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(株)リクルートキャリア 門野友彦

1985年リクルート入社。企業内教育研修などの営業、企業向け組織人事コンサルティングを担当した後、リクナビNEXTの前身であるリクナビキャリアや、スカウトシステムの開発、運営に携わる。現在は、新たな人材マッチングサービスの企画・検討に注力。転職活動カウンセリング経験も豊富。

2015年3月18日

総集編

2008年秋にスタートしたこの連載、あと3回でいったんの区切りを迎えます。今まで長きにわたりご愛読いただき、ありがとうございました。

今までに150人以上の方の転職に関する相談をお受けしてきました。皆さんが置かれた境遇や悩みの内容はさまざまですが、紐解いてみると同じようなことでつまずいている方が多いと感じています。

残り3回は「総集編」として、皆さんにお伝えしたい「転職活動のポイント」をまとめさせていただきたいと思います。

Part.1 「書類選考に全然通過しない」と悩む人へ

皆さんから寄せられる相談で最も多いのがこれ。「一生懸命書いているのに、全然面接に進めない」と悩む方がとても多いのです。そして、書類であっさり落とされる理由を皆さん勘違いしています。スキルや経験が足りないとか、転職回数が多いとか、そんな理由ではありません。要は「まとめ方」が問題なのです。

■すべてを書こうとしない!伝えたいこと、アピールしたいことに絞ってOK

私が拝見した応募書類の中で、最も多いのは「長すぎる」「余計なことまで記されている」パターンです。

以前カウンセリングでお会いしたWebエンジニアの方は、今まで携わったプロジェクト内容をすべて詳細に記述したため、職務経歴書が実に10枚に及んでいました。ベテラン営業にも多いパターンなのですが、綿々と書かれた職務経歴書に、隅々まで目を通してくれる人事担当者はいません。いくら素晴らしいスキルや経験、実績をアピールしていても、長い職務経歴書の中に埋もれてしまって見つけ出すことなどできません。

また、新人でもないのに、業務内容に「電話応対」「来客対応」「伝票処理」などと書いているケースも頻繁に見かけます。驚くことに、社歴10年超のベテランであっても記している。そんな方が「電話応対」などと書いていると、「重要な仕事を任されていないのかな?」と感じてしまいますよね。

職務経歴はすべてを漏れなく書かなければ!と考えている方が実に多いのですが、全くそんなことはありません。例えば、前述のWebエンジニアのケースであれば、応募先企業に評価されそうなプロジェクトを前面に押し出してアピールし、そうでもないプロジェクトは軽く触れるだけでOKです。

そして、電話応対や来客対応など「誰にでもできる」業務は書かないこと。後述しますが、もっとほかに記すべきことがたくさんあるからです。

■「仕事に対するこだわり」を入れると個性が伝わる

一方で、「経験が浅いから、スキルに自信がないから、書くことがない」と悩む方も実に多いです。でも、たとえ社会人歴1年の新人であっても、書けることはたくさんあります。

私がお勧めしているのは、「仕事に対するこだわり」を書くこと。難しく考える必要はなく、どんなこだわりでもいいのです。それがあなたの個性だからです。自分の仕事ぶりを、じっくり振り返って、何にこだわって仕事に臨んでいるか考えてみてください。ピンとこなかったら、「何をされたらイヤか」「どんなことをしているときが気持ちいいか」から考えてみてもいいでしょう。

例えば、「ミスは起こすのも起こされるのもキライ。絶対にミスがないよう、業務が終わっても見直しを徹底した」でもいいし、「チームメンバーに気持ちよく仕事をしてもらいたいから、毎朝の掃除と整理整頓だけは欠かさなかった」でもいい。社歴の浅い新人だったら、「教えてもらったことを再び質問することがないよう、すべてメモにとってその日のうちに振り返りを徹底し、自分のものにする努力をした」とか「営業部には山のように電話がかかってくるので、誰よりも早くワンコール以内で取ることを徹底した」などでもOKです。

どれも、人事担当者から見れば、自社での活躍イメージが湧く「こだわり」です。例えば、「ミスを起こしたくない」人であれば、「この人ならばち密な作業を任せても安心だ。うちのあの仕事を任せたらどうだろう?」と具体的な部署イメージも湧くでしょう。一度会ってみたいな、面接に呼んでみようかと思ってもらえる確率も、ぐんと上がるはずです。

■始めたこと、止めたこと、改善したことのエピソードは活躍イメージが湧く

繰り返しになりますが、他社での職務経歴をただ羅列されても、あなたの魅力は伝わりません。いくら輝かしい実績をアピールされたとしても、もちろん一定の評価はしますが、「果たして自社でその経験やスキルを発揮できるのか?」と思われてしまいます。

そこでぜひ、皆さんにお勧めしたいのは、ご自身の経歴を振り返り、「始めたこと、止めたこと、改善したこと」を洗い出してみること。それを応募書類上でアピールすれば、人事担当者に自社での活躍をイメージさせることができます。

「始めたこと」は、ご自身の発案や働きかけで新たに始まった業務やプロジェクト、新しい業務フローなど。以前お会いした空港スタッフの方が「手間取っている業務に気づいたのでマニュアルを作ってみた」とおっしゃっていましたが、これも立派な「始めたこと」。あなたならではの着眼や発想がイキイキと伝わります。

「止めたこと」は、非効率と思われる業務を検証し、実際に廃止した経験など。始めるよりも、既存のものを止める決断のほうが周りを動かすパワーが必要です。止めるためにどのように検証したのか、どう周りに働きかけたのか、どんな代替案を考えたのか、具体的なエピソードを交えて伝えれば、これも着眼や発想、巻き込む力などが伝わります。

そして、「改善したこと」。これもどんなことでも構いません。「こう変えたほうがみんなの効率がいいのではないか」「別の方法を取ったほうがもっと売れるのではないか」などと気づき、自ら動いて改善した経験は貴重です。日々の業務の中でも、より良くしようという視点を忘れず行動できる人だと、高く評価されるはずです。

ここまでに何度か、「人事担当者の目線に立てば」という言葉を使いましたが、何かに迷ったら、応募先企業の人事の目線に立って見ることをお勧めします。応募先企業にとって魅力的な内容になっているか、ひいては、自分が応募先企業の社長だったらこの人を採用したいと思うか…と考えれば結論は見えてくるはず。ぜひ、この目線を大切にしてください。

■応募書類をうまくまとめられれば、面接だってうまくいく

そもそも、応募書類がうまくまとまっていれば、面接だって楽勝です。面接は書類をベースに行われるので、応募書類に「聞いてほしいこと」を散りばめておけば、こちらが主導権を握れます。

上記で、応募書類でアピールすべきとお勧めした「仕事へのこだわり」や「始めたこと、止めたこと、改善したこと」は、あなたならではのエピソード。面接でも具体的に聞いてみたいと思うはず。予想外のことを突っ込まれて頭が真っ白になる確率はかなり減るはずです。

聞かれたら、こちらのものです。これらはいずれも「やらされごと」ではなく、自分が能動的に動いた結果のエピソード。自然と言葉に想いが乗り、イキイキと話せることでしょう。面接自体も盛り上がるはずですよ。

EDIT
伊藤理子
DESIGN
マグスター
ILLUST
もりいくすお
PHOTO
平山諭

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