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名古屋の三菱航空機で今設計・開発が進む国産ジェット機「MRJ」。YS-11以来40年ぶりの旅客機全機組立、ジェット旅客機としては初の国産プロジェクトに官民挙げての期待が集まる。紙飛行機やラジコンを片手に、いつかは巨大な金属の塊を大空に飛ばせたいと思った、かつての工作少年たちよ。その夢が実現するときがやってきた!
(取材・文/広重隆樹 総研スタッフ/宮みゆき 撮影/栗原克己)作成日:08.09.17
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名古屋市港区大江町にある三菱重工業名古屋航空宇宙システム製作所・大江工場。地元の人や飛行機に関心のあるエンジニアには「名航(めいこう)」で通じる、日本における航空機機体や宇宙機器部品製作の一大拠点だ。かつてここでは、旧海軍の主力艦上戦闘機「零戦」が組み立てられていた。当時の三菱重工業は、中島飛行機と共に、戦前の二大航空機メーカーだったのだ。 戦後、名航が航空機事業を再開したのは1952年になってから。小牧南工場と共に、航空自衛隊向けのジェット戦闘機Fシリーズやヘリコプターなどを次々と生産し、戦後初の国産旅客機「YS-11」を生み出したのもこの工場だ。1970年代には小型ビジネス・ジェット機「MU-300」の開発も行われた。社内には、社屋の上空を試験飛行するMU-300の機体を見送ったエンジニアがまだたくさん働いている。 その名航を拠点に、今新しいプロジェクトがスタートしている。言うまでもない、日本にとって40年ぶりの悲願である国産ジェット旅客機「MRJ(Mitsubishi Regional Jet)」の生産計画だ。70−90席クラスの小型ジェット機で、最大航続距離は約3,300km、東京からだと上海や香港まで飛んでいける。 今、世界でジェット旅客機を生産・販売するのは、ボーイング、エアバス、ボンバルディア、エンブラエルの4社が主である。名航は、ボーイング社の次世代旅客機「787」の主翼部分を生産するなど、世界の旅客機メーカーの優秀なストラクチャーパートナーとして、旅客機製造のノウハウを蓄積してきた。 今後20年間のリージョナルジェットの市場予測
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