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TOPエンジニアが選ぶ「頭脳が癒されるマンガ」30冊

こだわりのアレ 健康・趣味・恋愛
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日々の激務でストレスが重なったり、創造力が尽きかけたとき、ふとマンガに手を伸ばすことはありませんか?  そこで、さまざまな分野で活躍する6人のTOPエンジニアたちに秘蔵マンガ5冊の厳選を依頼。計30冊の秘蔵本を本邦初公開!

あの人はどんなマンガを読んでいるのだろう

プロジェクトの山場で徹夜つづきのときや、たび重なる技術開発で創造力の枯渇を感じたとき、ふとマンガに手を伸ばすことはないだろうか。優れたマンガは私たちを彩り豊かな空想の世界に誘い、疲れた頭脳を潤して、発想や気分の転換をもたらしてくれる。

今回の企画では、そんな栄養満点のマンガを見つけるべく、各界で活躍するTOPエンジニアの方々6人に、愛着の深い秘蔵マンガを5冊ずつ選んでいただき、その魅力を語っていただいた。登場いただくのは、(株)はてなCTOの伊藤直也さん、天才脳機能学者の苫米地英人さん、アキバ・キーマンであるインテル(株)の天野伸彦さん、SEの生態を描いたエッセイが人気のイラストレーターきたみりゅうじさん、カリスマブロガーのlisperさん、ニュースウ オッチャーのまなめさん。TOPエンジニアたちの頭脳を癒し、刺激し、育んだのはどんなマンガなのか、ぜひ参考にしてしてほしい。

「はてな」のカリスマプログラマ・伊藤直也さんが選んだマンガ5冊

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マンガは自分の価値観を形成した大切なもの

伊藤直也さん
1977生まれ。人力検索サイトなどユニークなネットサービスを展開するはてな(株)の最高技術責任者(CTO)。個人でもAmazonアフィリエイト支援ツールなどを開発し、自身のブログでも技術やブログ関連の話題などを紹介している。

小学生時代の伊藤さんはマンガ少年で、いつも教室でマンガを描いている子供だったという。その後、『ドラゴンボール』と『スラムダンク』で少年期・思春期の精神的土壌を養い、「マンガ黄金期」の大学時代に突入。コンピュータと物理教科書とマンガで埋まった研究室では、1人1冊マンガ雑誌を買ってくるのが習慣で、あらゆるマンガを読破したという。同時期に「超マンガオタクの友人」を得たことも、マンガライフに拍車をかけた。

「僕にとってマンガは、ゲームと並んで自分の価値観を形成してきた大切なもの。どうすればほかの人に使いやすいアプリケーションになるか、といったモノづくりのセンスを磨けたのも、マンガとゲームのおかげなんです」

伊藤さんが愛読するのは、「才能ある主人公が敗北から立ち上がって完全勝利を手にする」王道系のマンガたち。そんなマンガを新品で山積みして、お菓子とジュースを用意し、臨戦態勢を整えているときが人生至福の時間なのだとか。

このシーン、セリフが忘れられない!

死者たちの死闘がリアル

『GANTZ』(C) 奥浩哉 集英社

電車事故で死んだはずの主人公がマンションの一室に転送され、謎の 黒い球・ガンツに命じられるまま、宇宙人との死闘に狩り出されていく。「人間は死んだらどうなるのか、誰もがその人なりの哲学を もっていると思うけど、このマンガの世界は、僕の死生観にとても近い」。CGを駆使した戦闘シーンや異色のキャラクターも魅力的だ。

思春期の自分の原点に戻れる

『スラムダンク』(C) 井上雄彦 集英社

伊藤さんが思春期をともに過ごした人気バスケットマンガ。体育会(剣道部)だった伊藤さんはスポーツへの情熱をかき立てられた。「主人公が溜めに溜めたストレスを最後に爆発させるシーンは何度読んでも泣ける。抑圧から解放に 至るストーリー展開がすごく上手い。あと、どんどん作者の絵が上手くなっていく点も魅力です」

全巻を3回も買い直した愛読書

『ドラゴンボール』(C) 鳥山明 集英社

小学生から高校生まで、伊藤さんの成長と伴走しつづけた格闘マンガ。幼い頃はこのマンガの絵を模写するのが好きだったという。引越のたびに破棄と再購入を繰り返し、全巻セットを3回も買い直したほどの愛読書だ。「ネットゲームで知り合った外国人と『ドラゴンボール』の話をしたこともある。日本が世界に誇る名作だと思う」

実践的なサバイバル術が満載!

『サバイバル』(C) さいとう・たかを/さいとう・プロダクション/リイド社刊

旅行中に事故に遭った主人公の少年が無人島に漂着、極限状態を生き延びる姿を描く。「大学の研究室の先輩に勧められて読んだら、 むちゃくちゃ面白かった。栄養の確保の仕方とか、病気への対処法、ネズミとの戦い方など、実践的なサバイバル術が満載されている。日本もどうなるかわからないので、いざという時に役立つかも(笑)」 。

強敵に投げ勝つ姿にスカッとする

『MAJOR』(C) 満田拓也 小学館

努力型の天才である主人公が試合を重ねるごとに成長していく姿を描いた野球マンガ。「映画でもハリウッド大作が好きなんだけど、起承転結がはっきりしていて、最後はハッピーエンドで終わるようなスポ根マンガが大好き」と伊藤さん。強烈なライバルを相手にした主人公が完全勝利を得るラストには、胸も頭もスカッとする。

天才脳機能学者・苫米地英人さんが選んだマンガ5冊

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マンガの臨場感を楽しむことは、優れたリラックス効果をもたらす

苫米地英人さん
1959年、東京都生まれ。米国のエール大学、カーネギーメロン大学などで、人工知能や認知科学の研究に従事した脳機能学者。現在は、コグニティブリサーチ・ラボ基礎研究所所長。

米国での研究生活が長かった苫米地さんは、「マンガは日本独特の文化」と指摘する。マンガのコマ割 りという表現方法は、時間の流れに沿って自由に状況や心理状態を伝え、臨場感を感じさせることができる、優れた発明なのだと。その表現方法は、世界のクリエイターやハリウッド映画に輸出され、今やある種のスタンダードになっている。また、マンガの中の臨場感を楽しむことは、優れたリラックス効果をもたらすとも。

「思い切り仕事をするには、集中とリラックスを繰り返すのがいい。仕事で疲れたからとすぐに寝てしまうのは、脳の活動を急に止めることになる。そこでマンガを読むと、集中したハイテンション状態を維持したまま、瞑想状態で別の空間に行くことができるので、寝起きにまた集中状態に戻すことができる。車のアイドリングと同じです」

ただ、マンガでさらに疲れてしまうのは逆効果。疲労の重いときは、頭を使わずに読める気軽なものがおすすめだ。

このシーン、セリフが忘れられない!

メカ好き、車好きにはこたえられないマンガ

『サーキットの狼』(C) 池沢さとし 集英社

苫米地さんの愛車ディーノ子供の頃に機械を分解するのが好きだったエンジニアは多い。苫米地さんも車でも自ら手を加えられる古い車を愛好しているという。そんなメカ好き、車好きのハートを刺激したのがこのマンガ。70年代の連載時に読んで夢中になり、今でもよく読み返す。「主人公のライバルが死んでしまうラストは忘れない。とにかく車好きにはこたえられないマンガですね」。

愛車をマンガのようにぶっ飛ばす

『DINO』(C) 柳沢きみお 小学館

苫米地さんの愛車は、71年ものの246ディーノGT。そのディーノという車のカッコ よさを描いたのがこのマンガだ。「同じ車を題材にしたマンガでも、『サーキットの狼』と違って『DINO』は復讐劇が主題のマンガです。表と裏の顔をもつ主人公が、何かを吹っ切るようにディーノを乗り回すところがとても好きです」。

仏教の教えはエンジニアに通じる

『ブッダ』(C) 手塚治虫 潮出版社

苫米地さんが「エンジニアには、ぜひ読んでほしい」と強く勧めるのがこのマンガ。仏教の開祖シッダールタの生涯を描いた大作だ。「仏教の教える奉仕の精神は、エンジニアが世の中の人々に役立ち、喜んでもらいたいと思う気持ちに通じている。手塚治虫さんが精魂込めて描いたというだけあって、素晴らしいマンガです」 。

思考のアイドリングに最適

『だめんずうぉーかー』 (C) 倉田真由美 扶桑社

「仕事や勉強に集中して疲れたとき、頭を使わずに読めるマンガは、いいアイドリング効果をもたらす」と苫米地さんは言うが、そんな用途に最適なのがこのマンガ。ダメ男たちの生態を女性の視点から描いた作品だ。「身近なネタで笑えて、面白いねーで終われる。いい意味で深みがないので、思いきりリラックスできるでしょう」 。

コマ割 りの技術が素晴らしい

『ゴルゴ13』(C) さいとう・たかを/さいとう・プロダクション/リイド社刊

日本が世界に誇る、マンガのコマ割という表現技法。その技術力の高さを存分に示したのが、スパイ劇画の傑作『ゴルゴ13』だ。また、このマンガはメカ好きのエンジニア心をくすぐる作品でもある。「ライフルで焦点を定め、的に正確に命中させるのは力学的な知識が必要。さいとうたかをさんはその辺とても研究してると思いますね」

アキバのキーマン・「インテル」天野伸彦さんが選んだマンガ5冊

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短時間で頭を活性化してくれるギャグマンガ

天野伸彦さん
現在、インテル(株)チャネル事業部 シニア・フィールド・アプリケーションエンジニア。秋葉原の店員からもカリスマ的存在として知られる。

インテル社の天野伸彦さんは、自社製品の市場をサポートするチャネルグループに所属し、秋葉原の店員 向けトレーニングセミナーでCPUをガンダムに例えたプレゼンで大喝采を受けるなど、アキバのカリスマ的存在として有名だ。

小学校の頃より、ピアノを習い、その後タイプライターを経て、初期のマイコンをいじっていたという早熟のコンピュータ少年だった天野さんが一貫して愛読してきたのは、ナンセンスなギャグマンガ。子供の頃は、外食に出かけた中華料理 店などに置いてあったマンガ雑誌の中から、「すぐに読めて、これは笑えそうだ」と思うマンガをまき込むように読んでいたという。

「ギャグマンガは現実ではありえない空想の世界に飛べるところが好きですね。ずっと集中して仕事をしていて行き詰まったときなどに、ふっとギャグが入ってくると、発想が転換されたり、気持ちをリラックスさせられる。僕はプレゼンでもギャグを挟むのが好きなのですが、頭の活性剤としてギャグマンガは最高です」

このシーン、セリフが忘れられない!

ちょっと過激な70年代の伝説的ギャグマンガ

『ヤスジのメッタメタ ガキ道講座』谷岡ヤスジ 実業之日本社

天野さんが5歳ごろに『少年マガジン』誌上で読んでファンになった70年代の伝説的ギャグマンガ。「アサー!」「鼻血ブー」など数々の流行語を生んだ。「当時はただ楽しそうな雰囲気が好きだったのですが、今読み返すと、包丁をパスパス刺したりして、ずいぶん過激な内容ですね(笑)。 あきるまでギャグとして読むなら、いい気分転換になるマンガです」。

悪ガキたちのいたずら心を刺激

『トイレット博士』(C) とりいかずよし 集英社

小学生時代の天野さんが愛読していた下ネタ満載のギャグマンガ。「7年殺し」「マタンキー!」など悪ガキたちの間で大人気のギャグが連発された。「マンガの中に描かれたような いたずらは現実にはできなかったけど、頭の中の仮想の悪ガキを育んだ。幼少時代の笑いの素になっていたマンガですね」

好きなキャラが揃ってドタバタ劇

『すすめパイレーツ』(C) 江口寿史 角川書店

千葉のダメ球団「パイレーツ」のドタバタ劇を描いた作品。高校生になってお小遣いに余裕のできた天野さんが初めて買った単行本。「さる山さるぞう君とか大好きなキャラクターがいっぱい出てきたマンガ。次回作(ストップひばりくん!!)で、著者が原稿を落としていたらしいことが単行本でわかり、親近感がもてたのも懐かしいです(笑))」 。

バカ騒ぎの楽しさがたまらない

『マカロニほうれん荘』 (C) 鴨川つばめ 秋田書店

ひじかたさんとキンドーさんのノリツッコミが延々と続くナンセンスギャグマンガ。「ワハハ、ワハハという笑い声が今でも脳裏に残っている。バカ騒ぎの楽しい雰囲気がたまらなく好きでした。時間を置いてからもう一回、読み直すと、もっと深い笑いが隠されていたりして、何度も読み返したのを覚えています」

明解なギャグとキャラが魅力

『Dr.スランプアラレちゃん』(C) 鳥山明 集英社

女の子型の怪力ロボット・アラレちゃんが引き起こす珍騒動と、のり巻き博士の慌てぶりが笑いを誘う。「 わかりやすいギャグと可愛いキャラが魅力の作品ですね。マンガやアニメは日本が世界に誇る産業だけど、鳥山明さんのマンガはその代表作と言っていいでしょう。個人的には、このマンガのニコちゃん大王が大好きでした」 。

元SEイラストレーター・きたみりゅうじさんが選んだマンガ5冊

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マンガは気分転換とモチベーションアップのために

きたみりゅうじさん
ソフトウェア開発会社を経て、フリーのイラストレーターおよびライターに転身。SE時代の経験を生かしたコミックエッセイで人気を博す。

きたみりゅうじさんにとって、マンガは気分転換とモチベーションアップの栄養剤。イラストやマンガ制作の仕事の最中は、「影響されると嫌なのでマンガは封印しておく」という。

きたみさんが初めて出合ったマンガは、幼稚園のときに読んだ『ドラえもん』。小学生時代は『コロコロコミック』などを書店で立ち読みし、メカや設計図の出てくる『キテレツ大百科』も愛読した。その影響か、落書きの得意な子供で、よく友達に頼まれてロボットの絵を描いていたという。

就職してからは同じ会社にマンガ好きの先輩がいて、「毎週これを読まないとすまない体にしてやる」と『ヤングジャンプ』『スピリッツ』などの雑誌を「半強制的に(笑)」読まされた。その後、SE時代にホームページに載せていた4コママンガを出版関係者に見いだされ、現在の仕事に転職。「SEの仕事は達成感があって、しんどいけれど楽しかった」と言うきたみさんは、エンジニアの心の機微を絵筆にのせて伝え続けている。

このシーン、セリフが忘れられない!

無駄にハイテンションなギャグに爆笑しつつ共感

『燃えよペン』(C) 島本和彦 メディアファクトリー

『炎の転校生』など熱血ギャグマンガで知られる著者が、徹夜つづきのマンガ家の日常を描いた傑作。「無駄にハイテンションなギャグに爆笑しつつも、“わかる、わかるよ!”といった仕事観が詰まっていて、こんなノリで仕事ができれば最高だぜぃ!という気持ちになる」ときたみさん。プロジェクトの火事場にあるエンジニアも、思いきり笑い、共感できるはずだ。

“普通の人”の懸命な姿が心打つ

『海猿』(C) 佐藤秀峰 小学館

海上保安官という職業の内実を描いた感動巨編。スーパーマンではない、普通の感覚をもった主人公が危機に立たされ、迷いながらも必死に仕事を成し遂げていく姿に涙を誘われる。「からだ全体で“人間讃歌バンザイ”という気持ちになれて、俺も一生懸命に頑張ろうと励まされる」。仕事から逃げたいと思ったときは、本作を読んでみよう。

無音の世界で自分と向き合う

『無能の人』(C) つげ義春 新潮文庫

仕事に疲れたとき、河原で石を売る生活が魅力的に映ることがあるだろう。“そうなってはいけない自分”の姿に癒されることが。「忙しくてパニック状態のときでも、このマンガを読むと時間の流れが遅くなり、心が静まってくる。じっと自分の内面と向き合うきっかけを与えてくれるマンガ」。文学的ともいえる独特の雰囲気が魅力の作品だ。

人間の因業に考えさせられる!

『寄生獣』(C) 岩明 均 講談社

宇宙から来た寄生獣を右手に宿した青年と、人間を食物にする寄生獣たちの壮絶な戦いを描く。最初は寄生獣の恐怖が中心だが、やがて人間という生き物の因業について考えさせられる。「大学生の頃に読んで、すごく よくできた話だなと感心した。壮大なテーマをきちんと最後まで畳み終えている」。手に汗にぎる戦闘シーンも必見だ。

“カッコいいもの”をすべて凝縮

『ドラゴンボール』(C) 鳥山明 集英社/ジャンプ・コミックス

「完全版が出たので再読したら、また病みつきになった」ときたみさん。カンフー風の衣装、オーラに包まれてパワーアップする場面など、男の子がカッコいいと思うアイテムや演出をすべて詰め込んだ、少年マンガの王道的な作品だ。「安心してストーリーに身を ゆだねられて、頭の疲れているときでも楽しむことができる」。

人気ブログ「バグで行こう」lisperさんが選んだマンガ5冊

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世界観の大きなマンガで非日常の感覚を味わう

「バグで行こう」lisperさん
大手ソフトウェア企業勤務。80年代初期の大学時代からプログラミングを始め、 Lisp、Fortran……VB、C++、Javaなど、「プログラミング歴20年以上」という ベテランのプログラマ。

lisperさんのマンガ原体験は、中学・高校時代に愛読した松本零士の作品群。大学時代には、大友克洋、諸星大二郎といったSF巨匠のマンガや、あだち充、高橋留美子などの癒し系マンガを愛読。社会人になってからは、通勤時間や出張の行き帰りを利用して、マンガ週刊誌を中心に読んでいた。プロジェクトの佳境でユーザー先に泊まり込み、カップ麺を すすりながらマンガ週刊誌につかの間の安息を得ていたのも懐かしい思い出だという。

「ソフト開発では細々としたことに頭を悩ませることが多いんです。世界観の大きいマンガを読んで、現状を俯瞰する視線をもつことがいい気分転換になります」とLisperさん。今回、選ばれた秘蔵マンガ5冊は、青春期を 共に過ごした愛着の深い5冊である。

このシーン、セリフが忘れられない!

宇宙空間に浮かぶメーターが鮮烈!

『ワダチ』 (C) 松本零士 講談社

『男おいどん』をきっかけにして、中学・高校時代は松本零士マンガの虜になった。漆黒の宇宙空間に丸メーターが浮かび上がる映像は鮮烈で、電子部品を扱うエンジニアの仕事に就きたいと思うようになったという。なかでも『男おいどん』の4畳半世界が宇宙に飛び出した本作は、思い出の深い作品だ。「大地球」「わが青春の」「男なら」といった大言壮語も男心をくすぐった。

ハイレベルの少女マンガ系SF

『スターレッド』(C) 萩尾望都 小学館

宇宙と精神世界が融合した、萩尾望都の洗練されたSF世界。繊細な絵柄でミステリアスな雰囲気の漂う「少女マンガ系SF」を好むエンジニアは周囲にも多いという。宇宙冒険譚の本作では、超能力を もつ主人公の三次元的な視覚が、当時珍しかったCG映像を連想させてエンジニア心を刺激した。

ブログにも役立つ四コマの感覚

『OL進化論』(C) 秋月りす 講談社

lisperさんは、出張の行き帰りや仕事に疲れているとき、気軽に読める四コママンガに手を伸ばすそう。「このマンガは、ジュンちゃんの天真爛漫さ、課長のヌボーとした雰囲気がいい」とのこと。また、四コママンガのテンポやジョークの感覚は、ブログ作りに役立つという。

五代君と響子さんの関係に憧れた

『めぞん一刻』(C) 高橋留美子 小学館

年上の女性に惹かれがちな高校・大学時代に読み、主人公の五代君と響子さんの関係に憧れたという。どんな状況でも「頑張ってくださいね」と優しく ほほ笑む響子さんの姿は、デスマーチプロジェクト(火のついた破綻プロジェクト)の渦中にあるエンジニアの心を和ませてくれるだろう。

緻密でスケールの大きさが衝撃

『童夢』(C) 大友克洋 双葉社

『AKIRA』で知られる大友克洋の初期作品。「緻密でスケールの大きい絵に衝撃を受け、マンガの すごさを思い知らされた」。超能力を題材にしたストーリーの難解さも琴線に触れた。大学時代のlisperさんは、大友克洋、諸星大二郎、星野之宣といった SF 巨匠の作品も愛読していたという。

エンジニアに人気のニュースサイト「まなめはうすさん」が選んだマンガ5冊

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マンガのファンサイト運営で社会関係が広がった

まなめさん
大学生の頃からマンガファンサイトを立ち上げ、それがきっかけで個人ニュースサイト「まなめはうす」を運営。本職は大手ソフト会社で働く第一線エンジニア。

まなめさんが最もマンガに没頭したのは大学時代。近隣の書店の発売日をすべてチェックするほどの熱の入れようだった。大学の専門がコンピュータを使った数学研究だったこともあり、同時期にインターネットにも没頭。『いいひと』『モンキーターン』のファンサイトを立ち上げた。これが現在の「まなめはうす」に発展してきたのである。

「自分の好きなものをほかの人も好きだと言ってくれるのが楽しくて、つねに多くの人に情報を伝えたいという思いがある。私生活でも、ファンサイトを通じて多くの仲間と知り合うことができ、マンガ編集者や作者と直接会うこともできた。趣味の競艇仲間が全国各地にできたのもファンサイトのおかげです」

現在は、ネットで話題になったマンガやライトノベルを読むことが多いという。読書時間は早朝。音楽を流しながら、ゆっくりと思考のエンジンを暖め、仕事へと向かうそうだ。

このシーン、セリフが忘れられない!

ともに成長してきた「人生の教科書」

『いいひと』(C) 高橋しん 小学館

スポーツ用品メーカーに就職した主人公が、社長命令で大学駅伝チームの監督に就任。彼の社会人としての成長とともに、駅伝の面白さ、喜びを描いた感動作。まなめさん自身、陸上部の長距離ランナーだったこともあり、マラソン・駅伝物のマンガが大好きで、大学時代にこのマンガのファンサイトを立ち上げた。「自分の就職・研修の時期とマンガの連載がリンクしていたので、一緒に成長してきた感じがある。まさに人生の教科書のような本ですね」

ありえないパンチが心をくすぐった

『リングにかけろ!』(C) 車田正美 集英社

まなめさんが小学4年生のときに出会ったマンガ原体験の作品。いとこから譲り受け、欠けている巻を集めるために、自転車で 書店めぐりをしたのも懐かしい思い出。「ギャラクティカマグナムとか、ありえないパンチが子供心をくすぐった。このマンガで『東京は怖い場所』というイメージも植えつけられた(笑)」らしい。

笑えて、熱くなれる柔道マンガ

『帯をギュッとね!』(C) 河合克敏 小学館

コミカルなギャグ満載の熱い柔道マンガ。高校時代に『少年サンデー』で連載されているのを読み、夢中になったという。「このマンガで河合先生のファンになり、大学3年のときにネットBBSで声をかけてファンサイトを作ってもらうなど、 いろりおと活動を起こした。『モンキーターン』のサイトを作るきっかけにもなったマンガです」。

競艇仲間を増やした、アツいマンガ

『モンキーターン』(C) 河合克敏 小学館

成人式の直後、友人と出かけた競艇で当たりを体験したまなめさんは、競艇ファンに。同時期、この競艇マンガを読んで夢中になり、ファンサイトを立ち上げた。「サイト運営を通じて、大学教授からニートまで様々な人と知り合い、全国の競艇場を巡り歩いた。競艇レースのアツさをとても上手く描いたマンガなので、ぜひご一読を!」 。

エルとキラの心理戦が頭脳を刺激

『DEATH NOTE』(C) 漫画・小畑健 原作・大場つぐみ 集英社

名前を書くとその人間を殺すことができる死神ノートを手に入れたキラと、彼を捕まえようとするエルの巧みな心理戦を描く。「ネットで話題になった作品で、他の人とネット上で推理や議論を交わしながら読めたのも面白かった。限られた条件から結論を導き出すプロセスは、プログラムを作る感覚にも似ていて、頭脳を刺激します」。

取材・文/藤井康宏 総研スタッフ/宮みゆき