Web系、製薬メーカー、金融、不動産…

景況一転!?「第二新卒」採用、急回復の本当の理由

景気の底打ち・反転を受けて中途採用ニーズが拡大しているが、中でも今、社会人1〜3年目の「第二新卒」層を採用する企業が増えているという。どんな企業が、どんな背景で、第二新卒の獲得に動いているのか?そしてどんな経験、スキルが求められているのだろうか?

2010年9月8日

「成長領域の専門職」「業績急回復業界の営業職」が採用の中心

足元の採用需要は旺盛だが先行きは不透明。転職するなら今がチャンス

リクナビNEXT編集長 黒田真行

リクナビNEXT編集長
黒田真行

「大手企業から中堅、中小企業までと、企業規模に関係なくさまざまな企業が第二新卒採用に動き出しています。ただ業界・募集職種を見てみると、『成長領域の専門職』と『業績急回復業界の営業職』の、大きく2つに分けられますね」と、リクナビNEXTの黒田編集長。

前者の「成長領域の専門職」とは、Web系のエンジニア、製薬メーカーのMR職などが中心。Web系は、SNSやWebアプリの拡大で業績好調の企業が採用に動いているが、ライバル企業も採用数を増やしているために採用競争が激化している。「比較的新しい分野だけにドンピシャの経験者が少なく、論理的思考力の高い第二新卒を採用して育成しようという企業が増えています」(黒田編集長)。
MRに関しても、高齢化の進行やジェネリック(後発)医薬品の拡大、グローバル化の進行などを背景に業界全体が伸びており、採用意欲は旺盛。たとえ営業未経験であっても、社会人としてのベースがあれば自社で一から育てよう…という方針の企業が多い。

後者の「業績急回復業界の営業職」の代表は、金融、住宅・不動産、商社・卸など。「いずれも景気低迷の影響を大きく受けた業界。長く新規採用を控えていましたが、市場環境が好転するにつれ現場での人手が足りなくなり、若手採用に動いているもよう。『異業界出身でも、営業経験が少なからずあればOK』とする企業が多いようです」(黒田編集長)

このほか、ここ数年新卒採用をストップしていた中小企業が、市場環境の好転を受けて、年齢構成のバランスを取るために手薄だった第二新卒層を採用しているケースもある。
第二新卒はキャリアは浅いものの、社会人としての経験はあり、一定のビジネスマナーは備えている。一から教育する必要がなく、かつ一つの業界に染まり切っていない第二新卒層に対するニーズが急回復している状況だ。

このような動きは、今後も続くのだろうか?
足元での第二新卒採用のニーズは旺盛。しかし、欧州の財政不安や米国景気の失速、それに伴う円高・株安などで、国内景気の先行き不透明感が強まっています。このまま状況がさらに悪化すれば、企業は新規採用に慎重になるでしょう。『転職したい』という気持ちがあるならば、今が動きどきです」(黒田編集長)

採用担当者に聞く「当社が第二新卒を採用する理由と、評価のポイント」

営業のベースがあり、かつどの業界にも染まり切っていない若手層は
証券知識をすぐ吸収し高いパフォーマンスを挙げられる〜岡三証券

岡三証券(株) 西村幹雄氏

岡三証券(株)
人事部採用グループ グループ長
西村幹雄氏
会社概要●株式、投資信託、債券などの金融商品取引業

証券リテール営業において第二新卒を積極採用しています。出身業界は不問、年齢を問わず営業経験があることが条件です。
当社では、同業他社からの転職者だけでなく、異業界の営業出身者も多数活躍していますが、両者の営業実績を見るとあまり大きな差はありませんでした。中でも、第二新卒で異業界から転身してきた人が、より高いパフォーマンスを挙げていることがわかりました。営業としてのベースはありながらも、まだ営業スタイルが固定化されておらず発想も柔軟なので、証券に関する知識もすぐに吸収できるのが、第二新卒層の魅力だと考えています。
第二新卒で当社の門をたたく人に多いのは、「証券業界はハードルが高そうだから別の業界に就職したものの、やはり挑戦してみたいと思った」というケース。営業として1〜2年の経験を積み、少なからず自信も付いてきたころだからこそ、高いパフォーマンスを挙げられるのかもしれません。

証券リテール営業は個人顧客相手なので、選考の際に最も重視するのはコミュニケーション能力の有無と、この仕事にかける想いの強さ。異業界から証券営業にキャリアチェンジする理由を、わかりやすくかつ論理立てて説明できるかどうかで判断しています。
「前職での営業成績が良かった」ことばかりをアピールされても評価の対象にはなりません。それよりも、その実績を挙げるために自分なりにどんな工夫を凝らしたのかが知りたい。たとえ営業成績が高くなくても、仕事においてどんな困難に直面し、それを乗り越えるために自分なりにどんな努力をしたのか具体的に語れる人は、その経験を当社でも応用し活躍してくれるだろうと判断します。

必要なのはIT知識よりも問題解決力。柔軟な頭を持つ若手を
5カ月研修で鍛え上げポテンシャルを引き出す〜ワークスアプリケーションズ

(株)ワークスアプリケーションズ 石崎梨香氏

(株)ワークスアプリケーションズ
リクルーティンググループ
石崎梨香氏
会社概要●大手企業向けERPパッケージソフトの開発・販売・サポート

当社では創業当時から、前職での経験を問わず「問題解決能力が高い第二新卒・若手層」の採用を続けています。そして、彼らが確実に当社の中核として、成長に貢献してくれているという実績があります。異業界出身者ならではの、常識にとらわれない自由で柔軟な発想は、全く新しいERPパッケージソフトを世に生み出すことにつながります。そのため、まずは入社後5カ月間、問題解決能力を徹底的に鍛える研修「問題解決能力発掘プログラム」に集中してもらい、ポテンシャルを開花してもらいます。
前職での業務内容は、選考の判断材料にはしていません。実際、当社で活躍している社員の前職は実にバラエティに富んでいて、国家公務員や銀行出身者もいれば、海外でボランティア活動をしていた人などさまざま。ITの知識よりも「未知の課題を自ら解決できるだけの、高い問題解決能力を備えているどうか」が当社のコンサルタント、エンジニアには大切なのです。

問題解決能力の有無は、面接ですべて測れるものとは思っていません。ですが、これまでの人生の中で問題が起こったとき、自分なりにどのように決断して進んで来たのか…で、ある程度当社との相性や考え方の合致を見ます。そのため面接では、これまでに直面した問題、それに立ち向かった時の自分なりの工夫や考え方などを聞いています。その回答から、何事においても自分で考え判断してきた人なのか、自分で道を切り開いてきた人なのかを見極めたいと思っています。小手先のスキルや、資格などを求めているわけではないので、ありのままに、今まで歩んできた道やご自身の考え方を聞かせてもらいたいですね。

転職のタイミングを逃さない!
リクナビNEXTスカウトに登録してオファーの送信対象者になろう!

企業の第二新卒採用は、足元で大いに盛り上がりを見せています。一方で、国内景気の先行きに不透明感が出始めているため、「転職したい」社会人3年目ぐらいまでの層にとっては今が絶好のタイミングと言えます。
自身の経験、スキルを記した匿名レジュメを登録しておけば、企業側からオファーが届くのが「リクナビNEXTスカウト」。第二新卒採用を積極化している企業のオファー送信対象になるためにも、まだ始めていない方は今すぐ登録を!レジュメでは、前職で自分なりに工夫したこと、努力したことを忘れずにアピールしておきましょう。

スカウトに登録する

EDIT&WRITING
伊藤理子
PHOTO
住吉健介/勝尾仁/林川淳

会員登録がまだの方

会員登録(無料)

会員登録がお済みの方

「今すぐ転職」にも「いつかは転職」にも即・お役立ち!リクナビNEXTの会員限定サービスに今すぐ登録しておこう!

1転職に役立つノウハウ、年収・給与相場、有望業界などの市場動向レポートがメールで届きます

2転職活動をスムーズにする会員限定の便利な機能

・新着求人をメールでお届け

・希望の検索条件を保存

・企業とのやりとりを一元管理など

3匿名レジュメを登録しておくとあなたのスキル・経験を評価した企業からスカウトオファーが届きます

会員登録し、限定サービスを利用する

※このページへのリンクは、原則として自由です。(営利・勧誘目的やフレームつきなどの場合はリンクをお断りすることがあります)