ビリーズブートキャンプ、クリスピー・クリーム・ドーナツ・・・2007年上半期 ヒット商品の舞台裏 2007年上半期ヒット商品の舞台裏
2007年上半期、テレビ・雑誌・インターネットなどで話題に上ったあの商品。ヒットのかげには、商品を生み、育てた人たちの苦労と感動のエピソードが満載。今回は、その「ヒット商品の舞台裏」をご紹介します。
ビリーズブートキャンプ 日本を席巻!「ビリーズブートキャンプ」商品開発マネージャーの仕事
東京ミッドタウン 都心のNEWランドマーク誕生「東京ミッドタウン」開発担当の仕事
クリスピー・クリーム・ドーナツ 連日行列。新食感スイーツ「クリスピー・クリーム・ドーナツ」PR担当の仕事
ケータイ小説『魔法の図書館』 女子中高生が熱狂。ケータイ小説「魔法の図書館」編成担当の仕事
ハンディカムHDR-UX7 プロ並みの映像にパパママ満足「”ハンディカム”HDR-UX7」宣伝担当の仕事
日本を席巻!エクササイズプログラム「ビリーズブートキャンプ」商品開発マネージャーの仕事
販売開始から約半年、インターネットの口コミなどのおかげもあり大ヒット商品に育ちました。  株式会社オークローンマーケティング商品開発部 責任者二村栄子氏
ヒットの予感
若い世代を中心に、インターネットで盛り上がっていた
私は、テレビ通販で放送するための映像制作の管理や、商品の販売戦略を行うチームのマネージメントをしています。昨年、メンバーの1人がアメリカのサプライヤーから『ビリーズブートキャンプ』を紹介され、ぜひ当社で扱ってみたいということになりまして。エクササイズを指導するビリーというキャラクターが魅力的だし、アメリカでは大型スーパーでも店頭に並ぶポピュラーな商品ということでしたが、「これが日本市場でうけるかな」という疑問はありました。DVDを見ながら自宅でエクササイズを行うという習慣が、日本ではあまり浸透していないように感じたからです。でも「まずはやってみよう」という当社の社風もあり、取り扱うことに。しばらくすると、どうやら若い世代を中心に、インターネットの掲示板などで「ビリーはすごい」「ビリー見た?」などの書き込みや情報交換が、活発に行われていることがわかりました。それで、これはもしかしたらいけるかな?と期待をしたわけです。
キャラクターの威力
ビリー来日で会社の中は連日お祭り騒ぎ
ところが販売開始から3〜4カ月は、さほど手ごたえが得られなくて。それでもインターネット上の口コミに励まされ、2007年の年明け、映像を改定してテレビ通販番組で放映しました。そのあたりから急に、お客様のレスポンスが上がりまして。体験者の感想や体形変化を追った映像などを盛り込む編集手法が功を奏したと自負していますが、メタボリック対策の推進など、社会的風潮の後押しもあったかもしれません。でもいちばんは、やはりビリーというキャラクターのおかげ。ビリーがビシビシ指導するわけですが、これがDVDとはいえ気が抜けない(笑)。目の前に厳しい指導者と仲間がいる「参加感」が得られることも、新鮮で面白いですしね。商品開発としては、ぜひビリーを日本に招いて勢いをつけようということになり、先ごろ来日が叶いました。空港には「隊長(ビリー)に会いたい!」というファンがつめかけ、マスコミの反応もものすごく、当の私たちは驚きながらも、もう嬉しくて。ビリーが滞在した期間は社内もお祭り騒ぎのような状態で、通常業務どころではありませんでした。しかし、その期間もご注文は殺到しましたから、お客様のケアに支障が出ないよう、かなり神経を使いました。
紆余曲折とヒットの実感
立ち止まらずにヒット商品を出し続けたい
今年に入ってからの『ビリーズブートキャンプ』のヒットは、私たちの想像以上でした。それまではこの商品の効果や効能をどう伝えようか、どう販売していこうかで、担当者と共に多々悩みました。例えば、吹替版DVDを出すべきではという意見もありました。しかしビリーが、エクササイズを促す言葉の韻・リズムを非常に大事にしているため、安易にトランスレートできず、字幕版のみでの販売継続を決定せざるを得なかったり。しかし購入いただいたお客様から「もう5回目です(プログラムは7日間でワンセット)」「痩せました」「友達にも薦めたい」などの声をいただけるのが嬉しい。ヒットすればそれだけ、お客様からの反応もたくさんいただけるわけで、非常に励みになります。この商品に続き、お客様に認めてもらえる商品を次々出していくことが、今、いちばんの目標ですし、立ち止まらず常に上を目指せと、自分自身にもメンバーにも日々、声を掛けています。
2007上半期 ヒット・エクササイズ
ビリー来日で日本のファン興奮『ビリーズブートキャンプ』
DVD映像画面
フィットネス界のカリスマ「ビリー隊長」指導による、米国軍隊式のエクササイズDVDが、2007年年明けから大ヒット。6月に本人が来日した際は、テレビ番組を中心にビリー旋風が巻き起こった。購入者らはエクササイズプログラムの開始を「キャンプイン」と呼び、何度も繰り返しトライして楽しんでいる。http://www.
shopjapan.co.jp
オークローンマーケティング受付風景
同社ブランド「ショップジャパン」のベストアイテムになった『ビリーズブートキャンプ』。ビリーが同社に訪れた際は、彼をひと目見ようと、近所のビルの窓や路上に人が鈴なりとなった
商品写真
全米ではヨガやピラティスと並び、セレブ御用達のエクササイズプログラム。インターネットや口コミからじわじわと人気が出始め、一大ヒット商品に成長
株式会社オークローンマーケティング商品開発部 責任者 二村栄子氏 プロフィール
前職はマスコミ関連会社。タレントマネージメントや番組制作に携わる。1999年、オークローンマーケティングに転職。コールセンターなどを経て現在、商品開発部門のマネージャー業務に従事。
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都心のNEWランドマーク誕生「東京ミッドタウン」開発担当の仕事
「日本を再び元気にする」その理念を見失うことなく取り組んだことが成功の要因だと思います。 三井不動産株式会社東京ミッドタウン事業部 事業グループ統括松藤哲哉氏
ヒットの勝因
「世界のどこにもない都市」の創造を目指しました
今年3月30日にグランドオープンしてから4カ月たちますが、以来、多くのお客様に足を運んでいただいています。当初、GW以降の客足は鈍るかもという予想もしましたが、その予想に反し、今でも私たち自身も驚くほどの賑わいを見せています。それだけ多くの人々に支持された要因はいろいろ考えられますが、つきつめれば何事においても妥協せず、思い描いていた通りのものをつくり上げることができたからだと思います。もともとこのプロジェクトは「日本を再び元気にする」というコンセプトでスタートしました。世界のどこにもない、快適でカッコいい都市空間を創造しよう、そうすれば国内はもとより世界各国から人々が集まり、その結果として日本は元気になれるはずだと。普通、これほど大規模なプロジェクトですと、関わる人数が多いので、少しずつ方向性がズレたりしますが、今回はメンバー全員が共通のイメージを共有し続け、コンセプト通り、形にすることができました。それが一番の勝因なのは間違いないと思っています。
「唯一無二」へのこだわり
海外の主要都市にも出張し、新しいショップを探し回りました
私は、レストランやショップなど商業施設の誘致を担当しました。まずはどこにどんな店を配置するか全体の構成を決め、それぞれカテゴリーごとに出店企業を検討。ターゲットが決まったら出店交渉を行うという流れです。今は世界中どこに行っても大都市には複合型の商業施設がありますが、それらの店舗構成はほとんど一緒。メインフロアにはヨーロッパのラグジュアリーチェーンの高級ショップが並んでいて、その周囲にナショナルチェーンが配置されている。そこで、私たちはそのスタイルから脱却することを考えました。つまり、単に有名ブランド店を並べるのではなく、「ここでしか手に入らない」「ここでしか食べられない」ということに重きを置いたのです。そのため、出店企業の選定にはかなりの時間と労力を費やしました。パリ、ロンドン、ミラノ、ニューヨークなどの都市に行き、まだ日本に紹介されていないショップを発掘。一方で有名ブランドチェーンに対しては、既存店にはない特色を持った店を出店してほしいと働きかけました。最終的には世界に類のない店舗構成にできたと自負しています。
海外メディアからも高評価
東京ミッドタウン近くに引越し、都心生活体験
今回のプロジェクトは「世界に発信する」というコンセプトで取り組みましたが、それと同時に地域で暮らす人々、つまり都心生活者に満足していただくことも重視しました。そのため、実際に都心で暮らしている人々にヒアリングを重ねたのですが、やはり私自身も、都心生活者の暮らしを体験してみなくてはと考え、東京ミッドタウンのすぐ近くに住まいを移しました。実際に暮らしてみると、日用品を買える店が少なかったり、どんな不便があるかがよくわかりましたし、引越したことで得たものは大きかったです。そういえば、先日ちょっと嬉しいことがありました。海外のあるメディアに、東京ミッドタウンが取り上げられていたのですが、「全体のデザイン、店舗構成など非常に独創的で注目に値する」ととても好意的に書かれていたんです。あらためて、私たちの立てたコンセプトや完成のために行なってきたことは、間違いではなかったと大いに勇気づけられました。
2007上半期 ヒット・エリア
六本木に誕生したNEWランドマーク『東京ミッドタウン』
東京ミッドタウンイメージ写真
東京・六本木の旧防衛庁跡地および赤坂9丁目再開発計画により、今年3月に誕生した複合都市。地上54階、高さ248mを誇るミッドタウン・タワーをはじめとする6つの建物と広大な緑地からなり、オフィス、ホテル、住居、ショップ、レストランなどさまざまな機能を備える。オープンから3カ月間で約1100万人を集客したhttp://www.tokyo-
midtown.com/
東京ミッドタウンイメージ写真
施設内では、シーズンごとにさまざまなイベントを実施。現在は「ミッドタウンガーデンカフェ」を出店している(8月25日まで)
三井不動産株式会社東京ミッドタウン事業部 事業グループ統括松藤哲哉氏 プロフィール
大学卒業後、三井不動産に入社。土地有効活用の提案、住宅分譲用地の仕入れなどに携わる。2003年4月、東京ミッドタウン開発プロジェクトのメンバーになり、商業施設の誘致やオープニングの宣伝・PRを担当。現在はイベントの企画運営などに従事。
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連日行列。新食感スイーツ「クリスピー・クリーム・ドーナツ」PR担当の仕事
おかげさまで今でも平均1時間半待ちの行列。ヒットの裏には寝ずの準備がありました。 クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン株式会社(KKDJ)PRアシスタント・マネージャー神事まゆみ氏
開店までの舞台裏
日本初出店ゆえのさまざまな障害に重圧は最大級
KKDJが設立されたのは、昨年秋。オープンは年末も押し迫った12月15日でした。以来、半年経った今も、お客様にお並びいただくほどの人気。商品に誇りも自信も持ってはいましたが、まさかこれほどとは!と、私たち自身がいちばん驚き、喜んでいます。しかしオープン前までは、重圧からくる不安と焦りの日々。オープン日がなかなか決まらなかったのが原因でした。アメリカからの原材料の輸入が間に合わない、アメリカから輸入したドーナツマシンが動かないなど、日本初出店ゆえの問題も山積。PR担当の私には、各メディアからオープン日の問い合わせも毎日のように入るものの、リリースが出せない。リリースのタイミングを逸すると、せっかくのPR機会も失う。仕事をこなすスピードと決断の速さが勝負の数カ月、正直いえば、自信を失いそうになったことも度々でした。
ヒットの実感
開店3日間で来店者1万人。その感動は今でも続いています
諸問題をクリアしてオープン日も決まり、その3日前にプレスプレビューを開きました。集まってくださったのは約70媒体・100人ほどの報道陣。PR担当の自分が動くことで集まってくださった媒体の数だけ、多くのお客様に商品のよさが届いていくわけですし、それはもう嬉しかったです。おかげさまで、オープン初日から3日間で約1万人のお客様がご来店くださいました。そのお客様がリピートしてくださるのは、商品力と良質なサービスがあればこそ。ですからPRの仕事は、まずは来店のためのきっかけ作りで、店舗のサポートだと思っています。取材は今でも平均して1日1件、KKDの雰囲気や味を知っていただくために、ほとんど店舗でお受けしています。店舗マネージャーも取材状況に応じて勤務時間外から出勤し、取材のサポートをしてくれることもあります。そうした現場との一体感、店舗で出会うドーナツを抱えたお客様の楽しそうな笑顔も、日々のやりがいにつながっています。
出店計画への展望
ヒットを継続させるためのPR手法を模索します
KKDJは、2006年秋に設立されたばかりの新しい会社です。設立当初のメンバーは15人ほどしかいなかったので、PR、マテリアル制作(トレイに敷く紙やボックスデザインなど)まで、何でもやらなくてはいけなくて。15人全員が一丸となって、連日業務を行いました。今では店舗マネージャーを中心にスタッフも増え、私自身もPRの仕事に専念できています。現在、当社では向こう5年間で30〜50店舗を新たにオープンする計画を立てています。お店に行列ができることはありがたいのですが、それはお客様に負担がかかること、決して喜ばしいとは思っていないんです。店舗が増えれば、お客様の負担は減り、より多くのお客様にドーナツを味わっていただけます。一方で、そうなれば「目新しさ」ではヒットが続かない可能性もあります。より長期的なリリースプラン、PRプランを模索しないといけないと思っています。ヒットに奢ることなく謙虚に、お客様に愛される店作りに寄与する、そんな役割を果たしていきたいと思っています。
2007上半期 ヒット・スイーツ
多くの人で連日賑わう『クリスピー・クリーム・ドーナツ』
オリジナル・グレーズド&クリスピー・クリーム コーヒー
2006年12月15日の日本第1号店開店以来、半年経った現在も行列ができるほど人気の、クリスピー・クリーム・ドーナツ(KKD)。シュガーコーティングされたフワフワ食感の「オリジナル・グレーズド」が看板商品。「秘密のレシピ」「出来立てをその場で」など同社独自の戦略により、本社のあるアメリカをはじめとして、カナダ・メキシコ・イギリス・韓国など世界各国でも大人気
店舗外観
新宿サザンテラス(東京都)にある同店では、待つ間に日差しを避ける日傘を用意したり、顧客の立場に立ったサービスを行う
オリジナル・グレーズド
ドーナツができあがる様子をガラス越しに見られる「ドーナツシアター(ドーナツマシン)」も楽しみ。また、「クリスピー・クリーム コーヒー」は、ドーナツに最も合い、日本人に好まれる味をスタッフが厳選した、自慢の品
クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン株式会社PRアシスタント・マネージャー 神事まゆみ氏 プロフィール
大学卒業後、アパレルメーカーに就職。営業職として3年間勤務。退職後、PR・マーケティング専門学校に通学。研修プログラムの一環として株式会社リヴァンプで研修、その後入社。昨年秋、KKDJに転籍し、現在に至る。
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女子中高生が熱狂。新エンタメジャンル「ケータイ小説」編成担当の仕事
ケータイ1つで何百ページもの小説を書き上げ何百万人にも感動を与えるケータイ小説家。新しい文化の誕生と進化に日々新鮮な驚きを感じます。 株式会社魔法のiらんど 編成部 出版企画グループ 伊藤麻美氏(写真左)・月花阿希子氏(写真右)
ヒットの手ごたえ
女子中高生の間では、実は以前からヒット商品だった
月花/ケータイ小説がヒットした要因はシンプルで、女子中高生たちがありのままの思いをケータイに綴り、同世代の子たちがそれに共感し、口コミでその存在がどんどん広がったから。昨年秋に『赤い糸』という作品が書籍化されてミリオンセラーになったあたりから、「女子中高生だけの文化」だったケータイ小説が新たな文化として認知され、「ほかにもまだこんな面白い作品がある」と世間が注目し始めたことで、ヒット商品として育っていったのではないでしょうか。私たちは特に何もしていなくて。ケータイ小説とそれを支えるファンの子たちがいてこそのヒットなんですよ。
伊藤/約100万タイトルある作品のうち、現在までに書籍化されたケータイ小説は30タイトル。プロの作家ではなく、素人の方たちがケータイで書いたものが圧倒的なファンを持つ。そして『恋空』『赤い糸』などの人気作品を読んで感動した方たちが、「私も書いてみたい」と気軽に始める。自ら書くという行動を促し、そこからまた次のヒット作が生まれる、それがケータイ小説のチカラ。そんな新しい表現手段の誕生や育成に携われるというのは、なかなかできない経験です。
ヒットメーカーを支える
私たちは、ケータイ小説家のマネージャーのような役割
伊藤/私たちの仕事は、ケータイ小説公式サイト『魔法の図書館』のコンテンツ制作をはじめ、ユーザーから評判が高い著者にコンタクトを取って書籍化の相談をしたり、あるいは著者の意向を出版社に伝えること。例えば、書籍化してもケータイでの顔文字や絵文字は活かしたい、ケータイで読まれることを前提に書いた改行の多い文章を、本のページではどう扱おうかなど、著者と一緒に試行錯誤します。ケータイ小説というジャンルと著者たちの、サポート役というところですね。先日は、初めてケータイ小説家のサイン会を開催しました。中学生のファンの子が手紙を手渡しにきてくれたり、ファンと直接会った著者が感動しているのを見たら、しみじみよかったなあって。
月花/それに加えて、書籍化が決まるとプロモーション用の特設サイトをモバイル上で作成するのですが、そのコンテンツ企画やデザインや運用も私たちで行います。プロモーション方法は一人ひとり異なりますし、私たちも何か新しいことを仕掛けたいと思って進めますから、毎回手探り。そうした中でやっぱりいちばん嬉しいのは、出来上がった本を著者に届けたとき。嬉しさのあまりボロボロ泣いちゃう方もいて。そんな姿を見ると、こちらも感動しちゃうんです。
次なるヒットへの期待
新たな表現者を応援していきたい
月花/ケータイ小説も含めて、ケータイを活用した文化は日々形を変えています。ケータイで自己表現する「彼女たち彼らたち」が、どんどん新しいことをやりだしてくる。例えばケータイ小説なら、これまでは実話ベースの恋愛モノが主流だったけれど、コミカルな学園モノやホラーなど、フィクションも増えてきています。書き手も楽しんでるんでしょうね。
伊藤/ある著者のプロモーションのときは、アーティストを絡めて音楽も小説と同時に楽しめるようにしてみたり。
月花/膨大なユーザーが、次から次へと新しいことを提案してくるので、こちらは追いついていくだけで大変(笑)。ケータイをベースに、音楽・ポエム・写真・イラストなど小説以外の表現も増えてきています。私たちは彼らを「ケータイクリエイター」と呼んでいますが、彼らが活躍できる場を、「魔法のiらんど」というプラットフォームを活かして提供していきたい。
伊藤/ケータイ小説に続く、新しくて面白い表現者たちが出てきてくれるといいなと思っています。そうした彼らを応援していくことや、活躍をサポートしていくことが、私たちのこれからの目標です。
2007上半期 ヒット・エンタメ
『赤い糸』『もしもキミが。』…女子中高生が熱狂するケータイ小説
『恋空』コミック化のPRポスター/『魔法の図書館』画面
女子中高生たちが中心になって、主に恋愛をテーマにした実体験に基づく小説を、携帯電話上の無料ホームページサービスを利用して書き始めた。『恋空』『赤い糸』など、圧倒的な人気を集めた作品が出版化され、いずれもミリオンヒットを飛ばして話題になる。そのケータイ小説という新ジャンルのヒットを牽引したのが同社
伊藤氏・月花氏
2人ともこの仕事に携わるまでは、ケータイで使う機能は通話とメール程度。「手のひらの世界」で小説を書き上げる人が大勢いると知ったことは、新鮮な驚きだったという
書籍化されたケータイ小説
同社のサイトで話題となった人気作品は、今や書籍だけではなく、コミック化、映像化など多方面に拡大展開している
株式会社魔法のiらんど編成部 出版企画グループ 伊藤麻美氏 プロフィール
インターネット広告会社で営業を経験した後、現在の会社に営業職として転職し、広告営業チームに配属。昨年末からケータイ小説の公式サイト『魔法の図書館』チームに異動し、現在に至る。
株式会社魔法のiらんど編成部 出版企画グループ 月花阿希子氏 プロフィール
前職はカフェの店員。同社に転職後、未経験ながら着メロなどモバイル公式サイトのページデザインを担当。昨年5月に『魔法の図書館』チームに異動し、現在に至る。
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プロ並みの映像にパパママ満足「”ハンディカム”HDR-UX7」宣伝担当の仕事
圧倒的な商品力にコミュニケーションターゲットを絞り込んだことで、宣伝として新しい試みに挑戦することができました ソニー株式会社 デジタルイメージング事業本部 周辺機器ビジネス部門 商品企画部 樋口敬一朗氏(前部署名/ソニーマーケティング株式会社 マーケティングコミュニケーション&リサーチセンター 宣伝企画部)
ヒットの予感
「商品・価格・宣伝」、
すべてがマッチしたときに商品はヒットする
AV/IT機器の世界では、次々と新機種が発売され、競争は激化しています。今や製品が持つスペックそのものだけで、競争を勝ち抜き、消費者に選ばれることは非常に難しい時代です。宣伝企画では、製品が世にどんな共感・驚き・憧れをもたらすのか。人を動かす「価値」を創出し、それを世の中にメッセージとして発信することがミッションです。メッセージは、テレビ・雑誌などの広告からカタログ・インターネット・イベントなど、あらゆるメディアをミックスします。“ハンディカム” HDR-UX7は、他社に先駆けたハイビジョンのDVD記録を実現した商品で、明確な訴求点があったので、コミュニケーションメッセージもスムーズに構築できました。発売前に行われる量販店への商談では、「商品・価格・宣伝手法」のワンパッケージで提案。「これはイケる!」という声を多くいただきました。実際も、発売直後から売り上げは伸び、今でもトップモデルとして市場を牽引しています。
ヒットの要因
コミュニケーションターゲットを「パパママ」に絞り込み、
新しい宣伝手法に挑戦
消費者の価値観やメディアの多様化を踏まえ、この“ハンディカム” HDR-UX7では、従来にはない新しいコミュニケーション手法に挑戦しました。それは、訴求ターゲットを、「何人が広告を見たか(認知度)」という従来の量の概念から、「ある1人の心をどれだけ動かしたか」という質の概念に発想転換させたことです。そこでまず必要だったのは、コミュニケーションターゲットの絞り込み。効率的で市場効果の高いターゲットはどこか、社内で数多くの議論を経て、「赤ちゃんや小学校低学年までの子どもを持つパパママ」に絞り込みました。ターゲットを絞り込むことで、従来のTVCMによる商品中心の訴求から、ターゲットの共感獲得が施策の柱となり、結果、ベネッセコーポレーションとの会社間コラボレーションが実現しました。同社と共同で、「赤ちゃんや子どもがいる幸せを実感できる暮らし・社会の実現をサポート」というメッセージを発信。雑誌やWeb、イベントの共同展開をはじめ、子どもの「最高の一瞬」を映像に残し、投稿してもらうコンテストの実施、さらにはママたちの声を集めて商品を開発するなど、これまでの宣伝業務を超えた新境地を切り拓きました。従来の発想に縛られず、その一つとしてターゲットを絞り込んだことが、ヒットはもちろん、複合的な宣伝手法の確立という成果にもつながったと思います。
今後の展望
モノ作りから販売までのフローを経験し、
次のヒット商品を生み出したい
“ハンディカム”HDR-UX7の宣伝広告では、ベネッセとのコラボレーションという貴重な経験により、会社間でのメッセージ開発や商品化などの醍醐味を味わうことができました。この5月には、希望が叶って宣伝企画から商品企画部門へ異動。異動を希望したのは、商品企画を経験することで、ゼロから商品が生まれ、市場に出るまでの全体フローを理解できるのではないかと考えたからです。セールスと宣伝を経験したので、次はモノ作りの根本を学び、そのうえで僕は、会社のどの部分に貢献していけるのかを見極めたいと思ったのです。業務フローの全体を知ったうえで、自分は何のプロフェッショナルになれるかを知りたい。それが今の僕の願いであり、目標です。
2007上半期 ヒット・デジタル
パパママ&赤ちゃんの幸せサポートでダントツ人気!『ハンディカムHDR-UX7』
ハンディカムHDR-UX7
「赤ちゃんや子どもがいる幸せを実感できる暮らし・社会の実現をサポート」というメッセージを、パパママという限定されたターゲットに絞って打ち出し成功した“ハンディカム” HDR-UX7。的確な商品訴求と、他社に先駆けた機能を満載した商品力で、年明けの発売から半年経った現在もビデオカメラ市場を牽引している。
樋口敬一朗氏
「あれもこれもできます。で、結局何がいいの?という商品が世の中にあふれている気がします。特徴やユニークな点を、たったひと言で『これです』ということができる商品がヒットすると思います」(樋口さん)
ソニー株式会社デジタルイメージング事業本部周辺機器ビジネス部門 商品企画部 プロフィール
大学卒業後、ソニーマーケティングに入社。官公庁・自治体や放送局など法人を顧客とするシステム営業で3年間従事した後、宣伝企画部に異動。“ハンディカム”やヘッドホンの宣伝を担当し、5月より現職。
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EDIT/COPY
佐藤裕子、国府田昌史
DESIGN
WEBMAX

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