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エンジニアは、スペシャリスト。誰もが持っているってわけじゃない、特別な技術を駆使する“お仕事”である。それだけに、いざ、仕事の中身を説明しようとするとさあ大変。ある程度技術の下地がある人が相手ならいいけれど、家族や恋人など、知識が“まっさら”の人だと、頑張って説明すればするだけ、「目が点状態」にさせてしまったりする。 Tech総研がエンジニア500人を対象に行ったアンケートによれば、およそ半数が「理解してもらえなかったことがよくある」「ときどき理解してもらえず苦労」と答えている。「ほとんど理解してもらっている」と答えた人も、よく回答の中身を見ると、ずいぶん投げやりな説明の人もちらほら。 以下、説明の実態を4タイプに分けてご紹介! さらに、「きたみりゅうじのIT業界勘違いクリニック」でおなじみ、Dr.きたみりゅうじに説明術のアドバイスをいただいた。 |
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小さい単位で完結している仕事は説明しやすいですよね。何かひとつの製品を作っているなら、「○○を作っています」ですむ。IT系の仕事でも、例えば「ウェブサイトの構築」なら、それだけで大抵は納得してもらえます。しかし、企業の大規模なシステムの開発など、仕事が大きなものの一部分になってくるほど、だんだんわかってもらえなくなってくる。 これは、そんなシステムが、企業の“ビジネスロジック”をソフトウェアに置き換えるものだから。 答えてくださった人の中にもありますが、「病院のシステム」のように、人が日常、目にしたことがある、触ったことがあるとか、そうでなくても仕事の流れが想像しやすいものであれば、まだ理解してもらえる。けれども、それが普段の生活に関係ない会社の、関係ないシステムになると、とたんにわからなくなる。企業の仕事の流れなんて、そこに関係していなければ、わからなくて当たり前ですからね。 |
つまり、「何をしている」を言う前に、前提条件や背景が大きすぎる。これがプロジェクトのリーダーさんなら、全体像がわかっているのでまだ説明しやすいんですが、一部だけで全体を把握しきれていないと、えてして上司に言いつけられた仕事内容そのままを、一生懸命説明しようとしたり。 結局、話が末端から始まるので、ひとつ説明しようとするたび、前後関係や登場人物が増えていって、話がどんどん長く、複雑になっちゃう。 例えば、野球選手という職業を、知らない人に説明することを考えてみるとわかりやすいと思うんですよ。「野球というスポーツがあって、その選手です」から始めれば、あとから細かいところを必要に応じて補足すればいい。けれど、「バットっていう棒を持って、飛んで来たボールを打って、バットはこんな形で、ボールはこれくらいの大きさで……。そもそもそのボールは、敵のピッチャーが投げてきたもので、自分の後ろにはキャッチャーっていって、それを取る人がいて……えーっと」??これじゃわかりませんよね。「それで結局、なんでボール打たなきゃならないの?」なんて言われたりして(笑)。 |
10年くらい前、プログラマをしていたときは、やはり親戚に「どんな仕事?」と尋ねられると、説明に苦労してました。 インターネットのサービス立ち上げにかかわっていたんですが、そもそもそのころだと、「インターネット」がわかってもらえない。メディアといえば新聞・雑誌やテレビくらいの時代。「コンピュータのネットワーク上でこういうものを見られるような仕組みを作っている」というと、「なるほど、雑誌のページみたいなもの作ってるのね」と言われる。「……ページそのものを作ってるんじゃなくて、その裏にある、表示させる仕組みを」なんて言っていると、最後は「わからん」って怒られたり(笑)。 兄貴は住宅の営業をしてたんですが、説明しやすくてうらやましかったですね。「10億円の家を売ってる」ならわかってもらえるし、話が盛り上がる。こっちは「10億円のシステムを作ってる」なんて言っても、誰も実感がわかないし。 それを思うと、“IT”って、便利な言葉が生まれてくれたなと思うんですよ。「IT業界です」って言えば、少なくともなんとなくイメージしてもらえたりする。ちょっとオシャレで、一方で、ちょっとうさんくさくもありますけれど(笑)。 |
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