マネジメント力か?専門スキルか?

いま40歳以上に期待されているチカラは、何だ?

社会人として長く経験を積んだ、40代以上のベテラン層。その層の活躍に期待し、採用を拡大する動きが、業績好調企業を中心にここにきて増えている。どんな企業が、どんなスキル、経験を持ったベテラン層を求めているのだろうか?専門家に今の動向を聞いた。

2011年3月23日

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株式会社ジェイエイシーリクルートメント/エグゼクティブディビジョン エグゼクティブティブチーム マネージャー 齋藤康仁氏

株式会社ジェイエイシーリクルートメント/エグゼクティブディビジョン エグゼクティブティブチーム マネージャー
齋藤康仁氏

株式会社リクルート/『リクナビNEXT』編集長 黒田真行

株式会社リクルート/『リクナビNEXT』編集長
黒田真行

【どんな企業が?】業界、規模にかかわらず成長中の企業が、
「次の一手」を進めるために40歳以上のキャリアを求めている

人材紹介会社のジェイエイシーリクルートメントでは、「40代以上が持つ経験・キャリアに対する求人ニーズは、リーマンショック後の景気低迷時には一時的に減ったものの、その後は景気の回復とともに着実に増加傾向。現在では、当社で扱う案件の20%超がこの層に対する求人」(エグゼクティブチームマネージャーの齋藤康仁氏)という。
「ここ1〜2年の景気回復期に体制を整え、次の一手を打とうとしている成長企業が、『本格的に攻めに行く』ために幹部層を入れ替える…という求人案件が目立っています。一方で、業績不振の企業がトップを入れ替えることで舵を切り直そうとするケースもあります。こちらは外資系企業に多いですね。また、アジアの現地法人や、アジアエリアで事業拡大を狙う現地メーカーが、日本メーカーの製品の高度なクオリティーを海外拠点でも実現するために、海外工場の現地採用のエンジニアに対して技術指導する顧問的役割の人材を採用するケースや、現地採用エンジニアを統括する工場管理者を求める例も増えています」。

求人広告においても、「業界関係なく、業績を順調に拡大している企業が、あらゆる職種において40歳以上の経験者採用に踏み切っている」(黒田編集長)という。
「このような企業においては、業績拡大に伴い現場での人手不足感が強まっています。そのため、現場の最前線で戦う若手だけでなく、現場で即戦力として事業全体を引っ張っていける『その道のスペシャリスト』が求められているのです。経験豊富なベテラン層には、チャンスが広がっています」。

【どんな人を求めている?】どの領域、職種においても
「即戦力になり得るスペシャリスト」が求められている

40歳以上の中でも、とりわけ特定分野での即戦力となり得る人が求められているため、「一つの領域で長く経験を積み、専門性を磨いていることが大事」と、齋藤氏、黒田編集長とも口をそろえる。
「どの業界・職種でも、より即戦力となり得るプロフェッショナルが求められています。ただ、必ずしも同業界経験者でなければいけないというわけではありません。例えば営業職なら、営業対象、営業方法が同じで、扱う商品・サービスの価格帯が似かよっていれば、業界は違っても今までのスキル・経験が応用できます」(黒田編集長)

例えば、個人向けに車を営業してきた人ならば、分譲マンションの営業でもその経験・スキルが応用できる。二つの仕事の共通点は、『個人相手』に『高額商品』を『新規開拓中心に』行う点。この共通経験が、営業現場ですぐに活かせるだろう。また、食品メーカーの生産技術系エンジニアであれば、『工場での生産設計の経験』に伴う『ベルトコンベアラインの配置の知識』などが、別の製造業種の生産ラインや、物流会社の物流・配送ラインでも十分活かせるはずだ。
「このように自身のスキルを分解すれば、応用先が広がるし、それが応募の際の有効な自己PRにもなります。企業側も、『この人なら業界は違ってもすぐに成果を挙げてくれそうだ』と感じ、プロとして受け入れてくれるでしょう」(黒田編集長)

人材紹介会社の場合は、長年積んできた経験をストレートに活かせるポジションでの採用がメイン。
「例えば、セールス&マーケティング領域ならば、競合他社のシェアごと持ってきてくれそうな営業部長、エンジニア領域であれば、新規ビジネスの技術開発を一から担えるCTO(最高技術責任者)経験者などが求められますね。よく、『転職で新たな仕事にチャレンジしたい』と相談に来る40代以上の方がいますが、全くの異業界・異職種への転身は現実的ではありません。なぜなら、企業はその方の、仕事における失敗も成功も含めた『高い経験値』と、それに裏打ちされる『高い現場対応力』を評価し、採用のジャッジを下すからです。自分の経験がどんな場所でなら活かせるのか客観的に判断し、それに沿った求人案件にアプローチしてほしいですね」(齋藤氏)

なお、転職や社内異動などで、いくつもの職種を経験している人の場合は、「その中でも軸となる経験を何か一つに絞ることが重要」と斎藤氏は話す。「最も強いバックグラウンドがある経験をベースに、現状分析能力、課題解決力などすべての業務の基礎となる力をしっかり培ってきたことをアピールするといいでしょう」。

「雇われない生き方」も40代以上の
セカンドキャリアの選択肢の一つ

40代以降のセカンドキャリアを考えたとき、企業に勤めるのではなく「自分が事業主になる」のも選択肢の一つ。
たとえば、飲食店やコンビニエンスストア、学習塾等の経営者となったり、保険や車、不動産などの営業・販売を個人事業主として請け負う…などの独立の仕方があります。一国一城の主としての働き方も、自身の可能性の一つとして考えてみてはいかがでしょうか。

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自身の経験、スキルを盛り込んだ匿名レジュメを登録しておけば、企業側からオファーが届く「リクナビNEXTスカウト」。特に経験豊富な40代以上のスペシャリスト層に対しては、「スキルマッチした人にピンポイントで声を掛けたい」という企業が多いのが特徴。経営不振による経営層の入れ替えなど「秘密裏に採用活動したい」というニーズも多く、思わぬ業界からアプローチが来ることもあり得ます。
今までのキャリアを振り返り、軸となる経験、コアスキルをメインにレジュメに記入することが大切です。まだ登録していない人は、今すぐ登録し、自身のキャリアを最大限アピールしましょう!

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伊藤理子
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