事を理解するにはこれが一番近道だと腹を括りました。毎日、会社を出るのは22時過ぎ。終電の日も多かったですね。
でも、おかげで半年経ったころから、上司の言っていることが理解できるようになりました。専門用語や、事業背景などがわかってくると、文脈が読み取れるようになる。彼の独特の言い回しやクセにも慣れ、言葉を返せるようになりました。彼から勧められた英語の本を片っ端から読んで勉強したことも役立ちました。特に『PMBOKガイド』(プロジェクトマネジメントの知識体系ガイド)の英語版では、プロジェクトマネジメントの知識と専門用語を英語で同時に得られましたね。日本人スタッフと外国人上司の間に立って、互いの意見を伝える「情報のハブ」の役割を取るようになり、2年目には早くもプロジェクトマネージャーを任されるようになりました。

●「いとも簡単に国境を越える人々」と対等に戦うため、MBAを目指す

その後、外資系コンサルティング会社に転職し、現在は情報サービス会社の事業企画職でビッグデータの分析、活用などを担当しています。今の勤務先は内資で、直接英語を使う機会はありませんが、業務知識のブラッシュアップのために、海外の文献を読むようにしています。圧倒的に日本より技術が進んでいるうえ、日本は独特の言い回しがあるので翻訳がわかりにくい場合がよくありますが、英語だとシンプルに物事が伝えられるので、わかりやすいしページ数も少ないんです(笑)。

今まで周りに外国人が多かったため、「いとも簡単に国境の壁を越えてしまう人の多さ」に危機感を覚えるようになりました。母国はイギリスで、今は日本でプロジェクトに携わっているが、次はアメリカかシンガポールに行きたい…なんて発想で仕事をしている人ばかり。こういう人たちと、グローバルビジネスの場で戦えるようになるために、現在、海外の大学のMBAコースを通信で受講しています。授業はすべて英語ですが、苦にはなりませんね。世界中にいる同級生とウォールを使って議論できるようにもなりました。

よく「これからも日本国内で仕事をするから、英語力はいらない」という声を耳にしますが、国内経済がシュリンクすれば、企業の海外進出はさらに加速しますし、少子高齢化で労働人口が足りなくなれば、ルーティンワークは海外の安い労働力に流れていくでしょう。
今から20年前の日本の産業構造と、今がどれだけ変化しているかを考えると、今から20年後の日本はどうなっているか…。そう考えると、私は不安で仕方がないし、英語力だけでは心もとない。今のうちにできるだけ自分の体制を整え、「国境を越えて仕事をする人と戦える力」をつけておきたいと思っています。

中村さんのBefore→After

中村さんのBefore→After

海外出張の際に英語が全く伝わらず愕然とし、独学で猛勉強。
現在は、海外メーカーとの仕入れ交渉や料金交渉もすべて行っています。

Web制作会社 Webディレクター・バイヤー  塚田恵美さん(29歳・仮名)

Web制作会社
Webディレクター・バイヤー
塚田恵美さん(29歳・仮名)

塚田さんは、海外のアクセサリーやコスメ、グッズなどを幅広く扱う通販サイトの責任者。サイトの立ち上げから関わり、企画設計やWebデザインのほか、コンセプトに合った海外商品の仕入れにも関わった。

それまではWebデザイナーの仕事が本業で、サイトの立ち上げや、ましてや海外商品のバイヤー業務なんて未体験。ただ、この役割を任される前に、「英語力のなさ」を痛感し、独学で勉強した経験が大いに役立ちました。
昔から英語が好きで、英検やTOEICは受験していないものの学校の成績は良かったですね。大学時代は、バーやクラブにいる外国人に積極的に話しかけて、コミュニケーションを取っていました。単語と単語をつなげるレベルでしたが、互いの意見が伝わるのが嬉しかったんです。

でも、社会人になり、仕事が忙しくなって英語から遠ざかっていると、あっという間に会話力は衰えますね。20代半ばに海外出張の機会があったのですが、通訳の方がいないとまるで会話が成り立たず、愕然。このままではいけない!と焦りを覚えました。
とはいえ、仕事は激務でスクールに通う時間はありません。そこで私が行ったのは「洋楽を聞く」こと。空き時間ができたらひたすら洋楽を聞き、まずは英会話を耳に慣れさせ、口ずさんで発音を覚えました。その後、歌詞を見て、わからない単語があったら辞書で調べて覚えました。単純ですが、回を重ねることで昔の感覚を取り戻すことができ、さらにリスニングとスピーキングの力と単語力が付きました。

●ベースの英語力と熱意があれば、必要なことは伝わる!

そんなときに任された、バイヤーの仕事。海外のアクセサリーやコスメのメーカーサイトにアクセスし、商品コンセプトを読み解いた後、メールや電話で仕入れ交渉します。ビジネス英会話の経験や知識はありませんが、ベースの英語力と「御社の商品をぜひ日本で売りたいという熱い想い」があれば、必要なことは伝わると感じましたね。30件ぐらいの海外メーカーにアプローチして、仕入れ量や金額などの交渉も行い、うち10件ほどと取り引きすることができました。
国内で行われる見本市には、海外メーカーが出展することも多いのですが、日本人が引っ込み思案であるせいか海外ブースは空いていて、海外のお偉いさんが一人でポツンと座っていることも多いんです。そんなときはチャンス!とばかりに積極的に話しかけますね。先方も話しかけられて嬉しいのか、いろいろなことを教えてくれるし、商談もスムーズに進むケースが多いんです。このような機会を重ねることで、英語力がブラッシュアップされたと感じています。

仕事以外では、海外の安い航空券を取って、海外にふらりと一人旅に出る機会が増えました。トランジットの際に、現地の航空会社のストで足止めを食らったときは、カウンターで「今日中に飛ぶ便をアテンドしてくれ」と交渉し続け、半日かかりましたが別の便をゲット。現地レストランで、注文したものとは別のメニューが出て来た時は、明らかにからかっていることがわかったので、「こんなものを頼んだ覚えはない」と抗議しました(笑)。英語ができるようになったことで度胸がつき、行動範囲も広がりましたね。

塚田さんのBefore→After

塚田さんのBefore→After

スカウトを活用して、英語力を高められる環境を目指そう!

英語力を高められる環境への転職を目指すならば、スカウトを活用してはいかがでしょうか?匿名レジュメを登録しておけば、あなたの経験やスキルを評価した企業や、リクナビNEXT提携の転職エージェントから声がかかります。レジュメ内に、英語での業務経験やTOEICのスコアなどを書き入れておけば、グローバル展開している企業から注目される可能性も大。まだ始めていないという人は、今すぐ登録してみましょう。

スカウトに登録する

EDIT&WRITING
伊藤理子

会員登録がまだの方

会員登録(無料)

会員登録がお済みの方

「今すぐ転職」にも「いつかは転職」にも即・お役立ち!リクナビNEXTの会員限定サービスに今すぐ登録しておこう!

1転職に役立つノウハウ、年収・給与相場、有望業界などの市場動向レポートがメールで届きます

2転職活動をスムーズにする会員限定の便利な機能

・新着求人をメールでお届け

・希望の検索条件を保存

・企業とのやりとりを一元管理など

3匿名レジュメを登録しておくとあなたのスキル・経験を評価した企業からスカウトオファーが届きます

会員登録し、限定サービスを利用する

※このページへのリンクは、原則として自由です。(営利・勧誘目的やフレームつきなどの場合はリンクをお断りすることがあります)