【IT業界モンハン大会】エンジニアなら戦略と計算で敵を倒せ
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モンハンは数学だ!
伊藤直也、きゃんちが語る狩り美学 |
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9月14日に発売を開始し、すでに出荷300万本を突破したモンスターハンター4。実はIT業界にはこのモンハン大好きなエンジニアが多数いる。モンハン好きで知られる伊藤直也氏をはじめ、IT業界人約40人が集まり、狩りを楽しむオフ会を実施した。
(取材・文/総研スタッフ 馬場美由紀 撮影/佐藤聡)作成日:13.11.01
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エンジニアも大好き!出荷300万本を突破したモンスターハンター4
テレビCMでご存知の人も多いと思うが、モンスターハンターとはカプコンから発売されているゲーム。プレイヤーがハンターとなり、村や街で依頼を受け、特定のモンスターの討伐・捕獲・撃退やアイテムの運搬・採取など「クエスト」に挑む。モンスターを倒すことで素材を手に入れ、どんどん強い武器と防具を作り、さらに強いモンスターに挑戦していく。
一人でもプレイは可能だが、上限4人までの複数によるチームプレイが人気で、友達同士やモンハン好きが集まり、狩りを楽しむのも人気のひとつ。新作が出るたび数百時間という時間を費やすという人も少なくない。
武器のダメージや、敵をひるます値を計算するモンハンは数学である
モンハンはアクションゲームではあるが、モンスターを倒すべき緻密な計算とデータ収集と分析が必要だ。武器によるダメージや相手をひるます値を計算する。狩りの勝負を決める、きれいなスキル発動はすべて計算ずく。決められた仕様の中で知恵を絞って戦う制約の美学。決められた条件の中で、でき得る限りの機能やアイテムを取捨選択するのは、ベストを考えてものを作ることにも通じる。 だが、机上の計算がそのままうまくいくとは限らない。それが思いどおりに動かせるかは腕の見せどころ。盛りすぎの機能も役に立たない。意味のないスキルはよけいなだけだ。これらをすっきり解決して作れれば、エンジニアは嬉しい。無事リリースできたのと同じくらいの喜びが生まれる。 また、チーム戦に有効な戦略なども必須だ。仲間のハンターには自分のミッションに集中してもらうべくサポートし、自分も周りを信じて戦う。目的に合ったスペシャリストを集めて戦えば最強だ。逆に言えば、同じ強みを持つスペシャリストばかりを集めてもダメ、周りを見れないハンターもどんなに強くても足をひっぱるだけ。それぞれ違う強みを持つ者を集めるからこそ面白い。 狩りを開発プロジェクトに置き換えてみよう。一つの例で言えば、狩り全体を見れるライトボウガンが場を仕切り、味方を回復でサポートしたり、モンスターを眠らせて、メンバーに一斉に爆弾を置くように指示したりするリーダーだとする。モンスターの尻尾を切れる剣士や、スタンをとるハンマーなどは専門職、敵に大きなダメージを与える大剣は、いざというときに頼れるエース的な存在だ。複雑で困難なクエストや狩場を「仕様」と叫び、モンスターを見事倒したときには、火事場プロジェクトを抜け出したときのように、達成感で脳汁を出しまくっている。 今回のIT業界モンハン大会の特別ゲストとして招いた伊藤直也氏も、モンハン好きエンジニアの一人。ちなみに私がモンハンを始めたのは、以前Tech総研のレポートで伊藤直也氏を取材した際にモンハンを勧められたのが、きっかけである。当時発売されていたのは「モンスターハンター ポータブル2nd」だったが、最新作である「モンスターハンター4」はニンテンドー3DSのソフトとして9月14日に発売開始されている。 今回Tech総研では、上記で述べたような仮説を証明すべく、モンハン好きなエンジニアに集まってもらい、エンジニアらしい狩りプレイや、モンハンについて語り合うオフ会を開催した。特別ゲストは伊藤直也さんと、我らがテックハニーきゃんちこと喜屋武ちあきさん。今回のモンハンに対する感想や意見、エンジニアなら共感できる納得コメントを交えてレポートする。 |
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<特別対談>伊藤直也氏 VS 喜屋武ちあき「モンハン4のここがすごい!」
伊藤 直也さん
1977年秋田県まれ。青山学院大学大学院博士課程前期修了(物理学)。ニフティ、はてな、グリーを経て、2012年4月よりフリーとして活躍。KAIZEN platform 技術顧問、じげん顧問。自身のブログでも精力的にプログラミング技術などの実装ノウハウを紹介。また雑誌や書籍の執筆を通じたエンジニアの技術力底上げについても高く評価されている。
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喜屋武 ちあきさん
きゃんちのニックネームで親しまれる。職業はオタク>アイドル。グラビアアイドル復帰なう。アニメ・ゲーム・マンガ・活字が大好き。男装ユニット風男塾のリーダーでもある。Tech総研公認会社訪問レポーターテックハニーとして、萌えるコスチュームに身を包み、エンジニアが憧れる職場を紹介。
喜屋武ちあきオフィシャル情報:http://www.fit-fan.co.jp/artists/kyan_c/
喜屋武ちあきオフィシャルブログ きゃんちまいんち!:http://ameblo.jp/kyan-chi/ |
――お二人がモンハンを始めたきっかけは?
naoya |
友達に勧められて始めたんですが、ネットで友達と対戦するのが楽しくて。気づいたらはまってて、何百時間もプレイしちゃってました。 |
きゃんち |
私は6年前のポータブルの2ndからやってましたね。最初はモンハン仲間がいなかったんですが、仕事現場で声優の仲間たちがモンハン好きだってことがわかって。週一回は集まってはモンハンしてました。今は風男塾という男装アイドルユニットを組んでいるのですが、そのメンバーもモンハン好き。空き時間があると必ず狩りしてます。家にいるときは、オンラインでもやってます。 |
――きゃんちはモンハン4発売前ギリギリまで前作をプレイしてたそうですね。今回のお気に入りの武器は何ですか?
きゃんち |
私は操虫根厨っていうくらい、操虫根押しです!操虫根を使ったジャンプでモンスターに乗りまくってて。スキルも「乗り」をつけてます。今後はもう一つの新武器チャージアックスも攻めたいですね。 |
naoya |
僕は双剣ですね。今作では相対的に見劣りしてるのか、オンラインに行ってもあまり双剣見ないんですよね。友達にも絶滅希少種でしょって言われました。このイベントをやるって聞いたときはまだハンターランク2だったんだけど、必死で50まで上げてきました。ポケモンやFFとの両立が大変で(笑)。 |
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――どの武器を選ぶかって悩みますよね。実は、今回参加してくれたエンジニアの皆さんに得意な武器や好きな武器を事前に聞いてみたので、紹介しますね。
Q.得意な武器、好きな武器は?
(会場の約8割が挙手)
――でも、エンジニアの方ってかなり仕事忙しいじゃないですか。モンハンと仕事を両立させるの難しいんじゃないかと思って、その辺も聞いてみたんですが、両立できている人が半数以上いました。
Q.モンハンと仕事は両立できている?
できている 5% できていない 39% なんともいえない 36% |
――お二人とも楽しんでるようですね。参加者の皆さんも今作の満足度は高いみたいです。
Q.今回のモンハンの満足度は?
とっても満足! 21% いまのところ満足 58% まだやりこめてないので評価しにくい 18% かなり不満 3%
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――今回のMH4の新要素について、エンジニア的に「おお!進化したな!」と思うゲーム機能は何ですか?
naoya |
マップに高低差をつけたことですかね。武器の選択基準の幅が拡がった。乗りを重視するのか、乗りはあきらめて火力に徹するのかとか。仲間内に操虫棍がいるなら乗り重視でこちらも棍でいこうか、とか。あとは、ギルドクエストの仕組みは面白いと思いましたね。ドラクエ9の宝の地図を交換したのを思い出します。フレンドが育てたギルドクエストに一緒に行って、高難易度を楽しむとか遊びの幅が広がったなあと思います。 |
参加エンジニアにも聞いた「今回のモンハン、エンジニア的にどう?」
狩りタイムでは、ゲストも交えてランダムにメンバーシャッフルしながら、狩りを楽しんでもらった。楽しんでもらえたかは写真を見てもらえれば一目瞭然(…のはず)。でもなぜ、エンジニアはモンハン好きが多いのだろうか? 参加してくれたモンハン好きエンジニアたちにもその理由を聞かせてもらった。
Q.MH4をプレイしていて自分がエンジニアだなーと感じるのはどういうとき?
- つい攻撃のアルゴリズムを考えてしまう(ソフトウェアエンジニア)
- バグを見つけたくなる(Webエンジニア)
- UI視点でつい見てしまう。スキルシミュレーターを開発するならどういったものになるか妄想してしまう(アプリ開発エンジニア)
- Wi-Fiがなくてもテザリング、タブレットも駆使、海外の出向者ともつなぐ(パッケージソフトのサポートリーダーエンジニア)
- 回復薬などを飲んだときにガッツポーズみたいなことをするのは、早く効果を出させるためというのを聞いて、現実世界でもレッドブルを飲んだ時にガッツポーズすれば早く効くのかと思ってしまった時(ソーシャルゲーム開発エンジニア)
- 相手がダウンするまでのダメージを弾数で数えてしまうところ(iOSアプリ開発エンジニア)
- 気持ちよいスキルフレームワーク作成(アプリ開発エンジニア)
- ロード時間に、直前までやってたタスクの実装を考えてる時(アプリ開発エンジニア)
次回開催はあるのか!?参加したいエンジニアは手を上げてね
狩りをしていると時間はあっという間に過ぎてしまう。それはひとえにモンハンが楽しすぎるから。チームをシャッフルしながら約1時間半くらいの狩りタイムもあっという間に過ぎてしまった。せっかくなので、最後はチーム対抗の狩りをしてもらった。 優勝チームと準優勝チームには、ゲストのきゃんちとTech総研から賞品も贈呈。賞品はアイルーグッズやきゃんち提供のサイン入りタオルなど。伊藤直也さんのチームは見事2位に入賞!さすがである。きゃんちからの賞品を手渡しされて、記念撮影後、参加者全員でも集合写真!そして、楽しい狩りの時間は終わった。 |
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優勝チーム |
準優勝チーム |
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実は今回の狩りメンバーは一般募集をする予定だったが、募集開始後1時間足らずで定員に達してしまった。第二回、第三回を開催してほしいという声を多数いただいたが、それはレポートの評判次第。万が一、この記事でさらに要望が集まれば、次回開催が実現するかもしれない…。その場合は、このレポートをツイートしてくれた人にお誘いが行くかも!?
ということで、IT業界モンハン大会レポートミッションクリア!
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