35歳以上の転職成功リアル日記

CASE.2 38歳女性

内々定が出ても「採用中止」で振り出しに。苦渋をなめて、やっとつかんだ安定企業

転職活動期間:2008年9月〜2008年12月(約3カ月間)
  • 応募:50社
  • 書類通過:11社
  • 内定:2社

<商社勤務Bさんプロフィール>

年齢 38歳 最終学歴 専門学校卒業
性別 女性 家族構成 独身、1人暮らし
20歳 空港内の案内業務に3年間従事
23歳 事務系の派遣社員として半導体関連会社など3社に勤務
28歳 IT関連企業の総務に転職
30歳 半導体関連会社で人事職に3年間従事
33歳 IT関連企業の人事職に4年間従事するも、会社が倒産
37歳 IT関連企業の人事職に転職、業績不振で転職を考える

学校卒業後、憧れの航空関係の仕事に就くも、体力的に不安を感じ、長く続けられる事務職に転向。最初は派遣で仕事を覚えたBさんだったが、その後は総務・人事系のスペシャリストとしてキャリアを順調に積んでいく。37歳のとき人事マネージャーを任されていたITベンチャー会社が経営難で倒産。当時は好景気だったこともあり、苦労せずに転職できたものの、入社1年後、またしても会社の業績が悪化。2008年春ごろから転職を考えるようになる。

経営悪化。同僚がどんどん辞めていく

2008年4月19日
転職して1年。会社の業績が悪化。経営陣が総入れ替えになった。大手企業の関連会社だから安定していると思っていたのに大間違い。経営方針が二転三転して落ち着かない。辞める人も続出している。長く勤められる会社だと思ったのに、ここもダメか。転職活動を始めたほうがいいかも。
2008年5月20日
経営方針が不安定で振り回されっぱなし。同じ部署で体を悪くして休職する人も出てきた。「リクナビNEXT」など転職サイトで求人情報をチェックするも、忙しくて応募までは至らない。仕事が落ち着くまで待つしかないか。
POINT1 すきま時間を利用して、転職活動を

「忙しくて転職活動ができない」という転職希望者は多い。しかし、まとまった時間は取りづらくとも、1時間くらいの時間は作れるもの。成功者は、そういった「すきま時間」をうまく利用しているのだ

<4カ月後>

2008年9月28日
仕事もひと段落。転職活動を始めようと思ったら、リーマン・ブラザーズの破たんを機に世の中全体が不景気に。採用件数も減っているような気がする。このまま不景気が長引いたらどうしよう。景気が安定しているときに本腰を入れて転職活動すればよかった。今動くのは損かもしれないけど、うちの会社も危ないし、倒産する前に動くしかない。2年前に転職活動したときはそんなに苦労しなかったし、きっと大丈夫。

多忙の中、転職活動スタート

2008年10月3日
手始めに、「リクナビNEXT」など転職サイト3社、「リクルートエージェント」など人材紹介会社2社に登録。会社から帰宅後、深夜までやっているのだけど、なかなか終わらない。意外と手間がかかる。数日費やしてしまった。
POINT2 人材コンサルタントと仲良くなろう

「人材紹介会社には登録するべきですが、不況のため登録者が急増しているせいか、登録しても面談してもらえない場合もあるようです。登録してしばらく経つと、人材紹介会社からの紹介がほとんどなくなってしまうこともあります。そんなときは自分から紹介会社のコンサルタントに電話すること。『採用がない』と言われても、めげずに週1度のペースで電話を入れましょう。こちらの必死さをアピールし続ければ、いい案件を優先的に回してくれる可能性大です」(佐々木氏)

2008年10月8日
転職サイトから数社選んで応募を始める。人材紹介会社からも40社ほど、会社を紹介してもらったが、条件に合う会社に絞って2社応募する。しかし、すぐに不採用通知が。その後、数社応募するも書類審査に通らず。なぜだろう。年齢のせいか。2年前と全然違う。とにかくショック。
POINT3 派遣会社名は省いてもいい

人事のスキルを身につけるまで、派遣社員で数社勤務していたBさん。転職回数が多く見えないように、派遣期間の書き方に気を配った。「派遣社員」と明記したうえで、所属していた派遣会社名を省き、派遣先の名称とそこでの仕事内容を簡単にまとめるだけにとどめた。

POINT4 自己PR文はキャッチで勝負

Bさんの場合、自己PR文は職務経歴書の最後に10行前後つける程度だったが、ほかの応募者と差をつけるために、別の用紙にあいさつ状代わりに自己PR文をつける方法もある。その際、自己PR文作成のポイントとして佐々木氏が上げるのは「キャッチ」だ。「自己PR文には、『売り上げを2倍にします』といったセンセーショナルなキャッチをつけ、採用担当者の目をひくように工夫しましょう」(佐々木氏)。確かに「売り上げが2倍」なら、採用条件に合わない人でも「会ってみたい」と思う人事は多いはず。あとは面接で勝負というわけだ。

2008年10月10日
くよくよしててもしかたがない。少しでもいいなと思った企業にはとりあえず応募することにした。人材紹介会社の担当者から「今は条件のいい求人には、一日で何十通と応募がくるので、募集初日に締め切ってしまうことも多い」という話を聞き、とにかく迅速に応募することを心がける。
2008年10月15日
転職サイトが更新される日には、お昼休みに会社を抜け出してネットカフェでチェック。フリーメールに送っておいた応募書類を転送するというやり方で、募集がアップされた日の午後1時までには応募できるようにした。
POINT5 あえて「どこにでも通用する」応募書類を作成

不況下の中高年の応募では「とにかく早く大量に出す」ことが最重要課題。在職中に転職活動をしていたBさんは時間がなかったため、「履歴書、職務経歴書ともにワープロソフトで作成、自己PR文もどこの会社でも通用するものをあいさつ状代わりにつけていた」とか。転職コンサルタントの佐々木氏も今の時代はあえて手書きにする必要はないと語る。「中高年者の場合、応募書類がなかなか通りにくいため、いかに数多く応募できるか、が勝負の分かれ目となります。機会損失が一番のデメリット。応募書類は、企業ごとに変えないですむような内容のものを1つ作成するよう指導しています」(佐々木氏)

2008年10月20日
初めての面接。IT企業A社。有給休暇を取ってはりきって臨むも、人事担当者から「なぜ入社して1年で会社を替わるのか」と突っ込まれる。「業績不振だから」と話すと、あまりいい顔をされなかった。前の会社は「倒産」だったのだが、そのときは「大変でしたね」と同情されたのに。「少し会社が傾いたくらいで辞めるような人はいらない」と思われたようだ。人事は管理部門だから特にそう思うのかもしれない。次の面接では、もっとうまく言わねば。ここは不採用だったけど、次に備えて、振り返りをしよう
POINT6 応募書類は企業の反応を見て直そう

自分のウリは自分ではなかなかわからないもの。Bさんは面接での反応をもとに職務経歴書を書き直していったという。Bさんの工夫点は「経歴を現在の仕事から過去にさかのぼるように書いていったこと」だ。「新卒で入った会社の業務などは、興味を示さない面接担当者が多かったんです。興味があるのは、ここ3、4年の業務だけ。それなら職務経歴書は現在の仕事から書いていったほうがいい。分量も昔の仕事は少なめに、と調節しました」(Bさん)

POINT7 できることを箇条書きで具体的に書く

「面接で『あなたのできることは何なのですか』と聞かれることが多かったんです。人事の仕事ができます、だけでは具体的なイメージが伝わらないんですね。それで、職務経歴書に『活かせる経験』という項目を作って、『採用(9年):人員計画、採用活動計画、選考と入社手続き』というように具体的にやってきた仕事内容をまとめました」(Bさん)

POINT8 自分の姿をビデオに撮ってみる

「家族の人に面接官になってもらい、自宅で面接の練習をすることをお勧めします。その際、自分の姿をビデオに撮ってみてください。人から指摘されるより、映像で客観的に自分を見るほうが効果的です」(佐々木氏)

2008年10月21日
転職活動のことを同僚に相談。彼女も辞めたがっているようだ。
2008年10月22日
自分より若い同僚たちが次々と転職先を決め、辞めていく。やはり20代は早く決まるんだなあ。スキルは私のほうがあるのに…。やり切れない。
2008年10月23日
IT関連の韓国の日本法人B社から、面接のオファーが来た。応募先から提示された日にちの中で、最も早い日にちを選ぶ。面接も迅速に対応しないと、ほかの人に決まってしまうかもしれない。次の日、1次面接に向かう。
2008年10月24日
IT関連の韓国の日本法人B社の2次面接。業界知識があること、長く勤められる会社を探していることをアピール。「ぜひ来てほしい」と言われる。やった。内々定が出た。最終面接で給与交渉をしよう
POINT9 給与交渉は内定後がいい

「こんな時代だからといって、希望年収を下げる必要はありません。しかし、まずは内定をもらうことが最優先。給与など条件交渉は内定後にすればいいのです。そのほうが応募者にとって有利に話を進めることができます。そこで折り合いがつかなくとも、内定をもらえた安心感で別の会社の面接もうまくいきます」(佐々木氏)。

2008年10月27日
ITベンチャーC社の1次面接。午後には別の会社の面接も入っているので、有給を使う。交通費もかさんできたので、外食を控える。忙しくて飲みにもいけないから、ちょうどいいか。
2008年10月30日
IT関連の韓国の日本法人B社から採用中止になったと連絡が入る。本当にショック。どうやら韓国にある本社の経営不振が原因のようだ。ウォン安だからなあ。せっかく決まりそうだったのに。ひどく落ち込む。

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