SEなら、やっぱベンチャーで修業すべきだよね？

大企業で歯車になっちゃったら、新しい技術にもチャレンジできない。ならベンチャーでバリバリと、技術やキャリアを身につけさせてもらいましょ！そう考えるSEも世の中少なくないのだとか。でも、待って！スキルアップは会社で変わるものなの？きたみりゅうじがそこんとこぶった切ります！

（イラスト・文／きたみりゅうじ　総研スタッフ／宮みゆき）作成日：06.10.11

　ベンチャーだぁベンチャーだぁと、この業界なら特に耳にすることの多いこの言葉。いわゆるベンチャー企業という「新技術や高度な知識による、創造的な事業展開の中小企業」を指すものです。むぅ、いかにも進歩の早いこの業界では、羨望のまなざしを一身に浴びそうではありますね。
　じゃあスキルアップを望むのであれば、やっぱそうしたベンチャー企業に入るのがベストだよね？……なんて風潮もそこかしこに見受けられたりもして。でも本当にそうなのかしら？　大企業にいちゃ、おもしろい仕事はできないよねってなっちゃうの？　さてさて、それは以降の物語をご覧あれ。


なんだか「ベンチャー＝最先端」という風潮があったりいたしますが、最先端の研究なんていったら、それこそでっかいとこのほうが潤沢に金かけてやってたりするんですよね。なのでベンチャーといったら、そこでは実現できないナニかがあってこそはじめて夢が見られるもんで、「自分にナニができるかわかりませんが、ベンチャー企業でスキルアップさせてもらって頑張ります」というのは少しばかり違うように思えるのです。　ナニができるかわからんのだったら、まずはでかいとこで勉強させてもらえばいいのに……と。でっかいとこはあれですよ、やっぱ教育にかけることのできるコストが違ってきますものね。じゃあでかいとこがいいのかと言えば、そう短絡的に決めるのもこれまた違う話。最先端のことやってても自分にお鉢が回ってくるとは限りませんし、教育環境がいいといっても、そこで本当にすべてが学べるわけでもありません。　結局のとこは「何の勉強がしたいのか」に応じて、それを学べる環境に進むというのが吉なのでしょう。あ、そうそう。日本の場合は「ベンチャー」という名の、零細孫請け中小企業が存在してたりしますので、これにはどうかご注意を。

Dr.きたみりゅうじ

ソフトウェア開発会社にて約７年間、企業システムの営業・設計開発、Windows向けパッケージ商品の企画開発などに従事。現在は、フリーのイラストレーターおよびライターとして活躍中。SE時代の七転八倒を描いたコミックエッセイ『新卒はツラいよ！』、『改訂版図解でよくわかるネットワークの重要用語解説100』が現在好評発売中。

http://www.kitajirushi.jp/

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宮みゆき(総研スタッフ)からのメッセージ

大手企業で働くのがいいのか、ベンチャーがいいのかは本人次第。大手でしか経験できない大規模プロジェクトや、ベンチャーだからこその実現力の早さなどさまざまなメリット、デメリットはやはりありますよね。私の実感値としては、若いころはベンチャーの自由さに憧れ、中堅・ベテランになるにつれ、大手の安定に憧れるようになるのでは……？　皆さんはどっちがやりがいがあると思いますか？