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転職先へ事業をまるごと移管する― 社員や家族を守るために下した37歳取締役の決断 グッドエージェント賞2016 金賞

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株式会社アールストーン マネージャー 小須賀 陶子氏

事業継続が困難となった企業で、取締役を務めていた37歳男性・Uさん。個人で事業継続するための出資先を探すべく、人脈を広げていた中で出会ったのが(株)アールストーンの小須賀陶子氏。転職エージェントである小須賀氏は、Uさんの譲れない条件――事業継続、年収維持、Uさんと社員の雇用――を満たす企業を見つけるという、人材紹介領域を超える難題に挑んだ。その受け入れ先となったのは成長著しいベンチャー企業D社。Uさんはどうやって苦境から脱したのか、小須賀氏に聞いた。

絶対に継続させたい事業がある―貫きたかった思い

ゲームやアプリの新規事業立上げ、運営、編集などプレイングマネジャーを務めていたUさん。取締役執行役員として、経営にも携わっていた。ところが近年、経営悪化で事業の継続が難しくなり、社員も自分も路頭に迷うかもしれないという事態に直面していた。彼が取り組んできたのは、いわゆるキュレーションメディア。自社開発のアプリとコンテンツを有し、ユーザーも相当数獲得していた。メディア力には自信があり、成長余地もある事業だったが、同事業だけでは経営が立ち行かなくなったという事情だった。

Uさんは個人で事業継続しようと、出資先を探した。探索の一環で、転職情報サイトにも登録。その経歴を見てスカウトメールを送ったのが、小須賀氏だった。

「初めてUさんにお会いしたとき、『これって人材紹介会社に相談していい内容ですか? 面倒ですよね、すみません』とおっしゃっていました。ただ、“ワラにもすがる思い”という様子だったので、とりあえず今困っていること、悩んでいることを全部話してもらいました。

Uさんは、『もしも転職を選択するとしたら譲れない条件がいくつかある』と。まず、ご自身が携わってきた事業・サービスをまるごと引き受けて継続させてもらえるか、家族が病気療養中で高額医療費がかかるため、取締役のときと同等の年収が確保できるか、一緒に働いている社員も雇用してもらえるかといった条件でした。

そうした条件には優先順位がつけられず、すべて叶えたいというのがUさんの希望。確かに条件一つひとつの難易度は高いけれど、私にできることと、当社とお付き合いのあるクライアントの状況に照らせば、それほど実現不可能なことでもないかなと、感じました。そこで、私自身が転職という手段に捉われずに、“Uさんの希望を実現するためにできることをしてみよう”とシンプルに考え、『まずはやってみましょう!』と彼を励ましました。」

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こだわりの強いクリエイター気質。そこにハマる企業が現れた

小須賀氏は、Uさんの希望を叶えてくれるクライアントがないか、すぐに社内の企業担当者数名に相談した。

「多角的に事業展開していて、成長に意欲的、かつ自由度が高く枠にはまらない企業なら提案を聞いてくれるかもしれないと考え、それらの軸にマッチする先をリスト化して、企業担当者から各社人事へアプローチしてもらいました。

難易度は高かったものの、数社が候補にあがり、最終的に、D社にUさんを紹介することになりました。その頃にはもう、Uさんが個人で事業継続するよりも、事業をまるごと受け入れてくれる転職先を探すほうが彼の希望を満たせるだろうという確信が、私の中でできていましたから。」

D社は、モバイルゲームとウェブサービスを柱に事業展開する社員数約150名の企業だ。安定した財務基盤を有し、成長率は前年比130%。2017年の売り上げ目標200億円を目指しているが、それには新規事業の創出が必要だった。しかし、そうした実績を創り、かつD社の社風にマッチする人材が、外部からなかなか採用できないことが課題となっていた。

「D社では、“クリエイター集団をつくりたい”というご要望もありました。Uさんは、モノを生み出す力もあるし、仕事へのこだわりも強い方。まさにクリエイター気質だったので、D社とは相性もよいと判断し、ご紹介したわけです。」

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最後の迷いをふっきれたのは転職エージェントからの叱咤激励

アールストーン_2D社には、Uさんの“人物評価軸”と、事業の将来性を測るための“サービス評価軸”で判断していただくよう、通常の面談とは異なる方法を提案した。
「“事業をまるごと移管する”ためには、サービスの魅力を感じていただき、利益が出るものだということを、Uさん自身にプレゼンしてもらう必要がありました。開発現場のリーダー、新規事業担当者、社長など、D社の様々な方に面談の機会をいただきました。中には、Uさんの事業・サービスを知っている方もいて、話が盛り上がったようです。D社は彼の希望をくみ取り、採用を前向きに検討してくれました。」

D社担当者の評価は次の通りだ。

「Uさんは研究者肌・学者肌で、やりたいことへの熱意がかなり強いという印象でしたが、腰が低くて人柄もすばらしかった。かつ、サービス企画力などにも長けており、求められるコンテンツを生み出す能力は高いと感じました。また、小須賀さんたち転職エージェントが彼の状況やボトルネックとなる点を随時共有し、彼とのリレーションをうまくとってくれたおかげで、書類選考・3回の面談・内定までを、スムーズに判断していけたと思います。小須賀さんたちは、Uさんの人物評価にかかわる選考フローだけでなく、サービスの継続観点でもディレクションし、当社にとって“エージェント”の枠を超えた働きをしてくれました。」

Uさんも、「『まずはやってみましょう!』という小須賀さんの言葉に勇気をもらって始めた転職活動。私のキャリア軸(人物評価軸)だけではなく、ヒト・モノ・カネといった事業成長軸(サービス評価軸)での“棚卸し”もしてくれました。まるでベンチャーキャピタルにレビューしてもらっているような的確なフィードバックでしたね。おかげで、継続を希望していた事業(サービス)のよい面・悪い面を客観的に捉えられて、一人よがりにならずにD社にプレゼンできたのだと思います。」と、振り返る。

しかしUさんには、まだ迷いがあった。小須賀氏は電話で毎日のように、Uさんと話し合った。

「『事業を持っていける可能性、年収、スタッフの採用まで検討いただけているのだから、あとは入社後、あなたの頑張りで実現してください! まずはあなた自身が採用されることが大事ではないですか?』と伝えたところ、Uさんももっともだと納得してくれたのですが……。」

最後の最後までUさんが迷っていた理由は、2点。出資先があれば自分で事業継続をしたいという強い思いを断ち切れないことと、会社員になることへの抵抗感。長年、自分のペースで仕事をしてきていたうえ、取締役だったこともあり、組織で働くことへの抵抗感を持っていたようだ。

Uさんの本音を聞いた小須賀氏は、彼に告げた。

「Uさんは、D社のいろんな方と面談しましたよね。あなたのサービスを知っていてくれて話も盛り上がっていたし、D社なら“共通言語”で仕事の話ができる仲間がたくさんいることは体感されたと思います。会社に入る・仲間の一員になることは、そうした喜びが得られるということじゃないですか? 入社後、あなたの思い通りにはいかないことも、きっとたくさんあるでしょう。でもそのときに、この仲間とやっていこう!と思えないなら、むしろ承諾しないでください。」

Uさんは、小須賀氏の言葉で目が覚めた。ほかのどこでもない、このD社だったからこそ、そこにいる仲間とやっていきたいと思えたのだ――と。

転職は人生を選択する手段の一つ。選択肢を減らさなければ次へつながる

Uさんは8月末、新規事業担当としてD社に無事入社した。年収も前職ベースを維持できた。かつて一緒に働いていたメンバーも、ウェブメディアの編集としてD社に採用された。肝心の、Uさんが携えていった事業・サービスは、D社での継続を視野にリバイス中だという。

D社担当者はいう。

「通常、新規事業を担当し得る人材の募集条件は、定量化できるものではありません。しかしUさんの場合、彼が入社した後の、当社への貢献イメージを小須賀さんたちが提案してくれていたので、我々も事業展開を具体的に組み立てることができました。そうして採用されたUさんの今後の活躍には、大いに期待しています。」

「彼はほかにも積極的に企画提案をしているそうです。日々試行錯誤しているようで、『早く実績を上げたい』とおっしゃっていました。入社した以上はD社に貢献してもらいたいし、Uさんを応援しています」と、小須賀氏。今でもときどき、Uさんに電話をしては叱咤激励する場面があるようだ。

小須賀氏との出会いから3週間ほどで、新たな一歩を踏み出したことになるUさん。当初は、転職の明確な意志をもって小須賀氏を訪ねたわけではない。“人生における重要な選択”が必要なとき――“これしか方法はない”と決めつけず、客観的な意見や、ときに厳しい他者の言葉に耳を傾けることができれば、どんな苦境も打開できる道はあるということを、Uさんは証明した。

転職者へのメッセージ

転職は何かを変えるための手段の一つにすぎません。ですからあなたが一歩前に進むために、今の仕事の悩みや人生の悩みを誰かに相談したくなったとき、“これも選択肢の一つ”くらいに考えて、気軽に声をかけてください。私の長所は、その人の持つ弱さや本人がコンプレックスだと思っている部分も愛せる力、また、それを踏まえてその人を尊敬できることです。ですから、あなたの人生において、そうした弱さに向き合う必要が出てきたときは、ぜひ私を頼ってください!

【プロフィール】
アールストーン_3株式会社アールストーン マネージャー 小須賀 陶子(こすが・とうこ)氏

前職は、ウェブ広告代理店のウェブディレクター。5年務めた後、2013年に(株)アールストーンに転職。「一生続けられる仕事、得意や才能を活かせる仕事、様々な人、様々なビジネスに触れられる仕事を」と考え、キャリアチェンジし、転職エージェントになった。

2016年7月にマネージャーに着任し、現在4名のメンバーをまとめる。

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