リクルートではお手軽にマッシュアップ開発ができるよう、10数媒体が40を越えるWeb APIを公開しています。2008年4月現在、毎月7000万リクエストがあり、利用ユーザーも着実に増えています。私たちメディアテクノロジーラボでも、それらのAPIを使ったマッシュアップ事例を多数制作。中でも最近、デザイナーとコラボレーションして「Design Showcase」というWebサイトを立ち上げました。ここでは当社が提供する新しいWebAPIの使い方を提案しています。

　リクルートが提供しているこれら Web API をより手軽に使う為のものが、今回ご紹介する リクルート UI ライブラリ。ページングやプルダウン選択などブラウザのフォームパーツを自動生成してくれます。例えばホットペッパーでは、エリア選択やジャンル選択のプルダウンセットのほか、こだわり条件で結果を絞り込むチェックボックスなどを自動生成してくれます。一からコーディングするとそれなりの手間がかかったUIの開発が、これらのサンプルコードを利用すると、HTMLにコピーして貼り付け、後はJavascriptで1行書くだけという作業で簡単にできます。

　このようなサービス、ツールを活用して実装の手間を削減し、ぜひ、Mashup Awardに参加してください。

　iPhoneが発売されて1カ月強。ユーザー数は増えてきているとはいえ、爆発的な普及をしているわけではありません。そんな今だからこそ、ぜひチャレンジしてほしいのがiPhoneやiPod touch向けの作品の応募です。お勧めの理由は、iPhoneのカッコいいインターフェースのおかげでシンプルな作品でも、とっても見栄えがすることです。それは私たち開発した「HotPepper for iPod touch」を見てもらえれば納得いくと思います。

「HotPepper for iPod touch」とは、現在地を把握しその周辺にある条件に合致し、かつその時間に空いているお店をGoogleマップ上に表示するというサービスを提供するアプリケーション。これはネイティブアプリケーションを目指していますが、応募作品はネイティブアプリケーションである必要はありません。DashCode（注１）によるAjaxアプリケーションでも十分なよいものがつくれるはずです。

　Macユーザーではない人も、Safariとテキストエディタさえあれば、アプリケーションの開発は可能です。ただ動作確認するためには、iPod touchがあったほうがいいですね。ない場合はApple Storeで確認するという荒業（？）もあるかもしれませんが……（笑）。

　冒頭でも述べましたがiPod touchやiPhone向けのアプリケーションは、Webアプリとして開発すればかなり敷居が低いのでお勧めです。私たちのブログでも、iPod touchやiPhone向けのサンプルネタを紹介しています。これらを参考に、ぜひ、チャレンジしてみてください。

注１：Appleが提供するiPhone SDKに含まれる開発環境

　Mashup Awardは技術力だけが、問われるコンテストではありません。企画としての目新しさ、デバイス/ランタイムとしての目新しさ、使うAPIの目新しさという3つの目新しさが問われるものだからです。したがって、これら3つの目新しさを作品の中に入れ込むか、企画力が大きく問われるものなのです。

　例えば企画としての目新しさの例としては、先ほど石橋さんも紹介した「Design Showcase」があります。Design Showcaseはリクルートが提供しているある一つのAPIを使って、複数のデザイナーが新しいインターフェースを提案するというプロジェクトです。これまでにない独創的なインターフェースが、ここでは提案されています。このような企画としての目新しさも、Mashup Awardでは問われる要素です。

　次にデバイスやランタイムとしての目新しさ。目新しいデバイスとしてはiPhoneやwii、ランタイムとしてはAdobe AIRやMicrosoft Silverlightなどが挙げられます。このようなデバイスやランタイムを使ったアプリケーション開発などに、チャレンジしてみても面白いのではないでしょうか。

　最後にAPIとしての目新しさ。まだ日本ではまだまだ実例のないAPIがたくさん、公開されています。それに触る機会にしてみてもいいでしょう。例えば世界第2位のSNSサービスながら、日本でのユーザー数はまだ50万人と少ないFaceBookで公開されているAPIを使い、FaceBookのアプリを作ってみても面白いかもしれません。

　新しいことにチャレンジする意義の第一は、見晴らしのよい場所に立つことができるということ。自分が企画したものに対するユーザーの反応が実感できます。第二は新たなビジネスのチャンスになる可能性があること。この機会にぜひ、新しいことにチャレンジしてほしいと思います。

　土日にひとりでFlashを作ることは、そう容易にできることではありません。そんな人にモチベーション高く取り組むための、私なりのコツを紹介します。 　第一に思いついたアイデアはどんなくだらないことでもメモしておくことです。例えば私が解説している個人ブログ（http://www.trick7.com/blog/）で紹介されている「ジョネレーター」や「コジマヨシーケンサー」などの作品は、メモをアイデアに生まれたものなのです。

　次に素振り的Flashの実践です。素振り的Flashとはゼロからデザインするのではなく、これが動いたら面白くなるのではとインスピレーションが働いた画像を使ってFlashを作ってみるという方法です。最初は模倣でも、形にすることで自信がつき、スキルアップにつながるのです。お気に入りの画像をストックするときに役立つのが、AutoPagerize（複数ページにまたがる検索ページをスクロールだけですべて見られる）とTombloo（画像登録ツール）です。

　ひとりでFlashを作る際、心がけていることがあります。それはユーザーがその作品に触れたとき、自分の思い描いた気持ちになってもらえるようなものにすること。作り手の意思を表出させるのではなく、ユーザーが恣意的に動いた結果、作り手の意思が共有されるものになるようにしなければなりません。

　またターゲットユーザーを特定することも必要でしょう。一人でつくるということは、リソースも限られています。ユーザーを特定し、その人が喜ぶものを真剣に考えるのです。そうすれば、ターゲットユーザーの心に響く作品ができるはず。とにかく自分の手を動かしてみること。それが面白い作品作りへの第一歩となるはずです。