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「顔合わせの場」だと思うなかれ、面接はまだ続いている
また、通過率では技術職と文系職(営業、事務、経理など)との差も尋ねた。結果は「技術職のほうが高い」が圧倒的に多くて約60%、文系職の3倍以上の数字である。その理由は尋ねていないが、エンジニアにとっては朗報である。 そして、「エンジニア優遇」と言えるのが、従業員数500〜1000人未満の企業である。「技術系職種が高い」が72%と最も高かったからだ。と思ったら、通過率「80〜100%」は0%。やっぱり最終面接は甘くない。 |
1位となったのは「コミュニケーション能力や協調性の欠如」。これを挙げた面接官は40代以上が多く、50代、60代以上と共に各年代で27%前後の人が挙げたが、30代だけは17%とかなり少なかった。管理職の年齢になると、社員同士の関係や職場での協調性をより重視するのかもしれない。
● 技術はあっても、他人に伝えるコミュニケーション能力が不足していたタイプ(40代)
● 技術力はあるが性格、表現力、協調性などに欠けていた(50代) ● IT技術者だが、コミュニケーション力が不足しており、チームとしてやっていけないと判断した(50代) 30代の面接官は「やる気」を求め、60代以上は「自己中」を嫌う
一方、2位の「熱意や覇気がない/大人しい」に多かったのは30代でダントツの22%。また、面接の回数では「10回未満」の人が50%と、飛びぬけてこのタイプを書いていた。年齢が若く、面接官の経験が少ないほど、「やる気」を重視する傾向があるようだ。
● 熱意のない人。採用しても続かないから(30代)
3位の「自分本位・自己主張が強い」では、「60代以上」が20%と最も高かった。逆に少ないのが40代で8%。面接の回数では「20〜30回未満」が22%と高かった。
● 暗くて負のオーラが出ている人(30代) ● 声が小さすぎて、何をしゃべっているかわからないような人(50代)
● 自分を美化する。会社に貢献できるなどいいことしか言わない人(60代以上)
● 技術的に自分のやってきたことばかりに特化し、こちらの要望・要求に対して回答できない人(50代) ● 自分のやり方に自信があり、また実績があるにもかかわらず、転職を希望する頑固な職人タイプ(30代) 9割以上の面接官は、面接前にしっかり準備をしている
ここまで読んで不可解に感じる人がいるかもしれない。これは1次面接でも2次面接でもなく、それらを乗り越えてきた応募者の、最終面接の話である。ならば、他者とコミュニケーションが取れ、前向きで、人間力も豊かで、技術力の高い人が残っているはずではないか。
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● 適性検査でのわずかな差(60代以上)
● 人物や志望動機はよかったが、転職の退職理由がハッキリしないため、当社でもすぐ辞めることが懸念されたケース(60代以上) ● ペーパーテストの結果(50代) ● 特に問題なかったが、採用人数超えのため(40代) ● 最後に他社の内定をもらった人(50代) ● 収入面で希望と合致しない。勤務地が遠すぎるなど(30代) ● 採用定員が限られた中で、一番職歴が劣る人(60代以上) ● 転職回数の多い方(40代) ● 面接慣れしている(30代) 「社風」と「年齢」には要注意、思わぬマイナスポイントにも
ただ、「その他」の中にも一定の母数を持った項目があった。「社風」(11人)と「年齢」(13人)である。
● 性格が社内の雰囲気に合いそうになかった(40代)
これらをグラフの項目に入れなかったのは、「確実に落とされるエンジニア」の回答では「社風」が4人、「年齢」が1人と非常に少なかったからだ。つまり、これらはすぐに不採用となる要因ではないが、迷った場合のマイナスポイントとして働くのだろう。● 社風に合わないと感じた人。チームワークが乱れる(30代) ● 能力的には問題はないが、年齢が45歳以上で金銭面、将来性に問題を感じた(40代) ● 年齢とスキルのアンバランスが大きい(60代以上) また、「なし」も17%と少なくはないが、ここには「特になし」といったコメントのほかに、「そんなタイプはいない」「ギリギリでは落としていない」などがあり、採否をはっきり決める面接官も多そうだ。
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