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ERPプライムベンダーへこだわったコンサルタントの転職

上流から下流まで手掛ける日本総研ソリューションズへ

2006年7月に日本総合研究所から分社独立した日本総研ソリューションズは、コンサルテーションからシステムの構築・運用までをトータルに手掛ける。その強力なツールとしてERPを用い、プライムベンダーとしての実績を数多く挙げている。
(取材・文/須田忠博 総研スタッフ/高橋マサシ)作成日:08.02.04
日本総研ソリューションズ
応募したエンジニア 企業の面接担当者
宮下雄介さん(当時30歳)
宮下雄介さん
(当時30歳)
岡田吉男氏
ERP開発本部
第一ERP統括部長
岡田吉男氏
当時の職種
システムコンサルタント
募集職種
システムコンサルタント
業務内容
ERP導入のためのコンサルティング・カスタマイズ開発。
仕事内容
業務改革コンサルティング、情報システム化戦略策定、ERPパッケージ導入など。
職務経歴
大学卒業後、独立系の大手情報システム会社に入社。制御系システム開発業務、ERP導入業務をそれぞれ約4年ずつ担当。
応募資格
財務・管理会計、生産管理、販売管理およびインフラなどの業務に関する専門知識を有し、ERP導入・構築の業務経験がある方。
志望動機
ERPのプライムベンダーであり、かつトータルサービスを行う会社へ移りたい。
募集背景
事業の柱のひとつであるERP導入ビジネスを拡大させるため。
面接の流れ
人事部門で選考後、開発本部の統括部長クラスが選考する。
統括部長と専門別の部課長クラスの計2人で面接する。所要時間は60〜90分。
人事部長が面接する。所要時間は約30分。
※3次面接まで行う場合もある。
2次面接後、一両日中に連絡する。
【通過率:4〜5割】

【通過率:7〜8割】

Part1
職務経歴、プロジェクト規模
ERP導入のための詳細設計経験は4年間
岡田:
本日はわざわざお越しいただき、ありがとうございます。ERP開発本部の岡田です。どうぞリラックスしてください。
宮下:
はい。宮下雄介と申します。よろしくお願いします。
岡田:
【Point1】では早速ですが、最初にこれまでの職務経験の内容をひと通りご説明ください。
宮下:
私は大学を卒業後に○○○(大手情報システム会社)に入社し、現在も勤務しています。前半の約4年は制御系システムの開発で、主にプラントを制御するC/Sシステムを担当しました。
その後でERP事業部門へ異動し、導入カスタマイズの基本・詳細設計という、いわゆる開発処理フェーズを担当してほぼ4年になります。
岡田:
ERP部門に移ってからの宮下さんの実際の立場は、どのように変わってきましたか?
宮下:
当初は詳細設計をするSEでしたが、だんだんに何人かの開発者を率いるリーダーになりました。【Point2】現在は、詳細設計以降の開発プロジェクトを立ち上げてリリースするまでの、現場責任者です。
最上流工程未経験は転職理由への伏線
岡田:
【Point3】宮下さんが束ねるメンバー数はどのくらいですか?
宮下:
10人から15人といったところです。【Point4】なお、○○○という会社がERPでプライムを取れるのはレアケースですので、導入プロジェクトのすべてをリーディングした経験はありません。
岡田:
宮下さんが得意とする顧客の業界や業務は、端的に何になりますか?
宮下:
【Point5】財務会計です。そこをメインに担当してきました。
Point1
[面接官]職務経歴の説明は自己紹介を兼ねています。私としては、最初に人物像を見てみたいのです。
[応募者]何社目かの面接でしたから、出だしでもあがることはありませんでした。それに、私の職務経歴は単純明快なので、説明しやすいのです。その分、メリハリのない説明だったかもしれません。
Point2
[面接官]最上流のERP導入コンサル経験はないものの、カスタマイズ開発以降、リリースまで一連の業務を経験している。これは、当社にうってつけです。また、これだけのことができる以上、技術スキルとERPの知識は十二分に備わっているという判定もできます。
[応募者]ここがいちばんのセールスポイントだろうと思っていました。ここを評価してもらえなかったら、採用されるのは難しいと推測していたのです。
Point3
[面接官]リーダー経験の有無とプロジェクトの規模は必ず確かめます。入社後すぐ任せられる仕事に直結しますから。
Point4
[応募者]このひと言は余計だし、わざわざマイナスのイメージを付け加えているかのように思われるかもしれませんが、実はあとから志望動機を話すうえでの伏線、つまり転職を希望する理由なのです。触れないわけにはいかないというより、積極的に伝えたいと考えたことでした。
Point5
[面接官]当社のERPビジネスでは、会計と販売のモジュールに力を入れています。財務会計の即戦力なら願ったりかなったりです。
Part2
志望動機、貢献できる内容
(空)
(空)
総合力のある日系プライムベンダーを希望
(空)
岡田:
【Point6】今、転職活動をする中で弊社を志望する動機はどのようなものですか?
(空)
宮下:
【Point7】最上流のBPRコンサルティングからシステム運用保守まで、トータルにサービスを提供されている点に最も魅力を感じます。
例えば外資系のERPベンダーですと、上流工程にはとても強いという人はいますが、自分の提案が最終的にどうなったかまで立ち会う機会は、非常に少ないという印象を受けました。
私は上流から下流までのすべてに目の届く日系のプライムベンダーで仕事をしたいと考えており、御社を志望しています。
(空)
岡田:
弊社のようにトータルにサービスを行っている会社はほかにもあります。その中から弊社を選んだ理由を聞かせてください。
(空)
宮下:
【Point8】私の調査不足だと思うのですが、トータルにサービスする日系のERPプライムベンダーは御社しか目に付きませんでした。ERPのアワードを何年か続けて受賞されていますから、まずは御社に応募を決めたというのが正直なところです。
(空)
(空)
最上流から全体最適の形を考えたい
(空)
岡田:
転職先としてプライムベンダーに重きを置いていることはわかりましたが、「プライムを取る」ことのどんな点に魅力を感じているのですか?
(空)
宮下:
ERPを扱う醍醐味は全体最適を実現し、そのメリットを見られるところにあると思っています。たとえ自分自身は会計領域専門であったとしても、プライムベンダーならば全体が自社メンバーの手の内にありますから、目配りが可能です。
私の現職ではプライムが取れないため、ERPを扱っていながら会計モジュール単体しか見えず、全体最適のメリットに今ひとつ実感が伴わないわけです。会計を核として全業務領域とのつながり、全体最適の形を見られるようになれば、自分自身の成長のための刺激にもなるのではないかと思っています。
(空)
岡田:
なるほど、そうですか。では、お聞きしますが、もし弊社に入ったとしたら、どんな活躍が可能だと思っていますか?
(空)
宮下:
会計の領域については、上流から開発、リリースまで任せていただいて大丈夫です。それだけの経験は積んできました。
  【Point9】ただ、最上流のコンサルティング部分は未経験なだけに、当初は多少の戸惑いがあるかもしれません。集中的に勉強すれば追いつけるようになるはずです。
Point6
[面接官]志望動機は2つの点から考えます。ひとつには、応募者本人が期待する仕事の内容や会社の姿と、弊社が目指すベクトルとのマッチング度です。もうひとつは、転職したい本当の理由は何かという点です。
 
Point7
[応募者]実際の面接では、この言葉が印象に残るように話したことを覚えています。正真正銘、掛け値なしの志望動機でしたから。
Point8
[応募者]こう答えたとき、内心ではビクビクでした。同業他社のことはほとんど勉強していなくて、求人を見つけた会社から順に受けていけばいいと思っていたんです(笑)。
[面接官]新卒者の採用選考では業界研究を割と重視しますが、キャリア採用ではあまり影響しません。気になるのは入社後への期待と、その前段にある転職理由です。
Point9
[面接官]こういう言葉を聞くと、自己認識がよくできているし、意欲的でありながら謙虚でもあるという人物像が見えてきます。好印象を抱きました。
Part3
長期出張、失敗・成功体験、折衝力
客先常駐なので地方への長期出張もあり
(ここで岡田氏は、会社組織やオフィス環境、社風などについて説明した)
岡田:
 ところで、ご自宅から弊社までどのくらい掛かりますか?
宮下:
1時間弱です。
岡田:
現在の勤務先までの通勤時間はどのくらいですか?
宮下:
同じくらいです。
岡田:
弊社のERPビジネスではお客様のところで仕事をすることがほとんどです。現職ではいかがですか?
宮下:
【Point10】同じです。完全に顧客先常駐です。
岡田:
それは東京近辺ですか?
宮下:
ええ。東京の近くだけです。
岡田:
弊社のお客様は全国各地にあって、九州に本社を構える会社もあります。
【Point11】遠方への長期出張は大丈夫ですか?
宮下:
はい、問題はありません。プラント制御システムの開発を担当していたころは、長期間にわたって海外へも行っていました。
トラブル回避の理由は顧客の協力体制
岡田:
【Point12】これまでのERPの仕事で、いちばん記憶に残るものは何ですか?苦労した体験、冷や汗をかいた体験、予期した以上にうまくいった体験、何でも構いませんから挙げてもらえますか?
宮下:
そういう話ですと、ある完成車メーカーさんの特殊車両本部に、販売モジュールを導入したときの体験が忘れられません。本番が稼働して1週間後くらいに、インボイス(積荷明細書)が出力されないというトラブルが発生したんです。そのリカバリーができたのは、船の出航直前というギリギリのタイミングでした。
お客様からはものすごいプレッシャーをかけられて、生きた心地がしませんでした。あれは忘れがたい思い出です。
岡田:
そのリカバリーが間に合った、最大の理由は何だったと思いますか?
宮下:
【Point13】本番稼働時、お客様の業務担当者にずっと立ち会ってもらっていました。夜中の2時、3時までです。そもそもタイトなスケジュールで始まったプロジェクトでしたから、業務担当者には全面的に協力してもらう体制を作ってありました。
それが幸いして、障害を早く発見できましたし、実業務に支障をきたさずリカバリーできたわけです。お客様を最初から巻き込んでいなかったら、無理だったと思います。
Point10
[面接官]すんなりこう答えてもらえると、本当にカスタマイズ開発をやっているという裏付けになります。
Point11
[面接官]この質問に対して、遠方の顧客先に常駐するのは無理という答えが返ってきたとしても、そのまま採否に影響することはありません。入社直後の配属プロジェクトを念頭に置いて吟味することになります。
[応募者]面接を受けた当時は、希望にかなう仕事に就ける以上、どんな場所へも行くつもりでした。
Point12
[面接官]この質問の意図は、失敗体験ならば失敗を通じて得られた教訓、成功体験ならば成功のコツを聞き出すことにあります。たくさん凹凸のある体験をしている人ほど、役に立つ引き出しが多いものです。
Point13
[面接官]このエピソードからは協調性と責任感の強さがうかがえます。好ましく感じました。
客先担当者のポジションでわかる仕事の真偽
岡田:
そのプロジェクトでの立場はリーダーだったんですか?
宮下:
基本設計の終わりくらいのフェーズから、販売、会計、購買の部分の開発リーダーでした。
岡田:
【Point14】客先の担当者はどのクラスの方ですか?
宮下:
会計系は経理部長と実務担当者2人、販売系と購買系はそれぞれ課長クラスと実務担当者です。
岡田:
お客様と接する交渉ごとは好きなほうですか?
宮下:
はい。ただ、こちらをパートナーとみなしてくださるお客様はいいのですが、下請業者と見下すような企業体質のお客様の場合には、やはり苦手意識が生まれてしまいます。
岡田:
パートナーシップを結ぶために努力していることはありますか?
Point14
[面接官]回答が本人のキャリアと役割にふさわしい客先担当者でない場合には、職務経歴のどこかに偽りがあるとさえ推測されます。
宮下:
【Point15】特にはありませんが、私は好奇心が強いほうです。タバコを吸うので、喫煙所ではでいろいろ人に質問をして、雑談をしています。尋ねることによってコミュニケーションがよくとれているとは思います。
Point15
[面接官]お客様とのコミュニケーションは非公式の場面で深められるのが実際ですから、この答えはプラス1ポイントです。もちろんタバコではなく、お酒の場でも共通の趣味でも構いません。
面接官はココを見た!
●入社後の希望は明確か。
●ERP導入の全工程を手掛けたいと欲しているか。
●業務に必要な人物的素養を兼ね備えているか。
 転職理由や志望動機をもとに、入社後にかなえたい希望やビジョンを探る。それが明確か、経験を踏まえているか、自社のベクトルに合致しているかどうかをチェックする。実務面での希望では、ERP導入の全工程を手掛けたいと本心から欲しているかどうかを見る。一方、業務に必要な人物的素養に関しては、前向きの考え方や取り組み姿勢、メンバーや顧客とのコミュニケーション力、協調性、それに責任感の強さを特に重視する。
宮下さんはコレで決めた!
「堅そうな社風の会社かなと思い、私の性格に合うかどうかが不安でした。
しかし、面接を受けてみたらとてもフランクな雰囲気。
一気に不安が氷解しました」
 面接を受けるまでは社風が気になったんです。何となく堅そうな感じがして、私のキャラクターに合うだろうかと。しかし、それは杞憂でした。フランクな雰囲気だったんです。また、ERP導入の最上流工程から下流工程まで担当できることを面接で確信できたことも、入社の決め手になりました。まさに私の転職の目的でしたから。さらには、未経験の部分を明言したうえでの採用決定となり、最後に残った一抹の不安も払拭されました。
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高橋マサシ(総研スタッフ)からのメッセージ 高橋マサシ(総研スタッフ)からのメッセージ
SEやPM、あるいはコンサルタントには、「プライムに行きたい」「プライムを取りたい」と希望する人が多くいます。ただ、その多くは上流工程の仕事に就きたいという動機であり、「上から下まで見たいから」と考える人は少数派のような気がします。それと……確かに日本総研ソリューションズさんはフランクな印象でしたよ(笑)。

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