電子マネー企業がエンジニアを事業開拓者として採用！

今までにないビジネスモデルを展開するネット企業では、事業アイデアを実現させるエンジニアが成長の鍵を握る。プリペイド式電子マネーサービスを運営するビットキャッシュも、転職市場のソフトウェアエンジニアに熱いまなざしを送る。

（取材・文／中村伸生　総研スタッフ／山田モーキン）作成日：09.04.10

ビットキャッシュ株式会社は、100万人ものユーザーが使用している電子マネー「BitCash」を開発・運営する企業。BitCashは、主要コンビニのほとんどや郵便局で購入することができる、プリペイド式の電子マネーだ。インターネットでクレジット決済により購入することも可能なので、いつでも手軽に利用できる。購入時に実際に入手するのは、16文字のひらがなID。ネット上のビットキャッシュ加盟店などにアクセスし、このひらがなIDを入力することで、限度額（購入額）までの買い物ができるという仕組みである。同じIDを使い続けたいなら、再チャージも可能だ。

IDに使用するひらがなは46文字。それを16文字使うことから、組み合わせパターンは46の16乗となり、仮に1兆枚のひらがなIDを発行したとしても、適当な数字を入れて他者のひらがなIDとマッチする可能性は400兆分の1の確率にすぎない。極めて高い安全性を確保しているのである。
利用者から見ればクレジットカードの番号を入力する必要がないので安全なネットショッピングが可能になる。電子データとして提供されるゲームや映像コンテンツなどであれば、名前や住所さえも入力する必要が無い。一方の出店側から見れば、前払いであることから課金に対するリスクがまったくないサービスとなる。BitCashは、買い手・売り手の双方から期待されていたネットショッピングの決済の安全性を完璧に実現したサービスといえるだろう。

以上のような特徴から、すでにユーザー数が100万人に上るなど、急速に普及したBitCashだが、「ビットキャッシュ株式会社」はまだまだ発展途上にあると、同社代表取締役社長の田村氏は語る。
「インターネットを利用したBtoCビジネスに向けて、弊社は最も安全で簡単・便利な決済サービスを提供しています。しかしながら、私たちは電子マネーによる決済サービスの提供会社という枠に収まるつもりはまったくありません。BitCashを軸に、多様なお客様にいろいろな価値を提供していこうとしています。例えば、BitCashを活用するビジネスコンサルティング、BitCashを利用したプロモーションやマーケティングの支援などが考えられます。さらに、こうしたアプローチの中から、弊社がお客様とともに、あるいは弊社単独で、魅力的なビジネスを新たに誕生させていくことも考えています。BitCashは、それだけの可能性を秘めているのです」
BitCashを軸とした新しいビジネスアイデアを現実のサービスとして実現させるのは、システムを設計するエンジニアにほかならない。電子マネー事業が軌道に乗ってもなお、ビットキャッシュ株式会社がエンジニア採用に熱いまなざしで取り組む理由がここにある。

ビットキャッシュ株式会社　代表取締役社長
田村　栄仁氏

ビットキャッシュ株式会社　メディア事業部部長
片山　昌憲氏

BitCashにさらに価値をもたらすための取り組みはすでに始まっている。そして、その取り組みの一つひとつが新規性に溢れ、エンジニアマインドを刺激するはずだと、同社メディア事業部部長の片山氏は言う。

「私が統括するメディア事業部は、BitCashを一回りも二回りも発展させる役割を担っている部門のひとつです。メディア事業部と名付けられているだけあって、サイトの企画と構築・運営が主要業務となります。中でもユーザー向けのサイトを充実させることは、ユーザー数の拡大に向けて重要なミッションです。
新たに採用するエンジニアに期待するのは、BitCashを使う魅力やメリットを加速させる仕組みづくり。例えばすでにスタートしているポイントサイトでは、加盟店で買い物をしたり、資料請求したりしたユーザーに、BitCashと交換が可能なポイントを付与しています。加盟店はプロモーションや販売につなげられるし、ユーザーは価値のあるポイントがたまる。このように、加盟店にもユーザーにも利があって、BitCashをもっと使いたくなるような仕組みのアイデアは、まだまだたくさんあるはずです。ちょっと考えただけでもアフェリエイトとか、レコメンドサイトとか、BitCash価格比較サイトとか……。もっと広がって、新しいビジネスモデルを実現させることになるかもしれません。今までにない仕組みや斬新なアイデアは私の頭の中にたくさんあります。それをどうやってシステムに乗せていくか、私自身もチャレンジングな楽しみがあります。興味をもたれたエンジニアの方には、面白い仕事を一緒にやろうよ、という感じですね」

「面白い仕事を一緒にやろう！」とエンジニアが活躍できる環境を用意して、待っている

同社がエンジニアに熱くアピールするポイントは、仕事のやりがいだけではない。クリエイティブな開発業務に専念してもらうという目的で、さまざまなエンジニア支援のための制度・環境も用意している。
新しいテクノロジーを習得するために、会社負担での書籍の購入やセミナーの参加が奨励されている。加えて、ビジネス企画に積極的にかかわっていくエンジニアゆえ、マーケットデータを購入したり調査会社にレポーティングを依頼したりするようなことも自在に行える。

社内公募制度も面白い。毎月アイデアを社内から公募しており、優秀者には賞金が5万円出る制度だ。また、半期に一度、優秀なアイデアには50万円、年間優秀者にはハワイ旅行と10万円と有給休暇がでるという面白い企画である。この公募制度には自分の時間の10％を割いてもよく、自由な会社の雰囲気を大切にしているのがうかがえる。

エンジニアにとって必要不可欠な専門書籍の購入＆学習環境も万全

田村氏や片山氏に聞くまでもなく、BitCashの仕組みと実績を知れば、それを活用した新たなビジネス展開は、十分に期待をかけられる。それほどBitCashは魅力的な商材であり、事業インフラでもある。幸いなことに、ビットキャッシュ株式会社には田村氏・片山氏をはじめ、事業戦略にたけたアイデアフルな経営陣が存在する。彼らのプランニングにエンジニアの立場から加わることも、また一つひとつのプランの実現をシステム開発で支えるようなポジションでも、どのようなかかわり方でも歓迎される。今後のBitCashの発展は、採用されたエンジニアの活躍が大きく貢献することは間違いない。

「今までにない斬新で楽しいアイデアを、どんどん実現させていきましょう！」とエンジニアに呼びかける片山氏


	たとえ要求スキルが高度なものであれ、仕事をこなす要員を確保するという意識で募集をかける企業と、共に会社の未来を切り開いていく仲間を募るという意識で募集をかける企業とでは、採用活動に臨む温度差は大きい。ビットキャッシュ株式会社は、もちろん後者だ。BitCashをベースにさまざまな事業アイデアを具体化していく仲間を募っているのだから、応募者に対する期待は相当に高い。でも、仲間の募集だからこそ、スキルうんぬんよりも、参加への強い意気込みが評価されることは大いにあり得る。エンジニアも、ここでは客先で行う開発プロジェクトで起きがちな、帰属意識の薄れは感じないはず。会社の一員として、重要な役割を担っているという充実感を得られるだろう。