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今回、Tech総研では、アンケート実施時に入社2年目以上のエンジニア300名に対し、2006年に入社した新人についての率直な意見を聞いてみることにした。先輩たちは、新人にどんなイメージを持っているのだろうか。 |
先輩エンジニアに新人の印象を聞いてみたところ、第一位だったのは「積極性がない」ということ。5人に1人が挙げたこの回答、詳しく見てみると、「言われないと動かない」「与えられた仕事だけしかやらない」という先輩の嘆きの数々が聞こえてきた。 さらに、「常識がない(9.3%)」「プライベートを重視する(7.3%)」「社交的でない(5.7%)」と否定的な要素が続くが、前向きな回答も見られ、「優秀(5.3%)」「まじめ(5.0%)」という回答がランクインしている。グラフでは上位十項目を挙げたが、それ以降には「言い訳が多い」「自信家である」「甘い」など、辛らつな意見とともに、「二極化している」という意見も少数ながら見られた。 全体的には厳しい意見が目立ったこの質問、次の項目では、そんな新人に対して、先輩エンジニアはどういうスタンスを取っているのか、詳しく追っていくことにする。 |
いろいろなタイプの新人がいることが前項でわかったが、新人に対する先輩の向き合い方も、いくつかタイプがあるのではないだろうか。アンケートから見えてきた先輩のタイプをご紹介してみよう。 |
アンケートの回答結果から、新人に対するスタンス別に、先輩エンジニアのタイプ分けをしてみた。新人の行動に対して、「世代のギャップを感じるかどうか」と、「新人を指導しているかどうか」でクロス集計し、大きく分けて4つのタイプに分けてみた。新人に対するあなたの気持ちは、この中のどれに近いだろう……? |
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この項では、アンケート結果で多かった新人のタイプ別に、先輩エンジニアがどのような指導をしているのか、具体的な事例でご紹介することにする。新人の指導に頭を悩ませているエンジニアはぜひ参考にしてほしい。 |
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これまで、先輩エンジニアの苦悩をご紹介してきたが、当の新人たちはどのような気持ちで入社し、どのような姿勢で仕事に取り組もうとしているのか? リクナビおよびリクナビCAFE編集長の前川氏に、最近の傾向を聞いてみた。 |
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就職氷河期が終わりを告げ、2005年あたりから採用環境は「就職雪解け期」から「就職温暖期」を迎えました。企業と学生の働く意識の変化を見てみると、学生が企業を選ぶ際に重視する項目のトップは「自分がやりたい仕事ができる」にもかかわらず、企業側が学生に与える仕事環境は、「責任のある仕事ができる」。学生は、気の合う仲間と和気あいあいと自分のやりたい仕事をしたいと思っているわけですが、仕事は当たり前ですが組織の中で責任を担わなければ成り立たない。既に入社する前から、企業と学生の意識のギャップが生まれているわけです。 |
では、「就職温暖期」を迎えるにあたり、今後増えつつある新人に対してどのように接していけばいいのか。ポイントは三つあります。第一に、新人が憧れるヒーロー社員の存在です。日々疲れた顔で仕事をしている先輩を見て、新人は果たして頑張れるでしょうか。どんなことでもいい、新人が「あんな人になりたい」と思える先輩であることが大切だと思います。第二に、仕事の意味づけです。やっていることの納得感がないと、仕事への責任ややりがいは見いだせません。極端ですが、飲み会の幹事を任せるといった場合でも、「さまざまな役職の人を巻き込むスキルが身につく」など、ひとつひとつ役割の意味を伝えましょう。第三に、キャリアステップを可視化してあげることです。とかくキャリアの浅い年代ほど、成長への焦りや自己実現に対しての強い欲求があります。彼らが持っている高い成長意欲や自己実現のステップを、現実的にチューニングしてあげましょう。 新人は、先輩を「自分の未来の姿」に投影します。先輩が働いている姿を、すなわち自分の将来像に結びつけるのです。あなたが、憧れの先輩の姿に近付けば、きっと新人の仕事の向き合い方も変わっていくと思いますよ。 |
若手が成長するためには、親心として時に厳しいことを言うときも、わざと放置することもあるだろう。苦言を呈する先輩エンジニアたちが心に秘めている、「新人に望むこと」をここでご紹介し、本レポートを締めくくりたい。 |
自分の夢を見つけてほしい。そうすれば、仕事が楽しくなる。(システム開発(汎用機系)社会人歴10年目 男性) | ||||||
いい子ぶらないで、たまには自分の意見を熱くぶつけてほしい。(システム開発(Web・オープン系) 社会人歴3年目 女性) | ||||||
頑張りすぎない程度に頑張ってもらいたい。数年後に息切れしないように……。(運用、監視、テクニカルサポート、保守 社会人歴9年目 女性) | ||||||
思いどおりにならないことのほうが多いことを学び、そのようなときにどう対処するかを冷静に見極められるようになってほしい。(機械・機構設計、金型設計 社会人歴10年目 男性) | ||||||
今やっていることは遠回りでも無駄ではなく、自分の自信や価値になっていくことを考え、勉強してほしいです。何か一生懸命になることは無駄にはなりません。(機械・機構設計、金型設計 社会人歴15年目 女性) | ||||||
自分なりに成長したという満足におぼれるのではなく、周りの先輩に追いつき、追い越したときに「自分も成長できた」と口にしてほしい。(回路・システム設計 社会人歴10年目 男性) | ||||||
この世界で食っている、食っていくんだというプロ意識を持ってほしい。(システム開発(Web・オープン系) 社会人歴4年目 男性) | ||||||
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