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真ん中をパーティションで仕切られた密室。漂う緊張感。ゴソゴソと聞こえるのは、レジュメの紙をめくる音。向こうに人の存在感はあるが、名前も顔もわからない。パーティション越しに質問する声と手元のレジュメだけが互いを結びつける唯一の手がかり。果たしてレジュメの魅力で、顔が見えない異性を惹きつけることができるのか? |
今回合コン企画ということで、リクナビNEXTスカウトでおなじみのレジュメ様式(匿名での職務経歴・自己PR・キャリアプラン・学歴)に加え、独自の「特別PR項目」を追加設定したレジュメを事前に参加者に記入してもらった。(右記参照) そのレジュメを手元に眺めながら気になる項目について、「職務経歴」「自己PR」「その他」各分野で一人ひとつずつ、相手に質問してそれぞれ回答していくかたちで、会は進行。 |
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最終的に気に入ったひとりの異性を選んでもらい、お互いが同じ相手であれば晴れてカップル成立、という流れ。 さてそれでは早速、そのときの模様をダイジェストで紹介しよう。 |
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C: | レジュメを見ると、前職での実務経験(右レジュメチェック)があるとのことですが、その前職の経験がどのようにコンサルに生かされていますか? |
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H: | この業界に入ってから前職でのコンサルまで、サポートやヘルプデスクの経験もあります。この業界に入る前には、一般事務をしており、IT関係のことは全く知らなかったので、ユーザー側と、それを受ける側の双方の気持ちがわかる気がします。 また、今までにさまざまなプロジェクトに携わっていたので、深い知識ではありませんが、広い知識をもつことができました。 そうした知識や、会社やエンジニアの立場だけではなく、ユーザー側の気持ちもわかるきっかけとなった前職での経験が生かされていると思います。 |
G: | 前職は全く違うお仕事をされているようですけど、どうしてそれが今のお仕事を選んだきっかけにつながっているんでしょう? |
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B: | エンジニアという職種には学生時代から憧れていたのですが、文学部ということもあり、業界にマッチしたスキルもなく、なんとなくあきらめていました。そんなときに、たまたま読んだ雑誌の中に、未経験でも大丈夫という会社をみつけたので、思い切って応募しました。それが現在の会社で今に至ります。 最初は初めての業界で、場違いに感じとまどいましたが、今の仕事に不満はなく、日々勉強と思っています。 |
F: | 「最近は上流設計作業&マネジメント業務のみで昔が懐かしくなっています」とありますが、これは現場のほうが楽しいということでしょうか? 通常、プログラマはマネジメントに移行していく流れがあり、今後の自分のキャリアを考え、Dさんの意見を参考にしたいです。 |
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D: | 非常に難しいのですが、どっちがいいとかどっちが嫌とかはないです。以前は自分でコーディングをしていたのが、今では自分の部下がするようになりました。 一度レールの上に乗ってしまった場合、いつしかマネジメント業務となってしまうのが自然の流れでしょう。けれど私自身は許されるならば、プログラマでいたいですね。具体的にどんなことがしたいということはありませんが、技術の風化が激しいものですから、常に新しい技術をアップデートして身につけていたいです。 |
念入りにレジュメをチェックする女性陣 | 同じく真剣にレジュメを見入る男性陣 | 気になる項目にはすかさずチェック |
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H: | Aさんのレジュメに「余人をもって代えがたい仕事ができる人間になること」とあり、共感します。私もお客様にも同僚にも、私でなければダメと思わせるような仕事がしたいと思っています。だれにもできない仕事をした過去のエピソードはありますか? |
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D: | 実はちょっとした自慢話があります。 私の場合、小さなソフトハウスから始まり、どちらかというと下請けの、孫請けの、さらにその下の零細からスタートしました。そのときにある大手外資系ソフトウェア企業の募集を見つけたんですが、当時の私の経歴ではとてもおよびではないと思いました。 そこで、1カ月無償でのトライアル雇用を面接官に対して提案をしました。1カ月でダメと思ったら、給料も払わないで、即きってしまっていいので、とにかく仕事ぶりを見て判断してほしいと。 その当時の本部長が僕のチャレンジする姿勢を評価してくれ、1カ月といわず3カ月のアルバイト形態で勤務し、仕事でのパフォーマンスを挙げたら正社員として登用するということになりました。その後実績を挙げ、晴れて正社員になることができました。 |
G: | 私自身、ひとつのことを継続するのではなく、プロジェクトを進める過程で、どんどん仕事内容が変化し、どういう状況にプロジェクトがあるのか判断しなければいけないという経験をしました。 レジュメに「アイデア創出(ソリューション提供)能力」とあります。成功するプロジェクト管理のコツは何でしょうか。 |
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C: | 基本的には今のプロジェクトの管理は、自分でするようになったのですが、前の会社では、管理シートがあり、項目をチェックすると自然にプロジェクト管理できたんです。 当然、経験がなかったときはチェックシートを上から下までチェックしていました。けど、そのとおりにいかないことが当然あって、そのときは、大きなプロジェクトを動かしている先輩に仕事外の時間にいろいろ質問しながら乗り切りましたね。技術的なことをしながら、お客様と近いプロジェクトが多かったので、満足させることを考えると厳しい状況でも、とにかくやるしかありませんでしたね。 |
C: | Gさん、Fさんが、携帯コンテンツを経験されていますよね。私はあまりプログラムが好きではないのですが、一体どのようにしてプログラムを好きになったのでしょうか。また、どのように身につけたのでしょうか? |
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G: | 現在の会社入社前に、入社試験も兼ねた1カ月の研修がありました。そこでの課題がJavaだったのがきっかけです。IT系専門学校に短期間通っていたことがあり、多少Javaを勉強しましたが、プログラムを組むのは、初めてでした。入社にもかかわる研修だったので、その期間は必死に勉強をしました。追いつめられているだけに、スキルを吸収しようという力も大きかったです。 | |||
F: | 私の場合、とにかくプログラミングしているときはすごく没頭しますし、集中できることが楽しいです。それと試行錯誤を繰り返した後に成功したときの達成感がとても好きですね。 |
B: | 僕と同じく文学部卒業のEさんは、激務で体調を崩しながらも4つもの資格を取得しましたね。どのようなモチベーションをもちながら、多くの資格を取得したのでしょうか? |
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E: | 会社が資格取得に熱心なので、そのおかげがいちばん大きいです。外部研修を個人で参加しようと思うと、数十万円と高額な金額がかかりますが、会社が全部負担して、参加できるのはとてもありがたいですね。 激務で体調を崩して会社を休んだこともあるのですが、実は仕事が暇の時期もあります。そういう時期を狙い、自習や外部・内部研修を重ね、ひたすら勉強をしました。 |
A: | 「プロジェクトメンバーやチームをまとめて仕事をしたい」と書かれています。その場合、マネジャーとは何をする人を想定していて、「理想のマネジャー像」とはどんなものでしょうか。今その立場にある私も参考にしたいですね。 |
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G: | 信頼できるコミュニケーションをとりながら、周りのことを見渡たせることが大切と思います。ひとつのことばかり見てしまうと、ほかが抜けてしまいます。結局は広く浅くにならざるをえなくなってしまうのですが、まんべんなく注意を払うことにより、一人ひとりが効率よく仕事ができ、個人の力を発揮できるのが大切ですね。 |
A: | 基本的には理解しましたが、テクニカルな視点はどうでしょうか? 僕の私見をいわせていただくと、最初は部下の意見をくみ上げて、仲良くやっています。ところが、ある段階で破綻が見えてくると、急に険悪になり空中分解が始まります。その最大の理由というのが、正しい技術の理解がない。マネジャーが部下のいうことをうのみにして進めて行ってしまい、土壇場にきて実現しそうにないことが発覚して変なことになる気がします。そういうことも見てきたので、テクニカル的な視点は関係ないのかなと気になりました。 |
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G: | テクニカルな部分ですごく頼りになるというのは、信頼できる要素のひとつと思います。いっしょに仕事をしていて、自分よりももっと知識があるとか、何でも答えてくれるというのは、信頼できる人と判断できます。もちろん、そこばかりだけではダメなのですが、要はバランスのいい人ですね。 |
相手の回答をメモる女性陣 | レジュメを比較検討する姿も | 場が和み、珍?回答に笑いも… |
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H: | 皆さんの女性に対して望むところが気になります。女性だからって泣く人ばかりではありませんよ(笑)。 (女性の涙についてレジュメに書いていたのは、Aさん、Dさんの2人) |
A: | すみません。偏見に満ちたことを書いてしまって。女性エンジニアに求めること(注:本企画の特別PR項目)という自体が私にとっては、多少の違和感があります。職場の同僚の場合、本来は異性ということを感じさせてはいけないと思っています。たまたま前職で部下が急に泣きだしたときに、異性であることにはっと気がつき、それ以上言えなくなってしまった経験から、レジュメには書きました。 女性エンジニアに望むことは、きれいに着飾ってほしいとかではなく、言い方は悪いですが、男が変な意識をしないでもいいようにプロフェッショナルな仕事をしてほしいですね。 |
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D: | 基本的にはAさんと同じで、全く異性としては仕事をしていません。けしてすべての女性というわけではなく、過去の経験から書きました。 過去、仕事中に泣いた人がいました。ミーティングにて、彼女の一生懸命に考えてきたことに対して、そのとおりでなかった悔しさもあったと思うのですが、それが涙になって現れたのですね。そうすると周りはもう何も言えなくなってしまい、次からは気を使おうねといった、ぎこちない雰囲気になってしまいました。 仕事の場から外れたプライベートで話は聞くので、せめて仕事中には泣いてほしくないですよね。ましてやお客様もいるところでは困りますね。 |
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山田モーキン: | 女性陣を見渡すと、男性陣のコメントに対して共感されている様子がうかがえたり、ちょっと思い当たる節がありそうな表情をされている方もいますね。この中で泣かれたことがある方はいらっしゃいますか? |
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H: | 泣いたことはないです。ただ私がこの業界に入ったときには男女差が激しかったので、人一倍、我慢していました。泣きたい気持ちはわかるのですが、表面には出さないですね。 |
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E: | 社内で無理なスケジュールを押し付けられ、意見も聞いてもらえなかったときに涙目になったことがあります(笑)。ここで泣いてたまるかと、こらえましたが。客先で泣いたりすることはさすがにないですね。 | |||
G: | 仕事中に泣いたことはありませんが、すごく我慢していることがあります。仕事という意識がありますから、なるべく自制心を強烈に働かせています。仕事から離れて相談しているときに泣くということはありますけどね。 | |||
H: | 女性がどうのこうのというよりも、男性と女性では担う役割が異なると思います。直接の業務というよりは、Aさんも書いているように、男性よりは女性のほうが、指摘しづらいことを言い出しやすいと思います。逆に女性に対して言うのであれば、男性からのほうが言いやすいと思います。 | |||
A: | 一般的に女性のほうがコミュニケーション能力が高いですよね。男性エンジニアは、おとなしい人が多いので、そんな中でお客様と同性である男性がばしっと言うと、結構反発を買ってしまいます。同じことを女性が言うと、まるくスムーズにことが運びますね。 |
恥ずかしげにお気に入りのエンジニアのレジュメをそっと編集部スタッフに見せる男性・女性両陣営。レジュメはお互いの想いを結びつけるキューピッドになれるのか。心の中でドラムが鳴り響き、緊張の結果発表。両者緊張感が漂う会場。めでたくカップル誕生。 | |||||||||||||
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華々しい経歴、職場での体験、エンジニアに対する思い入れ、将来の方向性、スキルなどを書き込めば、レジュメは人を魅了する要素がたっぷり。検証結果は「レジュメの内容だけでも十分、エンジニア異性にもアピールできる」と判明。 さすがに「合コン素材」としての定着は将来の話としても、実際、多くの企業は既にレジュメで採用ターゲットを探し始めている。企業を「異性」とみなせば、「人を魅せるレジュメ」が有効なのはどちらも同じ。 ということで興味をもった方は早速、「人を魅せるレジュメ」を書いてみてはいかがだろうか? |
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