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テックハニー“きゃんち”の突撃☆会社訪問 Vol.35 日本のモノづくりを支える!先端技術で鋳造する醍醐味
「鋳造」と聞いて、どんなイメージを浮かべるだろうか? 今回、日本のモノづくりの根幹を支える鋳造の現場に、きゃんちが突撃訪問! クリーンファンドリーで繰り広げられる、最先端技術を駆使した製造現場の魅力に迫る。
(取材・文/津留有希 総研スタッフ/山田モーキン)作成日:09.02.16
テックハニー“きゃんち” テックハニー“きゃんち”とは?
愛らしいメイド服に身を包んだTech総研公認レポーター。インターネットやモバイル製品など最新の技術が大好きで、アニメやゲームをこよなく愛するマニアックな素顔がエンジニアの共感を呼んでいる。その使命は「エンジニアが快適に働ける、魅力的な職場を探し出すこと」。無邪気な質問と癒しの笑顔で、エンジニアから的確に職場の魅力を聞き出す、好奇心いっぱいの天性のレポーターである。

そんなテックハニーも3年目。パワーアップを続けるテックハニーブログとともに、今年もきゃんちがエンジニアの生態に迫る!
テックハニー“きゃんち”の素顔はこちら http://www.girls-record.jp/artists/kyan_art.html
エンジニアのみなさんこんにちは、テックハニーきゃんちです! 立春を過ぎても、まだまだ寒い日が続きますね。風邪の予防には、うがい、手洗い、そして何より睡眠をたっぷり取ることだそうですよ。お忙しい皆さんのことだから、ちょっぴり心配してます。

さて、今回突撃するのは、日本屈指の高い技術を誇る鋳造所さんです。今までの鋳造工場のイメージを覆すクリーン施設で、とっても大きな鋳物を作っているのだとか。では、行ってきます☆
今回訪問した企業プロフィール:株式会社木村鋳造所
1948年設立。「フルモード鋳造技術を革新し、顧客に喜ばれる製品を提供する」を経営理念に、最先端の鋳物技術を駆使し、プレス金型、工作機械、産業機械などの鋳物を受注生産している。とくに自動車用プレス金型の鋳物製品では国内トップシェアを誇る。
http://www.kimuragrp.co.jp/
今回案内役のエンジニアプロフィール
山本幸司さん(41歳)
(写真右端)
FM課CAD/CAM係係長の山本さんは、鋳物づくりの最初の工程であるCAD/CAMを担当。2次元の図面を3次元化し、バーチャルな物を現物にする過程が楽しいのだとか。
吉村一利さん(36歳)
(写真中)
模型を砂に込め、溶けた鉄を型に流し固める、いわゆる鋳造ラインを管理する鋳造部鋳造一課の吉村さん。全員の作業が安全に進むよう気を配る課長さん。
沖良充さん(43歳)
(写真左端)
加工課課長の沖さんは、鋳物が実使用にかなう規格になるまで加工し、精度を上げる最終仕上げ担当。日本のものづくりを支えている実感がやりがいだと語ってくれた。
3つの職場の魅力No.1:ITと鋳造を融合させる、先取的な気風
きゃ こんにちは、本日は木村鋳造所さんの御前崎工場にお邪魔しています。上の写真をご覧ください! すごく大きな白いものが工場内にたくさん置いてあるんですけど、これはいったい何なのでしょう!?

山本 どうぞ、触ってみていいですよ。

きゃ ではでは……あ、発泡スチロールだ! あの〜、鋳造所って鉄を溶かして鋳物を作っているところですよね。発泡スチロールも作ってるんですか?

山本 いえいえ(笑)、これは当社が特化している「フルモード鋳造法」という鋳造技術で使用される、発泡スチロールで作られた模型なんです。

きゃ 鋳造の方法にもいろいろあるんですか?

山本 そうなんです。一般的な鋳造法は、木型を砂に埋めて型をとった砂型に鉄を流して鋳造します。当社が行っているフルモード鋳造法は、木型ではなく発泡スチロールで作った製品模型を砂に埋め、直接鉄を流すのです。発泡スチロールは溶けて気化し、そこに鉄が流れ込んで鋳物が完成します。

きゃ でも、気化したら、模型はなくなっちゃいますね。

山本 ええ、そこが発泡スチロールを使うフルモード鋳造法の欠点だと言われていたんです。フルモード鋳造法は難しい形状の製品もきれいに作れる技術ですが、型が使い捨てなので量産には向かないとされていました。しかし、当社は発泡スチロールの模型を生産性よく複製できる技術で、その通説を覆したんです。

きゃ すごいですね! どうやっているんですか?

山本 設計を完全にIT化し、発泡スチロールの加工を機械化したのです。私が担当している部署が行っています。
まず、お客様からいただいた図面をCADでソリッドと呼ばれる3次元の立体データに起こします。このソリッドデータをパーツに分割し、それに沿って発泡スチロールを切り出すのですが、これもNC加工機という機械で自動化しているのです。あとは切り出された発泡スチロールのパーツを組み上げて、模型の完成です。

きゃ 発泡スチロールのプラモデルを組み立てるみたいなものですね。

山本 そのとおりです。発泡スチロールは軽いので、大きな模型を組み立てるのだって簡単なんですよ。当社では女性もこの作業に当たっています。
量産するときは、もうデータはできているので、NC加工機で自動的に切り出して組み立てるだけで、手軽に複数の模型を作成できます。

きゃ なるほど〜、それなら模型がなくなっちゃっても大丈夫ですね。IT化されてなかったら、確かに量産は難しいかも。

山本 そうですね、図面を頭の中だけで立体に起こし、すべて手作業で発泡スチロールを積み上げて削る……という従来の作業は、熟練に5年はかかると言われる技術が必要で、たくさんの模型を作るのは非効率的でした。IT化と自動化を推進した結果、フルモード鋳造法のいいところだけを実現できるようになったんですよ。

きゃ 山本さんはCAD/CAM係ということで、ソリッドデータ作成を担当されているんですよね。

山本 そうですね。紙に書かれた2次元の設計図から、完成品である3次元の立体を立ち上げるのは面白いですよ。あと、私がミスをしたら、そのあとの鋳造や加工の工程がちゃんとしていてもダメですから、ものづくりの初めの工程のプライドと責任を持って仕事をしています。

きゃ 3D化で完成品の形をミスなく製造するのは、責任も重大だけど、やりがいもありそうです☆

ほかにこんなところも・・・


CADで3D化し、簡単な組立指示書に起こし、さまざまな形態をした大きな模型が作られていく
3つの職場の魅力No.2:迫力の工場は、作業環境に配慮したクリーンファンドリー
きゃ では、続いて実際の鋳造現場に案内していただきました! 上の写真をご覧ください、とても広い工場ですね〜!

吉村 この御前崎工場には、25tの製品を鋳造できる枠が120枠あります。これだけ大きなものを、これほど高い生産性で製造している鋳造所はそうそうないんですよ。

きゃ あ、先ほどの発泡スチロールの模型に、何か液体を噴射してますね。

吉村 発泡スチロールに塗型剤を塗布しているところです。あれを塗ることで、鉄を流したときに砂と鉄がくっつかないようにしているんですよ。

きゃ ふむふむ。あ、あちらでは砂をドサドサと注いでます!

吉村 さきほどの塗型剤を塗った発泡スチロール模型を鋳枠に入れ、砂をかぶせて固定しているところです。その後、溶けた鉄を注いで鋳造をします。

きゃ 鉄が溶解するところも見られますか? 真っ赤な鉄がドロ〜っと注がれるところを一度見てみたかったんですっ。

吉村 残念ながら、鉄の溶解と注湯は夜間の電力を利用して、夜に行っているんです。

きゃ あら、ちょっと残念。でも、そのほうが地球環境にいいですもんね♪

吉村 そうですね。環境といえば、この工場は従業員の作業環境の対策にも気を使っているんですよ。何かお気づきになりませんか?

きゃ わかりました! 見上げるように大きな鉄製品がたくさん並んでて、まるでSFアニメの中の世界みたいに迫力があって、カッコイイ環境ってところ☆

吉村 いえいえ、そんな(笑)。工場内を見てください。鋳造所を見るのが初めてだとお気づきにならないかもしれませんが、従来、鋳造所の中というのは、砂や焼けた鉄の出す煙がもうもうとした、厳しいものだったんです。こちらは、いかがですか?

きゃ そういえば、工場らしい機械の作動音は響いてますけど、煙や砂ぼこりはなくて、視界はとってもクリアですね! 煙たい感じもしません。

吉村 そうなんです、この御前崎工場は、クリーンファンドリーを作ろうと十分な対策を考えて立ち上げられました。ほかにも、夏は工場内にも空調を入れたり、立ち作業の多い現場は床の材質をやわらかなものにしたりと、なるべく快適に作業できるよう配慮されているんですよ。

きゃ 創意工夫されているのは、技術革新だけじゃないんですね。すごいです☆

ほかにこんなところも・・・


工場内では、巨大な「鉄の塊」が縦横無尽に動いていく。迫力満点!
3つの職場の魅力No.3:日本の基盤産業の、さらに基盤を支える充実感!
きゃ さて、工場も最終工程にきました! ホントに敷地が広いですね〜、緑も多くて気持ちいいです☆

そうですね、いい散歩になります(笑)。

きゃ そんな感じですね(笑)。沖さんは、加工課ということですが、何を加工なさっているんですか?

私の部署は、鋳造された鋳物をお客様の要望に応じた形に加工する仕事をしています。

きゃ でも、設計図どおりに鋳造されているんですよね。

そうなのですが、これらの鋳物はプレス金型や機械の部品なので、実際には何かの機械のなかに組み込まれて使用されるため、少しのサイズの差も許されないのです。だから最終的な仕上げを加工課で行うんですよ。

きゃ どのくらいの精度に仕上げるんですか?

鋳物は設計図と5mm以下の誤差で鋳造されますが、製品は100分の1mm単位で精度を上げなければなりません。

きゃ 100分の1mm! すごいですねー! どうやってそこまで厳密に削るんですか!?

山本の部署で最初に作られたソリッドデータが、ここでも活躍するんです。データをもとに加工機械で自動的に削り、最終的には一つひとつ確認しながら仕上げていくんですよ。

きゃ うーん、細やかな神経を使う作業ですね〜! 上の写真が、そうして加工され、製品として出荷待ちの鋳物です。たくさんの技術の結晶だと思うと、なんだか輝いて見えます☆

ありがとうございます(笑)。

きゃ 沖さんにとって、鋳造のお仕事の魅力ってどんなところにありますか?

そうですね、当社の社長もよく言っているのですが、「鋳物は日本のモノづくりを支えている」というところです。
自動車産業にも鋳物のプレス金型は必要ですし、産業機械にも組み込まれているなど、われわれの鋳物がこの国の基盤産業の、そのまた基盤のところで役立っているんだと思うと、誇らしい気持ちになりますね。

きゃ 本当にそうですよね。なくてはならないものを作っている実感をもてるなんて、ステキだと思います。今日は貴重な体験ができました、ありがとうございました! これ、ハニー“きゃん”ディーです、みなさんで食べてくださいね☆

山本吉村
ありがとうございます、いただきます!
ほかにこんなところも・・・


昨年完成したばかりの工場内ではクリーンな環境の下、作業が進められる
ほかにもこんな魅力も!そして今後の野望!!
山本 当社は、IT技術を取り入れることでフルモード鋳造法の技術革新を進めてきました。これからもその先取した精神を推し進め、より画期的な技術を追求し、高品質の鋳物を短納期で納入し、お客様に満足していただけるよう頑張ります。
吉村 新しく取り組んでいるエネルギー産業にかかわる鋳物を軌道に乗せることと、「こんなに大きなものを、細かいところまでキレイに、どうやって鋳造したの?」と驚かれるような、革新的なものを作り続けていくことが目標です。
「どんな難しい鋳物も木村鋳造所に任せれば大丈夫だ」と世界的に言われるような、グローバルにネームバリューのある会社にしていきたいです。安さではなく、本当にいいものを作ることで勝負していきます!
テックハニーきゃんちの「職場の魅力」今日も発見!
 鋳造所を実際に見るのは初めてでしたが、見上げるほど大きな鉄の鋳物がずらっと並べられて、次々に運ばれていく様子は、ホントに大迫力! 圧倒的なスケールに思わず「カッコイイ!」って声をあげてしまいました。あの鋳物が、日本の産業の基盤の、さらに基盤を支えているんですね。工場内はとてもキレイで、鋳造現場にも換気や空調が行き届いていて、従業員の環境にちゃんと配慮されているんだなあと思いました。資格の取得や通信講座の支援制度があるなど、福利厚生や教育制度も整っているそうですよ。
 あと、インタビューした3人の方が、部署は違っても仲がよさそうだったことも印象的です。みんな一丸となって良いものを作っていきたいという情熱を感じました☆
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