同じ会社、同じ仕事のビジネスパーソン3人をプロが比較

検証!「英語力」の差で、転職可能性はどう変わる?

グローバル展開を標榜する企業が増える中、ビジネスパーソンにおける「英語力」の必要性が高まっています。しかし、実際に仕事で使うことがないと、必要と知りながらもなかなか勉強に本腰を入れられない…という人が多いのではないでしょうか?そこで、今回は「同じ会社、同じ仕事内容、同年代」で、英語力だけが異なるという3人が登場。英語力のあるなしで、仕事内容、情報収集方法、キャリア観、転職可能性はどう変わってくるのか、検証してみました。

2012年6月27日

【ビジネスパーソン3人を徹底比較】
英語力の違いで、ビジネスに関する情報収集方法やキャリア観に違いは出る?

■英語力「ビジネスレベル」の三宅さん(30歳・仮名)
■英語力「日常会話レベル」の滝田さん(26歳・仮名)
■英語力「一切できない」武山さん(28歳・仮名)
同じネットリサーチ会社で、法人営業として活躍する3人。手掛けている仕事はほぼ同じだが、英語力には大きな差がある。

ビジネスレベル三宅さん●「毎日海外サイトで情報収集、視野が広がっています」

小学4年生のときに英語塾に通い始めたのがきっかけで英語が好きになり、中学時代にはすでに、「将来は英語を使った仕事に就く」と決意。大学は、英語でのプレゼンや研究・発表など実践的に英語を学べるところを選び、卒業時のTOEICスコアは845に。

就職した会社はITソリューション会社。英語力を買われて、外資系企業専門の営業チームに配属されました。営業先の担当者は、日本語ができない人がほとんど。普段のコミュニケーションもプレゼンも商談も、すべてが英語です。日本企業にいながら、英語を使う業務が全体の7割以上を占めていました。
彼らと会話を合わせるため、「YOMIURI ONLINE」や「JAPAN TIMES」など英語サイトは頻繁にチェックしていましたね。リスニング力を鍛えるために、ANNやCNNといった海外ニュースも意識して聞くようにしました。この習慣は今もずっと続いています。
今の会社に転職して来たのは2年前。前職のような外資専門部隊ではなく、もっと広い企業の課題解決に携わることで営業力を上げたいと思ったんです。担当クライアントの中には外資系もあるので、英語を使う機会はあるものの、今は全体業務の1割ぐらいですね。今の仕事には満足していますが、英語が使えない寂しさは若干あります(笑)。ゆくゆくは、英語力と営業力、どちらも高水準のスキルが求められる環境に移って自分を鍛えたいという思いがありますね。もちろん、海外赴任も視野に入れています。
英語ができることのメリットは、何といっても「視野が広がる」ことにありますね。例えば、最近のヨーロッパの金融情勢についても、日本の報道と現地の報道では見方が違っていたりします。さまざまな国の見解を知ることで、1つのニュースの見方もぐんと広がる。その話を営業の際にネタにすることもありますよ。

日常会話レベル滝田さん●「海外の友人とFacebookで情報交換しています」

高校時代にオーストラリアからの留学生と仲良くなったのを機に英語を猛勉強。同時期に、実家がホームステイボランティアを始め、「常に家に外国人がいる環境」となり、英語力アップに弾みがついた。現在のTOEICスコアは880だが、仕事で英語を使った経験がないため「ビジネス英語」には全く自信がない。

就職では、あえて英語を使う仕事は選びませんでした。当時は、英語をお金を稼ぐ武器にするのではなく、ボランティアなどで外国の方をサポートするために使いたいと思ったんです。
就職したコミュニティサイト運営会社では、法人営業のほか、中国での新サイト立ち上げ事業にも関わりました。北京語を独学で学びながら、現地企業との商談を重ね、ようやくビジネスの軌道が見えてきたのですが、突然事業が凍結に。それを機に、今の会社に転職しました。
ネットリサーチ会社なので、IT系の情報収集には力を入れています。よくチェックするのは「ITmedia」や「TechCrunchJapan」ですが、「TechCrunch」は本国アメリカのサイトも見るようにしています。日本でニュースになる前に情報が入手できるので、営業先での会話のキッカケになりますね。例えば、米Facebook上場のニュースも、周囲の人より早くキャッチできました。また、ホームステイで受け入れた留学生など、海外にいる友人が多いので、Facebookでつながって、現地の話題を仕入れたりもしますね。
最近になって、英語を使って仕事がしたいという思いが高まっています。以前に比べて、そういう環境が増えているとも思います。ただ、ビジネス英語の経験がないのは不利だと感じますね。日常会話は得意ですが、英語でクライアントにプレゼンする自信はありません。営業という立場を活かし、新たに外資系のクライアントを自ら開拓するなど努力を続けて、少しずつでもビジネス英語の実績をつけ、次のステップにつなげたいですね。

一切できない武山さん●「必要に迫られないから、なかなか腰が上がらなくて…」

大学文学部卒業後、広告代理店に入社。新聞や雑誌など、紙媒体を中心とした広告営業に携わる。1年前に現在の会社に転職し、通信会社や情報サービス会社など大手クライアントを担当する。英語力には全く自信がなく、TOEICや英検も受けたことがない。

英語が嫌いだというわけではないんです。ただ、必要に迫られていないので、なかなか勉強しようと思えないんですよね。周りには英語ができる人がたくさんいるし、これからのビジネスパーソンには英語力は必須なのだろうとも思います。自分でも、問題を先送りにしようとしているなと自覚しています。
最近になって、海外がらみの案件が急に増えてきました。「○○国に進出したいから、現地のマーケット調査をしたい」などの引き合いです。ただ、クライアントとのやり取り自体はもちろん日本語ですし、調査票を現地語に翻訳して実際に調査運営するのは、グローバル専門の別のチームなので、私自身が英語を使う機会はありません。でも、もし英語ができれば、現地の顧客ニーズやマーケット情報などを自らリサーチして、クライアントに的確な助言をしながら、より精度の高い調査計画が進められるのに…とは思いますね。
普段の情報収集は、もっぱら書店での経済誌やビジネス誌チェックです。営業の合間に時間が空いたら、近くの書店に寄って、どんなテーマが取り上げられているのかを見ます。経済誌を何誌か見れば、経済のトレンドもつかめるので、商談のネタを仕入れにいくことも多いですよ。もともと、小説など本が大好きで、本を読んでいるときが癒しの時間なんです。これからも自分なりの方法で、情報収集に努めていきたいと思っています。

【転職エージェントに聞く】
英語力の差で、「転職可能性」はどこまで変わるのか?

同じ会社、同じ仕事内容ながら、英語力のレベルが異なる3人を、転職アドバイザーはどう評価し、どんな求人案件を紹介しようと考えるのか?今回は3人とも営業職のため、営業職の求人動向に詳しい専門家に話を聞いた。

有形商材を扱う営業は、英語力はすでに必須のスキル

株式会社リクルートエージェント 長谷川貴子氏

株式会社リクルートエージェント
カスタマーサービス統括部 キャリアアドバイザー
長谷川貴子氏

営業職の求人市場においては、英語力を求める求人案件が増えています。ただ、「有形商材」か「無形商材」かで、状況は変わってきます。
まず、有形商材を扱う企業の場合は、英語力がないともはや厳しい状況です。多くの企業が海外にすでに進出し、これから本格的にシフトして海外売り上げ比率を高めようとしているため、営業職に求められる英語力は最低でもTOEIC750レベル。「英語力がないと営業として意味がない」と言われる時代は早晩やってきます。「国内だけで事業展開している会社に勤めればいいのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、国内需要のシュリンクが目に見えている中、ドメスティックな中小企業は淘汰され、英語ができない人が応募できる企業は減少の一途となるでしょう。
一方で、無形商材…例えばSNSやEC系などネット関連企業は、海外進出は始まってはいるもののまだ緒に就いたばかり。今、英語力がなくても、まだ転職の余地はあります。ただ、英語力があればぐんと可能性が広がります。

3人に紹介できる求人案件は、それぞれどんなもの?

「ビジネスレベル」の三宅さんは、とても惹かれるスキルの持ち主ですね。英語力があり、かつ営業現場でもバリバリ使いこなしてきている。ご本人の希望に合わせて、幅広い仕事をご紹介できると思います。本来ならば、無形商品から有形商品の営業に転身するのは難しいのですが、三宅さんほどのビジネス英語力があれば、その垣根も越えられます。
海外赴任の志向もあるとのことなので、今ならばSNS企業のアジア拠点立ち上げメンバーの求人をご紹介したいですね。
英語力を駆使して、現地でのアライアンス先を開拓する営業です。新しい市場で、新しい拠点を一から立ち上げる経験はとても貴重。ビジネス英語もさらに磨かれることでしょう。

「日常会話レベル」の滝田さんは、実は転職市場に一番多いタイプ。20代はある程度英語ができる人が多いので、差別化が図りづらいのです。ビジネスで英語を使った経験がないというのが残念ですね。でも、まだ26歳という若さで、TOEICも880とハイスコア。何より向上心があるので、ご紹介できる案件はたくさんあります。例えば、海外の販売代理店を日本でコントロールする海外営業や、「外資系企業で、さらに外資系企業を担当する営業」など、ビジネス英語力を鍛えられる環境をご紹介することが可能です。ただ、海外赴任案件や、有形商材を扱う営業への転身は難しいですね。

一方、「一切できない」武山さんも、決して市場価値が低いわけではありません。28歳とポテンシャルを感じる年齢で、かつ2社で確実に営業経験を積んでおり、ネットの知識も豊富です。同業界・同職種への転身であれば、高く評価してくれる企業は多いはずです。しかし、異業界への転身となると、難易度は上がりますね。もちろん、採用条件に英語力が入っている求人案件はご紹介できません。
もし武山さんが、将来のために英語を使う機会がある会社に転職したいと思うのであれば、まずはTOEICスコアを取ってください。もしも「TOEIC750を目指して勉強中」という事実があったとしても、判断の目安となるスコアがないと企業への説得力がないからです。

グローバル企業で活躍できるチャンスがあるかも?
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上記の記事のように、「英語力」は今後ビジネスパーソンの中で必須となるスキル。また、英語ができれば、海外のサイトから情報を仕入れるなど、ビジネスにおける情報収集力も高まります。仕事で英語を使える環境に移り、自分をさらに鍛えたいという人は、ぜひレジュメ内にその希望を記しておきましょう。もちろん、英語力がある人は、業務で使った経験をアピールすることをお忘れなく。
あなたの経験や意欲が注目され、意外な業界、企業からオファーが舞い込む可能性もあります。まだ始めていない方は今すぐ登録しましょう。

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伊藤理子
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榎本祐介

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