【体験談】大都市ではなく、慣れ親しんだ土地で働くためIターン転職で広島へ
マキさん(仮名):31歳 ヘルプデスク(派遣スタッフ)→カスタマーサポート(正社員) |
学生時代からずっと実家住まい。思い切って転職先を県外に定める
三重県で生まれ育ったマキさんは、大学生の時も就職してからも、両親のそばにいることが当たり前の暮らしだった。大学は実家から2時間かけて名古屋まで通い、就職先は「三重県で働けること」を第一条件に探した。父親が地元のスーパーマーケットに勤務しているのを見て面白そうだと感じ、三重県内で展開しているスーパーマーケットに新卒で入社した。
ところが長時間労働と不規則な勤務で体調を崩してしまい、1年ほどでスーパーマーケットは退社。1年間の休養を経て、不規則でない仕事を探したところ、新聞広告でインテリア商材メーカーの受発注業務の事務職を見つける。待遇は契約社員だったが、土日休みの安定した仕事だったので入社を決めた。「いずれ正社員になりたい」と考えていたマキさんだったが。三重県の営業所が閉鎖されることになってしまい、再度転職を余儀なくされてしまう。次の仕事を探しながら、マキさんは自分の心に変化が起きているのを感じた。
「それまでずっと、実家にいなきゃいけないと思い込んでいましたが、社会人になって、一度親元を離れてみてもいいんじゃないか?という気持ちが湧いてきました。親も賛成してくれたので、未知の土地で仕事を探してみようという気になりました。」
仕事の探し方がよく分からず、言われるまま派遣スタッフとして転職
そして、マキさんが目指したのは広島だった。広島はマキさんにとって高校生まで過ごした街で、親しみがあり知り合いも多く住んでいたからだ。「転職するなら名古屋や大阪ではなく、広島で働きたい」と考え、転職活動はスタートする。
「もともと知っていた人材派遣会社で、『30歳では社員での転職は無理ですよ。派遣で探すのはいかがですか』と言われたことで、調べもせず早々に正社員をあきらめてしまったんです。今思えば、30歳ならまだ正社員募集はあったはずですが、当時は仕事の探し方があまりよくわからなかったんです。」
広島で見つけた仕事は、ヘルプデスクの派遣社員。派遣された職場ではスタッフの入れ替わりが激しく、マキさんの経験が重宝されるようになり辞めるに辞められない雰囲気があり時間が経過していった。しかし、頼りにされていたにもかかわらず「これ以上時給は上げられない」と宣告されており、それが不満のひとつになっていた。9年目になり、とうとう「自分ができる仕事でもっと上を目指そう」と思い立ち、9年で培ったスキルが活かせる次の仕事を探し始めた。
条件だけでなく、住み心地を考えた転職もひとつの選択肢
転職活動の結果、マキさんはソフトウェアメーカーのカスタマーサポート職に正社員として採用された。ユーザーである法人から操作方法や不具合についての電話での問い合わせにこたえる仕事だ。派遣で働いたころと違って半期ごとに査定評価があり、待遇面に反映される仕組みがあることに満足している。また、以前はわずか3人の職場だったが、今は大勢の人と関わることができ、気分的にも楽しいという。
「良い条件で働くことを優先順位においていたら大阪や東京に出ていたかもしれません。でも私は広島が好きで、広島で働きたかったんです。広島東洋カープも応援していますし、食べ物も美味しい、身近に楽しみがたくさんあります。他ではなく、広島で働くことが、私にとって大切なことだと思っています。」
――最初は地元・三重のみをエリアとして考えていたマキさんだが、広島へのIターン転職を希望した結果、キャリアを積める仕事と出会うことができた。マキさんの言うとおり、東京や大阪のほうが多くの求人から仕事を探すことができるが、まったくゆかりもなく、知り合いもいない土地へ行くことは踏み出すには勇気がいる。大都市だけを目指すのではなく、「土地勘のある身近な都会」への転職も、仕事選びの選択肢のひとつにしてみては。
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