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エンタメ市場でヒット ギャル系の新市場開拓!

「mama nuts×ageha」 編集長のお仕事

「age嬢」などの流行語を生んだファッション誌『小悪魔ageha』と、『nuts』。この2誌の読者の絶大な支持を受けて今秋誕生したのが『mama nuts×ageha』。10〜20代前半を中心とした、いわゆる「ギャル系ママ」たちのためのファッション誌だ。初版10万部は完売。雑誌低迷とも言われる昨今、編集長・山下氏は新たなる読者市場を創出した!

『mama nuts×ageha』
『mama nuts×ageha』の編集長として、新雑誌を立ち上げました。当初は私を入れて4名で制作(現在は6名)。企画案を練り、読者にリサーチをして、創刊イベントの実施計画などを遂行。

インフォレスト株式会社『mama nuts×ageha』編集長 山下綾子氏(38歳)

大学卒業後、保険会社に入社。3年間、営業を経験した後、トレーナー職に。28歳のとき、情報誌などの編集記事制作を行う編集プロダクションへ転職。編集業務に携わる。34歳でインフォレストへ転職。PR誌やフリーペーパーなどの制作を一任され、2008年4月から現職。

これまでなかった「ギャル系ママ」向け雑誌。彼女たちのリアルな意見、等身大のモデルを取り上げてヒットした『mama nuts×ageha』

創刊時の反響は?

初版は10万部完売しました。また、創刊記念イベントとして渋谷109で「スナップ撮影会」を行いましたが、ギャルママ(お子さんを持つ若いお母さん)たちが子どもを連れて、1000人も来てくださって。ビルの前から道玄坂の交番前まで長蛇の列ができたんです。昨今、スナップ撮影会でこれほど人が集まることは稀。当日まで毎日のように編集部に問い合わせの電話が入り、慌てて整理券の用意をしたほどです。

創刊のきっかけは?

弊社には『nuts』『小悪魔ageha』という、「ギャル誌」があります。この2誌に毎月送られてくる膨大なアンケートハガキのうち、25%ほどがギャルママからのハガキ。両誌ではギャルママを対象とした記事を毎号1ページほど掲載していますが、そうした記事をもっと読みたいという声がとても多くて。自分たちと同じ価値観、同じファッション志向のギャルママをモデルにした、もっと身近な印象のママ雑誌を求めていました。彼女たちの願いを形にできるのは、その声がたくさん集まるうちしかない!と思いまして。

また、先の2誌に関わってきたスタッフらが「ギャルと呼ばれるコたちの後々までを見据えて、そのライフスタイルを投影した雑誌を作り続けたい」と、そんな壮大な夢を抱いたこともこの雑誌を創刊した理由の一つです。

左から『小悪魔ageha』『nuts』『mama nuts×ageha』。いわゆるギャル系の女のコたちに人気の3誌

これほどのヒットは予想通り?

いえ、ちょっと意外でした。年間出生率から、世代別・志向別に大まかなギャルママの割合を算出したとき、約30万人がこの雑誌の読者対象になるかなぁと考えた程度で、「ギャルママ」という市場について明確なマーケティングデータは持っていませんでしたから。結果的には、読者対象の3人に1人が購入してくれた計算で、10万部が売れた。ターゲティングしたうちの3人に1人が買ってくれたという商品は、なかなかないと自負しています。

ずばり、ヒットの要因は?

編集者が発信者となり、自らの興味あるテーマや半歩先の流行を読者に提示する雑誌もあると思いますが、弊誌では、読者であるギャルママたちが発信者となり、彼女たちが今知りたいことを第一に、彼女たちのリアルな意見に基づいた雑誌を作ろうと決めました。それがヒットの要因だったと思います。創刊準備は約半年前に開始。毎日10人程度のギャルママたちに編集部へ来てもらい、知りたいこと、読みたい記事などのリサーチをしました。電話で500人アンケートも行いました。ギャルママたちのリアルな意見を集めることに注力したのです。

編集長として山下氏がこだわった巻頭グラビアと、親子おそろいスタイルの記事企画。
「女性は子どもを生むと、感受性が高まり、空も海も、周りがすべてキラキラ輝くのではないか。そんな思いで撮影した巻頭グラビアです。また、親子でおそろいの洋服を着たり、親子で写真を撮ったりというのは、今しかできないママたちの特権。それを形にしたくて」(山下氏)

この雑誌に関わって一番嬉しかったことは?

妊娠中の読者モデルのコが、撮影中に「あ。まだ私頑張れる」と言ってくれた。ギャルママたちは、ママになることで、夜遊びができない、おしゃれができないと、なんとなく寂しい気持ちになることもあるようです。しかし、その読者モデルも、子どもが生まれてもおしゃれはできるし、子どもが居てくれることでもっと幸せになれる、いろんなことをあきらめなくていいんだ!と、この雑誌を通じて感じてくれたようです。

たくさんのギャルママたちと出会って「ママになってよかったこと」を聞くと、子どもが居てくれること、子どもの存在そのものがよかったことだと。そのうえ頑張れるようになったとも。学校や仕事を途中で辞めたり、なんとなく目標がなかったコたちが、子どもを授かったことによって強くなれて、生きる使命を感じていることがわかりました。そんな彼女たちと出会えたことが、やはり嬉しかったです。

この雑誌のコンセプトは、「(ギャル)ママたちにハッピーになってほしい」ということ。そのためには、どんどんおしゃれをしてほしいし、子どもと一緒にかわいらしい格好もしてほしい。ママだからこそできる喜びってあるよねということを、誌面を通じて伝えてたくさんのギャルママたちに元気になってほしい。もともと、生きることに一生懸命で貪欲に人生を謳歌しようとする彼女たちを、勇気づけて応援してあげられる存在でいたいと思います。

これまでの経験は、どう活きた?

前職は編集プロダクション勤務なので、基本的な編集経験はありました。しかし、この『mama nuts×ageha』は関わったことのない世界。ギャル系市場について知識がなかったし、彼女たちが求めるものも初めはピンときませんでした。でも、知らないことがむしろ強みだったのかも…。他誌の編集長や年下の編集者にも迷ったことや知らないことは、どんどん聞いて回りましたから。全く新しいものを作り出す仕事では、経験以上に好奇心が武器になるのではと思います。

編集長として5人の編集者を束ねる

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