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テックハニー“きゃんち”の突撃☆会社訪問 Vol.32 これぞ機械設計の醍醐味! 最新鋭洗車機を開発する魅力
富士山のすそ野に広がる静岡県・富士宮。この雄大な自然が広がる場所を訪れたテックハニーを迎えたのは、ガソリンスタンドでよく目にする“あの”機械の数々。その機械設計ならではの魅力にきゃんちが迫る!
(取材・文/津留有希 総研スタッフ/山田モーキン)作成日:08.11.17
テックハニー“きゃんち” テックハニー“きゃんち”とは?
愛らしいメイド服に身を包んだTech総研公認レポーター。インターネットやモバイル製品など最新の技術が大好きで、アニメやゲームをこよなく愛するマニアックな素顔がエンジニアの共感を呼んでいる。その使命は「エンジニアが快適に働ける、魅力的な職場を探し出すこと」。無邪気な質問と癒しの笑顔で、エンジニアから的確に職場の魅力を聞き出す、好奇心いっぱいの天性のレポーターである。

そんなテックハニーも3年目。パワーアップを続けるテックハニーブログとともに、今年もきゃんちがエンジニアの生態に迫る!
テックハニー“きゃんち”の素顔はこちら http://www.girls-record.jp/artists/kyan_art.html
エンジニアのみなさん、こんにちは! テックハニーきゃんちです。朝晩はぐっと冷え込む季節になってきましたね、みなさんは体調などだいじょうぶでしょうか? 11月といえば、紅葉がちょうど見ごろですよね。これから年末にかけてはお忙しいと思いますが、たまにはドライブで息抜きもステキですよ♪

さて、本日突撃するのは、ガソリンスタンドでおなじみの洗車機を作っているメーカーさんです。静岡は富士山のすそ野で、最先端の洗車機を作っていらっしゃるそうですよ。今日はあいにく曇りで、せっかくの富士山が見えないことだけがちょっと残念(泣)。 身近な機械なので、どんな工夫があるのか楽しみです。では、行ってきます☆
今回訪問した企業プロフィール:YASUI
1943年設立。鉄工・自動車整備機器メーカーとして基礎を築き、現在は門型洗車機メーカーとして、セルフサービス型洗車機・フルサービス型洗車機・手洗い型洗車機などユニークで多機能の洗車機を開発、製造、販売している。
http://www.yasuicorp.co.jp/
今回案内役のエンジニアプロフィール
遠藤和洋さん(38歳)
(写真右から二人目)
開発部副技師長の遠藤さんは、洗車機のソフトウェア設計・開発や、そこから派生する電気関係を担当している。お昼はいつも愛妻弁当という幸せもの。
市川巖さん(33歳)
(写真右から三人目)
洗車機にかかわる機械設計全般を担当している、開発部の市川さん。尊敬できる先輩技術者に早く追いつきたいと語る頼もしいエンジニア。
芦澤和紀さん(33歳)
(写真左端)
管理部情報システム課の芦澤さんは、基幹システムの開発・保守を行っている。社内システムに不具合がないよう気を配る縁の下の力持ち。
3つの職場の魅力No.1:ガソリンスタンドに自分の製品が! 身近なものを作る喜び
きゃ こんにちは! テックハニーきゃんちです。突然ですが、上の写真をご覧ください、私が今どこにいるかわかりますでしょうか? 正解は……洗車機で洗われています〜(笑)!
ということで、今日は洗車機メーカーのYASUIさんに来ております。よろしくお願いします!

遠藤 よろしくお願いします。どうです、洗車されるご気分は(笑)。

きゃ 思っていたより、かなり楽しいですね! フロントガラスに水がダーっと流れてきて、ブラシの動きも見ていて面白くって、はしゃいじゃった(笑)。

遠藤 洗車機はよくお使いになりますか?

きゃ それが、あんまり使ったことなくて(汗)。東京では運転しないものですから。今日は一から教えてください! まず、YASUIさんはいろいろな洗車機を作っておられますが、タイプによってどう違うんですか?

遠藤 大きく分けると、フルサービスとドライブスルーという2タイプがあります。フルサービス型は、ガソリンスタンドの人が車種に合わせて設定を行い、細かく丁寧に洗い上げるように、そしてコンパクトに開発されています。
ドライブスルー型は、運転者が操作するセルフサービス洗車機なので、操作が簡単であることと、素早く洗い上げることが大事なんですよ。

きゃ なるほど〜。その中で遠藤さんが担当されているのは、どの部分なのでしょうか。

遠藤 私はソフトウェア部分を作っています。例えば、ドライブスルー型の場合は受付ボックスという注文機があって、そこで運転者の方に指示を出すパネルのソフトなどを開発しています。あとは、その注文機から派生して動くLEDライトやセンサーなど電気関係も担当です。

きゃ そうか、洗車機って洗車すればいいだけじゃなくて、わかりやすく使うためのソフト開発も必要なんですね。いろいろな機能が搭載されているんだなあ。
遠藤さんが開発をしていて楽しいなって思うのは、どういったところですか?

遠藤 そうですね、身近に感じられるものを作っている喜びはあります。実際にスタンドに自分のかかわった機種が置いてあるとうれしいものですよ。
営業や、メンテナンスを担当しているサービスマンから、ユーザーさんのご要望が上がってくることもあって、お客様との距離は近いと思います。その意見を参考に改変を加えることも多いんですよ。

きゃ そうやってお客様の要望に応えてきた積み重ねで、10年前よりずいぶん進化しているんですよね! 洗車機にも流行があったりして?

遠藤 ええ、ありますよ、最近のトレンドが。

きゃ えっ、ホントですか(笑)。どんなことなんでしょう?

遠藤 キーワードは「エコ」ですね。環境にやさしい薬剤をメーカーさんに開発していただいたり、リサイクル水を使って洗浄できる仕組みを考えたり、という工夫が求められています。

きゃ なるほど〜、それって今の時代のトレンドと一緒ですね!

遠藤 ほかにも、より人に優しく、親切に作る傾向が加速しています。急発進すると危ないですよとか、あのランプのところに進んでくださいとか、細かく指示を出して、お客さんが混乱しないよう、ユーザビリティに配慮するようになりました。

きゃ それも、ITやサービスなどの、ほかのいろいろな分野の傾向と同じですね。洗車機から時代が見えるって、発見です☆
ほかにこんなところも・・・


洗車時間はおよそ3分程度。その間にさまざまな動きをしながら車体の隅々まで洗浄されていく
3つの職場の魅力No.2:洗車機には、機械設計の面白さがギュッ!と詰まっている
きゃ さっそく実際に洗車機を作っている広〜い工場に案内していただきました♪ 少しずつ洗車機が組み上げられていく様子が面白い!
この、上の写真にあるスケボーみたいなものはなんですか? あ、わかった、洗車機の中でスケボーができる新機能ですね!?

市川 いやいや、違いますよ(笑)。これは、車体の下を、洗車機と連動して併走しながら洗える部品です。車体の洗浄に合わせて動くので、下面もきっちり洗えるんですよ。これは当社が独自に開発したものです。

きゃ へえー! 知りませんでした!

市川 当社がパイオニアになったメカニズムっていろいろあるんですよ。新しいものに貪欲で、新しいことを考え出すのに自由な社風があるんです。私は洗車機の機械設計が担当なのですが、技術者からの提案も聞いてくれます。

きゃ そういう社風がこういった進歩に結びついているんですね。私、なんとなく洗車機って傷がつくんじゃないかとか、手洗いに比べてちゃんと洗えないんじゃないかとか思っていました。

市川 洗車機で車体が傷つくなんて、今どきありませんよ(笑)。ヘタに手洗いするよりも傷つかずにきれいに仕上がります。今の新車って、販売前にすべて洗車機にかけてから出荷されているんですよ。

きゃ なるほど〜、そうなんですね。

市川 洗い上がりにしても、先ほどのように車体の下もきちんと洗いますし、当社の洗車機はエリアセンサー付きのものが主流で、洗いながら車体の形や車高を自動で判断して洗うので、洗い漏れは少ないです。

きゃ センサーで自動判断……そこまで進歩していたとはっ。市川さんにとって、そんな洗車機設計の魅力はどのような点でしょう?

市川 機械設計のいろいろな要素が詰まっているところですね。

きゃ おっ。そうなんですか?

市川 洗車機って部品が多いんですよ。例えば、上横のブラシを駆動させる、ドライヤーから送風する、洗車機をレールに沿って走らせる、薬剤を噴射する、水を排水する、などなど……。さまざまな部品を適切なときに動かさなければいけないし、それらを連動させなければなりません。
一つひとつのパーツの動きを作り込むのに加えて、それを連動させて、しかもちゃんと傷つけない加減で、漏れなく洗い上げる洗車機を設計するのは大変で、経験と技術が必要です。機械設計のさまざまな要素が1台にギュッと詰まっていて、飽きないというか、面白いですね。

きゃ たしかに! これだけ部品が多くて、しかも一つひとつがアップデートされていくんですものね。スペシャリストになるのは大変そうです。市川さんは入社されてからどうやって熟練してきたのでしょう?

市川 まだまだすべてわかっているわけではありませんが、最初は小さな機構から任されて、次第に全部を見られるように導いてもらったという感じですね。
うちは上下関係がガチガチしていなくて、フラットな社風なんですよ。だから、高圧的には言わずに、ある程度好きなようにさせてくれます。でも、ここぞというときにはしっかり先輩方がサポートしてくれるんです。

きゃ なるほど〜。新しいものに貪欲で、フラットな社風ってステキじゃないですか☆ エンジニアさんたちにとっては何よりの環境だと思います!

ほかにこんなところも・・・


洗車機の工場内部には、基本の骨組みから完成品になるまで、ラインによって整然と組み立てられていく
3つの職場の魅力No.3:情報システム部門が、しっかり縁の下を支えています!
きゃ 上の写真はYASUIさんで作っている洗車機たちです。近くで見ると大きいですよね〜!

芦澤 これらは、これからガソリンスタンドへ出荷されるんですよ。

きゃ 洗車機がこんなにたくさん並んでいる風景って、初めて見たから、なんだか面白い(笑)。芦澤さんは、どんなお仕事をなさっているんですか?

芦澤 私は情報システム部門なので、社内のIT化を行ったり、基幹システムの開発と管理を行っています。直接、洗車機に携わっている人以外に、こんなエンジニアもいますということで(笑)。

きゃ ITはもう社内インフラのひとつとして浸透していますから、情報システム部門は大切ですよね。どのような体制でお仕事されているんですか?

芦澤 今は私を入れて3人体制で、支社や営業所を含めた全社対応をしています。人手が少ないので、なかなか大変ですねえ。

きゃ 3人で各地の営業所まで! 問い合わせなども多いんでしょうね〜。

芦澤 パソコンの障害に関することからオペレーション運用までサポートします。ユニークなところとしては、ここらあたりは富士山のすそ野で、カミナリによる停電が異常に多い地域なので、天気予報とにらみ合って、「そろそろシステムを止めておいてください!」なんて指示をすることもあるんです(笑)。

きゃ あはは、天気予報を見るのも情報システムのお仕事なんですね(笑)。でも、これだけ部品が多いと、生産管理とか販売管理システムを作り上げるのも大変そうです。

芦澤 そうですね、この2つのシステムは業務の柱となるところなので、作るのもその後の管理も大変です。でも、社員から希望を聞いて仕様をまとめて開発したり、改善を施したりするのは情報システム部門としての使命ですから。

きゃ 基幹システムが止まっちゃったら業務が止まるから、責任も重大ですよね。

芦澤 システムエンジニアとして責任はありますが、それだけにやりがいがありますよ。それに自分の考えや意見もシステムに反映させられますし。わたしは洗車機を直接開発しているわけではありませんが、縁の下の力持ちとして皆さんの業務をサポートしていけたらと思っています。

きゃ 今日はみなさん、ありがとうございました! これ、疲れを癒すハニーきゃんディーです、気分転換にどうぞ☆

遠藤市川芦澤
ありがとうございます、いただきます!
ほかにこんなところも・・・


普段はこちらの事務所で設計作業が行われている。社内には自動車関連資料がもりだくさん
ほかにもこんな魅力も!そして今後の野望!!
遠藤 野望というほどのものはないのですが、やっぱり「YASUIの洗車機が入っているから、あのスタンドに行こう」というように、洗車機をブランドで選んでいただけるようになったらうれしいですね。そのために自分の持ち場を頑張っていきます!
市川 機械設計のことならオレになんでも聞いてくれ!と、胸を張って言えるような頼れるエンジニアに成長していきたいです。先輩にはすごい技術者がいるので、早く追いついて、自分で丸ごと手がけた製品を作りたいですね。
芦澤 基幹システムは業務が多いのですが、生産、販売、会計とすべての管理システムを把握し、より使いやすいように効率化していきたいです。そうすることでみなさんの業務に役立っていけたらと思っています。
テックハニーきゃんちの「職場の魅力」今日も発見!
 車の形はそれぞれ違うのに、ドライブスルータイプの洗車機でちゃんと洗えるのかなって疑問だったのですが、今は洗いながら形を自動的に判断できるようになっているんですね。技術の進歩が身近に感じることができて、すごいなあと思いました。あと、ひさびさに車で洗車機に入ってみたら、回転するブラシや水が見えて、まるでアトラクションみたいだった! 楽しいものですね、洗車機って(笑)。
 上下関係の縛りが少ない職場で、富士山のすそ野の恵まれた環境の中でお仕事できるのも、うらやましいかも。それに、自分の作ったものが町のいたるところにあって、利用している人を直接この目で見られるんだから、やりがいを実感できる職場だと思いました☆
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