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意思疎通したい上司、気にかけてほしい部下、理想の関係は?匿名座談会で討論!今どき上司部下の薄っぺら人間関係
エンジニアに限らず、すべてのビジネスパーソンにとって永遠のテーマである「上司と部下の人間関係」。前回は300人へのアンケート調査からその実態を探ったが今回は現役エンジニア5人による匿名座談会を開催。今のエンジニアが直面している、上司と部下の人間関係の真相に深く迫った。
(総研スタッフ/山田モーキン)作成日:11.06.23
上司と部下の理想の人間関係っていったい何?
つい先日、「好き&嫌いな上司部下ベスト10」というテーマで、20〜30代エンジニア300人への調査を実施。好きな上司部下&嫌いな上司部下の条件や、それにまつわるエピソードを紹介した。
今回、より深くいまどきエンジニアの、上司と部下の人間関係の実態に迫るため、匿名座談会を開催。20代入社3年目の若手エンジニアから、IT業界キャリア30年のベテランエンジニアまで、タイプの異なるエンジニア5人に集まってもらった。上司や部下の立場から見た、相手に求めたいことが昔と今でどんな変化が起こったのか。そして最終的には、理想の上司と部下の関係や、そうなるためにするべきことについてそれぞれ持論を展開。きっと話の中には、あなたが共感できる部分もあるはず。 それでは早速、その一部始終を紹介しよう。
エンジニア匿名座談会メンバー
Aさん(26歳)大手コンサルファームで、ソリューションシステムの上流工程を担当 Bさん(30歳)大手通信企業で、モバイル系の企画開発を担当 Cさん(25歳)中堅システム開発企業で、金融系Webアプリ開発を担当する若手SE さん(34歳)複数のIT系企業に勤務後、現在は独立しシステム開発企業の社長 Eさん(51歳)国家公務員として、ネットワーク系の自社システムをマネジメント
Aさん(26歳)
大手コンサルファームで、ソリューションシステムの上流工程を担当
Bさん(30歳)
大手通信企業で、モバイル系の企画開発を担当
Cさん(25歳)
中堅システム開発企業で、金融系Webアプリ開発を担当する若手SE
Dさん(34歳)
複数のIT系企業に勤務後、現在は独立しシステム開発企業の社長
Eさん(51歳)
国家公務員として、ネットワーク系の自社システムをマネジメント
昔と比べると、上司と部下の人間関係は希薄化している傾向が
―昔と比べて、今の上司と部下の人間関係に大きな変化はありますか?

D:夜の飲みの付き合いが確実に減りましたね。昔は上司が部下のためにボトルをキープしてくれて、朝の4時まで飲み歩いてそのまま出社して、できの悪いプログラム書いて怒られたり(笑)。そんなことは今、ほとんどないですね。

B:確かに飲みも含めた付き合いは減ってるし、業務中のコミュニケーションも社内SNSを活用して、ある程度済ませているケースもあるから、明らかに対面でのコミュニケーションは減っているかも
C:うちの会社は、TwitterやFacebookをコミュニケーションツールとして活用していて、結構そこで「プロジェクトが変わってヤダな」みたいな仕事の愚痴を言ったりしますから、コミュニケーションツールとしての変化は確かにあると思います。

E:私の場合、この業界に30年もいますからいろいろ変わったところは見てきています(笑)。例えば昔は休日、上司から「引っ越し手伝えよ」なんて言われて完全に公私混同してたから、今だったら完全にパワハラになりそうだけど(笑)。そうした中で、もっとも大きな変化は「会話が続かない」こと。例えば「どこに住んでるの?」と部下に質問しても、「××」と答えてそれっきり。今までだったらそこから話が自然と広がったもんだけど、Q&Aで一区切りしてしまって後はその繰り返しが多いですね。これだとなかなか、こっちも話の糸口を見つけるのに苦労してしまいます。

A:昔と比べた変化はあまり感じませんね。私の場合、幸いにも上司が非常にリーダーシップがあって知識も豊富でとても尊敬できる人。それに人付き合いもいいので、良好な関係を築けていますね。
上司に期待したいことは、仕事は自由に任せてくれつつ、“ある程度”気にかけてくれること
―みなさんにとって、理想の上司とはどんなタイプですか?

C:この中では一番年下で、しかもこれまで一度も部下を持ったことがないので(笑)私から。ひと言でいえば「適度に面倒を見てもらえる」ことですね。ある上司は出社時のあいさつだけで1日の会話が終わってしまう一方、別の上司はどんなに忙しくても「仕事どう?」なんて気軽に声をかけてくれる。そういうとき「ちゃんと自分のこと見てくれてるんだな」と安心できるし、こちらからも何か問題やトラブルが起こった時、すぐに相談しやすいのでありがたいですよね。ただあまり声をかけられすぎるのも仕事に支障をきたすから、適度なレベル、ということで。
B:さらに言えば、ある程度仕事を任せてくれること。もちろん、「ホウレンソウ」はしっかりした上ですけど、そうやって部下を信頼してくれる上司が理想ですね。

A:うちの会社の場合、プロジェクトごとにメンバーの入れ替わりが激しいから、そもそも上司が部下のことをわかってないケースも多い。それはそれで仕方のない面もありますけど、できれば部下に対して理解しようとする姿勢は見せてほしい。それにこれは「悪しき社風」でもあるんですけど、会議で部下の意見は有無を言わさず却下、というしきたりがあって……。それも上司と部下の関係がうまくいかなくなる原因だと思いますね。

D:でも上司には上司の事情があって、昔と比べて「マネジャー兼プレーヤー」というケースが増えている上に、さらに上の上司から「もっと数字を上げろ」だの「部下に対してきちっと指導しろ」といつもアレコレ言われている。それでかなり余裕がなくなっているのも事実ですよね。

E:私自身、昔は50人規模のプロジェクトをマネジメントしていた時は、わりと普通に部下と会話できていたけど、正直今はあまりできてないね。それもDさんが指摘したように、特に上司は会社の方針で「どれだけ大量に仕事を詰め込んで、処理できるかが出世の決め手」みたいに言われているから、部下の指導や気遣いまで気が回らないのが正直なところ。
―では逆に、いまどきの部下や若手に対して望むことは何ですか?

D:普通に「意思疎通」ができることですかね。さっきも話したけど単なる「Q&A」の繰り返しになるんじゃなくて、次につながるような返事をしてほしいですね。

B:最近の若い人は自分の専門領域を決めて、そこだけに執着する人が多い気がします。それに新しい領域にチャレンジしようという人も減っている。でもチャレンジがなければ仕事は広がっていかないし、成長もないんです。だからもっと挑戦する意欲を持って取り組んでほしいと思いますね。
SNS メールetc デジタルツールによる効果的なコミュニケーションとは?
―先ほどCさんからも話に出ましたが、SNSやメールなどのデジタルツールによるコミュニケーションについて、みなさんはどのように活用していますか?

A:私の場合、上司に対しては直接会話をしますけど、逆に部下や若手に対してはチャットで話すことが多いですね

C:私も含めた同世代の若手は、テキストベースのコミュニケーションに慣れているから、普通の会話よりもスムーズに意思疎通ができることもあります。でも、さすがに信頼関係がそれほど深く構築できていない人に対して、テキストだけでコミュニケーションはとりませんね。あくまで基本的な信頼関係が成り立っていることを前提にした話です。
E:私は古い世代なのかもしれませんが(笑)、文字だけでは相手の本当の真意を読み取れないから、できる限り直接会って話をしますね。

D:よく社内SNSを導入している企業があって私自身も利用した経験がありますけど、業務報告などの公的な情報のやり取りが多い代わりに、私的な会話が少ないからあまり盛り上がらないし、積極的に利用する人も少なくなってしまいがち。

A:だからこそ、もっとデジタルツールならではの使い方を工夫して活用する必要があると思うんですよね。例えばプロジェクトの会議の前に、メールやSNS、チャットを使って事前に情報共有した上で、実際の会議の場では真剣に議論しなければならないことだけにテーマを絞って話し合えば、かなり効率的に仕事を進めることができるはず。
要は会話によるコミュニケーションと、デジタルツールを利用したコミュニケーション、双方の利点を活用して使っていけば、もっと上司と部下の接点も増えてくるし、いい関係になっていくんじゃないですかね。
上司と部下の理想の関係は、会話の節々に“感情”が読み取れること
―それでは最後に、上司と部下がよりよい関係を築いていくために必要だと思うことを教えてください。
D:SNSなどコミュニケーションツールがどれだけ変化しても、一番大事なのは上司と部下、お互いが信頼関係を築けるかどうかなんですよね。そのために必要だと思うのは、例えば会話の中で少しでも、話す人の「感情」が表に出ること。「はい、わかりました」ではなく、「ちょっと難しいですけど、頑張ります」ということで、実は「ちょっと難しい=めんどくさいな」といった素の感情をさりげなく表現できるんです。仕事をベースに人間関係を築くのはすごくやりやすいことだと思うので、理想は部下から気兼ねなくミスの報告を多く受けられるような関係ですね。
E:私は仕事以外の会話をどれだけできるか、だと思いますね。「最近、奥さんはどう?」みたいな小さなことでも構わない。お互い人間なんだからもっと感情を表に出して自然とコミュニケーションできる関係が理想ですね。
C:私は部下の立場から言うと、こちらの提案に対して頭から否定するようなことはしないでほしい。もちろん、提案する側もしっかりとした考えや準備をすることが必要ですけど、それに対して真剣に聞いてくれる上司であれば、自ずといい関係になるんだと思います。
B:お互いが遠慮せずに、やりたいことや言いたいことをし合える関係がベスト。プライベートまで付き合うのはなかなか難しい面もあるのですが、あまり上司と部下という枠にとらわれずに、友人感覚で付き合うくらいがちょうどいいような気がしますね。
A:部下の提案に対して、上司は「どうして部下がそれをやりたいのか?」を理解しようとする姿勢を見せてほしいし、部下もそれに対してはっきり答えられるようにすることが大切ですね。プライベートはあくまで共通の理解があれば付き合う程度で。
いまどき上司と部下の人間関係に潜む問題と解決のヒント
最後に長年、企業の組織風土に焦点を置いた独自の改革コンサルティング事業を展開しているスコラ・コンサルトの3人の識者に、今どき企業組織内の上司と部下の人間関係について解説してもらった。
いまどき上司
株式会社スコラ・コンサルト プロセスデザイナー(画像左) 源明典子氏/(画像中) 高橋秀紀氏/(画像右) 井上由美子氏
株式会社スコラ・コンサルト プロセスデザイナー
(画像左) 源明典子氏
(画像中) 高橋秀紀氏
(画像右) 井上由美子氏
10年前の上司は、責任のあるポジションに値する高い能力と意識を持っている割合が高かったのですが、ここ最近見られる傾向として、例えば「主任の仕事を持ったまま課長職につく」といった傾向が強くなってきています。つまり上司としての認識が甘いまま、会社の方針で上司になってしまうことが多いため、上司としてのリーダーシップや威厳が欠落した“お友達感覚上司”が増えることになるのです。
またその背景として、一般的な傾向として予算や人事などの上司としての権限が昔に比べて減っていることも、一因としてあるでしょう。
いまどき部下
一方、部下の方も昔と比べると「あまり自分に関わってほしくない」と考える傾向が強くなってきています。一見、従順そうに上司の指示を聞いていますが、実は指示内容の本質的な理解をしないまま、「言われたことだけこなせばいい」という感覚で上司に再確認しないまま、仕事を進める人も多くなっているようです。それも裏を返せば、上司と関わりたくないという思いの表れ。
しかしその一方、実は深層心理として「自分を大事にしてくれるリーダー」を上司に対して求めている傾向もあるのです。仕事で頑張っても正当に評価してもらえなかったり、自分に関心を持たない上司に対しては失望感が増しその結果、上司と深くかかわることをあきらめてしまうということもあるのです。
いまどき上司と部下の人間関係
このように、リーダーシップや威厳がなくなった上司と、自分に関わってほしくないと思う部下、それぞれの思いがすれ違うことが、ギクシャクした関係になってしまう大きな要因となっています。また特にここ数年、セクハラやパワハラ、またうつ病患者の急激な増加によるメンタルヘルス問題等、社内の人間関係にまつわるトラブルはますます複雑化。それによって、特に上司がそうした問題に神経質になるあまり、部下に対してまるで“腫れ物に触る”ような対応をしたり、なるべく嫌われないようにやさしく接する傾向が顕著に表れています。
上司と部下の人間関係改善のヒント
しかし上司と部下だけにとどまらず、他人同士がうまく付き合っていくために必要なのは、“もう一歩踏み込んでいく”こと。そのためにまず上司は、部下の普段の仕事ぶりをじっくり観察して理解する姿勢が必要。その上で部下に指示を出すとき、その意味や理由を時間をかけて説明することが求められます。逆に部下は、ただ「はい、わかりました」と安易に返事をするのではなく、少しでもわからないことがあればしっかり質問することが重要。そうやって両者が深く踏み込んでコミュニケーションをとっていけば、自然と問題は解決していくはずです。
またお互いが「きちんとコミュニケーションを取らなければいけない」と気にしすぎている傾向もありますが、せいぜい50%のデキでOK。気にしすぎてアクションを起こさないより、アクションを起こし間違っていれば素直に謝ることの方が、ベターな選択といえます。考えるよりもまず行動。とりあえず思ったことは口に出して相手に自分の意思を伝える。それが人間関係の絆を深める大きな一歩となるはずです。
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山田モーキン(総研スタッフ)からのメッセージ 山田モーキン(総研スタッフ)からのメッセージ
若手からベテランまで、職種も年齢もキャリアもさまざまなタイプのエンジニアの方にご協力いただいた座談会。上司と部下の関係や、それぞれが直面している厳しい実態など、前回のアンケート調査を裏付けするような情報が次から次に飛び出し、非常に盛り上がりました。話の中には別のテーマでぜひ企画してみたいネタも豊富にあったので、今後実現できればと思っています。

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