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がんばろう!ニッポンのエンジニア 不景気なんて吹き飛ばせ! 2009迎春☆幸福を呼ぶ「エンジニアおせち」
2009迎春☆幸福を呼ぶ「エンジニアおせち」
2009年が始まった。昨年は金融危機に端を発した経済危機をはじめ、深刻なニュースが世界を駆け巡った。そんな重苦しい空気を払拭し、今年をぜひいい年にしたい!! 新年の縁起物事始めとして、エンジニアにささげるおせちづくりに挑戦してみた。
(取材・文・撮影/井元康一郎 総研スタッフ/関洋子) 作成日:09.01.05
Techスナイパー プレゼンツ「エンジニアおせち」
おせちでエンジニアを元気にしたい
 クリスマスのシングル……あ、いや、ジングルベルもやみ、にわかに年の瀬ムードが漂う年末。「もういくつ寝ると〜お正月〜♪」と鼻歌まじりに大掃除などしていたワタクシ、Techスナイパー井元康一郎。エンジニアのみなさまに、技術する喜びをお伝えすることを使命としていながら、2008年を振り返ってみると、さっぱり貢献できていなかったような……。

 と、その罪滅ぼしも兼ねて、不景気のなかでも元気に頑張るエンジニアのみなさまに2009年、大いなる幸せが訪れますようにという祈りを込めたおせちを作ってみてはどうか…という考えが頭をよぎった。思い立ったが吉日と、年末の大掃除を放り出して(←こうしたかったらしい)Tech総研スタッフのなかでも一、二を争う料理上手(?)、関洋子とともに、テクノロジーへの情熱を形にした「エンジニアおせち」の製作に着手した。
Techスナイパー・井元康一郎
Techスナイパー・
井元康一郎
鹿児島県出身、年齢不詳。自動車、宇宙、航空……などを得意とする技術&マニア系ジャーナリスト。
Techスナイパー・井元康一郎 調理スタッフ:関洋子
コンセプト 「エンジニアおせち」のコンセプト
その1. エンジニアの熱い技術屋魂を表現する
その2. 幸福を呼ぶため、変わり種ではなく伝統のおせち材料で仕上げる
その3. 重工、家電、ITなど幅広い業界を網羅する
その4. 見た目は多少毒々しくとも(汗)、必ずおいしく食べられる料理に仕上げる
一の重のメインオブジェは「日の丸ジェット」に決定
一の重のメインオブジェ「日の丸ジェット」
▲ これが日の丸ジェット「MRJ」。数の子の主翼が意外にマッチ
 エンジニアおせち2009年版のメインを飾るオブジェは何にすべきか……いろいろと候補を挙げてみたが、ここはひとつ、あえて重厚長大系の分野から、現在開発中の日の丸ジェット(三菱重工業が開発を進める日本初の国産ジェット旅客機「MRJ」)を取り上げてみた。胴体は人参の甘煮、尾翼はサラダ大根で製作。いちばんの課題となったのは、主翼の部分である。何で表現するかと材料を見ているうちに、「そういえば数の子って、飛行機の主翼に使われる層流翼断面に似ているよね!!」と思い立ち、数の子を切って後退翼を表現することにした。さらに、主翼上にイクラで日の丸をあしらってみた。仕上がりは……う〜ん、まあ何とか飛行機に見える(よね!)。ただ、作り終えてから、MRJの水平尾翼はT字でなく、胴体に付くことを思い出したorz。飛行機をシンボリックに表現したと言うことでご容赦のほどを。
 ワタクシがオブジェを製作しているあいだにも、関洋子は一流料理学校で磨いた(?)という腕前を発揮し、海老の姿煮、イカの松かさ焼き、ひねりこんにゃく……と、おせちに欠かせないコンテンツをどんどん仕上げていく。ワタクシは、それらの切れ端をどんどんつまみ食い(笑)。基本的には関東、関西混合型のおせちだが、煮しめは薄口しょうゆベースで、高野豆腐を具として準備するなど、自他共に認めるバリバリの大阪人である関の趣向が強く反映されている。きれいな四角に煮上がった高野豆腐を見て、ふと「この形を流用して何かを作れないかな!?」と、創作意欲がわいた。
ちゃんとつくりました、という証に(by関洋子)
▲ ちゃんとつくりました、という証に(by関洋子)
次は薄型ディスプレイ作成に挑戦!
薄型ディスプレイ
▲ 意外にいい感じに仕上がった
薄型ディスプレイ。
PRAVIAほか、AQUAS、BIERAもあり
 四角のハイテク製品といえば、太陽光パネル?パソコン?…アイデアを出し合った結果、フラットパネルディスプレイ(FPD)を作ることにした。2008年は北京オリンピックの年であったこともあり、FPD市場も好調。来年も不況を吹き飛ばし、さらなる技術の進歩を果たしてほしいとの願いを込めた。
 問題は、含め煮した高野豆腐という、軟らかく、切りにくい素材を使ってどうFPDを作るかだ。細かい工作を試みたが、工業製品のようにエッジの立った造形はとても無理。そこで食紅を使って薄型テレビを絵的に表現しようと試みたのだが、これまた食紅が散ること散ること。窮余の策として、食紅をのせるところをくり抜いて煮大根を装着、そこにテレビのブランド名もどきを書くことにした。決して上質な仕上がりではないが、光の三原色(RGB)を使うなどの小技を用いた。上部のつまようじは、ちょっとミスマッチに昭和の香りが漂うアンテナをつけてかわいらしさを表現した。
お雑煮用のおもちもエンジニアふうに
 IT系をオブジェで表現するにはどうするか。そこで、作ってみたのはキーボードもちと栗の甘露煮マウス。キーボードもちは表面に細筆でキーブロックを描き、栗マウスのほうはクリックボタンの部分に刃物でV字型に溝を切り、食紅をつまようじの先につけて微量ずつその溝に流し込むという方法で製作した。食紅の色合いは、実物を見るとかなりきつい。食べても無害ということになっているが、健康のことを考えると、使用量はなるべく微量に抑えたほうがよさそうだ。
キーボードがあればマウスだって栗で表現
毒々しい食紅と白くておいしそうなお餅 キーボードを描いたお餅
▲ 毒々しい食紅と
白くておいしそうなおもち
▲ キーボードを描いた
おもちを軽く焼いてみた
ついに幸福を呼ぶエンジニアおせち完成!いざ披露♪
おせち全景 1の重
2の重-中央が自動車 キーボード雑煮
 半日間の奮闘の末、ついに完成。一の重には黒豆、ごまめ&たたきごぼう、さらに数の子の主翼をもつ「日の丸ジェット」を配して、おせちに欠かせないとされる祝肴(いわいざかな)三種をそろえた。栗の甘露煮のマウスもここに。左上のなます、紅白に加えて青が見えるが、これはブレイドサーバーなどの裏で絡まりまくっているLANケーブルを表現したものだ。縁起物としてイカの松かさ焼き、海老の姿煮なども並べてみた。最初はちょっと品数が少ない?などとも思われたが、実際にはギュウギュウ詰めで、入れるのを断念した料理も。

 二の重は煮しめが中心。中央部の紅白かまぼこは、実は自動車の車体。その周囲に、タイヤ状に丸く作った金時人参の昆布巻きを4つ配している(車軸はつまようじで再現)。左下の角型大根煮と丸い人参煮の複合体は、実はデジカメを表したもの。その上は21世紀のエネルギー革命に向けて技術革新が求められている二次電池を表現したちくわのごぼう詰め。上部に緑、赤、青と並んでいるのは、上記で高野豆腐と大根を使ったフラットパネルディスプレイだ。

 お正月料理につきものなのがお雑煮。キーボードもちを軽く焼いた後、紅白かまぼことともに、かつおの一番だしに入れ、最後に三つ葉をあしらい、ここにキーボード雑煮も完成した。
 実はひとつ、みなさまにお詫びを。本来、お重の中には裏白(うらじろ:シダの一種。久しく栄えわたるという縁起をかつぐ)を敷くのだが、このときは手に入らなかったのである。残念。

今年もよろしくお願いいたします! エンジニアおせち
 2009年の事始めとして、縁起物を盛り込んだおせち、いかがだったでしょうか。稚拙な部分も多々ありますが、ぜひ読者のみなさまに、幸福が山のように舞い降りるよう願っています。金融危機に端を発した世界同時不況は今しばらく続く可能性もありますが、暗いムードを払拭するには、自分の作ったもので世の中を明るくしてやろうと、前向きに頑張ることが何より。実際、今年も世の中を変えるイノベーションが、各分野から続々と生まれてくると予想されています。
 Tech総研があるかぎり、Techスナイパーも未来に羽ばたくエンジニアのみなさまをさまざまな角度から応援していく所存です。今年もよろしくお願いいたします。
おせち料理って何?
 日本のお正月の食卓を彩るおせち料理。あけましておめでとうございます!!と一家であいさつをした後、重箱を開けておせちが姿を見せる瞬間は、やはりワクワクするものだ。
 おせちとは季節の変わり目を示す言葉である節句、節日に由来している。一年の最初の節目であるお正月に神様を迎えてお祝いをするというのが本来の意義だ。また、神様が来ているときに台所を静かに保つ、家庭内の仕事をもっぱら女性が行っていた時代には女性に休みを提供する……などといった理由により、味の濃い保存食を用意しておくことで日々の調理を不要にするというのも目的のひとつであった。
 おせちが今日のように、色とりどりの豪華な料理になったのは、経済が発展し、食料生産力が向上した江戸後期といわれる。おせちというと日本古来の伝統というイメージが強いが、その歴史はおおむね200年ほど。比較的“若い”文化なのだ。今日、おせちは文化の多様化などにより、必ずしも用意しない家庭も増えたが、お正月気分を味わうという点では、おせちは今もうってつけのアイテムである。
おせち料理の主な構成要素
 おせちは単なる豪華料理ではなく、この1年も幸運に恵まれますようにという願いを込めた縁起物。そのため、料理についても単においしいモノをそろえるというものではなく、縁起を担ぐための定番メニューによって構成されている。その内容を簡単に紹介しよう。
 まず、おせちには「これがなければおせちではない」という、絶対欠かせない料理「祝肴(いわいざかな)」三種がある。子孫繁栄を願うための「数の子」、まめに働けることを願う「黒豆」、それに豊穣を願うための料理として、関東ではカタクチイワシの稚魚の甘じょうゆ炊き「田作り(ごまめ)」、関西ではごぼうを酢でしめてたたいた「たたきごぼう」が加わる。最低限、この3つが用意されていれば、お正月を料理で祝うことができるのだ。とはいえ、祝肴三種だけではお正月の賑わいとしては物足りないのは言うまでもない。お祝儀の膳の定番、口取りとしては魔除け効果が期待でき、見た目もめでたい紅白かまぼこ、金を象徴する栗きんとん、“よろこぶ”昆布巻き。酢の物としては大根と人参を使った紅白なます、長老につながるちょろぎ(根菜のシソ酢漬け)、穴から先を見通すレンコンの酢はすなど。
 焼き物、煮物では定番ともいえる出世魚のブリ、めでたい鯛、腰が曲がるまでの長寿を願うための海老、子孫繁栄を願う子芋、大きな芽が出ることで縁起が良いとされるクワイ、巻物に似た形から知性教養の向上を祈る伊達巻きetc。 世界広しといえども、全品縁起物という料理はめったにあるものではない。めでたさを大事にする日本ならではの楽しい料理、それがおせちなのだ。
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関洋子(総研スタッフ)からのメッセージ 関洋子(総研スタッフ)からのメッセージ
実家の大阪を離れてはや●年。いや〜、久しぶりにおせちを作りました。いかがです?私とスナイパーの共作おせち。この中でできあいのものは、黒豆(もどして煮るのに3日ほどかかるため)と栗の甘露煮のみ。あとはすべて私の手作りです。作った後はもちろん、スナイパーと一足先にお正月気分を味わわせていただきました。われながらおいしくできていました♪作ることはやっぱり楽しいですね。改めて実感。スナイパーともども、今年もよろしくお願いいたします。

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