育児中の男性1000人アンケートから見えてきたものとは?育児、家事に参加する男性は、シゴトも充実している!?

ビジネスの場における女性の活躍を促進するためには、「男性の育児、家事への参加」が有効策の一つと言われている。イクメン、イクボスと呼ばれる、育児や家事と仕事を両立する男性ビジネスパーソンが増えつつあるが、実際はどうなのだろうか?リクナビNEXT編集部では、共働き、小学生以下の子どもがいる男性ビジネスパーソン1000名にアンケートを実施。アンケート結果をもとに、彼らの育児、家事への参加状況や、仕事の状況と育児、家事参加との関連を明らかにしてみたい。

2014日11月27日

(調査概要)

調査方法:「リクナビNEXT 男性の育児、家事に関する調査」インターネット上で実施
実施期間:2014年10月29日〜10月30日
調査対象:男性ビジネスパーソン 1,000名(20〜40代、既婚、共働き、小学生以下の子ども有)

■育児や家事に参加している男性は、全体の約7割。
 一方、「育児」 「家事」をしない人の理由は「帰りが遅くて時間がない」

まずは、育児、家事への参加状況を聞いてみた。
「普段、ご家庭での『育児』をどの程度するか」という質問に対し、「よくする」「たまにする」と答えた人は73.1%。「家事」については、「よくする」「たまにする」が66.6%だった。半数以上の人が、育児や家事に参加していることがわかった。
育児・家事に参加する要因対して、最も多かった回答は「妻に楽をさせてあげたい」というもの。「夫婦円満のため」「育児・家事に参加するのが当たり前と思っている」という答えも多かった。

一方、育児や家事を「あまりしない」「しない」と答えた3割強の人たちにも、育児・家事に参加しない要因を聞いてみたところ、「帰宅時間が遅くて時間がない」という回答が最も多かった。次いで多かったのは、「育児・家事が得意ではない」「育児・家事が好きではない」という答えだった。

■自身が、普段、育児・家事をどの程度するか


■「育児」や「家事」へ参加する要因


■「育児」や「家事」へ参加しない要因



育児や家事をやらない理由として、「時間」を挙げる人が多かったことを受け、「育児・家事に費やす時間」と「帰宅時間」についても質問してみた。

まず「1日あたりの、育児に費やす時間」は、「よくする」「たまにする」と答えた人は2時間49分、「あまりしない」「しない」と答えた人は1時間31分と、1時間以上の開きが出た。「家事に費やす時間」も、2時間6分、1時間と同程度の差が出た。
「帰宅時間」を見ると、「しない」人のほうが帰宅が遅いことが分かった。「帰宅時間は20時以降」と答えた人の家事、育児への参加状況を見ると、育児・家事をしない人のほうが相対的に長いという結果が出た。帰宅が遅い人ほど、家で過ごせる時間が少なく、育児や家事に積極的に参加しにくいという現状があるようだ。

■帰宅時間



■育児や家事に参加している男性のほうが、「会社から評価」され、「仕事が充実している」
 と回答

ただ、こんな調査結果も出た。
「会社から評価されていると思うか?」との問いに対し、「育児をする」「家事をする」人のほうが、「非常にそう思う」「ややそう思う」(=評価されている)と答えた人が多いという結果になった。
また、「現在の仕事が充実しているか?」との問いに対しても、「育児をする」「家事をする」人のほうが「充実している」と答えた割合が高かった。

■会社から評価されている


■仕事内容が充実している


■職場に有給休暇を取得しやすい雰囲気がある



前述のように、育児、家事をしない人の育児・家事 をしない理由は「帰宅時間が遅いから」という声が多かったものの、家庭での時間を削って仕事をしていても必ずしも仕事に充実感を感じているわけではなさそうだ。育児、家事をする時間を作れない原因は、仕事に没頭しているからではなく、仕事をせざる得ない状況 になっているからというケースが多そうだ。

一方で、育児・家事をする人は、仕事でも評価され、充実していると感じており、家庭と仕事の両方がうまくいっていることがうかがえる。

家庭も仕事もうまくいっている人は「家庭でうまくいっているから仕事の意欲につながる」のか、「仕事がうまくいっているから家庭の時間もとれる」のか両方の可能性が考えられる。家庭の時間をより確保したい人がどちらから改善するのが良いかは、人それぞれ環境が異なることから、一概にどちらから変えていけばいいのかについては言いにくい。ただ、個人の努力で現状の仕事の仕方を変えるのは時間がかかる場合が多い。
現状では「育児、家事をしていない」が、時間さえあれば本当はしたいと思う場合は、まずは少しだけでも家事、育児へ参加する時間を増やしてみることから始めてみてはどうだろうか。育児、家事を始めたことで家庭での生活に変化があり、それが仕事の仕方を変えるきっかけ、変えてゆくモチベーション向上につながるかもしれない。


EDIT
伊藤理子
DESIGN
マグスター