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最新テクノロジーとアイデアを盛り込んだ、未来のクルマを占うコンセプトカーがひしめく東京モーターショー。2年ぶりの開催となった第40回ショーは、クルマの形やあり方そのものを変えてしまうようなものを含め、特に力の入ったコンセプトカーが多かった。つくり手である自動車メーカーのエンジニアに、クルマづくりにかける思いを聞いた。 |
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幕張メッセ北ホールは二輪の高級モデルが花盛り メーカーの本気度が高かったのは四輪車ばかりではない。ホンダ、ヤマハ発動機、スズキ、カワサキの国内二輪メーカー4社のヒートアップぶりは、ある意味乗用車以上ともいえる。実際、総数77台のワールドプレミア(世界初公開)のうち、4割以上の32台は二輪車からの出品モデルなのだ。 今回のモーターショーの二輪ブースは、いわゆる高級・大排気量バイクのコンセプトモデルや参考出品車がとりわけ多かった。購買力の高い中高年のあいだで二輪車人気が復活していることが一因だと考えられる。その最たるモデルは、ホンダのコンセプトモデル「EVO6」だろう。二輪のロールスロイスと呼ばれる「ゴールドウイング」用の1.8L水平対向6気筒エンジンに、ホンダが先ごろ開発した二輪車用6速ATを組み合わせ、豪快な走りとイージードライブを両立させている。 各社が個性を競う四輪バイクや200馬力のモンスター 独創性で際立っていたのはヤマハ。流れるようなデザインとエンジン+電気モーターのパラレルハイブリッドが特徴的な「ラクシア」、燃料電池スクーターの「FCアクエル」、モーターサイクルなのに普通免許でも運転可能な前2輪+後2輪の四輪モデルでハイブリッドという「Tesseract」……技術力をバックボーンにもった「アイデア商品」がズラリと勢ぞろいした。 近年、高級モデル中心のラインナップが奏功して、二輪での収益性が大幅に向上しているスズキ。「都市における新しいモビリティの形を追求しました」と津田紘社長が自らヴェールを剥いで紹介した250cc級スクーター「ジェンマ」、複葉機をイメージしたという独創デザインのリッターバイク「バイプレーン」、燃費と性能を高い次元で両立させる革新的な3次元カム式エンジンを搭載した小型バイク「クロスゲージ」など、さまざまな新商品、新技術が登場した。 海外勢も負けてはいない。今年、二輪のワールドグランプリでホンダを下して総合優勝を果たしたドゥカティは、レーシング技術を投入した最高出力200馬力というモンスター「デスモセディチRR」を出品。100年以上の伝統をもつハーレーダビッドソン、イギリスの老舗トライアンフなども多数のモデルを出品し、健在ぶりをアピールした。 |
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モーターショーの主役は、世界中の各社が腕を競ったクルマ、バイク、パーツなどの周辺技術。 ならば脇役は、来場者に笑顔で接してそれらを紹介するコンパニオンたちではないだろうか。 そんな彼女たちに敬意を表して、ほんの数人ではあるがここで紹介したい。いつもどうもありがとう! |
アルファロメオ |
マセラティ |
パナソニック |
クラリオン/ザナヴィ |
富士通テン |
トヨタ車体 |
光岡自動車 |
テイ・エス テック |
三菱ふそうトラック・バス |
日立金属 |
NOK |
カワサキ |
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「人とクルマ」「社会とクルマ」を大切にしたアイデアが満載 第40回という節目の開催となった東京モーターショー2007。若者のクルマ離れに象徴されるように、国内の自動車市場は決して好調とはいえない。この状況を打開すべく、自動車メーカー各社はそれぞれ、若年ユーザーに関心をもってもらえるようなクルマの模索、またクルマと人間、クルマと社会の関係のあり方を見直し、クルマがもっと人に近しい存在になるためのアイデアの提案を競って行っていた。 従来のモーターショーが、ある意味で環境や安全といったハードウェア偏重であったことを考えると、今年のショーは大きな転換点となりそうな気配だ。 クルマの祭典で輝くエンジニアのとびっきりの笑顔 もちろん環境技術についても先端的な技術提案が数多く行われている。特に増えたのは、排ガス浄化技術が急激に高度化しているディーゼルエンジン。また一時、30年では実用化は無理といわれていた燃料電池車も新技術が次々に提案されており、一部では市販の動きも出てきている。 モーターショーの各ブースで見かけたエンジニアの表情はどれも明るく、照れたようにはにかみ、そしてちょっぴり自慢気だった。クルマは見ても乗っても楽しいけれど、それをつくるのが何と言ってもいちばん面白い。自動車業界はまだまだこれからが熱い。 |
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