グローバル化、国際会計基準導入で必須スキルに!?

「経理で英語力」のニーズ、必要レベルの実際レポート

海外進出の加速、国際会計基準導入の動きなどから、会社の数字がらみのすべてを担う「経理職」にも国際化の波が押し寄せている。経理職を採用する際、英語力の有無を採用条件に挙げる企業が増えているというのだ。グローバル展開している企業の経理の現場では、実際にどれぐらい英語を使っているのだろうか?そして転職市場における英語力ニーズはどう変わっていくのか?専門家と、実際に英語を駆使して経理として活躍しているビジネスパーソンに取材した。

2010年07月14日

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(株)リクルートエージェント 事務系ゼネラルカスタマー第一マーケット 事務系グループ キャリアアドバイザー/半場美保氏

(株)リクルートエージェント 事務系ゼネラルカスタマー第一マーケット 
事務系グループ キャリアアドバイザー/半場美保氏

経理・財務、会計領域の求職者へのキャリアアドバイス、および転職活動全般のサポートを担当。

今、転職市場での「経理×英語力」ニーズとは?

「できれば英語力がほしい」が企業の本音。TOEIC700以上が目安に

「英語力はできればあったほうがいい」というのが、経理を採用する際の企業の本音ですね。メーカーなど海外子会社を多く抱える企業はもちろん、新たな活路を求めて海外進出を図る企業が増えており、海外子会社や現地法人、取引先と英語でやり取りできる力が重視されるようになっています。
今期より、IFRS(国際財務報告基準)の任意適用がスタートしたことも背景にあります。IFRSは国際的な標準となる会計基準で、原文は英語。上場会社は2015年には強制適用となるため各社とも対応を迫られており、経理において英語力は今後ますます求められるようになるでしょう。

現時点では、「一定以上の経理経験」と「高い英語力」を併せ持つ人はまだ少ないため、会話力よりも、英語によるメールのやり取りや文書の読み書きができれば、まずはOKとする企業が多いですね。20代の若手であれば、経理としての素地があり、英語を学ぼうという意欲があれば採用し、育てるという企業も少なくありません。
ただ、今後はますますどの業界、企業でも必要とされるスキルなので、まだ英語の勉強を始めていない人は、経理としての市場価値を上げるためにも、今すぐ英語の習得に着手したほうがいいでしょう。TOEICでいえば700スコアぐらいが一つの目安です。

英語力はどの程度必要?グローバル企業の「経理の現場」

【外資系メーカー】月次・年次決算レポートを本社に英文報告、役員プレゼンも英語で

外資系機械メーカー
川辺真理子さん
(仮名・42歳)

欧州系機械メーカーの日本支社で、財務会計部門のマネージャーを務めています。部下3人をマネジメントしつつ、監査対応、年次決算、月次レポートを日本語、英語で作成し、本社に報告しています。本社のファイナンス部門や経理担当者とのメールはすべて英語ですし、半期に一度は外国人役員を交えたミーティングにて英語プレゼンを行います。世界の子会社会計担当者全員が本社に集まってミーティングを行うことも。外資ということもあり、英語は業務に不可欠ですね。

以前は、日本企業で経理を担当していました。年齢を重ねるにつれ、会計知識プラスアルファが必要だと痛感し、USCPA(米国公認会計士)の勉強をスタート。会社帰りに2年制のスクールに通い、毎晩遅くまで勉強しました。当時は英語がそれほどできなかったので、初めは英語の長文問題を読むだけでも苦痛でしたが、今までの業務知識を頼りに勉強を続け、徐々に内容が理解できるように。結果的には資格は取れませんでしたが、日本の会計原則だけではない知識がつき、視野が広がりましたね。また、IFRSへの理解必須の環境にあるため、類似性の高いUSCPAの知識が日々役に立っていると感じます。
現在も英語の勉強は継続中。通勤途中はiPadのPodcastでBBCやStanford.eduなどを聴いています
「経理に英語力」は絶対に必要…とまでは思いませんが、これからの時代、英語に対して苦手意識をなくすと、仕事上便利なことが多く、楽しみも増えると思いますよ。

【総合商社】米国会計基準対応のため、決算関連書類はすべて英語で作成

総合商社
佐藤健一さん
(仮名・36歳)

現在、全社の予算管理と、四半期決算、連結決算など決算業務全般を担当しています。世界各国に300以上の子会社があるので、経理業務はすべて米国会計基準。決算短信は日本語と英語の両方で作成し、通期のアニュアルレポートも英語版を作成しています。
以前は、事業部の経理を担当していたので、日常的に海外子会社や取引先と直接英語でやり取りしていました。全社経理になった今は、各事業部から毎日のように新規取引先との取引方法について問い合わせがあるので、それを国際会計基準に照らし合わせて最適な取引方法を考えるという場面で日常的に英語に触れています。米国会計基準は頻繁に内容変更があるため、改訂ルールを常にピックアップして日本語、英語でまとめ直し、周知のために各部署に配布するのも重要な業務です。

もともと英語が得意な方ではなかったので、初めは経理ならではの専門的な用語や言い回しを英語で読み解くのに苦労しました。電子辞書で片っ端から和訳し、読み込む…を繰り返していたら、3カ月ほどで内容が理解できるように。同じような経理用語が何度も出てくるので要は「慣れ」なのかもしれませんが、今では英語の読み書きで不自由することはなくなりました。いずれは海外子会社に赴任したいという目標があるので、今はマネジメントスキルを磨くとともに、もっと英会話力を身につけたいと思っています。
上司には、英字新聞に目を通せとよく言われました。世界の経済情勢を知っておくことは経理の仕事には必要なことですし、仕事上近しいワードもたくさん出てきます。今は仕事で英語を使っていない人も、いずれ必要になったときに役立つと思いますよ。

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