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シェア7割以上の投信口座管理システム「BESTWAY」が好調 2007年度100人採用!NRIが金融系SEを急募
投資信託の窓口販売で、デファクトスタンダードとも呼べるシステムが野村総合研究所(NRI)の「BESTWAY/AM」だ。同社ではBESTWAYシリーズの拡張を計画しており、そのためのエンジニア募集をスタートさせた。中心となる職種はSEであり、求められるのは業務知識よりも「逃げない責任感」だという。
(取材・文/総研スタッフ 高橋マサシ)作成日:07.03.28
Part1 BESTWAYの新たな展開を支えるエンジニアが欲しい
 低金利が続く中で新たな金融商品として注目される投資信託。公募投信の純資産残高は6カ月連続で過去最高を更新して70兆円を突破した(2007年1月現在)。きっかけとなったのは銀行などでの窓口販売開始だが、それを支えるシステムの7割がNRI製であることは意外と知られていない。
シェア7割以上を誇る投信口座管理システム「BESTWAY/AM」
BESTWAY事業部長 二村 修氏
BESTWAY事業部長
二村 修氏
  銀行など金融機関での投資信託の窓口販売が解禁されたのが1998年。それに合 わせて各社が窓口販売用のパッケージソフトを開発したが、当時からダントツの引き合いとなったのがNRIの「BESTWAY/AM」だ。現在では銀行を中心に約110の金 融機関に導入され、シェア7〜8割と一人勝ちの状態となっている。
「競合相手は汎用機での管理システムでしたが、弊社は当初からPCサーバーでの運用でした。それが決め手のひとつでしょうが、機能、安定、継続へのこだわりが大きな要因だと思います。大手で3兆円、少ないところでも数百億円の投信をもつと言われる銀行さんで、法定帳票が出ない、安定した稼働が望めない、継続したバージョンアップがなされないなどは許されませんから」
 投信口座管理システムのBESTWAY/AMは2月現在でVer17.1。税制などの制度が年に一度は変わるのでバージョンアップは必須であり、その繰り返しがこの数字に表れているというわけだ。
 また、NRIではBESTWAYのオプション拡充を続けており、商品属性の説明やコンプライアンス対策などのためのBESTWAY/FS、営業履歴の管理を行うBESTWAY/CR、営業情報を管理するBESTWAY/VPなど、合計6つの「ファミリー」がある(下図参照)。
「口幅ったい言い方ですが、BESTWAYは金融ITインフラとして期待されているようです。そのためにはエンジニアが全然足りません。欲しい人材は幅広く、金融業務のリサーチャー、システムの設計・開発、運用、カスタマーサポート、営業、BESTWAYを導入する業務コンサルタントなどです。中心となる人材はSEですね」
BESTWAYファミリーの全体図
出身業界は問わず、3〜4年以上の実務経験者を募集
 BESTWAYの部隊は約65人で技術職はその半数ほど。二村氏をトップにグループマネジャーが5人おり、そこからチームが分かれる。ここではSEの仕事を見てみよう。
 まず法制度を整理し、顧客の要望を加味してシステムを設計する。開発を行うのは自社メンバーとパートナー企業のSEで、その後はテストを重ねて導入・運用となる。開発から導入までの期間は中規模の案件で半年から1年だという。この過程で、金融の業務知識はどれほど必要となるのか。
「別の分野の出身で新しい知識を吸収するのは大変ですが、勉強すればできるもの。それよりも重視するのは誠実で逃げない姿勢です。われわれはお客様に『途中でやめます』とは言えません」
 多くの都銀や地銀で利用され、日本郵政公社が投資信託販売を始めた際にも導入されたBESTWAY/AM。6〜7割だったシェアがここ2年ほどで7〜8割に上がり、その勢いは止まらない。
「窓口販売以外の展開も考えています。例えば、金融商品のリスク説明を徹底させる金融商品取引法がこの夏施行されるので、商品を横串にしたコンプライアンスシステムのニーズが今後高まります。また、全国の地銀さんとネットワークがありますので、これを利用した情報サービスもしていきたい。インターネットでの投信販売の仕掛けなど、お客様ごとの個別ニーズも広がっています。やりたいことはいくらでもありますよ」
新聞・雑誌の切り抜きで「価値のある仕事」をアピール
二村 修氏
 私はExcelが大好きな自称「データ分析マニア」です。以前も部員全員から36項目の「仕事の活性化アンケート」を取り、分析したんです。すると、仕事の活性化は必ずしも時間的なゆとりとは相関がなく、仕事の満足感や自己成長感、周囲の評価から生まれることが判明。それから私は、どんなに小さくても、メンバーの仕事の記事が載った新聞や雑誌を壁に張るようにしています。「私たちの仕事は価値がある」という意味です。まあ、ほとんどが知らん顔をしていますが、この前はニュースリリースの原稿に赤を入れてくる若手がいた(笑)。うれしいですね。
Part2 マネジメント業務には苦戦しても醍醐味はひとしお
 新卒でNRIに入社した若手SEは、2年ほど前からコンサルタント的な役割も担うようになった。入社6年目でステップアップの時期でもあるが、彼を支えるのは先輩社員から後輩へと続く、恩返しの連鎖だという。
コンサルティングSEとして2案件目を担当中
金融システム開発四部 副主任 古賀克充氏(30歳)
金融システム開発四部
副主任
古賀克充氏(30歳)
「私は2001年に入社して、約半年後に今の部署に異動になりました。そして2年目には、BESTWAY/FSにコンプライアンスチェックの機能を加えるプロジェクトに参加して、要件定義からリリースまでの業務にみっちりと携わりました。大学時代にはプログラミングが苦手でしたが、やってみたら面白かったんですよ」
 入社2年目の開発業務は抜擢にも映るが、1998年に生まれた部署だけに当時から若手社員が多かったという。現在でも「私の年齢(30歳)は平均より少し上くらい」だそうだ。古賀氏はその後、いくつかの案件に開発メンバーとして入るが、2年ほど前からはSI的な業務が中心となっている。SEの実務と同時に、システムコンサルタント的な仕事が増えてきた。

「新規のお客様にBESTWAYのシステムを提案したり、制度の変わるタイミングで発生しそうなニーズをくみ取ったりして、開発をスタートさせます。平均的なプロジェクトで社内メンバーが5〜6人、パートナー企業さんのメンバーが20〜30人くらいでしょうか。過去の経緯を知らないと責任ある仕事をお願いできませんから、マネジメント業務はまだ苦戦していますね」
 いちばんの苦労はテストだという。統合されるほかのシステムとの相性もあれば、「なぜこのテストをしなかったと言われないあらゆるテスト」を想定し、実行するからだ。だからこそ、無事に稼働したときの喜びはひとしおだ。
「お客様へのヒアリング、要件定義から担当しているわけですから、それはうれしいですよ。最近は機会が減ってしまいましたが、少しでもプログラムを組んだ案件ならなおさらです」
難しいのは技術を翻訳して相手に伝える能力
 工学部で応用化学を学んだ古賀氏にとって金融は未知の世界だった。そんな彼は、顧客の業務を実際に担当した人でないと、本当の意味での知識は身につかないのではないかと語る。だからこそ自主的な学習が必要になるわけだが、それはどんな業界であっても同じこと。それよりも、自分の頭で設計した内容を顧客に説明し、納得してもらうことが大切ではないかと言う。
「技術に強くても、それを翻訳してお客様にうまく伝えられる人はとても少ないと思います。お客様だけでなく、技術に詳しくない営業職などに対しても同様です。柔軟に相手に合わせて技術を伝える『会話力』とでもいうのでしょうか。私もまだ十分ではありませんので、意識して訓練しています」
 NRIのカルチャーは「上から下への伝達」だそうだ。先輩が義務として後輩に実務を教えるのではなく、自分が先輩から受けた恩を、そのお返しとして後輩に伝授していく。
「同期と話をしていても皆同じことを言うんですよ。成長した中小企業のような体質かもしれませんけど(笑)、私は気に入っています」
仕事に誇りをもつ、前向きなエンジニアを期待
古賀克充氏
 私は大学を卒業後、大学院に進むつもりでした。化学にはもう飽きたから経済をやろうと思って(笑)。しかし、試験に落ちてしまった。こんな事情で10月くらいから就職活動を始めたのですが、その時期に採用している企業は少なく、NRIを見つけてエントリーしたというわけです。だから、拾ってもらったようなもの。そんな私は今、NRIのエンジニアであることを誇りに感じています。これから入社する仲間も同じで、誇りをもった前向きな人に来てほしいと思います。
Part3 NRI単独で100人を募集。「やりたいことができる」現場へ
 人事部の大島氏はSEを長く経験しており、営業職など別の職種を経て、人事部には昨年異動となった。開発現場もそこで働くエンジニアも熟知し、高度情報処理技術者の資格をもつ彼は、「技術分野や出身業界ではなく、人柄と一生懸命な姿勢を見ます」と語る。
顧客との外部設計に挑戦したい未経験者も歓迎
 BESTWAYのようなソフトやシステムは、以前ならそれぞれの金融機関で開発していたという。その自前主義からパッケージ導入へと移行した背景には、使う側の意識変化があると大島氏は語る。
「ですので、開発側にもいろいろな見方のできる人が欲しいのです。体系的に開発手法を学び、基礎的な技術知識をもった、実務経験3〜4年のSEであれば大丈夫。金融系の勉強は必要ですが書物や先輩から学べますし、入り口の環境はそろっています。また、社内での作業しかできない環境が不満で、外へ出てお客様と直接話しながらシステムをつくり込みたいという人も歓迎です」
 顧客と接した経験がなくても、2年くらい社内で経験を積めば十分に活躍できるという。「うちの新入社員も同じですから」という理由だ。また、メンバー以外にも、社内外のチームを引っ張ってBESTWAYを展開させるプロマネを募集中だ。どちらも問われるのは人柄で、計算高い人では少々難しいだろうと語る。
「メガバンクだけでなく地銀さんとお話しすることも多いので、それぞれの地元で和気あいあいと話せる人もいいですね。また、パートナーさんには中国のソフトハウスも含まれ、グループマネジャーやサブリーダーになると開発中に何度か現地で打ち合わせをします。言葉の問題というより、ここでも人柄の影響が強いですね」
上席専門スタッフ 人事部 大島 諭氏
上席専門スタッフ
人事部
大島 諭氏
希望するのは「言われたとおり」だけではないエンジニア
 NRIにはいくつかのキャリアゴールがある(下図参照)。若手エンジニアに自分のキャリアを意識させ、それぞれの目標像をもってもらうことが目的だ。NRI認定ビジネスアナリストでもある大島氏も策定作業にかかわっており、若手の目安にと何人かの社員のキャリアパスも公開しているという。
「NRIはやりたいことができる自由度が高いと思います。特にNCC(野村コンピュータシステム)と1988年に合併してからは、いい意味で体育会系のノリが入ってきた。わかると思いますが、BESTWAY事業部長の二村もNCCの出身なんですよ(笑)。ですので、お客様に言われたとおりだけのシステムづくりではなく、自分の考えを提案したがるエンジニアが多い。悪く言えば『言いたがり』ですけど、むしろそんな人に来てもらいたいですね」
「言いたがり」を支えるのは、最後までやり遂げるという責任感と、一生懸命に仕事を考える姿勢だ。逆にいえば、ここがいちばんのキーポイントになるはず。
「NRI単独での今年度(2007年3月まで)の中途採用は90人程度でしたが、4月からの来年度は1割ほど増えて100人程度になると見込んでいます。SEを中心に8〜9割がエンジニアでしょう。特にBESTWAY事業にはまだ転職者が少ないですから、これから新しい血をどんどん入れていきたいです」
SE出身の人事担当者が語るNRIのエンジニア像
大島 諭氏
 大島氏は技術畑出身。入社後8年ほどSEの実務に携わり、情報処理技術者資格の最高位として知られる「システム監査技術者」の持ち主でもある。BESTWAYに対しても強い気持ちがある。
「BESTWAYは電気、ガス、水道のような生活に欠かせないインフラになると思います。だから止まったらアウトで、トラブルが発生したらエンジニアはどこにいても駆けつけます。皆がそんな気持ちでこの仕事に携わっているんです」
システム系人材の主なキャリアゴール
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高橋マサシ(総研スタッフ)からのメッセージ 高橋マサシ(総研スタッフ)からのメッセージ
私だけかもしれませんが、NRIさんにはちょっとお堅いイメージがないですか? それが今回吹っ飛びました。特に二村さん。部下に私と同姓同名の方がいて、「あなたがうわさの高橋さんですか」に始まり、その方の名刺をプレゼントしてくれました。おまけに休日はPCの前から離れない「データ分析マニア」とのこと。久しぶりに「頼りになる親分」にお会いしました。

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