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谷甲州、瀬名秀明、竹内薫、中村航の本棚から厳選 技術に携わる人へ 元エンジニア作家推薦の小説20冊
エンジニアは日常的に技術書を読んでいるが、多くの場合は知識の吸収が目的。時間がないのもわかるけど、本を楽しむ純粋な「読書」もいいものだ。そんな気持ちから、元エンジニアの作家4人に、エンジニア目線で5冊を選んでもらった。たまには一般書のコーナーに行ってはいかが?
(取材・文/高橋マサシ 総研スタッフ/タニー只野)作成日:07.04.10
※価格はすべて税込みです。新刊書店では入手が困難なものも含まれています。ご了承ください。
エンジニアと技術が主人公のSF小説
谷 甲州
谷 甲州
日本を代表するSF作家。『終わりなき索敵』で星雲賞長編部門、『白き嶺の男』で新田次郎文学賞を受賞。著作は約80タイトル。大阪工業大学の土木工学科を卒業後、佐伯建設工業に勤務し宅地造成の施工管理などに携わる。
ネパールから投稿した作品が受賞し、作家の道へ
 建設会社に勤務して、宅地を中心に造成の施工管理をしていた谷さん。「現場監督」として住民の苦情処理に対応するうち、「これは技術屋の仕事ではない」と思い退職。その後、青年海外協力隊に応募してネパールに赴任し、宅地造成や灌漑工事の測量を担当した。
 高校時代から書き続けていたSFだが、「午後5時に仕事が終わった後はすることがない」との理由で書き上げた『137機動旅団』が、奇想天外新人賞の佳作に入選。帰国後は国際協力事業団(当時)の一員としてフィリピンに赴任するが、実質的な作家生活はこのころに始まった。
「私の書く小説には技術的な要素が多く入りますが、それは技術やエンジニアが好きだから。仕事で得た経験がとても役立っていますし、未知の領域であっても応用が利くんですね。また、全体的な構造をデザインしてから細部を詰めていく執筆のスタイルも、技術畑出身だからでしょうね」
専門家でも見抜けないうそを書くのがSF
 読書でも「何らかの形でエンジニアが出てくる本」が好きだという谷さん。そんなSF作品を紹介していただいたが、SFを書く醍醐味は「専門家でも見抜けないうそをつくこと」だそうだ。
「大うそは書いてもいいけど、小さなうそではきっちりつじつまを合わせなくてはだめ。ストーリーが決まらなくても、それだけは必ず守っています」
 最近の労作には小松左京氏と共著の『日本沈没 第二部』がある。2003年暮れからプロジェクトがスタートし、取材と調査に当たってきた。脱稿が刊行の2週間前だったという苦難(?)を乗り越え、第三部の話も進んでいるとか。
「SFは面白いですよ。エンジニアの方なら特にそう感じるはず。『第三部』はわかりませんが(笑)、ぜひいろいろな本を読んでみてください」
日本沈没
日本沈没
小松左京
小学館
2005
上下巻とも\600
日本のSF小説の名著
 初刊は1973年ですが、昨年映画化されて再び話題になったベストセラーです。小松先生と私とで「第二部」を書いた際に何度も読み返しましたけど、そのたびに新しい発見があるんですね。ストーリーはもちろん、技術的・地球物理学的な裏づけにも注目してほしい1冊です。
バビロニア・ウェーブ
バビロニア・ウェーブ
堀晃
創元SF文庫
2007
\924
復刊された日本のハードSF
 全長5380光年というレーザー光束定在波「バビロニア・ウェーブ」のエネルギーを手に入れるという、スケールが大きく理論的にも重厚なハードSF。堀さんはもともと機械工学のエンジニアで、先輩作家でもあります。もっと作品を読みたいのですが、原稿の遅い人なのが残念です(笑)。
渇きの海
渇きの海
アーサー・C・クラーク
深町眞理子訳
ハヤカワ文庫
2005
\903
巨匠が魅せる技術のSF
 SF界の大御所であるクラークの代表作のひとつで、技術100%の作品。月面の塵の海に沈んだ観光船の話で、塵は砂よりも軽い粉体(細かな固体だが性質はむしろ液体に似ている)。あらゆる状況設定や救助の描写が非常にリアルで科学的です。人類が月に住むようになっても、変わらずに面白く読める本だと思います。
星を継ぐもの
星を継ぐもの
ジェイムズ・P・ホーガン
池央耿訳
創元SF文庫
1998
\693
人類の謎を解くSFミステリー
 月面で発見された死体が5万年前のものだったという導入から始まります。技術よりミステリーに寄ったSFで、一日はなぜ24時間か、地球人はどこから来たのかなど、約100万年の間の謎を解いていく壮大な物語です。ホーガンのデビュー作で初刊は1977年ですが、その後も何冊か続編が刊行されています。
女王陛下のユリシーズ号
女王陛下のユリシーズ号
アリステア・マクリーン
村上博基訳
ハヤカワ文庫
1992
\882
海軍魂とメカの醍醐味
 第二次大戦中のイギリス巡洋艦を舞台にした冒険小説です。極限状態での乗組員たちの奮闘ぶりもいいですし、メカの性能を最大限に発揮させて困難に立ち向かう点でも、エンジニア向きではないでしょうか。ストーリーテリングの面白さを味わってください。
日本沈没 第二部
日本沈没 第二部
小松左京・谷甲州
小学館
2006
\1,890
谷さんのおススメ自著
 上記『日本沈没』の、33年ぶりに刊行された続編です。国土を失った日本人たちの25年後を、地球物理学や情報工学などを駆使してシミュレートしています。現実の世界における日本と日本人を、作品世界に投影することで「日本とは何か」を問い直す試みでもあります。未読の方は、この機会にぜひ。
エンジニアの内面をくすぐり、刺激する小説
瀬名秀明
瀬名秀明
東北大学大学院薬学研究科在学中に書いた『パラサイト・イヴ』で、日本ホラー小説大賞を受賞。宮城大学看護学部の講師などを経て、2006年より東北大学機械系の特任教授を務める。小説のほかに科学系の著書多数。
研究者としての経験が独自の世界を生む
 東北大学大学院薬学研究科在学中に書いた『パラサイト・イヴ』が大ベストセラーとなり、一躍人気作家となった瀬名秀明さん。もともと「純粋に細胞生物学が好き」で、基礎系の研究者の道を進もうと思っていた瀬名さんだが、運命の導き(?)によって臨床薬学の講座に配属となり、現場の薬剤師や医師たちの仕事に接することになる。これが転機となり、現在の小説手法にも活かされたと語る。

「僕の小説には前半で事象を細かく描写して、後半ではそれを社会に向けて広げていくケースが多くあります。前半部では細胞を顕微鏡で見るような基礎的な研究経験が、後半部では医師と対話を重ねながらクスリを科学するという、社会とつながる臨床薬学の研究講座での体験が役立っているのだと思います。実は当時は、『あんまり臨床の科学って面白くないなあ』と思っていたのですが(笑)」
 近年ではロボットや科学に関する著作も多い。そのきっかけは、ある出版社から「ロボット研究者を訪ね歩く記事を書いてほしい」と頼まれたから。専攻が違うと躊躇する瀬名さんに編集者は、「同じ理系だから大丈夫だよ」。
脳の全てを使って読まれる小説が書きたい
 思いがけず、ロボット研究者の多くは生命科学に非常な感心をもっていた。彼らにシンパシーを感じた瀬名さんは、貪欲にこれらの分野に入っていく。ここ1〜2年、ロボット研究者と話していて強く感じることは、脳科学の進歩だという。
「例えば、脳の扁桃体は以前なら恐怖を感じる単純な部位と思われていましたが、社会的な文脈の中で複雑な情動を制御する部分ではないかと考えられ始めました。社会という人文・社会科学の問題が、脳という自然科学にリンクしてきているんですね。また感情にしても、『喜怒哀楽』だけでなく『せつない』や『物悲しい』など高度な感情もあって、それぞれの感情で脳の働きは違うようなのです。脳が及ぼす人間社会への影響、そのヒントが出てきています」
 エンジニアに薦める小説を、エンジニアの感情に紐付けながら、1冊ずつ選んでくれた瀬名さん。彼の目標は、単純に読んで泣くのではなく、「人間らしい脳の働きをフルに活性化させて読んでもらえる小説」を書くことだ。
飛べ!フェニックス
飛べ!フェニックス
エレストン・トレーバー
渡辺栄一郎訳
酣燈社
1968
\430
エンジニアの底力が不可能を可能に
 砂漠に不時着した双発機を、乗組員たちが単発機として再生させて脱出を試みる物語。その提案者が飛行機の技術者で、エンジニアの底力がわかる小説です。残念ながら絶版で、ネットで古書を探して買いました(写真)。最後までハラハラドキドキさせる展開は、私の一押しです。
リスクテイカー
リスクテイカー
川端裕人
文春文庫
2003
\760
開発を着地させる気持ちに類似
 ヘッジファンドの小説です。お金の価値はほかのお金でしか測れないこと、バーチャルを重ねた電子マネーの根拠のあいまいさを教えてくれます。エンジニアは開発したものを物理的にグラウンドさせて実現させますが、どこかで似たような不安定さを感じているかもしれません。
闇の奥
闇の奥
コンラッド
中野好夫訳
岩波文庫
1958
\483
主人公に見る「エンジニアの葛藤」
 映画「地獄の黙示録」の原作となった小説です。純粋な理学と違ってエンジニアリングとは、自分の技術を社会という異文化と融合させていくものだと思います。だから葛藤も生まれる。アフリカの奥地に王国を作った男を追う主人公が「文明」について考え、悩む姿は、そんなエンジニアと重なります。
天空の蜂
天空の蜂
東野圭吾
講談社文庫
1998
\880
エンジニアチックなテロ小説
 遠隔操作の無人ヘリコプターを使って原子力発電所を脅迫する話で、原発の安全性を浮き彫りにしています。原発の推進派と反対派の双方から評判が高いらしく、両者の論理が入っていると改めて実感しました。原発の構造などにも詳しく、特にエンジニアにお薦めします。
鏡地獄
鏡地獄
江戸川乱歩
所収:鏡地獄−江戸川乱歩怪奇幻想傑作選
(C)角川ホラー文庫
1997
\714
乱歩の想像力を実証できるか
 子供のころに読んで非常に恐怖した小説です。最後のシーンで主人公が何を見たのかは、エンジニアなら気になるところでしょう。何人かのバーチャルリアリティの専門家に話を聞きましたが、だれも正確には答えられず、私はようやく物理学の本から解答を得たのです。皆さんも考えてみてください。
パラサイト・イヴ(新装刊)
パラサイト・イヴ(新装刊)
瀬名秀明
新潮文庫
2007
\780
瀬名さんのおススメ自著
 この作品で第2回日本ホラー小説大賞を受賞しましたが、実は叙述トリックのミステリー小説で第1回目に応募し、最終選考前に落選しました。悔しくて、「今度は自分の専門分野で」と初めて書いた科学系の小説だったのです。第1回で受賞していたら、ミステリー作家になっていたかもしれませんね。
日本語の美しさとリズムを教える小説
竹内 薫
竹内 薫
ベストセラー『99.9%は仮説』の著者であり、湯川薫の筆名で『百人一首 一千年の冥宮』などのミステリーも執筆。カナダマギル大学留学時代に、広告マーケティング用システムの開発に携わる。
4月よりJ-WAVE「JAM THE WORLD」のパーソナリティも努める。
大学院時代に開発したシステムは数千万円
 大学時代には科学史、科学哲学、物理学などを学び、卒業後はカナダのマギル大学に留学。哲学と物理学を学んで大学院博士課程を修了するのだが、その間に大規模なシステム開発にひとりで携わっていた。
「日本の大手広告代理店が発注元の、どの時間帯でテレビ広告を打てばコストを含めたパフォーマンスが上がるかなどを調べるソフトの開発です。小さなカスタマイズを重ねていったので、現地で3年ほど続けていましたかね。留学費用の足しにと思って(笑)」
 実は「足し」どころではなく、開発費をすべて含めてのギャランティーは合計で数千万円。プログラマとしてのスゴ腕が想像できる。帰国後も続けていたが、同時に本格的な作家活動も始め、軌道に乗った1996年に一本立ちした。
「それまでの知識と経験が現在の僕の源ですね。大学院修了時に32歳だったので、研究者の道に進むには少々遅い。そこでもうひとつの夢だった作家を目指しました」
日本語の文体、その美しさを堪能してほしい
『99.9%は仮説』で知られ、日本テレビ系「NEWS ZERO」のコメンテーターとして活躍する竹内さんには、湯川薫というミステリー作家としての顔がある。『百人一首 一千年の冥宮』などが代表作でミステリーファンからの評価も高い。
「ごめんなさい、今書いているのは科学小説です(笑)。科学がわかる実用小説とでも言うのかな。私が出した企画で6月に刊行予定です」
 多方面にフィールドを広げる竹内さんはマニアックな読書家でもある。特に好きなのが「日本語の文体の美しさが感じられる本」で、そうした書籍を紹介していただいた。
「ここに挙げた鏡花や荷風の小説には女性が出てくるので、ユングのアニマ(男性がもつ女性的な心理)に共鳴しているからかも。オススメした小説の、女性の感想を聞いてみたいですね(笑)」
照葉狂言
照葉狂言
泉鏡花
所収:泉鏡花集成3
ちくま文庫
1996
\1,155
文体の美しさはやはり鏡花
 鏡花の代表作は『高野聖』と言われるけど、「鏡花読み」の僕からするとこっちです。文語調ですが文体が美しくて幻想的。極端に言えばストーリーなんてどうでもいいので(笑)、ゆっくりと読んで、日本語のリズムを味わってください。鏡花では『龍潭譚』もオススメです。
ぼく東綺譚
永井荷風
岩波文庫
1991
\483
荷風が描く日本の情緒
 繰り返し読んでいる本の1冊です。下町を舞台に小説家と娼婦の出会いと別れが描かれていますが、日本情緒が豊かで、二人の心が現実世界とは別の世界でつながっていると感じられます。川端康成の『雪国』も似た設定ですが、こちらも大好きで、講座の教本に使っています。
銀河鉄道の夜 第三次稿
銀河鉄道の夜 第三次稿
宮沢賢治
所収:宮沢賢治全集7
筑摩書房
1985
\1,050
ライブ感のある第三次稿
 全集をすべて読破した「賢治読み」からすると、一般的な第四次稿はきれいに整理されていて、第三次稿はイキイキしている。例えば、三次稿の「ブルカニロ博士」は四次稿ではただの「博士」という表記になっていることなど、同じ作品でも印象は違ってきます。その違いを楽しんでもらえれば。
エロチック街道
エロチック街道
筒井康隆
新潮文庫
1984
\500
筒井の文章力の凄みを証明
 筒井さんというとドタバタやパロディといったイメージもありますが、この作品は全然違う。幻想的な文体の美しさはピカイチで、読んで背筋がゾクゾクしました。僕もこんな文章が書きたい。かなり短い短編が集められた1冊なので手軽に読めますし、表題作以外も面白いですよ。
ロング・グッドバイ
ロング・グッドバイ
レイモンド・チャンドラー
村上春樹訳
早川書房
2007
\2,000
村上訳から原著へどうぞ
 原著で読んだのですが、今年出た村上春樹訳を清水俊二訳(「長いお別れ」ハヤカワ・ミステリ文庫)と比べると直訳に近いんですね。だから、村上訳から入れば原著を読みやすい。日本語ではないですが原著のリズムを感じてください。ちなみに僕は関連本も集めているチャンドラーおたくです(笑)。
仮説力
仮説力
竹内薫
日本実業出版社
2007
\1,365
竹内さんのおススメ自著
 最近僕が力を入れているのがビジネス書です。日ごろから、頭の中にたくさん仮説をもっていると、いざというときに慌てず対処できます。スポーツ選手のイメージトレーニングに似ています。会議で想定外の質問が飛んできても、仮説思考に慣れていれば、問題ありません!
何を読んでいいかわからない人への入門書
中村 航
中村 航
『リレキショ』で文藝賞、『ぐるぐるまわるすべり台』で野間文芸新人賞を受賞した、注目の新進若手作家。工業大学で情報工学を学び、卒業後はF写真光機(当時)で感材機器の工程設計などを担当。
登場機会の少ないエンジニアを主人公に
 大学卒業後に入社した感材機器メーカーでは、工程設計部門に配属。機器開発の工程改善などに6年間従事した。中村さんの作品にエンジニアが多く登場するのは、ここでの経験が大きい。
「小説に出てくる職業は刑事だったり営業だったりさまざまですが、エンジニアは割と少ない気がする。現場を知らないと書きにくいんでしょうね。僕はSE的な仕事もしていたので、生のエンジニアの姿をわかりやすく読者に伝えたいと思っています」
 実は中村さんが就職先にメーカーを選んだ理由は「早く帰りたかったから」。高校時代から続けていたロックバンドの練習時間がほしかったのだ。しかし、27歳でバンドをやめ、29歳で会社を退職し、その後の1年間を執筆活動に充てた。こうして生まれたのが文藝賞受賞作の『リレキショ』だ。
モノづくりができれば小説は書ける
「小・中学校で先生に作文をほめられたことを思い出して、書けるんじゃないかと、いきなり思いました(笑)。作曲もしてきたし、技術的なモノづくりも同じ。創作活動でしょ」
 技術も執筆も、要素とロジックがあって結果が出るのは同じこと。人物や状況の設計をして情報を与え、「人物を動かす」。その過程に「ひらめき」のようなものも介在するが、それもモノづくりと一緒だ。
「仕事のすごいところは、やる前には無理だと思っていたことが、手探りで進めるうちにいつの間にか完成していること。小説も同じなんです。例えば上司から、『1年かけて小説を書け』と言われたら、できるでしょ(笑)」
 そんな中村さんのお薦めは、文学、詩、時代小説などのジャンルごとの入門書。わかりやすい本から入って、読書の楽しさを知ってほしいという。
きりぎりす
きりぎりす
太宰治
新潮文庫
1991
\500
気軽に読めるコミカルな太宰
 太宰には『人間失格』のイメージが強いと思いますが、「おわかれ致します」という女性の独白で始まるこの作品は、吹き出してしまうほどコミカルです。とても読みやすい短編で、太宰の入門書にもなると思います。太宰の作品は誰が読んでも面白いのではないでしょうか。
月に吠える
月に吠える
萩原朔太郎
(c)角川文庫
1999
\567
大正期に書かれたモダンな詩集
 日本には詩を読む習慣があまりないので、ぜひ薦めたい1冊です。朔太郎は大正・昭和初期の詩人ですが、そのモダンさに驚かされます。時代背景を考えながら読むと面白さが倍増しますよ。太宰治や宮沢賢治もそうですが、朔太郎もキャラが立っていて、読むと作者像が浮かびますね。
下町の女
下町の女
平岩弓枝
文春文庫
1979
\500
さびれゆく花柳界を舞台にした人情物語
 東京・下谷に生きる母と娘の物語で、ホロリと泣ける小説です。歴史上の人物が活躍する歴史小説は今でも人気があるけど、江戸の人情話の流れをくむ、こういった小説も面白いと思います。今は場末と下町が混同されちゃってますが、それを間違えないためにもぜひ。駄菓子屋さんがあれば、何でも下町じゃないですよ。
スティル・ライフ
スティル・ライフ
池澤夏樹
中公文庫
2000
\500
理系作家の新しい純文学
 理系の純文学といったら池澤夏樹さんが思い浮かびます。友人の存在を物理的な広がりの中で表現している作品で、不思議な感覚の詩的な小説です。同時収録の「ヤー・チャイカ」もいいですね。娘の日記のような文章と現実が交互に出てくる構成が気持ちいいです。
ぐっとくる題名
ぐっとくる題名
ブルボン小林
中公新書ラクレ
2006
\756
入り口が多様なエッセイ
 題名論をうたった新書なんですが、エッセイとしても楽しめます。「ゲゲゲの鬼太郎」「ツァラトストラかく語りき」など、小説、マンガ、楽曲、ゲームなどの55のタイトルについて分析しています。ただ、それに終わらず、タイトルから文学論やゲーム論へ進んでいる。読書にはこうした入り口もありますよ。
絶対、最強の恋のうた
絶対、最強の恋のうた
中村航
小学館
2006
\1,365
中村さんのおススメ自著
 三人の男の炸裂する友情と、静かに進んでいく恋が、天に向かうスパイラルのように昇華していく。普段本を読まない人にも、読む人にも、すべてのこの星の若者に読んでほしい。結構、面白いと思うのですが、もし読んで面白くなかった、という人がいるなら会ってみたい。いや、会いたくはないな(笑)。
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タニー只野(総研スタッフ)からのメッセージ タニー只野(総研スタッフ)からのメッセージ
記事で紹介しきれなかった作品がいくつもあります。諦めきれないので、ここでもう一作品だけご紹介させてください。それは谷甲州先生がお勧めしてくださった『高熱隧道(吉村昭)』。自然の脅威に立ち向かう、技術者たちの熱い闘いを描いた名著です。作中の現場見学を検討している、今日このごろです。

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