リーマンショック以降、暗いニュースが続く日本経済。安心だと思っていた会社も明日はどうなるかわからない。そんな不安定な社会情勢だから、自分の市場価値を正確に理解して、常に組織や企業から求められるエンジニアを目指していこう。
100年に1度といわれる経済危機。8月の有効求人倍率は過去最低を記録し、雇用の先行きはいまだ暗い状態が続いている。リストラや給与ダウンとまではいかなくても、開発費の予算削減や残業規制など、不況に伴うさまざまな環境の変化を肌で感じているエンジニアも多いのではないだろうか。
こうした不安定な環境下だからこそ、会社に依存することなく、世の中の自分の市場価値を正確に把握し、今後どのようなキャリアパスを描けばいいのか、何を身につけなければならないのかを前向きに考えていくことが重要だ。環境の変化に脅かされることのない強いエンジニアであるために、まずは自分の市場価値を把握してみよう。
リクナビNEXTの「スカウト」は、学歴・語学・資格、職務経歴や経験の中身・実績、自己PRやキャリアプランなどの「レジュメ」を登録することにより、企業から直接オファーが届く仕組み。これを使うと、自分の市場価値を把握することができる。
オファーには「オープンオファー」と「プライベートオファー」の二種類があり、詳しいレジュメ登録が必要な「プライベートオファー」が、市場価値を判断するツールになる。あなたのレジュメを読んでオファーを送るということは、それだけあなたのキャリアはニーズが高く、企業から注目されている人材だということ。いますぐ転職をしなくても、スカウト登録をして企業の動向とニーズを探ってみよう。
なお、オファー後に自ら明かさない限り、名前や住所などの個人情報はすべて企業側からは見えない状態となっている。また、現在勤務している会社など特定の企業をブロックする機能もあり、「匿名」のまま転職活動をすることができるという利点もある。
スカウトにレジュメ登録すると、毎週あなたのレジュメが何回検索されたのか、何通プライベートオファー、オープンオファーが届いたのかがグラフで確認できる。
また、全登録者と属する職種の中で、検索された回数とオファーの数によって「ランキング」が算出される機能にも注目したい。オファーの数とランキングによって、自分がどういったポジションなのかが明確になり、市場価値を理解することができるだろう。さらに関心推移も週ごとに表示されるので、リアルな採用環境の変化も感じ取ることができる。
なお、リクナビNEXTデータベースに匿名レジュメを登録している人は127万人強(2009年2月時点)。日本最大規模の登録者数だから、より正しい市場価値が把握できる。登録内容をメンテナンスし、ランキングを上げていこう。
その他の機能として、どんな企業に検索されたのか、あなたに興味を持った企業の名前を公開。これは自分の経験・スキルが、どのような会社で求められているのか、ベンチャーなのか、大企業なのか、どんな業種かなど、さまざまな角度で判断することができる。中には全く自分では想像もつかなかった企業が含まれていることもある。新たなキャリアパスを発見できる可能性が高まるというわけだ。
なお、企業に検索されるためには、レジュメの内容を充実させることが必須であるが、エンジニアの場合は開発言語や業務領域など、業界での共通言語となる用語が多いため、きちんと経験や得意分野などを入力しておけば、おのずと検索されやすくなる。全ての項目を登録することは、思っている以上に時間のかかる作業ではあるが、よりリアルな状況分析を行うためにも、レジュメは充実させておこう。