【未・既婚】【子どもあり・なし】【住宅ローンあり・なし】でどう違う?

30歳・ビジネスパーソン300人の「家計」大調査

誰しも、他人の懐事情は気になるもの。とはいえ、何にどれくらいお金を使っているのかなんて、親しい間柄であってもなかなか聞きにくいものだ。そこで、30歳・年収400万円のビジネスパーソン300人を対象に、「世帯のお金の使い方」について調査を実施してみた。あなたの世帯と比べてみてどうだろうか?

2012年5月23日

「世帯のお金の使い方」についての調査

調査対象:東名阪に在住の30歳・額面年収400万円のビジネスパーソン300人。それぞれの世帯を以下3つに分類し、調査を行った。
(1)未婚者世帯(100名)
(2)既婚者・子どもなし世帯(100名)
(3)既婚者・子どもあり世帯(100名)
調査方法:インターネット上で実施(メディアパーク)
実施期間:2012年5月16日(水)から2012年5月18日(金)

<ADVISER>

あるじゃんネット編集長<br>
2級ファイナンシャル・プランニング技能士<br>
佐藤小雪氏

あるじゃんネット編集長
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
佐藤小雪氏

2003年出版社に入社、女性誌の編集にかかわる。2007年オールアバウトに転職、マネー誌『あるじゃん』編集として家計管理、貯蓄、投資、保険などのマネー記事を制作する。2012年4月から現職。「初心者にもわかりやすく」をモットーに、マネー情報を発信している。
あるじゃんネット http://allabout.co.jp/argent/

「あなたの世帯のお金の使い方は?」
300人のビジネスパーソンにアンケートを実施

Q1.あなたの世帯の現在の「貯蓄額」を教えてください

まず、現在の貯蓄額については、「(1)未婚者世帯」と「(3)既婚者・子どもあり世帯」が「500万円〜999万9999円」、「(2)既婚者・子どもなし世帯」は僅差で「100万円〜149万9999円」が最多だった。
「既婚者はいずれも3割が『100万円以下』となっていますね。特に子どもがいる場合はなかなか貯蓄に回すのが難しいかもしれませんが、一方で『300万円以上』と回答した方が35%います。これは“お金に対する意識の差”がそのまま出ているのかもしれませんね。額面年収400万円では、意識をしないとなかなかお金は貯まらないもの。いざというときのために、一カ月にかかる生活費の6カ月分の貯蓄を確保したいものです」(あるじゃんネット編集長・佐藤小雪氏)

毎月の貯金額についても聞いたが、「(1)未婚者世帯」は「5万円台(20%)」、「(2)既婚者・子どもなし世帯」は「2万円台(16%)」、「(3)既婚者・子どもあり世帯」は「3万円台(21%)」が最多という結果に。
「『子どもあり』の人は、意識して貯蓄しようとされている方は貯められているようです。『0円』が13%いるのはある程度仕方がないのかもしれませんね。しかし、『子どもなし』の12%が『0円』という結果にはびっくりです。独身時や、結婚して子どもが生まれるまでの時間は、貯蓄をするには絶好の時。この間にきちんと貯蓄できていないと、子どもが生まれてからの出費、教育費や住宅を購入する場合に対応できません。できれば、毎月の手取り額の2割は貯蓄に回したいものです」(佐藤氏)
収入から支出を引いた残りを貯蓄するのではなく、「収入から貯蓄額を引いて、その残りで生活する」という方法が、“貯めるための鉄則”だそうだ。

ちなみに、既婚者のみに「家計の管理は誰が行っているか」を質問したが、「(2)既婚者・子どもなし世帯」では「夫婦で分担して管理(39%)」が最も多く、「(3)既婚者・子どもあり世帯」は「妻がすべて管理(46%)」が最多という結果に。
「実は、貯蓄できるかどうかの差は、夫婦それぞれがちゃんと家計に関心を持っているかどうかなんです。『これには使う/使わない』という優先順位づけを2人でできている世帯は、貯蓄ができています。夫婦の一方しか家計・貯蓄の状況をわかっていないのはNGですよ」(佐藤氏)

Q2.あなたの世帯の毎月の「食費」はおいくらですか?

続いては、出費についての質問。食費については、「(1)未婚者世帯」と「(3)既婚者・子どもあり世帯」で「2万円台」が最多だった。「(2)既婚者・子どもなし世帯」の最多が「3万円台」ということで、結果からみると「家族が増えれば食費も増える」とは一概にはいえなさそうだ。食費については、家計を切り詰める際に真っ先に見直したい部分で、意識的に管理できている世帯とそうでない世帯の差が出やすいといわれる。実際に、「(3)既婚者・子どもあり世帯」では「4万円台」「5万円台」「6万円台」がほかの属性に比べて多くなっていることからも、「家族が多い分、気がついたら使ってしまっている」という世帯も多いのかもしれない。

マイカーについても調査したが、車を持っているのは「(1)未婚者世帯」が35%、「(2)既婚者・子どもなし世帯」が65%、「(3)既婚者・子どもあり世帯」が81%という結果に。どの属性でも、毎月の車両維持費は「1万円〜2万円未満」という人が多かった。ほかの出費が多くなりがちの「(3)既婚者・子どもあり世帯」の8割以上が車を所持しているということで、車両維持費を捻出するために、そのほかの出費を削っている姿が目に浮かんできそうだ。

Q3.あなたの世帯の「毎月の各種ローン(住宅、マイカー、教育、トラベルなど)」は
おいくらですか?

各世帯に「現在の住まい」についての調査を実施したところ、以下のような回答をもらった。

(1)未婚者世帯
「集合住宅/賃貸」55%
「一戸建て/新築で購入」24%

(2)既婚者・子どもなし世帯
「集合住宅/賃貸」58%
「一戸建て/新築で購入」18%

(3)既婚者・子どもあり世帯
「集合住宅/賃貸」30%
「一戸建て/新築で購入」40%

子どものあり・なしで、住まいの選び方に差が出ているようだ。
「ローンの額と併せてみると、子どもが増えたのをきっかけに、持ち家に移行する人が多いことがよくわかりますね。ただ、気になるのは毎月のローン返済が10万円以上という人が1割もいるということ。額面年収400万円の世帯では、ギリギリの数字ともいえます。貯蓄が少ないなどで『頭金があまり用意できなかった』というケースかもしれませんが、この額では、そのほかの出費を圧迫している可能性が高そうです」(佐藤氏)

Q4.あなたの世帯の毎月の「投資額(株、債券、FX、投資物件など)」はおいくらですか?

どの属性でも半数以上が投資をしていない。特に、子どもがいると投資にはお金がかけられないのか、実に3分の1の人しか投資を行っていないことがわかった。しかし、投資を行っている人の金額の内訳をみていくと、どの属性も1万円以下が多い一方、「(3)既婚者・子どもあり世帯」は「1万円〜2万円未満」の割合が多い。投資をしている人は少ないが、行っている人の多くが、ある程度のまとまった額をあてているということのようだ。
「限られた給与の中で、家計をやりくりしながら貯蓄もしていくとなると、投資にあてている場合ではなくなるのは仕方ありません。しかし投資というものは、マクロな経済に関心を持つきっかけになり得るもので、ビジネスパーソンとしての力を培うことにもつながるものなのです。1000円からでも始められますし、積立投信などを利用してリスクを抑えるなど、選択肢もさまざま。今、家計に余裕がある人であれば、毎月少しずつでも投資に回してみるというのも損なことではないと思いますよ」(佐藤氏)

Q5.将来に対して金額面で不安はありますか?

どの属性においても、8割以上の人が「不安」と回答。これまで見てきた貯蓄額や支出の内訳、ローン金額などから想像しても、不安を感じている人が多いことには納得できる。特に「(3)既婚者・子どもあり世帯」にいたっては、97%が不安を感じている。
「デフレで物価が下がっているといわれていますが、日本政策金融公庫の2011年度の調査では、在学費用負担は家計の37%と、高止まりしています。子どもを持つ世帯にとっては、教育費に対する不安は今後も深刻なものになっていくでしょうね。家計を考えていくうえでは、『長期的な視点で計画を立てる』のが大事なのですが、雇用不安や年金の問題などで『先々まで読めない』という状況が続いていることが、いっそう不安を増長しているのでしょう」(佐藤氏)

Q6.あなたの世帯の家計について、不満に思うことがあれば教えてください

最後に、フリーコメントで記入してもらった「家計に対する不満」を紹介していく。
どの属性でも多かったのが、「自由に使えるお金が少ない」という声。これは、既婚者に比べれば少ないものの、未婚者にも多く見られた。また、「貯蓄ができない」という不満も多数。面白いのが、「専業主婦の妻の浪費に対する苛立ち」で、この不満は「(3)既婚者・子どもあり世帯」の人からしか聞こえてこなかった。
「年収400万円」という額そのものに対する不満は、どの属性においても多い。しかし、これまでのアンケート結果で見てきたように、お金への意識を高く持つことで、うまくやりくりできている人はいる。特に既婚者にとっては、お金の問題は一人の問題ではないため、面倒くさいことだと考えがちだ。しかし、だからこそ夫婦間できちんと話し合って、価値感をすり合わせおくことが大事なのかもしれない。

【(1)未婚者世帯】
「勉強したり、自己投資にあてるお金が捻出できない」(メーカー/技術系)
「一人暮らしとはいえ、通信費が高すぎてほかの出費を圧迫している」(その他/事務)
「税金が高すぎて手取りが少なく、貯蓄ができない」(IT・通信/技術系)

【(2)既婚者・子どもなし世帯】
「自分のお金については把握できているが、妻の出費のことはわからないのが不安だし不満」(建設/技術系)
「家計を管理する妻のほうが趣味を満喫しているように感じる。不公平に思えてやりきれない」(メーカー/技術系)
「子どもができたときのことを考えて、貯蓄ばかりしている。自由に使えるお金がもっとほしい」(IT・通信/技術系)
「貯蓄が満足にできていないため、家を先に購入するか、子どもを先につくるか、選択を余儀なくされている」(建設/事務系)
「子どもができたら生活を変えなくてはいけないのでは…というのがストレス」(流通・小売り/サービス・販売系)
「健康状態が悪化しているが、お金に余裕がなく、なかなか病院に行かせてもらえない」(IT・通信/技術系)

【(3)既婚者・子どもあり世帯】
「給料が安すぎる。仮に今の額のままで、子どもを大学まで行かせることができるのか…」(メーカー/技術系)
「税金が高いので、生活費を削らざるを得ない」(その他/技術系)
「家族そろって出掛けるだけの余裕がない」(サービス/技術系)
「子どもにお金がかかりすぎる!」(流通・小売り/事務系)
「妻にも働いてもらわないと、家計が破綻する」(商社/事務系)
「妻の金遣いが荒い」(マスコミ/営業系)
「ローン返済が最優先で、生活がカツカツ」(メーカー/技術系)
「教育費が高すぎる」(サービス/技術系)
「年金は本当にもらえるの?もらえないのなら、払わずにその分をほかの支出にあてたい」(IT・通信/技術系)

今後の自分や家族の“あり方”を考え、お金と付き合おう

年収は同じでも、置かれた状況によってお金の使い方は大きく変わる。また自分自身が今後どんな人生を送っていきたいかによって、必要となるお金も変わってくるだろう。いま感じている不安や不満も解消できるよう、この機会にプライベートも含めた人生設計を考え、自分自身のお金との付き合い方を見つめ直してみるのもいいかもしれない。

リクナビNEXTスカウトで、自分の市場価値を分析してみよう

リクナビNEXTスカウトに自身の経験やスキルを盛り込んだレジュメを登録しておくと、これまでに検討したこともないような、思いがけない新しい仕事との出会いがあるかもしれない。自身のスキル・経験のどの部分が評価されるかが理解できれば、今後のキャリアアップを考える参考にもなるはず。まだ始めていない方は、今すぐ登録を!

スカウトに登録する

EDIT&WRITING
志村 江

会員登録がまだの方

会員登録(無料)

会員登録がお済みの方

「今すぐ転職」にも「いつかは転職」にも即・お役立ち!リクナビNEXTの会員限定サービスに今すぐ登録しておこう!

1転職に役立つノウハウ、年収・給与相場、有望業界などの市場動向レポートがメールで届きます

2転職活動をスムーズにする会員限定の便利な機能

・新着求人をメールでお届け

・希望の検索条件を保存

・企業とのやりとりを一元管理など

3匿名レジュメを登録しておくとあなたのスキル・経験を評価した企業からスカウトオファーが届きます

会員登録し、限定サービスを利用する

※このページへのリンクは、原則として自由です。(営利・勧誘目的やフレームつきなどの場合はリンクをお断りすることがあります)